サアグンの中心部にあるサン・ベニート門 Arch of San Benito at central part of Sahagun
巡礼第5日目(2010年5月1日) 4th day (May 1st, 2010)
サン・ニコラース → エル・ブルゴ・ラネーロ 25km (天気:曇)
San Nicolas → El Burgo Ranero 25km (Weather: cloudy)
昨夜のアルベルゲは、10人部屋で同室の客は他にたった二人。他人のいびきにも悩ませれず、ぐっすりと睡眠を取ることが出来ました。6時頃に起きたときはまだ暗かったのですが、同室のフランス人は既に出発していました。彼は農業を営んでいると言っていましたので、きっと早起きの習慣が備わっているのでしょう。
さて、昨日は行程を延長したので、当初スケジュールを前倒しに修正する必要があります。取敢えず今日の目的地はエル・ブルゴ・ラネーロとしました。
この日は7時40分に宿を出発しました。国道に沿ったセンダの道を少し歩くと、パレンシア県を越えてレオン県に入ります。その付近で、前を歩いているイタリア人の夫婦を追い越しました。約1時間後、麦畑の向こうにサアグンの街並みが見えてきました。
サアグンの街に入ると、ホテルのバールでコーヒー・ブレークを取りました。ホテルの向かいには教会があり、その前には昔の衣装を羽織った金属の巡礼像が立っていました。
金属細工の巡礼像と私 Pilgrim statue and I, side by side
サアグンには、歴史的遺産が目に付きました。この記事の冒頭に示したサン・ベニート門もそのひとつです。この門は、10世紀に創設され今では消滅してしまったサン・ベニート僧院の一部として、17世紀に建造されたものです。
もうひとつの遺産は、街の出口付近を流れるセア川に架かかっているローマン・ブリッジと呼ばれる橋です。この橋の名称は、カントとの橋と言い、ローマ時代に創建され、11世紀に改修された石橋です。
ローマ時代創建の橋 Roman bridge
この街を出ると、緑が香る並木に囲まれた快適な巡礼道がありました。この様な道が続くと嬉しいのですが、すぐに木々の姿は消えてしまいました。
10時40分、カルサーダ・デル・コトに辿り着きました。
カルサーダ・デル・コトの村 Village of Calzada del Coto
この地点より、巡礼道は二つのルートに分かれます。
ガイドブックによると、ひとつは、Via Trajana(トライアーナの道)と呼ばれるローマ時代の道。別名Calzada de los Peregrinos(巡礼者の道)と言われ、アフリカのステップ気候帯に見られるような乾燥地が延々と広がっていて、現在では殆ど使われない危険な道の様です。
もうひとつは、Real Camino Frances(レアル・カミーノ・フランセス)と呼ばれ、こちらの方が近道でかつ迷うこともない歩きやすい道路と解説されていました。
この付近には巡礼者が誰もいなかったので、私がどちらの道を選ぼうかと思案していた所、スイス人の二人連れがやって来ました。彼らは、Via Trajanaのコースを行くとの事でした。道連れの仲間がいると心強いので、私は彼らに同行することにしました。
トライアーナの道 Via Trajana(Roman road)
スイス人は、二人ともチューリッヒから来た人で、現在は定年退職した身であるとの事でした。その一人は、名前をハインツと言い、元スイス航空のエンジニアでした。もう一人は、ダニエルと言い、元クレディ・スイス銀行に勤めていた銀行マンでした。この二人は、3月1日にチューリッヒを出発し、フランスを縦断し、ピレネーを越えて聖地サンチャゴを目指して歩き続けていると聞き、その精神力と体力の強靭さにビックリ仰天しました。
さて、トライアーナの道を進んでゆくと、未開の荒野に足を踏み入れた様なスリルを感じました。兎に角、遥か地平線まで広がる風景に、我々3人以外、見渡す限り人間の気配は全くないのです。
延々と広がる荒野の風景 Landscape of wildland stretching endlessly
このだだっ広い原野の中で、我々はハイキング気分でパンとチーズのささやかな昼食を取ったり、写真を撮ったり、お互いの自己紹介の話をしたりしながら、15時頃無事にエル・ブルゴ・ラネーロに到着しました。
エル・ブルゴ・ラネーロでは、ダニエルの希望により、公営のアルベルゲに泊ることになりました。
アルベルゲの前に立つ巡礼仲間のスイス人 Swiss friends standing in front of albergue
村外れには、夕日の美しい沼があると言うので、夕食前に3人で出かけました。ゲロゲロと鳴くカエルの大合唱が響き渡る中で、沼の向こうに夕日がゆっくりと沈んで行く光景を眺めつつ、ゆったりとした夕暮れのひと時を過ごしました。
1. 2. 3.
4. 5. 6.
