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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
若者としては、そんなことが不服でたまりませんでした。
夫婦とは苦しい時は助け合うものだと思っていましたから、
女房の一大事に何の力にもなれないことに心を痛めました。
数日経っても赤ん坊の声は聞こえるのですが、
女は一向に小屋からでてくる気配はありません。
女房の身体は心配だし子供の顔は見たいし・・・
ついに若者は女との約束を破ることにしました。
約束を軽く考えていたのでしょう。
小屋の中を覗くと、蛇が赤ん坊を取り巻いているでは
ありませんか!
「あっ、お前は、あの時の」と思わず声をあげてしまいました。
その時の蛇の目のせつない悲しそうな表情は、
いくら書いても表現し尽くないのであります。
人間以上の気持ちを、目に表わしていたといっても、
過言ではないでしょう。
つづく