Cocoさんは、バンダナ売りです。
いろいろなバンダナを、毎日売り歩いています。
大晦日の今日も、
「バンダナはいらんかね~」
と売り歩きましたが、ちっとも売れません。
バンダナが売れないと、
お正月の支度ができないなあ、と
Cocoさんはため息をつきました。
ふと見ると、
道路のわきに、お地蔵様が立っています。
Cocoさんはその寒そうな姿を見て
バンダナをプレゼントしてあげることにしました。
一つ足りなかった分は
自分のバンダナを
外して、あげました。
家に帰ってその話をすると
「それはよいことをしましたね」と
ぞうさんも喜んでくれました。
その日。
Cocoさんが水を飲んでいますと
どこからか、足音が聞こえてきました。
なんと、Cocoさんがバンダナをあげた
お地蔵様たちが
パンダやわんこに姿を変えて、
Cocoさんを訪ねてきたのです!
「Cocoさん。さっきはありがとう。
いっしょにお正月を迎えましょう」
そういうわりには、
お地蔵様たちは何も持っていません・・・。
すると、
一人のお地蔵様が、
部屋の隅に立ってCocoさんを呼びました。
「ほらほら。かどっこに立つ。これが『かどまつ~』」
と、くだらない駄洒落を披露します。
Cocoさんはちょっと、あきれてしまいました。
「今度はこっちこっち」
別のお地蔵様が、Cocoさんを呼びます。
「ほら。鏡を持って『かがみもち~』」
それを聞いて、ほかのお地蔵様たちは大はしゃぎです。
「うまい、うまい」
「あはは、あはは」
「さあ。Cocoさんたちも、なにかお正月のものを使って
駄洒落を言ってください」
そう言われて、ぞうさんは知恵を絞ります。
「えーとえーと。
ハネた毛がついたCocoさんは『はねつき~』」
「いいぞ、いいぞ」
「その調子、その調子」
「あはは、あはは」
お地蔵様たちは、ご機嫌です。
「さあ、次はCocoさんの番ですよ」
・・・・・・仕方ないなあ・・・。
Cocoさんももともと、嫌いじゃないので
とっておきのギャグを繰り出すことにしました。
「四が四枚で『ししまい~』」
「あはは、あはは」
「やんや、やんや」
「茶碗は飛ぶわ包丁は投げるわ」
こうして、Cocoさんとぞうさんと
お地蔵様たちは、
一晩中駄洒落を言って過ごしました。
宴会の席もどんどん乱れてきます。
ごちそうはなかったけれど
にぎやかに、楽しく年を越し
お正月を迎えられましたとさ。
めでたしめでたし♪
本年は大変お世話になりました。
皆様どうぞよいお年を
お迎えくださいませ。
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