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ナムチェ・バザールの村 Village of Namche Bazar
エベレスト街道トレッッキング(5) ナムチェ・バザールへ 12-13km
第2日目:3月29日(日) 晴れ 2nd day: Mar. 29, 2015 (Sun) Sunny
パクディング Phakding (2610m) → モンジョ Monjo(2835m) → ジョルサレ Jorsale (2740m) → ナムチェ・バザールNamche Bazar (3440m)
この日の朝はのんびりして、出発したのは9時過ぎでした。なだらかな上りの山道を歩いて30分ほどすると、谷川に向かう下り道になりました。川辺に到達すると小さな橋が架かっていて、そのの左手に、急峻な崖を流れ落ちる滝がありました。滝の景観を楽しみながら、ここでしばし小休止を取りました。
高い崖の上から流れ落ちる滝
ここから更に先に進むと、山道の右手の道路沿いに桜が咲いていました。この街道沿いでは、あちこちにシャクナゲの花を見ていましたので、この組み合わせに奇妙な季節感を感じました。
街道沿いに咲いている桜
この付近を歩いていた時、男女数人から成るシニア世代の日本人グループに出会いました。その中のリーダー格の男の人は、私と同じような年頃でした。その人は、以前にもアベレスト街道を歩いた経験があると言い、その経験に基づいて、一つの助言をしてくれました。
それは、年齢の割に私が背負っている荷物は、重すぎると言うものでした。その荷物は、約7kgでした。 “この様な状態でエベレスト街道をトレッキングを続けるのは、体力的に無理ですよ!”と言うことでした。そして、ネパールで頼むポーター代は大した金額ではないので、ポーターを雇いなさいと言うアドバイスでした。そこで、この言葉を念頭に置いて、トレッキングを続けました。
11時過ぎ、チュモア(Chumoa:2760m)に差しかかった所に、TIMS Check Post がありました。TIMSとは、Trekkers Information Management System Permit( トレッキング情報管理システム)の略語で、トレッキングの許可証を入手するところです。
トレッキング許可を得るTIMS事務所
その後、モンジョ(Monjo:2835m)の村を通り過ぎ、12時半に河畔の村であるジョルサレ(Jorsale:2740m)に到着したところで、ランチ休憩を取ることにしました。
昼食を取ったジョルサレのロッジ
ここでメイン・ディッシュとしては、マッシュルム・ピザを注文したのですが、このピザの生地は半焼け状態、かつチーズはこれまでに食べなれたチーズの味とは全く異なり、非常に不味いシロモノでした。結局、半分ほど食べ残しました。
ジョルサレからナムチェ・バザール(Namche bazar:3440m)までは、標高差700mのキツイ登り道です。ここまでで、荷物の重さがこたえて、既にへこたれていました。したがって、先に出会った日本人のアドバイスを思い出し、ここからナムチェ・バザールまで、ポーターを雇い、運んでもらうことにしました。
荷物がないのは、ナント楽なことか!お蔭で、急峻な山道を大して苦労せずに登って行くことができました。
この日は、既に数回吊り橋を渡りました。しかし、ジョルサレから1時間ほど過ぎた頃に、谷川からかなり高いところに2重に吊り橋が架かっており、渡ったのは高い方の吊り橋だったので、一歩一歩慎重に渡りました。
二重に架かる吊り橋
ナムチェ・バザールに近づくと、次の様な“高山病注意”の標識がありました。
そこには、高山病にかからぬようにするためのいくつかの注意事項が書かれていました。
それから間もなく、ナムチェ・バザールの村が見えて来ました。その入口にはゲートがあり、内部には立派な壁画が描かれていました。
この門をくぐってから、左手の坂を上った所に、この日に宿泊するロッジがありました。ロッジに到着したのは16:40だったので、この日の所要時間は8時間40分でした。
ここは、高度が3440mの高地なので、高山病予防のために持参したパルスオキシメーターで体調を調べてみると、SPO2は80-87、脈拍数は100-106でした。昨日、パクディンに到着した時は、SPO2は88-92、脈拍数は85-87だったので、若干高地の影響があるようです。
ところで、夕食を食べていた時のことですが、思わぬハップンニングに見舞われました。寒さで急に体がガタガタ震え出したのです。取敢えず部屋に戻って厚手のセーターとダウンジャケットを着てシュラーフに潜って。体を温めようとしましたが、全身がゾクゾクとして震えは止まりません。体温を計ると、37.3℃でした。
食堂に戻り、ガイドのゴカルナ君に、医師を呼ぶように頼みました。すると、この村に病院はあるが、夜間は閉じているとのこと。また、医師は訪問治療には応じないとのことで、とりつく島がありません。
トレッキング中に遭遇する病気に備えて、高山病予防薬、胃薬、下痢止めなどの救急用品を持参して来たのですが、まさか風邪を引くとは思わず、風邪薬は持ってきませんでした。また、旅行会社はガイドに救急用品を持たせる条件になっていたのですが、ガイドは医薬品を何も持っていませんでした。
全く困り果ててしまったとき、ふと、NHKで放映された「マッサン」の番組の一コマを思い出しました。エリーが風邪をひいた子供にレモンと蜂蜜を入れたお湯を処方して飲ませた所、一晩で熱が下がったと言うシーンです。そこで、ロッジに問い合わせると、レモンと蜂蜜がありました。それをお湯に溶かしてもらい、飲んでみました。
ところで、ナムチェ・バザールは富士山の9合目に相当する高さなので真冬の寒さですが 部屋の戻っても暖房がなく耐えがたい寒さです。しかし、ロッジで湯たんぽを借りることができる知り、湯たんぽを用意して貰ってそれを足元に置いてシュラーフに潜り、更にその上に掛け布団をかぶせて、眠りに就きました。
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