絵じゃないかおじさん

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仮想はてな物語 蒲生野紫野にあかねさす (2/3)

2015-12-22 07:43:47 | 仮想はてな物語 

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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
                       


 初々しい早苗を渡る風が心地よい。
 昔は一番草と呼ばれた草取りの季節だろうか? 


 「はじめは浅く、なか深く、終りはそっとなでておけ」でいう、
 はじめの草取りにあたる頃である。
 田植え後、2週間ぐらいをメドに、
 女の人が這いつくばって手で草を取っていた。

 今は化学肥料の普及で誰もあんなきつい仕事はしなくなった。
 田植えも草取りも、見る分には何とも風情があって
 いいものだが、自分がするとなると誰もが嫌がる。
 嫌がる仕事を化学肥料と機械に押しつけるのだから、
 いつか彼らのしっぺ返しを食らったとしても自業自得だ。
 今の所、彼らの反乱を小さくする以外には手はないのだろう。


 休耕田の脇にサヤカを止め畦道に腰を下ろし麦茶を飲む。
 メットを脱いだ頭を風が撫であげてくれる。



 額田王の歌が思い出される。私は、勝手に解釈を施す。


 「朝日輝く、紫草咲き乱れる通行禁止の道を、
  あなたは、白いバイクで帰ってゆく。
  取得禁止通学禁止の掟を破り私の為に、
  毎朝毎朝会いにやって来てくれる。

  私は高校生。
  あなたも。
  しかし、二人の通う高校は違っている。
  一秒でも一緒にいたい。
  話したい。

  そんな私の気持を察してか、
  あなたは、時間ぎりぎりまで出かけない。
  でも時間が迫ってくる。



つづく

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