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レポート「資料組織概説」

2011年04月16日 | 奮闘!近大通信司書課程
4月14日(木)

2度目の提出だった「資料組織概説」のレポートが返ってきた。これまで書いたレポートの中で一番てこずったものだ。もう一つ、難関レポートと言われている「児童サービス論」は、評価は厳しいがレポートを書くこと自体はなんとかなる(今、3度目の返却待ち。。。)。けれど、「資料組織概説」は、レポートを書くこと自体が大変だった。筆記試験の報告のブログでも書いたが、読んでもわからないことだらけのテキストに沿ってレポートを書くのは本当に大変だった。JLAのテキストや、図書館用語辞典や、いろいろかき集めて少しでも理解するよう頑張ったが、資料の組織化の殆ど全ての過程についてまとめなければならない設問は手ごわかった。

そんなとき助けになったのが、ネットに掲載されていたレポートたち。近大通信の司書のレポートは、ご存知の通りネット検索するといろいろ載っているが、「資料組織概説」のレポートは中でも数が多い。それまでレポートは殆ど自力でやっていたが、「資料組織」はお手上げ状態で、大いに助けてもらった。ネットに載っているレポートの共通点を抜き出し、1つのレポートにしか書かれていないことも、大切そうなことは加え、後は自分で調べたことを元に自分の言葉で書き換えられるところは書き換え、なんとか仕上げた。

それでも、この大きなテーマを2000字以内に収めることがどうしてもできず、同じ職場でこのレポートを既に合格していたIさんに相談したところ、「本文にたくさん注をつけて、別紙にすればいいんですよ」とのこと。「え、それでいいんだ…」

ところが、543文字分の注を別紙でつけたレポートは「一部再提出」で戻ってきてしまった。「講評」に書かれていたのは「注を含めて2000字以内に収めること。」 なーんだ、やっぱダメなんじゃん。。。 添削者は同じ古川先生のはずなんだけどな…

でも、項目ごとの概評は「要約力」だけが「C」で、その他は全部「B」だったので、講評の指示通りに字数を減らせば合格になると信じて、なんとか2090字に収め、取り合えず「合格」をもらった。
項目ごとの概評はこんな感じ…

概評
ABC
設題の理解
教材の理解
考察力
文章表現力
論文の構造
基礎の理解
要約力
論旨の明確性
条文の明示
用語使用方法
誤字・脱字
訳語・訳文の研究
公式の理解
資料・参考書研究

講評は
「記すべきことを堅実に記したレポートです。」
とある。それなら、少しぐらい「A」評点をくれても良さそうだが、1回目は何もついていなかった「誤字・脱字」が「C」になっていたという不名誉なオマケつき。本文中の「図書館」の「図」の字が「字の形を確かめること」と添削されている。司書のレポートで「図書館」の字がちゃんと書けていないなんて、お恥ずかしい限りだが、どこが悪いかよくわからない。まぁ、きれいな字ではないが… でも、どうして1回目のレポートでも直してくれなかったんだろう…

ネット検索すればもっといい評価をもらっているレポートが出ているので、どの程度参考になるかはわからないが、個性が出ないレポートなので、一般的な参考に、提出したレポートを添削入りの状態で全文掲載します。

設題:図書(和古書と洋書を除く)の組織化について、その概要を次の5項目に区分して述べよ
1.記述対象 2.記述 3.標目 4.排列 5.請求番号
付随して、NDCの特徴について説明せよ


