アストルガ大聖堂 Astorga Cathedral
巡礼第9日目(2010年5月5日) 9th day (May 5th, 2010)
サン・マルティン・デル・カミーノ → ムリアス・デ・レチバルト 23km (天気:晴れ)
San Martin del Camino → Murias de Rechivaldo 23km (Weather: Sunny)
この日は、宿で朝食を取らずに、7時に出発しました。外は肌寒かったので、手袋を着用しました。村を出ると、耕作地が広がっていました。
サン・マルティンを出て間もなくの耕作地 Plowed ground found soon after leaving San Martin
吐く息が白く見える朝寒の中で、沢山のカラスが耕作地を突っついていました。きっと、落穂をついばんでいるのでしょう。
約6km先の隣村のオスピタル・デ・オールビゴまでは、概ね国道脇の茂みに作られた小道を歩いて行きます。足元をよく見ると、雑草の葉には霜が降りていました。
霜に覆われた雑草の葉 Leaves of weeds covered with frost
8時半頃、オスピタル・デ・オールビゴの入口を示す標識があり、間もなくオールビゴ川にかかるオールビゴ橋が見えてきました。この橋は、13世紀に建造された20連のアーチを持つ石橋で、全長は200m余りあり、サンチャゴ巡礼道の中で最長を誇る橋です。
オールビゴ橋 Orbigo Bridge
この橋を渡りきると、開店しているバールを見つけたので、そこで朝食を食べました。
次に目指すのはアストルガですが、オスピタル・デ・オールビゴからは、二つのルートがあります。国沿いの道と、原野を歩く道です。私は、野趣に富んだ原野のルートを選びました。
ビジャーレス・デ・オールビゴを過ぎ、サンティバーニエス・デ・バルデイグレシアスに向かう道で、紫色の可憐な野花を見かけました。
野辺に咲く可憐な花 Flowers in bloom in the field
サンティバーニエスの標識を通り過ぎてから間もなく、歩行している巡礼者の等身大の人形が道端に立っていました。
等身大の巡礼者の人形 Life-size pilgrim doll
その後、坂道を下ると、爽やかな緑色の葉をつけた白樺林が出現しました。
緑の爽やかな白樺林 White birch trees with brilliant green leaves
13時頃、アストルガの街の光景が見えて来ました。
アストルガの街 Town of Astorga
アストルガは、丘の上に形成された要塞のような町で、人口は1万2千人程です。町の歴史を調べてみると、1世紀にローマ人の軍事基地として建設され、アストゥリカと呼ばれていたようです。この時期は北西スペインの重要都市として栄え、ローマの浴場が作られたり、街の周りに城壁が築かれたりしました。その当時の遺跡は、今でも残っています。
ローマの遺跡 Roman Ruins
ローマ帝国が衰退した後、5世紀から8世紀にかけて、アストルガ何度もアラブ人に攻撃され、寂れてしまいました。しかし、11世紀になるとサンチャゴへ向かう巡礼道の要所として、活気を取り戻しました。18-19世紀には、スペインのチョコレート産業の中心地となり、現在ではバター・ビスケットが主要産業のひとつなっています。
この街の歴史的な建物が沢山あります。代表的なのは、冒頭に写真を掲載したアストルガ大聖堂です。15-16世紀にかけて建造されました。この他に、ガウディが設計したネオゴシック様式の司教館、17世紀に建てられたバロック様式のタウン・ホール、13世紀の創建で17世紀に再建されたサン・フランシスコ教会などです。
司教館 Episcopal Palace
タウン・ホール Town Hall
サン・フランシスコ教会 San Francisco Church
私は、タウン・ホール前のレストランで先着の8人の巡礼者に合流し、一緒に昼食を取りました。その中で旧知の顔ぶれは、イタリア人とスペイン人の二人でした。、残りの6人は新顔で、ハンガリーのおばさんとか英国人ののっぽの男などした。
ここでゆっくりと休養を取ってから、15時頃に揃って次の目的地に出発しました。
アストルガの街から次の目的地に向かう巡礼たち Pilgrims proceeding to today's destination from Astorga
この巡礼仲間は、屈強でエネルギッシュな人が多く、私は一緒について行くのが大変でした。私は、隣村のムリアス・デ・レチバルトで今夜の宿を取ることにしましたが、他の人たちは、もっと先の村を目指して歩いてゆきました。
ムリアス・デ・レチバルトのアルベルゲ Albergue at Murias de Rechivaldo
この宿での夕食時に、オーストリアのザルツブルグから来た3人の青年と一緒になりました。私は、ザルツブルグ近郊のオートバイ・メーカーに係わる仕事をしていますので、会話が弾みました。彼らは、自転車で巡礼しているのですが、フランスのサン・ジャンからサンチャゴ・デ・コンポステーラまで、12日間で走破する予定との事でした。徒歩に比べると、約1/3の日数です。
彼らのひとりは、私が話したオートバイ・メーカーのKTMはは自転車も製造しており、その自転車で巡礼しているが、とても耐久性に優れた良い自転車だと言っていました。
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