他者と10分間見つめ合うと幻覚体験・体外離脱することが判明! メカニズム不明の「アイコンタクト・パワー」
“視線”に関する研究が進んでいる。その中でも特に、他者と瞳を見つめ合う“アイコンタクト”状態について、昨今いくつか興味深い研究結果が報告されている。
■10分のアイコンタクトで幻覚作用
雑誌の表紙や音楽CDのジャケットに共通する傾向がある。それは多くの場合、正面を向いたアップの顔写真が使われていることだ。人間は自分を見ている視線にきわめて敏感で、すぐさま視線の“発信源”を検知することができるという。これは他者や肉食獣から“獲物”として狙われた場合、いちはやく気づいて対処するために人類が獲得した能力だと説明されている。
表紙に正面を向いた顔の写真やイラストが使われている雑誌は、いわば棚からこちらに視線を送っていることになり、近づいた者に気づかれやすいのである。そしてもちろん、興味を引くことに成功した場合は手に取られることになり購入へと結びつくのだ。
「Collective Evolution」の記事より
かくも強烈な影響力を持つ“視線”だが、あまりにもパワフルであるだけに、その扱いにはやはり注意が必要なようである。あまりに長く“アイコンタクト”状態を続けると幻覚を見かねないというから大変な話だ。
伊・ウルビーノ大学の心理学者、ジョヴァンニ・カプート氏が率いる研究チームが昨年発表した研究では、“アイコンタクト”が意識の変容をもたらすことを指摘している。
研究では実験参加者20名を対象に、2人1組で向かい合った椅子に座ってお互いの瞳を10分間見つめてもらった。つまり“アイコンタクト”状態を維持し続けたのである。
その後、いくつかの質問に答えてもらったのだが、アイコンタクトの10分間に、多くの参加者が幻覚体験をしていたことがわかった。実に90%の参加者が、見つめているうちに相手の顔が変形してきたと答えており、そして50%が相手の顔に自分の顔を認めたと話し、また15%は親族の顔が見えたと断言している。なかには神秘的な“体外離脱”を体験したという声もあったという。
視覚に関係した神経回路の反応が鈍くなるかあるいは完全に止まってしまい、視覚情報を一時的に受信しなくなるために起る現象であるということだ。どんな対象でも動かないモノを見れば神経適応は起るのだが、単に壁を見続けた者に比べて、他者の瞳を見ることでレベルの違う幻覚体験が得られるのだという。なぜ他者の瞳が図抜けた幻覚体験をもたらすのか、まだ詳しいことはわかっていない。
カプート氏はこの現象をドラッグを使わない幻覚体験であるとも表現しており、良くも悪くもメンタルへの影響力がきわめて大きいことが示唆されている。“アイコンタクト”の力をあらためて確認させられる話題だろう。
■アイコンタクトで言語的思考能力が奪われる
幻覚を見るだけではない。最新の研究ではアイコンタクト状態では言語的思考能力が奪われてしまうことが指摘されている。
京都大学の研究チームがこの10月に発表した研究では、26人のボランティア参加者を対象にした実験が解説されている。実験では、PCディスプレイ上でこちらを見つめている人の顔と目を合わせた状態と、視線を外した状態で言葉の連想ゲームを行うというものだ。ゲームの内容は、例えば「ナイフ」という名詞を提示され、それに続く動詞「切る」や「刺す」などを選んで発言する。「ナイフ」なら選択肢の数が少なくなり比較的簡単だが、「手」という名詞を提示された場合は「書く」や「弾く」、「指す」、「振る」など多くの動詞が思い浮かぶため答える所要時間は長くなりがちになる。
実験では、アイコンタクト状態ではこの言葉の連想ゲームで回答に要する時間が長くなる傾向がはっきりと浮かび上がったという。
「アイコンタクトと言語的思考能力はあくまでも別々の独立した脳の働きなのですが、会話中に多くの人々が時折相手の目から視線を外しています。これはアイコンタクトが言語的思考を妨げていることを示唆するものです」(研究論文より)
モラルとしてもビジネスマナーとしても、相手の目を見ないで話すのは確かに失礼なことではあるが、ジッと目を見つめ続けた状態で会話を続けるのは脳機能的に無理があることが指摘されることになった。この現象もある程度は「神経適応」で説明できるということだが、とりわけアイコンタクト状態で強く起こるということになるのだが、そのメカニズムは完全に解明されていない。
オンラインジャーナル「Collective Evolution」でこの話題をとり上げたケリー・ブラウン氏は、目を見つめ合うアイコンタクトの状態では、言葉で伝達する以上の情報がやりとりできるので、言葉を必要としなくなっているのではないかと指摘している。文字通り「目は口ほどにものをいう」ということわざを地で行く仮説ということになるだろう。