 資料の組織化とは、図書館資料の間に秩序や構成を与え、特定の資料を検索できるようにすることである。図書館資料は、組織化されて初めて利用可能なものとして機能する。組織化には、資料に関する記録の組織化と、資料を書架の特定の場所へ排架する、資料自体の組織化がある。
 前者は①記述対象の決定、②記述の記録、③標目の付与、④記入の配列、による目録作成で、後者は⑤請求記を付与し、資料を排架することである。本レポートでは図書の組織化の上記5項目について概要を述べる。
 1.記述対象:記述(後述)は、一つの資料が複数のタイトルを持つ場合、書誌階層構造の概念により、上位から下位レベルへ分け、各→どれかのレベル(書誌レベル)を対象→中心に記述を作成する。即ち、①セットものなど複数の資料を一まとめとした集合レベル、②一冊を1つの単位とした単行レベル、③単行レベルの中で、形態的に独立していない1つの構成部分の構成レベルである。①~③の書誌的事項の集まりをそれぞれ、集合単位、単行単位、構成単位といい、これらの単位を組み合わせて、各種の記録を作成する。
 2.記述:記述とは、個々の資料を、他の著作や同一著作の他の版と同定識別するために記録されるタイトル・著者表示→責任表示などの要素全体のこと、また、これらを組織的に構成し、記録すること。記述を構成する最小の要素を書誌的事項といい、『日本目録規則1987年版改訂2版』ではタイトルと責任表示に関する事項など、8つの群に大別されている。
 記述には、資料を識別するための書誌的事項の記録が求められ、タイトルが最も重要で、記述の最初に、次に責任表示(著作の内容に責任を有する個人や団体)が記録される。記述の情報源は、標題紙、奥付、背、表紙等とする。国際的に円滑な書誌情報の交換のため、区切り記号(各書誌的事項を判別するための記号)は、ISBD区切り記号の採用が提唱されているが、和資料への適用は任意である。
 3.標目:資料に関する記録の 検索の手がかりとなるもので、また目録内の排列位置を決める第一要素であり、次の4種類がある。①と②が特定のタイトルや著者名での検索に、③と④が、何に関する資料か、という主題を手がかりとした検索に備えるものである。
①タイトル標目:本タイトル、別タイトル、部分タイトル等を、原則として記述中に記録されているままの形で標目とする。
②著者標目:本の著者や翻訳者など、主な著作関与者、或いは、本タイトルの責任表示として記録されている個人および団体。
③件名標目:統制された言葉のリスト(件名標目表)と照合し、言葉によって記録される。
④分類標目:主題を言葉ではなく分類表の記号で表す。分類表として、日本の図書館ではNDCが広く用いられている。NDCは『日本十進分類法』のことで、日本の事情を考慮して構成され、全ての主題に対応した分類項目をあらかじめ分類表に用意した列挙型分類法である。記号法は、第1次区分において知識の総体を9区分し、そこに属さないものや包括的な主題を対象に総記的な区分を加えて10区分とし、その各々から同様に10の区分を作り、これを繰り返してゆく階層構造を備えた十進記号法を採用している。十進記号法はDDC(デューイ十進分類法)に倣う一方で、第1区分では展開分類法に倣っている。
 大部分のタイトル標目以外は、一貫性を保つために統一された形で維持管理する。このための目録を典拠ファイルといい、維持管理することを典拠コントロールと言う。いずれの標目にも、ある標目から他の標目へ導き、目録の機能を高める参照(「~を見よ」、「~をも見よ」)を必要とする。
4.排列:排列とは、標目の文字・数字、書誌的事項などから、記入(注)と参照に一定の順を与える、目録作業の最終段階である。排列の目的は、記入をあるべき位置に並べ、検索を可能にすることである。
 「無は有に先行する」が排列の基本原則で、第一に標目が、第二に所定の書誌的事項が排列要素となる。和資料は、 標目の各1字を単位とした字順排列を用いる。
 5.請求記号:請求記号は資料そのものの組織化での決定的な要素で、資料を他の資料と識別する機能を持ち、書架上の所在位置を的確に示し、資料の検索や配架作業に役立つ。
 請求記号は、書架分類記号(資料を主題別に書架上に排列するための記号)と図書記号(同一分類記号の資料を区別する記号)から成り、必要に応じて、これらの記号が同一の資料を個別化するための補助記号や、主題以外の基準で排架位置を示す別置記号も付与される。通常は3段(上段:書架分類記号、中段:図書記号、下段:補助記号)で記載され、別置記号は書架分類記号に先立って記載される。
 請求記号は記入に記録され、ラベルに記載されて資料自体にも貼付され、その請求記号が示す場所に排架される。こうして、一連の資料組織化の作業が完了する。

(注)記入:標目、記述、標目指示、所在記号などで構成される、目録を構成する単位。

このレポートはご覧のように私見を入れる余地は殆どない。資料の組織化について、項目別にいかに整然とわかりやすく体系立ててまとめられるかがポイントになると思う。それと、このレポートには逐次刊行物についての記載は一切不要。1回目のレポートで多少これについて触れた部分は、添削で全て削除された。

テキストを読んでいてもちっとも理解できなかった「資料組織概説」だったが、苦しみながらもレポートを作成し、科目終末試験の解答案を10個分作り、そして何より東山先生のスクーリングを受けたことで、資料組織について基本的なことは学べたと思う。みなさんも頑張ってくださいね。

学外スクーリング「情報検索演習」(奮闘!近大通信司書課程記事一覧)
実践!近大通信・司書課程攻略法 (奮闘!近大通信司書課程メニュー)


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