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関の孫六つながり~江戸前寿司の包丁人と料理人の格差というお話

2015-04-29 01:42:31 | つれづれ日記
去年、知人の招待で目黒のなんとかいう人気の高額な寿司店に行きました。

出てくる品を1つ1つ店主の能書きを聞きながらポツリポツリと食べるのがこの店のルールだそうで、2時間足らずでお一人様約27,000円?!

もちろん、ご招待なのでお題は向う持ち。
たとえ接待でも人にはお勧めできない寿司というのが正直なところ。
好みの問題かなあと。

店主の話では「生では出さないのが江戸前」だそうです。

これには異説があるようです。

以前聞いた話。
江戸前の職人にはトップに「包丁人」という匠がいて、「切る」のがお仕事。
ただ、ひたすら切る。

切ると言っても普通じゃなくて「匠の技」で切るのだそうです。

この「包丁人」の下に「料理人」という職人がいて、包丁人が裁いた食材を調味料を使って調理する。

「包丁人」の裁く寿司は、「生」を「生」として生かしつつ切って出すというもの。

つまりは、「包丁人」は生の寿司しか出さないというのです。

半信半疑でしたが、その「包丁人」の包丁さばきを見た瞬間に目を疑いました。

包丁を当てるだけで魚身に刃が入っていきます。

包丁を引く動きがまったく見えません。

ここで確信に変わりました。

「引かないと切れない刀は日本刀とは呼べない」という一説。

ふと頭に浮かんだのは、水滸伝の青面獣揚志の宝剣「吹毛剣」のくだりです。

ハラリと落ちた髪の毛が吹毛剣に触れて二つに分かれる。

理科的に言えば、「切断」という現象は「摩擦熱」による物理的結合の破壊。

日本刀を鍛え上げる刀鍛冶の秘技と「包丁人」の秘技とが織りなして作る、まさにミクロの世界で起こる摩擦熱による神技的破壊なのかも知れません。

改めて日本の匠が繰り出す心技体を感じたひと時でした。

ここに日本の古武術の源泉があるのかも知れません。


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