台風一過の秋晴れです。
Coco親分は町の様子が気になって
早速、視察に行くことにしました。
こうもりやの若旦那が
道の端に倒れていました。
「おいどうした。しっかりしなさい」
「やあ。Coco親分。おいらとしたことが
不覚を取っちまったぜ。あんな台風野郎にやられるなんて」
台風は、ちょっと雨風が強いのをいいことに
『かさにかかって』きたようです。
台風というものはいつでもそうです。
けれど、こうもりやの若旦那、
この元気があればきっと大丈夫でしょう。
町のあちこちに見られるこんな痕跡も、
暴れ者の台風のしわざです。
水たまりだけに
大きな波紋を広げ
いくつもの足跡を残していきましたが
悔しい気持ちをごくんと飲みこんで
Coco親分は、次の場所へと向かいます。
中には、身ぐるみはがされてしまった哀れな町民もいました。
大木屋の大旦那も、
被害にあった一人です。
あんなに『はぶり』がよかったのに
残念なことです。
しかし、元気な町人たちは、
早くも力を合わせて、町を立て直し始めました。
「『お骨折り』ご苦労さん」と
Coco親分がねぎらいます。
この分なら遠からず
美しい町並みが
戻ることでしょう。
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