画像は「Wikimedia Commons」より
またブラウン氏は自己啓発系のセミナーに参加して、初対面の人とお互いの目をジッと数分間見つめ合う体験をしたことも記事に盛り込んでいる。英語で「アイスブレイク」という、初対面でも打ち解けた関係になるための手法として、この数分間のアイコンタクトが行われたということだが、この体験を通して論理的には説明できないほどの相互理解を短時間で結ぶことができたという。アイコンタクトがもたらす“効能”が徐々に解明されてきているようだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「Collective Evolution」、ほか
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ASKAや清原にも教えてあげたい! “ドラッグなしでハイになる”20の方法
大麻や危険ドラッグ、そして覚醒剤の話題が絶えない昨今だが、薬物を使わず“ハイ”になれる手段は、実は意外に多いという。生活情報サイト「All Day」が、薬物を使わず“ナチュラルに”ハイになれる20の方法を紹介している。
■薬物なしでハイになる20の方法!
ドラッグフリーでトリップ体験を可能にする方法は思っているよりも多い。以下が代表的な20の方法だ。
●睡眠不足
徹夜明けで、そのまま通常通りに学業や仕事をしたことがあるならご存知の通り、眠らずにいると普段とは若干異なる意識状態になる。不安や恐怖を感じ難くなり“ハイ”になることもあるが、それだけ認知機能も低下している。
●瞑想
「All Day」の記事より
瞑想によって静かな多幸感を味わうことができる。また瞑想に習熟することで、さらに深いトリップも味わえる。睡眠不足に比べれば認知機能が衰えないアドバンテージもあり、かなりお勧めできる。
●バイノーラルビート(Binaural Beat)
きわめて近い周波数の2つの音を、ヘッドホンなどで左右の耳から同時に聴くことで、脳がその差を埋めようとして現実には存在しない「第3の音」を脳内に響かせる。この第3の音こそがバイノーラルビートである。バイノーラルビートには、精神を安定させる効果やクリエイティビティの向上、催眠効果もあるとされ、さらに“ハイ”にもなれる。ちなみにYouTubeでバイノーラルビート(バイノウラルビート)と検索すると、音源をいくつも見つけることができる。
●フラフープ
「All Day」の記事より
1950年代終盤にアメリカと日本で大流行したフラフープだが、ブーム終了後も健康と美容を目的に根強い人気を保っている。そしてフラフープは精神面にも作用し、(やりすぎには危険が伴うが)一時的なトリップ感覚を得られるという。
●ヨガ(クンダリーニヨガ)
最も完成度の高いヨガといわれているクンダリーニヨガは、独自の呼吸法と集中法を駆使して行なうため、身体だけでなくメンタル面にもポジティブな影響を及ぼす。心配事や思い込みを取り除き、エネルギーが満ちてくることで“ハイ”になれるということだ。
●入眠誘導
眠りに落ちる寸前の状態はとても気持ちが良く、ある意味で“ハイ”な意識状態である。訓練によってこの入眠直前の状態を長く保つことができるという。習得できればストレス知らずの生活が送れそうだ。
●ホットヨガ(ビクラムヨガ)
40度以上の部屋で、およそ26種類のポーズを90分かけて行なうホットヨガ(ビクラムヨガ)の心身への好影響が指摘されている。ヨガに加えて大量に汗を流すことで幸福感が高まり“ハイ”になれるということだ。
●逆立ち
「All Day」の記事より
逆立ちによって頭に血液が流れ込むことでハイな状態になれる。もちろん長時間行なうのは危険だが、簡単に意識を別の状態へ持っていくことができる。
●意識的な呼吸
意識的な呼吸、つまり呼吸法に習熟することで、精神状態をコントロールできるようになる。そしてハイな感覚を自在に味わうこともできるようになるのだ。
●自己催眠
きわめて難易度の高い手段となるが、自己催眠によって精神状態を変化させることができるようになる。望んだ時にハイな状態にすることも可能になる。
●意識的なセックス
愛を深めることを目指して意識的に丁寧なセックスを行なうことで、心身ともにハイな体験ができる。
●断食
食事を断って丸24時間が経過したところで、意識に変化が訪れるといわれている。古来より多くの宗教がこれに着目して、宗教的ビジョンを見るための修行に断食を取り入れている。ハイになるためにきわめて効果的であることは、歴史が証明している。
●スカイダイビング
「All Day」の記事より
気分がハイになることは大体の人が理解できるだろう。味をしめてしまうと止められなくなるかもしれない!?
