○将来の地震発生の可能性
地震の規模 : M8~9クラス
地震発生確率: 30年以内に、70%程度
平均発生間隔: 88.2年
地震後経過率: 0.78 (地震後経過率とは?)
南海トラフ全体を1つの領域として考え、
この領域では大局的に100~200年で繰り返し地震が起きていると仮定して、
地震発生の可能性を評価しました。
「南海トラフ巨大地震が来る」
1811年に創設されたフランスの
名門校ジョセフ・フーリエ大学の
研究者ミシェル・ブション博士は、
こう無念さをにじませた。
実はいま、ブション博士らの発表したひとつの論文が、
日本の地震研究者や政府関係者の顔色を失わせている。
論文の内容が・・・
〈巨大地震の前兆は、既存の観測態勢で、
特段新しいことをしなくても見つけられたはずだ〉
地質学部門『ネイチャー・ジオサイエンス』電子版で配信された。
「私たちの研究では、東日本大震災のように
(海底の)大きなプレート(地殻)の境目で起きるほとんどの地震で、
はっきりと『前震』が起こっていたとわかったのです」(ブション博士)
愛媛県の宇和島から高知県室戸、和歌山県金屋まで、きれいに南海トラフに並行して異常値が出ています。東海、東南海では異常が出ていないので、3連動ではないけれども、南海トラフを震源とする南海地震が起きる可能性があるのじゃないかと思っているのです」
その地震の規模について、村井名誉教授とともに予知情報を提供している、地震科学探査機構(JESEA)の顧問を務める荒木春視博士はこう語る。
「南海地震の震源の断層の長さからすると、M7以上になるでしょう。沿岸部での震度は6強になる可能性があります。紀伊半島から九州までの範囲で津波が大きくなる危険性もある」
では、その地震はいつ発生すると考えられるのか。
「巨大地震の予兆は6ヵ月くらい前には出ますので、これから冬にかけてが警戒すべき時期と言えるでしょう。今年の12月から来年の3月までを警戒期間としたい」(村井名誉教授)
実は、この研究とはまったく関係のないところで、本誌は村井名誉教授らの予測と奇妙に符合する証言を聞いている。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授が語った、こんな言葉だ。
「これは学問的にはまったく解明されていないことなんですが……。歴史上知られている南海トラフ地震と思われる地震は13回あるんです。その13回はすべて、8月~2月にかけての期間に起こっている。不思議なことですが3月~7月の間には起こっていない。これがまったくの偶然で起こる確率は、統計学的にみて2%程度。しかし、原因はまったくわからない。
さらに言えば、13回のうち5回が12月に起きているんです。もし季節が地震に影響するなら、8月になれば危険シーズンに入り、12月が一番危ない、ということになるでしょう」
ますます現実味を帯びる南海地震の予測。だが、村井名誉教授は、現状では地震の直前になればなるほど、GPSでの予知は限界に行き当たってしまうと話す。
「問題は、地震の本当の直前期には、我々はリアルタイムに警告を発せられないということなんです。なぜかというと、電子基準点を運用する国土地理院が、計測の2週間後にならないとデータを開示してくれないからです。計測自体は24時間、30秒おきにされているにもかかわらず、ですよ。
彼らは、リアルタイムでは間違いがあるかもしれないから、正確かどうか確認してからでないと公開できない、という。その理屈はわかりますが、人の命を救うために使えるのだから、多少データが粗くても構わないと思うのですが……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「東日本大震災は、月と太陽の引力の影響が大きい時期に発生した」という
防災科学技術研究所の田中佐千子研究員の成果だ。
「田中さんの最近の研究では、東日本大震災の前36年間に震源の近くで起きた地震約500件を調べると、巨大地震に近づくにつれて、高潮のときに地震が起こる割合が増えていたのです」
直近で、南海トラフに近い
高知県の室戸岬周辺が8月で
最も潮位の高い大潮となるのは8月21日前後。
以後、9月20日、10月6日、11月4日、12月4日前後が
各月の最高潮位となる大潮の日だ。
これらがXデーとなる可能性は否定しきれない。
電子基準点配点図 (国土地理院)
全国約1,300ヶ所に設置
地震の規模 : M8~9クラス
地震発生確率: 30年以内に、70%程度
平均発生間隔: 88.2年
地震後経過率: 0.78 (地震後経過率とは?)
