facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

MAROワールド「ブラームス」

2005年10月02日 | pocknのコンサート感想録2005
10月2日(日)MAROワールドVol.4“ブラームス”
王子ホール

【曲目】
1.ブラームス/ピアノ四重奏曲第1番ト短調Op.25
トークコーナー(まろ&芦田一寿)
2.ブラームス/ピアノ五重奏曲へ短調Op.34

【演 奏】
Vn:篠崎史紀、清水醍輝/Vla:鈴木康浩/Vc:桑田 歩/Pf:若林 顕(ゲスト/華道家)芦田一寿


演奏とクリエイティヴな他分野とのコラボレーション、それにトークによって1人の作曲家に光を当てるユニークで興味深い「MAROワールド」も4回目を迎えた。

今回のテーマはブラームス。取り上げられた2曲はどちらも若い時代の、ほとばしるような情熱に溢れた若々しい音楽で、内面からこみ上げる熱い思いを全身で浴びた。まろさんをはじめとした若い世代のみなぎるエネルギーが演奏に反映され、臆することなく各パートが朗々と歌い、瑞々しく充実した響きで満たされた聴き応え十分のブラームスとなった。

今回のゲストプレイヤーで特に目を引いたのはヴィオラの鈴木康浩氏。肉厚の音色と濃厚でダイナミックな表情で大きな存在感を示し、アンサンブルを内声から充実させていた。若林さんのピアノも繊細さと力強さを兼ね備えていて雄弁。まろさんのもとに集まったこうした超一流のプレイヤーのアンサンブルはちょっとした間での呼吸や動きのひとつひとつ全てから「意味」が伝わる。とりわけ四重奏曲の終楽章や、五重奏曲の両端楽章などでの凝縮された集中力の高まりはいやがうえにも聴き手の気分を興奮へと導く。ブラームスの熱い世界をたっぷりと堪能した。

演奏だけではないのがMAROワールド。今日のゲスト、華道家の芦田氏は1曲目の演奏の最中、華道による3つのオブジェを制作した。景気よく鋏の音を響かせてステージを動き回ることに正直、最初はかなりの戸惑いを感じたが、演奏が進むにつれてだんだんと気にならなくなり、後半では完全に演奏の1つとして感じている自分に気づいた。だんだんとオブジェが出来上がって行く様子が、演奏から受ける印象を何かプラスに働かせる力を与えていたと思う。
曲間の2人のトークでこのオブジェについてブラームス、シューマン、クララをイメージしたという話のあとで聴いた後半の五重奏曲では、それぞれのオブジェが語っているような気分にさえなった。演奏とは全く関係のない音の出るパフォーマンスを持ってきたまろさんのアイディアは実際すごいと思った。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東京芸術大学芸術祭  2005年... | トップ | シラーの詩によるドイツ・リ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (瑞紀)
2005-10-27 03:37:57
はじめまして、瑞紀と申します♪

テクノラティの検索<MAROワールド>で辿り着きました。

私も聴きに行きました!(>TBさせていただきます!)

そしてヴィオラの方に注目、とてもいい音でしたね(^^)

楽しそうに演奏している様子も観ていて嬉しかったです。

ということで、シューマンも行っちゃいます(笑)。

返信する
投稿第1号! (pockn)
2005-10-28 12:28:52
瑞紀さん、こんにちわ。pocknです。当ブログへの第1号となる記念すべきコメントを寄せてくださりありがとうございます。

「言葉野遊戯」さっそく拝見しましたよ。活け花にも造詣のある方の感想はさすがに奥が深い!3月のシューマンも楽しみですね。

逆TBさせていただきました!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

pocknのコンサート感想録2005」カテゴリの最新記事