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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
若者は助けた蛇を、
そっと道端の草叢の中に放してやりました。
そのまま置いておくと、誰かに踏まれるか殺されるか
わかりません。
蛇は、ぐったりとして、目も閉じていました。
さて、その夜のことです。
若者は一人で住んでいました。
両親が無く一人っ子でしたから天涯孤独の身の上でした。
そういう者は概して優しい人が多いんですね。
戸をトントントントンと叩く者がありました。
こんな夜更けに誰だろうと戸を開けてみますと、
月の光に浮かび上がった、とびきり美人の若い女でした。
つづく