南海トラフ全体を1つの領域として考え、
この領域では大局的に100~200年で繰り返し地震が起きていると仮定して、
地震発生の可能性を評価しました。
「南海トラフ巨大地震が来る」
1811年に創設されたフランスの
名門校ジョセフ・フーリエ大学の
研究者ミシェル・ブション博士は、
こう無念さをにじませた。
実はいま、ブション博士らの発表したひとつの論文が、
日本の地震研究者や政府関係者の顔色を失わせている。
論文の内容が・・・
〈巨大地震の前兆は、既存の観測態勢で、
特段新しいことをしなくても見つけられたはずだ〉
地質学部門『ネイチャー・ジオサイエンス』電子版で配信された。
「私たちの研究では、東日本大震災のように
(海底の)大きなプレート(地殻)の境目で起きるほとんどの地震で、
はっきりと『前震』が起こっていたとわかったのです」(ブション博士)
愛媛県の宇和島から高知県室戸、和歌山県金屋まで、きれいに南海トラフに並行して異常値が出ています。東海、東南海では異常が出ていないので、3連動ではないけれども、南海トラフを震源とする南海地震が起きる可能性があるのじゃないかと思っているのです」
その地震の規模について、村井名誉教授とともに予知情報を提供している、地震科学探査機構(JESEA)の顧問を務める荒木春視博士はこう語る。
「南海地震の震源の断層の長さからすると、M7以上になるでしょう。沿岸部での震度は6強になる可能性があります。紀伊半島から九州までの範囲で津波が大きくなる危険性もある」
では、その地震はいつ発生すると考えられるのか。
「巨大地震の予兆は6ヵ月くらい前には出ますので、これから冬にかけてが警戒すべき時期と言えるでしょう。今年の12月から来年の3月までを警戒期間としたい」(村井名誉教授)
実は、この研究とはまったく関係のないところで、本誌は村井名誉教授らの予測と奇妙に符合する証言を聞いている。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授が語った、こんな言葉だ。
「これは学問的にはまったく解明されていないことなんですが……。歴史上知られている南海トラフ地震と思われる地震は13回あるんです。その13回はすべて、8月~2月にかけての期間に起こっている。不思議なことですが3月~7月の間には起こっていない。これがまったくの偶然で起こる確率は、統計学的にみて2%程度。しかし、原因はまったくわからない。
さらに言えば、13回のうち5回が12月に起きているんです。もし季節が地震に影響するなら、8月になれば危険シーズンに入り、12月が一番危ない、ということになるでしょう」
ますます現実味を帯びる南海地震の予測。だが、村井名誉教授は、現状では地震の直前になればなるほど、GPSでの予知は限界に行き当たってしまうと話す。
「問題は、地震の本当の直前期には、我々はリアルタイムに警告を発せられないということなんです。なぜかというと、電子基準点を運用する国土地理院が、計測の2週間後にならないとデータを開示してくれないからです。計測自体は24時間、30秒おきにされているにもかかわらず、ですよ。
彼らは、リアルタイムでは間違いがあるかもしれないから、正確かどうか確認してからでないと公開できない、という。その理屈はわかりますが、人の命を救うために使えるのだから、多少データが粗くても構わないと思うのですが……」
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「東日本大震災は、月と太陽の引力の影響が大きい時期に発生した」という
防災科学技術研究所の田中佐千子研究員の成果だ。
「田中さんの最近の研究では、東日本大震災の前36年間に震源の近くで起きた地震約500件を調べると、巨大地震に近づくにつれて、高潮のときに地震が起こる割合が増えていたのです」
直近で、南海トラフに近い
高知県の室戸岬周辺が8月で
最も潮位の高い大潮となるのは8月21日前後。
以後、9月20日、10月6日、11月4日、12月4日前後が
各月の最高潮位となる大潮の日だ。
これらがXデーとなる可能性は否定しきれない。
電子基準点配点図 (国土地理院)
全国約1,300ヶ所に設置