絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語(逸話) 五ヶ所湾太平洋は、きらめきて (1/3)

2019-02-04 13:03:36 | 仮想はてな物語 


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 * 五ヶ所湾太平洋は、きらめきて(041)


 165号、23号を通って伊勢道路に入る予定であった。
 季節は初夏。
 夏休みに志摩の民宿に一泊する家族の為に、
 下見に行くことにしたのだ。

 内宮のあたりで道を間違えて、
 とんだ峠越えの山路に入りこんでしまった。

 途中サイクリング中の二人の中学生に出会ったので、
 道を聞くと、このまま進めば五ヶ所湾に出られるという。


 舗装もしていない道が続く。
 木々がうっそうと茂っていてうす暗い。
 道幅も狭い。
 軽自動車同士でも、すれ違いは難しそうだった。



つづく

あ@仮想はてな物語 五ヶ所湾太平洋は、きらめきて (2/3)


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 五十鈴川沿いに走っている。
 ひんやりとして寒い。
 20kmぐらいのスピードで、ゆっくりゆっくりと進んでいく。
 対向車にも会わない。

 中学生の言葉を聞いていなかったら、
 即、引き返したいような道だ。
 蝮や蛭が、今にも飛び付いて来そうな感じがして、
 そんなことを想像するだけでも、
 背筋がぞくぞくとしてくる。
 何としても抜け切らなければならない。

 [行くぞ、サヤカ]
 サヤカは答えない。
 こんな山のなかにでも1km以内に人が居るのだろう。
 誰かが山仕事でもしているのだろうか?
 わずか20kmあまりの道程なのに1時間以上かかった。
 目の前に五ヶ所湾が見えた時には、ホッとした。
 ドライブ・インでカツカレーを食べ時間を見たが
1時過ぎであった。

 民宿を見て帰っても、十分時間が余りそうだったので、
 国道260号を離れて、海岸沿いの小道に入った。

 太平洋は穏やかだった。
 海面がキラキラキラッと光り輝いている。
 私は、サヤカのエンジンを切り、海岸を歩いてみようと思った。

 その時である。
 [キー切らないで!]



つづく

あ@仮想はてな物語 五ヶ所湾太平洋は、きらめきて (3/3)



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 サヤカが、突然叫んだ。
 [私、泳いでくる]
 ぱっと女性になった。

 ワッ、裸だ!
 見てはならない。
 そう思ったが遅かった。
 サヤカは、15~6才の感じがした。
 乳房がこんもりとしか盛り上がっていない。
 すぐに目を逸らす。

 私は、目が潰れるのではないかと思った。
 Oさん以外の女性のそういう姿を見るのは悪いことだと、
 思っている。

 何故、悪いのか?
 それは、私自身よくは分からない。
 しかし、Oさん以外の女性に女性を感じるのは
悪いことだと思う。
 そういう心の動きはコントロールすべきものだと
思い込んでいる。
 それがOさんに対する私のせめてもの礼儀だと
思っているのだ。



 でも仕方なく、サヤカの裸を見てしまった。
 見てしまったものは、どう仕様もない。
 サヤカも悪いのだ。
 私がオッさんでも、男であるのを忘れてしまって、
 あんな事するものだから。


 サヤカは、私がOさんを初めて知った年頃の女の子だった。
 私は、その頃のOさんの裸の姿を知らない。
 きっとあんなものだったのだなと思って、
 鼻の下を長くして想像する。


 イヤらしいオッさん、そのもの!
 許せ、Oさん。


 サヤカは、キラメク太平洋の海面を、
 スイスイと飛び跳ねるように泳ぎ回っている。
 あんなことも出来るのか、と感心して見ていた。
 顔と足先が見えるだけである。

 遠くで車の音が聞こえたように思ったので左の方へと
振り向いた。
 顔を元に戻すとサヤカがいない。
 アレッと思って、右後を見ると、
 黒いバイクのサヤカが海水を滴らせながら、
 キラーッとヘッドライトを光らせていた。

 さあ、水洗いをしてやらなくては、とゆっくり腰をあげた。



 きらきらと 零れんばかりの 宝物
  太平洋の ハイ・プレゼント
                       ち ふ


                      
  この項おわり




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