マルクト広場から見た聖母教会(中央)
9月13日(金)ORGELPUNKT(816)(30分オルガンコンサート)
ブレーメン聖母教会(Unser Lieben Frauen Kirche Bremen)
【曲目】
1. バッハ/幻想曲ト長調 BWV572
2. バッハ/トリオソナタ第3番ニ短調 BWV527~第2、3楽章
3. メンデルスゾーン/前奏曲とフーガ ハ短調 Op.37-1
Org:ユリア・カライエヴァ (Julia Karaieva)
側廊(西側)に設置された聖母教会のオルガン
ブレーメン滞在中にもオルガンコンサートを聴けた。場所は世界遺産の市庁舎やローランド像があるマルクト広場に面して建つ「私たちの聖母様の教会」(ドイツ語の"Unser Lieben Frauen Kirche"という表記、文法的にはとても不思議…)という正式名称を持つ聖母教会。ここでは毎週金曜日の5時から30分の無料のオルガンコンサートが行われている。リューベックの聖マリア教会のオルガンコンサート同様”Orgelpunkt”と名の付いたこのコンサートは、2003年から続いているとのこと。
13世紀に建造された教会は、第二次大戦の空襲に見舞われて大きなダメージを被りながらも建物は持ちこたえた。けれどオルガンは破壊され、現在のオルガンは1953年製造のもの。教会の大オルガンの指定席とも云える内陣後方上部ではなく、側廊に設置されていて、そこは天井が低い分演奏台も低めの位置にある。このため演奏の様子を下から眺めることができる。オルガンの設置場所については当時かなりの議論があったそうだ(教会のHP情報)。
通常教会の椅子は祭壇に向いているためオルガンは振り返らないと見えないが、ここは後ろ向きや横向きの椅子もあるため、僕たちはオルガンとオルガニストを見られる横向きの椅子で聴いた。演奏するカライエヴァ氏は若い女性オルガニスト。後で調べたが、詳しいプロフィールはわからなかった。
前置きなくバッハのファンタジーが始まった。トッカータ風の速いパッセージが堂内にクリアに響く。時おり装飾を入れながら続く導入部分は軽やかで楽しげ。そこから一転して堂内に響き渡る分厚い和音、身体がビリビリ震える低音が教会で聴いている臨場感を高める。大げさではないほどよい重厚さが心地よかったが、終盤のなだれ込むような急速なパッセージが連続する場面では少々息切れ感があったかな。ここのオルガンは席に近い分直接音もよく届き、それが広い堂内に響き渡るので、クリアな音と石造りの教会ならではの豊かな残響の両方が良く聴こえる。
次もバッハの作品でトリオソナタから2つの楽章。落ち着きのある第2楽章は優しく堂内に響きが満たされ、軽快な第3楽章では舞曲風のパッセージが優美に舞った。最後はメンデルスゾーン。バッハにも通じる厳格な曲調のなかにもロマンチックな香りが漂う。特にフーガでは空気を優しく和ませる奥行きが感じられ、ステンドグラスの極彩色の美しい光と溶け合うように感じた。
ドイツの街では教会でオルガンコンサートがよく行われている。その場所でしか絶対に聴けない響きを楽しめるのは貴重な体験なので、事前に調べておくようにしている。コンサートのスケジュールは、その町のイベント情報ではなく、教会のホームページを見ると出ている。
聖母教会はステンドグラスが美しい
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「積もった雪」
MS:小泉詠子/Pf:田中梢
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
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