ホラー映画には“殺されるパターン”があります。
例えば、イチャイチャしてるカップルは劇中序盤に殺される、とか。
うんざりするほど大きな声を上げるヒステリック気味の女性は一瞬で殺される、とか。
他人を犠牲にして自分だけ生き残ろうとする卑劣な男は死に様が無残だ、とか。
必要以上にイニシアチブを取ろうとする自己中心的な男性は
まざまざと恐怖を見せつけられた挙げ句に殺される、とか。
これって映画を観ている多くの人が不快感を感じないための演出だと思うのです。
…たぶん。
誰だって人が死ぬのを観るのは嫌なものですが、
その嫌悪感を軽減するためには
なるべく不道徳な奴をこさえる必要があるのですね、きっと。
悲劇的な死を遂げた先代の家主の空き家に興味本位で忍びこんで
「構わないさ~!」とか言いながら
不謹慎にもイチャイチャするカップルに対して、
やはり観ている大半の人は「お前ら、それダメだろう!」と思うわけです。
そして裁きを受けるが如く躊躇なく殺される、と。
その他にやたら大声出したり、
他人を平気で犠牲にしたり、
自己中心的な行動をとったり、と。
これらは小さい時から不道徳だとして
誰もが良心にたたき込まれていますよね。
そういった価値観に反するものには違和感を覚えるというか。
そのような不道徳な者には制裁を加えたいとか。
そう思うとホラー映画っていうのは、
人の心の中の残酷な思いや願望を
とても分かりやすく反映している映画なのかもしれませんね。
なんだか怖い話ですが。
でも願望は残酷なものばかりではありません。
それは“殺されないパターン”があるからです。
子供などの社会的弱者や正義感とか純真さなどの美徳を持つ者は
殺されずに済んだり、克服して生き延びたりするということです。
美しい心や正義を持った者が子供や社会的弱者を守る、
そんな正しい社会を未来永劫受け継いでいって欲しい。
そういった願望を表しているのかもしれませんね。
復興を目指す日本もそうありたいと願います。
小林朋広
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