●ジェットコースター
スカイダイビングと比べれば、身近にスリルを味わえるのがジェットコースターだ。特に脳内神経伝達物質「エンドルフィン」が分泌され、多幸感をもたらすと考えられている。
●バイオフィードバック
筋電測定機器などを用いて、普段自覚していない筋肉の緊張を理解し、心身をよりよい状態へと調整することを目指すのがバイオフィードバックである。心身をリラックスさせ、気分を高揚させるための科学的かつ効果的な手段である。
●炎
「All Day」の記事より
キャンドルの炎や焚き火を眺めることで“癒し”の効果が得られることが確認されている。気分を癒す働きのほかにも、眠りに誘う効果もあるということだ。
●長時間の運動
運動によっても脳内神経伝達物質「エンドルフィン」を分泌させることができるが、長距離ランニングなど負荷の低い運動を長時間行なったほうが、メンタルへ及ぼす好影響は大きくなるということだ。
●アロマオイル(クラリーセージオイル)入浴
アロマオイル、その中でもクラリーセージのオイルを乳化剤などで薄めてバスタブに入れて入浴することで、優れたリラックス効果が得られる。気分を爽快にする効果もあり、メンタルの健康にも好影響を及ぼす。
●アイソレーション・タンク
「All Day」の記事より
いわば強制的に意識を変容させる装置が、アイソレーション・タンクだ。利用できる施設は少ないのだが、タンク内の完全な闇の中で水に浮かぶことで、束の間、肉体の存在を忘れることができる。肉体から解放されることで、深い瞑想状態に到達できるのだ。
●幻覚体験動画
動画やアニメなどの視覚情報でも幻覚体験が引き起される。
<iframe class="resizems" src="https://www.youtube.com/embed/lfRrC1a1E-8" frameborder="0" width="560" height="315"></iframe>
【閲覧注意】Getting Really High Without Using Drugs!!! 動画は「YouTube」より
しかしこの方法に関しては、いわゆる“酔い”や“めまい”の症状が出ることもあるので注意が必要だろう。
以上、ドラッグフリーなトリップ体験法の数々であったが、ドラッグやアルコールに手を出すよりは確かにリスクは少ない(スカイダイビングなどは別のリスクもありそうだが)。それなりに時間を確保しなければならない運動系はなかなかハードルが高いものの、瞑想や呼吸法、アロマオイル入浴など、生活の一部に取り入れられそうなものも少なくない。2016年に続き、今年もいろいろな予期せぬことがありそうだが、メンタルの健康にも十分留意しながら“激動”に備えたいものだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「All Day」、ほか
by TOCANA
地球内部にはシリコンが詰まってる!? 東北大学研究チームの解明に、世界中が大興奮!
