エベレスト街道トレック(11) ディンボチェにて Everest Trail Trek (11) At Dingboche

ヒマラヤ襞に覆われたイムジャ氷河源流の峰々

エベレスト街道トレッッキング（11）　ディンボチェにて

第6日：4月2日　曇り

 　  高度4,410mのディンボチェで一晩過ごしましたが、朝起きた時でも特に体調の異変は感じませんでした。

　　朝食前に外に出て周囲を見渡すと、真白な雪を頂いた山々が輝いていました。

　　 　朝の景色

　　ロッジに戻り、私はジャムを塗ったチャパティーとコーヒーで簡素な朝食を取りました。

　　

　　そのとき、外見は40歳前後の東南アジア系と思しき男と出会いました。話をしてみると、イギリスとマレーシアの二重国籍を有しているが、住んでいるのはドイツと言っていました。私はグループツアーではなく一人旅だったので、この様に行く先々で、思いがけない出会いを楽しみました。

　　この日は高度順応日なので、軽く足慣らしをすべく、９時半ころにチュクン Chhukhungに向けてハイキングに出発しました。チュクンは、アイランド・ピーク(6,189m)の方角に向かって約10km先にある小さな集落です。

　　標高4730mのチュクンは私の生涯で初体験の高度なので、少々の緊張感がありました。因みに、これまでに体験した最高の高度は、中国、雲南省のロープウエイで登った玉龍雪山で4,506mでした。その時には特に体調の異変はありませんでしたが、その場にいたのはたかだか1-2時間程度ですので、今回とは状況が違います。

　　ディンボチェ村を出ると、すぐにイムジャ川 Imuja Kholaが流れる河原に出ました。この川は、ヌプツェ、　ローツェ、　アイランドピークなど、エベレスト山群を水源とする川です。河原には岩のような石がごろごろしていましたが、勾配が緩やかでした。

 　　　イムジャ川

　　河原を３０分ほど歩いて休憩をしていたとき、オランダ人の中年カップルと出会いました。既にベース・キャンプまで到達し、今日はチュクンリ Chhukhun Ri（5550m）まで行って来たという健脚でした。

　　その後、若い女性たちと出会いました。香港から来たという7人のチームでした。アイランドピークを目指したが、途中で下山して戻る途中とのこと。エベレスト街道の出会いは、国際色豊かです。

　　昼頃、チュクン村の入口に着いたところに茶店があったので、ここで食事をとりました。

 　　茶店で食べたヌードル

 

　　この付近では、アイランドピークに連なる山々の景色が仰ぐことができました。

　　　アイランドピークに連なる山々

　　その景色の中で、特に深く感動したのは、ヒマラヤ襞の絶景でした（記事冒頭の写真参照）。多数の襞に刻まれた真っ白な断崖に見とれました。

　　ディンボチェ村に戻ったのは、14時半頃でした。まだ、時間がたっぷりあるので、近所を散策したところ、お土産品や日常品が並んでいる雑貨店がありました。ここで、ヤクの毛で作られた帽子を600ルピー(750円)で購入しました。これから先の高地トレッキングでは、この帽子を愛用しました。

　　　

　　ロッジに戻ると、さっそくホット・シャワーの予約をしました。ホット・シャワー室は屋外の小さな掘立小屋にありました。シャワーの給水やガス供給は、室外のスタッフがゴム・ホースとボンベのバルブを操作するという原始的な方法なので、シャワー室に入るときに声をかけてお願いしなければなりません。全く面食らいましたが、このようなヒマラヤの奥地でシャワーを浴びられること自体が、至福の贅沢だと思いました。

　　　　シャワールーム（小屋の左側）

　　こんなヒマラヤの高地にやって来ると、いつ体調を損なうか分かりません。そこで、持参した携帯電話のSMSを利用して、横浜の家族にほぼ毎日安否を連絡していました。必ずしもすぐにメールが届くとは限りませんが、遅くとも1-2日以内に送信済の確認が取れました。おそらく気象条件と地形が良好な時に、送信ができたようです。

　　この日に携帯のバッテリーが切れてしまったので、ロッジに充電を依頼しました。充電時間は3時間で、1,050ルピー（約1,300円）支払いました。食費よりも高価なので、びっくりしました。