今からかれこれ20年以上前になるでしょうか(昔ばなし、多いね!?)
コピーライターの仕事が暗礁にのりあげてしまった頃のことです。
(自分でのりあげちまったね…という所もあるんですけど)
私は食べていくために、とある工場のラインにその身を置いていました。
そこは全国的にも有名なカメラ工場の子会社で、私の与えられた仕事は
シリアルナンバーのシールをピンセットでカメラに貼るというものでした。
工員の制服を着て工場ラインに立つという
いかにもキビキビしたものが求められそうな場に身を置くというのは、
自分の人生で予想だにしなかった展開でした。
が、高級デジカメにちっちゃなシールをもくもく貼るというアクションは意外と楽しくて、
慣れたらそれなりに数もこなせるようになりました。
「シール貼り、なかなか楽しいですよね(^^♪」と
作業を教えてくれた手塚治虫のマンガ風のイケメン兄さんに言ってみましたところ、
「え…楽しい?( ̄□ ̄;)!!
桃さん、ちょっとアタマおかしいんじゃないスか?」
と言われました。
単純作業って、純粋に楽しくないですか?
まあ、好きな単純作業とそうでもない単純作業ってありますけどね。
同じことの繰り返しは寄せては返す波のようでもあり、瞑想にいざなわ…
いや、寝たらいかんのですが。
近頃では、そういった作業は全部人工知能に取って代わられるとか言われてますが
どうなるのかなー。
まあ、何とかなるんじゃないですかねぇ~と私は思ってます。
人工知能が作業してくれるおかげで人類の時間が余ったら、
例えば楽器の練習とかできていいんじゃね?みたいに思うんですけど。
で、しばらくはその工場で楽しくカメラのシール貼りをしていたのですが
ある日突然、親会社のほうの手伝いに駆り出されることになり
つまり派遣の派遣みたいな状態になりました。
朝まだ暗いうちからバスで一時間近くゆられて工場に連れていかれ、
また夕方暗くなって帰ってくるという…修行僧チックな感じでした。
好きなシール貼りとちがって、今度は小さなバネをはめこんだりとか
何かそういう細かいもろもろの作業です。
カメラを作っているのだなあ、っていう事はさすがに分かるんだけど
その具体的な作業はどういったことをしているのだろうと思って
(これがいつかネタになるかもな…)と薄ぼんやりと思い、
現場の責任者っぽい人に聞いてみました。
「あのー、私は今いったい何をしているのでしょうか?
もしよければ私がしているこの作業の具体的な名前を教えてもらえませんか?」
すると、大きな体をした温厚そうな男性が、とても丁寧に教えてくれました。
「ええと、その作業は
・リセットスイッチの組付
・REバネ給送の単組
・ブッシュの組込
・PRモジュールのボンド付
…です(^^)」
「ほおぉ…。もしこの作業名をどこかで公表することがあっても
差しさわりはありませんか?」
「だいじょうぶです(笑)」
「どうもありがとうございました」
リセットスイッチ?PRモジュール…?
何かすごい理系な雰囲気のことをしてたんだな、私。
近頃手を染めている部屋の片づけのなかから出てきた一枚の紙きれ。
何じゃこりゃ…と眺めていたら、3月16日の日付で(何年かは分からんね)
上の4つのマニアックな作業名が書いてあり、
工場ライン修行僧(?)の時代の思い出がよみがえりました。
この紙切れが今こうして無事ネタになって、ひとつまた何かが片付いた気分です。
だから何?って感じでもありますが(笑)
だいたいそんなワケで…╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !
