ピンズ屋のひとりごと

オーダーメイド専門のピンズメーカー「ピンズファクトリー」のスタッフが、交代で日常を語っていきます。

しまむらの乱

2018-09-14 09:52:42 | Weblog
先日、私は妻の意向に沿って
ファッションセンターしまむらに行きました。

お値打ち価格の商品が圧巻の品揃え!
私もつい紳士売り場を物色。

そこでも当然、衝撃的なお値打ち価格。
ほとんどが500円前後で買えるものばかり。
そうして、ちょっと感動しながら目移りしていると、
近くにいたご夫婦が私の目の前で何か言い争っているではないですか。

「わたしが良いと言っているのに、なんで買わないの?
 いいじゃない、安いんだから。」

「(買わないで)いいんだよ!」

この際、日常のアイテムを買ってしまいたい奥さん。
いやいや、ここは熟考すべきと旦那さん。
いざという時の経済観念の違いが生む争い。

分かる。
分かり過ぎるほど分かるその気持ちと心構え。

しかし。

ファッションセンターしまむらの商品単価から推測するに。
休日の午後の有意義なひとときを、
そして夫婦水入らずの素敵な週末を、
一瞬で台無しにしているのはたかが数百円のことなのです。

だって、例えば紳士用靴下2足180円ですよ。

そのお値打ち価格のわずか数百円で夫婦がもめる。
国の防衛費(軍事費)がいくら上がった問題なんかと比べれば
あまりにもスケールが小さい争い。
“ちゃいちー”と茶化して言っても良いでしょう。

やめましょう。
ファッションセンターしまむらでもめるのはよしましょう。

夫婦もめずに仲良く過ごせることは、
お値打ち価格の数百円では買えないほど素敵なことじゃないですか。

そんなメッセージを黙して送りながらその場を後に私はレジへ。
カートの中の自分の買い物を振り返ると、
ブランドシャツに今さらながら躊躇。

それを妻に相談すると。

「なんで?いいじゃない、安いんだから」
「いや、でもなあ…」

ハッ!
このやり取りはどこかで見た事が…。

私は間髪いれず
「ファッションセンターしまむらでもめるのはよそうぜ」
ともめ事のスケールの小ささを妻に諭したのでした。

もめる原因は数百円。
買ったシャツの着心地はプライスレス。

夏から秋へクロスフェードするこの時期。
Earth, Wind & Fireの「SEPTEMBER」が流れる街中を
私達は家路へと向かったのでした。


小林朋広



PINS FACTORY(ピンズファクトリー)は
オリジナル・デザインのPINS(ピンズ・ピンバッジ・ピンバッチ)を
受注製作する専門メーカーです。
http://www.pins.co.jp
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