copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
英訳短歌version0.01
* 潮岬のはまゆうに ?!(013)
数年前のある日、いつもの林道を走っていた。
サヤカが久しぶりに話しかけてくれた。
[いいこと教えてあげる]
彼女によると、日本海側の鳥取砂丘のある場所の砂と、
琴引浜の鳴き砂と、太平洋側の白浜の砂とを、X:Y:Zの割合で
ブレンドし、太平洋岸のはまゆうの
球根を取ってきて、そのなかに1/10オンスのメイプルリーフ
金貨を埋めて、育ててごらんなさい、ということだった。
私は、早速、鳥取砂丘と丹後半島と白浜に出掛けた。
もちろん、3回に分けていったので2ヵ月ぐらいかかった。
休みの関係や天候のせいで土曜日だけとなると、
そうそうゆけるものではないからだ。
はまゆうという名前には魅かれる。
ロマンを誘う名前でもある。
しかし、花そのものはそう好きではない。
ヒガンバナの親戚ということを聞くと、ウンと頷ける。
球根を秋口に植えておくと数年で白い花をつけるという。
私は、プランターにサヤカの教えてくれた通りの割合で、
例の3箇所の砂を混ぜ、
小石・粘土質の土などを下に敷き、苗床を作ってやった。
そして、はまゆうの球根のなかに、
これまた、例の金貨を埋めこんで丁寧に植えた。
始めの数週間は世話をしていたのだが、
本来、そういうことにあまり興味の湧かない
私は放っておいた。
Oさんにまかせきりだった。
時間というヤツは前に置くと長い。
そのうち、はまゆうのことなどすっかり忘れてしまっていた。
ある年の夏、Oさんが[はまゆうが咲いているわよ]と
教えてくれた。
私の走りの結晶でもある。
一目見てやらなければ、はまゆうにも悪い。
白い花がすまなさそうに咲いていた。
秋口になって、花も枯れ金貨のことも気になっていたので、
根元を掘ってみた。
オオーッ!! 何と!
1/10オンスの金貨が大きくなっているではないか。
早速、キッチン・スケールを引っ張りだして、
その上に乗せてみた。
30gを少し越えている。
1/10オンスの金貨は3・110gである。
そうすると、これは1オンスの金貨ではないか!
1オンスは、31・1035g。
10倍の増え方だ。
ありがたい。
サヤカの小憎いヤツめ、私が、ガソリン代の捻出に、
四苦八苦しているのを見て、そっと教えてくれたのだな。
私は、すぐさまサヤカを撫でに走った。
はまゆうの ほのかに白い 花のもと
ゴールドコインは ささやかなお返し
ち ふ
この項おわり
ある日、Sサヤカに{もっと出来ないか?}と聞いて、
{数年に、一個で十分でしょ}と窘(たしな)められた。
それでも助かる。
{サヤカ、サンキュー!}
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
英訳短歌version0.01
* 潮岬のはまゆうに ?!(013)
数年前のある日、いつもの林道を走っていた。
サヤカが久しぶりに話しかけてくれた。
[いいこと教えてあげる]
彼女によると、日本海側の鳥取砂丘のある場所の砂と、
琴引浜の鳴き砂と、太平洋側の白浜の砂とを、X:Y:Zの割合で
ブレンドし、太平洋岸のはまゆうの
球根を取ってきて、そのなかに1/10オンスのメイプルリーフ
金貨を埋めて、育ててごらんなさい、ということだった。
私は、早速、鳥取砂丘と丹後半島と白浜に出掛けた。
もちろん、3回に分けていったので2ヵ月ぐらいかかった。
休みの関係や天候のせいで土曜日だけとなると、
そうそうゆけるものではないからだ。
はまゆうという名前には魅かれる。
ロマンを誘う名前でもある。
しかし、花そのものはそう好きではない。
ヒガンバナの親戚ということを聞くと、ウンと頷ける。
球根を秋口に植えておくと数年で白い花をつけるという。
私は、プランターにサヤカの教えてくれた通りの割合で、
例の3箇所の砂を混ぜ、
小石・粘土質の土などを下に敷き、苗床を作ってやった。
そして、はまゆうの球根のなかに、
これまた、例の金貨を埋めこんで丁寧に植えた。
始めの数週間は世話をしていたのだが、
本来、そういうことにあまり興味の湧かない
私は放っておいた。
Oさんにまかせきりだった。
時間というヤツは前に置くと長い。
そのうち、はまゆうのことなどすっかり忘れてしまっていた。
ある年の夏、Oさんが[はまゆうが咲いているわよ]と
教えてくれた。
私の走りの結晶でもある。
一目見てやらなければ、はまゆうにも悪い。
白い花がすまなさそうに咲いていた。
秋口になって、花も枯れ金貨のことも気になっていたので、
根元を掘ってみた。
オオーッ!! 何と!
1/10オンスの金貨が大きくなっているではないか。
早速、キッチン・スケールを引っ張りだして、
その上に乗せてみた。
30gを少し越えている。
1/10オンスの金貨は3・110gである。
そうすると、これは1オンスの金貨ではないか!
1オンスは、31・1035g。
10倍の増え方だ。
ありがたい。
サヤカの小憎いヤツめ、私が、ガソリン代の捻出に、
四苦八苦しているのを見て、そっと教えてくれたのだな。
私は、すぐさまサヤカを撫でに走った。
はまゆうの ほのかに白い 花のもと
ゴールドコインは ささやかなお返し
ち ふ
この項おわり
ある日、Sサヤカに{もっと出来ないか?}と聞いて、
{数年に、一個で十分でしょ}と窘(たしな)められた。
それでも助かる。
{サヤカ、サンキュー!}