1.遠方に見えるサアグンの街並み Town of Sahagun seen at far end
2.サアグンで見かけた派手なアルベルゲ Fancy-looking albergue seen at Sahagun
3.サアグンの街を出た直後の巡礼道 Pilgrim road just after leaving Sahagun
4.トライアーナの道の風景 ① Landscape around Via Trajana (1)
5.トライアーナの道の風景 ② Landscape around Via Trajana (2)
6.トライアーナの道付近に生えているサボテンに似た植物 Plant looking like cactus and growing around Via Trajana
巡礼第5日目(2010年5月1日) 4th day (May 1st, 2010)
サン・ニコラース → エル・ブルゴ・ラネーロ 25km (天気:曇)
San Nicolas → El Burgo Ranero 25km (Weather: cloudy)
昨夜のアルベルゲは、10人部屋で同室の客は他にたった二人。他人のいびきにも悩ませれず、ぐっすりと睡眠を取ることが出来ました。6時頃に起きたときはまだ暗かったのですが、同室のフランス人は既に出発していました。彼は農業を営んでいると言っていましたので、きっと早起きの習慣が備わっているのでしょう。
さて、昨日は行程を延長したので、当初スケジュールを前倒しに修正する必要があります。取敢えず今日の目的地はエル・ブルゴ・ラネーロとしました。
この日は7時40分に宿を出発しました。国道に沿ったセンダの道を少し歩くと、パレンシア県を越えてレオン県に入ります。その付近で、前を歩いているイタリア人の夫婦を追い越しました。約1時間後、麦畑の向こうにサアグンの街並みが見えてきました。
サアグンの街に入ると、ホテルのバールでコーヒー・ブレークを取りました。ホテルの向かいには教会があり、その前には昔の衣装を羽織った金属の巡礼像が立っていました。
金属細工の巡礼像と私 Pilgrim statue and I, side by side
サアグンには、歴史的遺産が目に付きました。この記事の冒頭に示したサン・ベニート門もそのひとつです。この門は、10世紀に創設され今では消滅してしまったサン・ベニート僧院の一部として、17世紀に建造されたものです。
もうひとつの遺産は、街の出口付近を流れるセア川に架かかっているローマン・ブリッジと呼ばれる橋です。この橋の名称は、カントとの橋と言い、ローマ時代に創建され、11世紀に改修された石橋です。
ローマ時代創建の橋 Roman bridge
この街を出ると、緑が香る並木に囲まれた快適な巡礼道がありました。この様な道が続くと嬉しいのですが、すぐに木々の姿は消えてしまいました。
10時40分、カルサーダ・デル・コトに辿り着きました。
カルサーダ・デル・コトの村 Village of Calzada del Coto
この地点より、巡礼道は二つのルートに分かれます。
ガイドブックによると、ひとつは、Via Trajana(トライアーナの道)と呼ばれるローマ時代の道。別名Calzada de los Peregrinos(巡礼者の道)と言われ、アフリカのステップ気候帯に見られるような乾燥地が延々と広がっていて、現在では殆ど使われない危険な道の様です。
もうひとつは、Real Camino Frances(レアル・カミーノ・フランセス)と呼ばれ、こちらの方が近道でかつ迷うこともない歩きやすい道路と解説されていました。
この付近には巡礼者が誰もいなかったので、私がどちらの道を選ぼうかと思案していた所、スイス人の二人連れがやって来ました。彼らは、Via Trajanaのコースを行くとの事でした。道連れの仲間がいると心強いので、私は彼らに同行することにしました。
トライアーナの道 Via Trajana(Roman road)
スイス人は、二人ともチューリッヒから来た人で、現在は定年退職した身であるとの事でした。その一人は、名前をハインツと言い、元スイス航空のエンジニアでした。もう一人は、ダニエルと言い、元クレディ・スイス銀行に勤めていた銀行マンでした。この二人は、3月1日にチューリッヒを出発し、フランスを縦断し、ピレネーを越えて聖地サンチャゴを目指して歩き続けていると聞き、その精神力と体力の強靭さにビックリ仰天しました。
さて、トライアーナの道を進んでゆくと、未開の荒野に足を踏み入れた様なスリルを感じました。兎に角、遥か地平線まで広がる風景に、我々3人以外、見渡す限り人間の気配は全くないのです。
延々と広がる荒野の風景 Landscape of wildland stretching endlessly
このだだっ広い原野の中で、我々はハイキング気分でパンとチーズのささやかな昼食を取ったり、写真を撮ったり、お互いの自己紹介の話をしたりしながら、15時頃無事にエル・ブルゴ・ラネーロに到着しました。
エル・ブルゴ・ラネーロでは、ダニエルの希望により、公営のアルベルゲに泊ることになりました。
アルベルゲの前に立つ巡礼仲間のスイス人 Swiss friends standing in front of albergue
村外れには、夕日の美しい沼があると言うので、夕食前に3人で出かけました。ゲロゲロと鳴くカエルの大合唱が響き渡る中で、沼の向こうに夕日がゆっくりと沈んで行く光景を眺めつつ、ゆったりとした夕暮れのひと時を過ごしました。
1. 2. 3.
4. 5. 6.
1.遠方に見えるサアグンの街並み Town of Sahagun seen at far end
2.サアグンで見かけた派手なアルベルゲ Fancy-looking albergue seen at Sahagun
3.サアグンの街を出た直後の巡礼道 Pilgrim road just after leaving Sahagun
4.トライアーナの道の風景 ① Landscape around Via Trajana (1)
5.トライアーナの道の風景 ② Landscape around Via Trajana (2)
6.トライアーナの道付近に生えているサボテンに似た植物 Plant looking like cactus and growing around Via Trajana
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