地球のコアに含まれていた「第三の成分」がついに明らかとなった! 長年の謎を解明した日本の研究チームの快挙に、海外メディアが注目している。
■摂氏5700度、未知なる地球の心臓部
おだやかな気候と豊富な水に恵まれ、無数の生命を育む地球の中心には、快適な地表の環境からは想像もつかない世界が広がっている。地下2900キロメートルに位置する地球の心臓部“コア”は、太陽の表面にも負けない摂氏5700度の高温を発する灼熱の球体だ。
私たちの足元にある地殻はごく薄く、地殻とコアとの間には、いわゆるマグマが流動するマントルが厚く層をなしている。マントルは地球の体積の約8割を占めているが、その全容は十分に把握されてはいない。
地殻を掘り進み、マントルへの到達をめざす「モホール計画」が、アポロ計画と並ぶアメリカの二大科学事業として早くも1950年代に開始されているが、今日まで達成に至っていない。月面への着陸が1960年代に成功を収めたことを考えるなら、マントルの調査がいかに難しい試みであったかが想像される。
月より遠いマントル――そのさらに奥まった場所にあるコアについては、知恵と仮定によって研究を深めるほかないというのが現状だ。とりわけその成分については長年の間、議論が続いていた。
画像は「Wikipedia」より
■謎として残る「第三の成分」日本の大学が解明
コアを構成する成分の85%は鉄、10%はニッケルであることが過去の研究で明らかとなっていたが、残りの5%については今日に至るまで未解明であった。残りの5%、すなわち地球の中心に眠る「第三の成分」は、実地研究が不可能であるため、数十年間にわたって科学者たちの頭を悩ませ続けていた。
しかしこのたび、日本の東北大学の研究チームが、第三の成分の解明につながる糸口を得たという。チームの研究主任である大谷栄治教授は、英公共放送局「BBC」の取材に答えている。
「私たちはシリコンが主要な成分であると確信しています。5%の重量のシリコンが、鉄とニッケルの合金に溶け込んでいるのです」(大谷栄治教授)
昨年末にアメリカ西海岸・サンフランシスコで開催されたアメリカ地球物理学連合(AGU)の秋季大会のプレゼンテーションで、大谷教授は「地球のコアと同様の高圧かつ高温の環境下で、鉄合金化合物の音速を測定した」とその具体的な実験方法を明らかにした。
研究チームは実験に際し、鉄とニッケルの合金をシリコンと混合したのち、コアに存在すると考えられている膨大な圧力と熱にさらしたのである。シリコン混合を行った実験では、地球内部の地震のデータとの一致を発見することができた。
ただし、大谷教授はBBCに対し、シリコンの現存を確認するためにはもっと多くの作業が必要となり、他の成分が存在する可能性を排除するものではないとも語っている。
この研究成果かどれほど貴重であるかについて、鉱物物理学を専門とする米ケンブリッジ大学のサイモン・レッドフェーン教授は以下のように解説している。
「こうした困難な実験には大変興奮させられます。彼らは45億年前、コアが岩盤と分かれていった頃の原始の姿に似通った、地球の内側への窓を開くことができたのです」(サイモン・レッドフェーン教授)
決して手の届くことのない場所にある疑問を見事解決に導いた、大谷教授ら研究チームの努力と発想力に脱帽である。
「Daily Mail」の記事より
■専門外の人々はどう受け止めたのか
最後に、記事の掲載元にあったコメントをいくつか紹介しよう。地質学に関心のない人々の多くは、こうした実験や研究の成果をあまりに途方もないものだと感じたようだ。
「連中は望めば知りようもないことを何だって語ることができるのさ……地中12キロまでしか到達できない俺たちに対する、屁みたいなおとぎ話をよ」(オーストラリア・シドニー)
「俺たちは宇宙の星のことをいろいろ知っているけど、絶対にそこまで旅することができないもんな」(アイルランド・キャバン)
「なぜあてずっぽうで話をする必要があるんだ?ドリルで掘って確かめりゃいいじゃねえか」(アメリカ・カリフォルニア)
「ドリルじゃ物理的に12キロまでしか掘り進めないんだよ」(イギリス・ポーツマス)
「だれもあてずっぽうの話はしていない。君が記事を理解していないんだと思うよ!」(イギリス)
「Daily Mail」の記事より
「いいね、おれたちゃ巨大なパイオツの上で暮らしてるんだ。それは全ての男の夢であり、同時に38%の女性の夢でもある!」(アメリカ・ダラス)
「正確を期すなら、われわれは半導体の上で暮らしてることになるぞ。元素のシリコンとシリコーン樹脂は全くの別物だからな」(アメリカ・太平洋岸北西部)
「コアがどうなってるか、気にすることはないんじゃないかな。それがいつからそこにあるかって事も含めてさ」(イギリス・リヴァプール)
(文=Forest)
参考:「Daily Mail」、「Nature World News」、ほか