今日も読んでくださり、ありがたう~♡
❀「うずら」の広告コーナー(^-^)あと約50部アリマス ↓
☆南風桃子詩集「うずら」 まったり発売中♡ お求めはこちらからどうぞ♪
☆リアル書店では、大分市の晃星堂に置いています。
お店の方にお尋ねください。
☆お近くの書店からもご注文いただけます♪
ISBNコード:978-4-9905268-8-7
定価1500円+税 空とぶキリン社
コピーライターの仕事が暗礁にのりあげてしまった頃のことです。
(自分でのりあげちまったね…という所もあるんですけど)
私は食べていくために、とある工場のラインにその身を置いていました。
そこは全国的にも有名なカメラ工場の子会社で、私の与えられた仕事は
シリアルナンバーのシールをピンセットでカメラに貼るというものでした。
工員の制服を着て工場ラインに立つという
いかにもキビキビしたものが求められそうな場に身を置くというのは、
自分の人生で予想だにしなかった展開でした。
が、高級デジカメにちっちゃなシールをもくもく貼るというアクションは意外と楽しくて、
慣れたらそれなりに数もこなせるようになりました。
「シール貼り、なかなか楽しいですよね(^^♪」と
作業を教えてくれた手塚治虫のマンガ風のイケメン兄さんに言ってみましたところ、
「え…楽しい?( ̄□ ̄;)!!
桃さん、ちょっとアタマおかしいんじゃないスか?」
と言われました。
単純作業って、純粋に楽しくないですか?
まあ、好きな単純作業とそうでもない単純作業ってありますけどね。
同じことの繰り返しは寄せては返す波のようでもあり、瞑想にいざなわ…
いや、寝たらいかんのですが。
近頃では、そういった作業は全部人工知能に取って代わられるとか言われてますが
どうなるのかなー。
まあ、何とかなるんじゃないですかねぇ~と私は思ってます。
人工知能が作業してくれるおかげで人類の時間が余ったら、
例えば楽器の練習とかできていいんじゃね?みたいに思うんですけど。
で、しばらくはその工場で楽しくカメラのシール貼りをしていたのですが
ある日突然、親会社のほうの手伝いに駆り出されることになり
つまり派遣の派遣みたいな状態になりました。
朝まだ暗いうちからバスで一時間近くゆられて工場に連れていかれ、
また夕方暗くなって帰ってくるという…修行僧チックな感じでした。
好きなシール貼りとちがって、今度は小さなバネをはめこんだりとか
何かそういう細かいもろもろの作業です。
カメラを作っているのだなあ、っていう事はさすがに分かるんだけど
その具体的な作業はどういったことをしているのだろうと思って
(これがいつかネタになるかもな…)と薄ぼんやりと思い、
現場の責任者っぽい人に聞いてみました。
「あのー、私は今いったい何をしているのでしょうか?
もしよければ私がしているこの作業の具体的な名前を教えてもらえませんか?」
すると、大きな体をした温厚そうな男性が、とても丁寧に教えてくれました。
「ええと、その作業は
・リセットスイッチの組付
・REバネ給送の単組
・ブッシュの組込
・PRモジュールのボンド付
…です(^^)」
「ほおぉ…。もしこの作業名をどこかで公表することがあっても
差しさわりはありませんか?」
「だいじょうぶです(笑)」
「どうもありがとうございました」
リセットスイッチ?PRモジュール…?
何かすごい理系な雰囲気のことをしてたんだな、私。
近頃手を染めている部屋の片づけのなかから出てきた一枚の紙きれ。
何じゃこりゃ…と眺めていたら、3月16日の日付で(何年かは分からんね)
上の4つのマニアックな作業名が書いてあり、
工場ライン修行僧(?)の時代の思い出がよみがえりました。
この紙切れが今こうして無事ネタになって、ひとつまた何かが片付いた気分です。
だから何?って感じでもありますが(笑)
だいたいそんなワケで…╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !
今日も読んでくださり、ありがたう~♡
❀「うずら」の広告コーナー(^-^)あと約50部アリマス ↓
☆南風桃子詩集「うずら」 まったり発売中♡ お求めはこちらからどうぞ♪
☆リアル書店では、大分市の晃星堂に置いています。
お店の方にお尋ねください。
☆お近くの書店からもご注文いただけます♪
ISBNコード:978-4-9905268-8-7
定価1500円+税 空とぶキリン社