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レ・ヴァン・フランセ ~フランスのエスプリ~

2005年10月19日 | pocknのコンサート感想録2005
10月19日(水)レ・ヴァン・フランセ
三鷹市芸術文化センター風のホール

【曲目】
1.ジョリヴェ/フルートとクラリネットのためのソナチネ
2.イベール/3つの小品
3.デュイレ/ピアノと管楽器のための六重奏曲変ロ長調Op.6
4.モーツァルト/ピアノ、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのための五重奏曲変ホ長調K.452
5.ジョリヴェ/オーボエとバソンのためのソナチネ
6.プーランク/ピアノと管楽器のための六重奏曲
アンコール:デュイレ/ピアノと管楽器のための六重奏曲変ホ長調Op.6~第3楽章ガヴォット

【演 奏】
レ・ヴァン・フランセ
Fl:エマニュエル・パユ/ Cl:ポール・メイエ/ Ob:フランソワ・ルルー/ Hrn:ラドヴァン・ヴラトコヴィチ/Fg(バソン):ジルベール・オダン/ Pf:エリック・ル・サージュ


名前も実力も世界1というソリスト達による夢のアンサンブルが、S席4500円で聴けるというコンサートを放っておく手はない。

高貴なシルクのような音色で光彩を放つパユのフルート、実に多彩な音色と表情でアンサンブルに色づけするクラリネットのメイエ、ルルーのオーボエは渋くて深くて格調高く、弱音から強音までそれぞれが魅力的に響く。木管のように軽やかで柔らかく自由自在に動き回るヴラトコヴィチのホルン、フランス特有のバソンというファゴット系楽器をこれまた自由自在に操るオダン、腹に響くような充実した音と豊かな表情が素晴らしい。ル・サージュのピアノはどんな場面でも的確にアンサンブルを支え、リズム感を与え、内から外から色をにじみ出す。

こんな個性豊かな名手達に奏でられる曲たちは幸せだ。2つの楽器の魅力を余すところなく発揮しながらの対話が実に面白かったジョリヴェの2つのデュオ作品、鮮やかな切り口で清々しく、軽やかだったイベール、まさに隠れた名曲、特に第1楽章が魅力的だったデュイレの六重奏曲… とにかくどんな曲でもプレイヤー達は自然に伸び伸びと、乗りに乗ってアンサンブルを楽しんでいる姿がいい。中でも絶品はモーツァルトとプーランク。モーツァルトの2楽章、それぞれの楽器がなんとエレガントに歌い、あたたかくとろけるようなハーモニーを奏でたことか。途中で起きた地震のことなんて忘れさせる。3楽章では心をくすぐる絶妙な語り口のピアノにリードされたアンサンブルの競演の妙!
締めのプーランクはスリリングで粋で、抜群に楽しく、心憎いような歌とわくわくするリズムに溢れ、まさしく「これぞフランスのエスプリ!!」と言いたくなるため息が漏れるような演奏。このメンバーでこの曲を聴けたことの幸せ!
アンコールではデュイレのガヴォットが再演されたが、本割の時よりも更に鮮烈な印象を残して行った。いつまでも清々しい感動が残るベストコンサートだった。

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