前回の森康二に続いてもうひとりのやすじ、花森安治について。
1948年に創刊された「美しい暮しの手帖」から63年、名前は暮しの手帖に
変わりましたが、いくらでも豊かに、また底なしにないがしろにできる、暮しという
時間を真摯に見つめ続けてきた雑誌の創刊者&初代編集長、花森安治。
花森安治
ワタシと暮しの手帖の出会いは、子どもの頃に遡る。
母が生協(彼女はコープさんと呼ぶ)から毎号取り寄せていたのである。
あれから20年程経ったけれど、今でも覚えているのが子供心にこんなこと書いてええんかいな!?と衝撃が走った、“商品テスト”である。
洗濯機なら洗濯機、皮むき器なら皮むき器、異なったメーカーの同じ商品を集め、
あくまで暮らしの中で使う方法にのっとり、その商品をテストするのだけど、
超一刀両断。やや使い辛い、おすすめしません、買わない方が良いでしょう等など、
他の雑誌にありがちな、スポンサーご機嫌伺いまるでなしのレビュー。
今なら広告を一切挟まないスタンス故にできる企画なことがわかるのだけど、
広告無しで雑誌を60年以上発行できることも、それはそれで驚きである。ハイホー!
戦中に物質的にも心情的にも極限まで抑圧された暮しを体験し、自身も国策広告を作ることでその一端を担ったことによる
自責も大きかった花森安治が、戦後から亡くなるまで作り続けた、やや偏狭的な美しい雑誌は松浦弥太郎に引き継がれ、2ヶ月に一度我家の郵便ポストに届く。
残念ながら我家は狭く住人は怠惰なので、暮しの手帖的美しい暮しはなかなか実現しないのだけど、
ページを繰っている間はワタシの日々において豊かな一時である。
おハナでした。
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