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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 吉野下市ピンクの彼岸花(042)
吉野の下市町のYにピンクの彼岸花が咲いているという
新聞記事を読んだ。
あの毒々しい赤色と、髪を振り乱したような姿には、
どうも馴染めぬ。
イメージも悪い。
その花がピンク色だという。
私は、珍しいもの見たがり屋の一員でもある。
野次馬根性が旺盛なのだろう。
165号、168号を通って下市町にゆく。
Yに着いたが、2~3人の人に聞いても、誰も知らないという。
道端に咲く花の場所など、
よっぽど花好きでないと知らないのだろう。
薬局があったので入った。
ちょうど目薬を切らしていたので、
「OA用の目薬を下さい」と言った。
「そんなものは、置いていても売れないので無い」という。
残念なようで、ホッとしたような気分。
まだ、ここまでは、OA化の波は押し寄せては
来ていないようだ。
ついでに、記事のことを聞いてみたが知らないと言う。
この村に、そういう事に詳しい人がいるので、
聞いてあげると電話を掛けてくれた。
つづく
あ@仮想はてな物語 吉野下市ピンクの彼岸花 (2/3)
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その場所は、私が、つい先程素通りした所だった。
数100m手前の道路脇である。
赤い彼岸花の群れの中に小さくなって、
所々に固まって咲いている。
本当に淡いピンク色であった。
誰かが既に数本折って持ち去っていた。
観賞用に飾る国もあるらしい。
所変われば、である。
最近では、種子も特許の対象になっているので、
私もスケベ心を出してその球根を一つ頂こうと思った。
しかし、道具は何も持っていなかった。
素手で茎の根元を掘ろうとした時、滑って転んだ。
一瞬、電流のようなものが走った。
さわらぬ神に祟り無し。
もう、掘ることは止めて写真だけ撮って帰ることにした。
サヤカに跨がり来た道を一目散、帰るのみである。
見た満足感が、ほんのりと拡がる。
快適な気分である。
おかしい!
サヤカが、だんだんと山奥に入って行くではないか。
来た道には少なくとも人家が視界内にあったはずなのに、
それが全然見当らなくなってきてくる。
道路が舗装されているのが、せめてもの気休めとなる。
そのうち、小雨もパラついて来た。
すぐに引き返せばよいものを、道があれば行ってヤレという、
アホな性分が擡げてくる。
気が付いたときには、何処をどう走っているのか、
検討がつかなかった。
もちろん、地図など持ってない。
だんだんと日も暮れてくる。
人にも車にも会わない。
周囲1km以内に人は居ない筈なのに、
サヤカに話しかけても応えがない。
つづく
あ@仮想はてな物語 吉野下市ピンクの彼岸花 (3/3)
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しまった!
もう少し前に引き返すべきだったと悔やんだが後の祭り。
4~5時間も、雨の山中をウロついていたのだろうか?
[ああ、凄い魔力!]
突然、サヤカが話し掛けてくれた。
彼女も、ピンクの彼岸花の魔力に翻弄されていたと言う。
[私は切れたが、人間の貴方には数日残るだろうから、
気をつけなさい。
帰りは、私がOさんの許へ連れ戻してあげましょう]
と言ってくれた。
サヤカのお蔭で何とか無事に家に辿りついた。
それから、2~3日は、会社でも家でもチョンボばかり。
上司からは白い眼で見られるし、Oさんからは、
お目玉食らうし、
40越えても惑うことのオンパレード。
あーあ!
彼岸花 ピンクの姿も ご一興
そぼ降る小雨を ひっそりキャッチ
ち ふ
この項おわり
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