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グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2019 08/10 インドNavIC西輪1Iは明日には準太陽合に 興味深いインドChandrayaan2機の軌道モニタリングの動き

2019年08月10日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
2019 08/10 インドNavIC西輪1I衛星は、明日には準太陽合状態に入るでしょう。

追加したインド月面探査衛星Chandrayaan2の軌道モニタリングが早速興味深い変化を示しています。以下のURLを利用しています。
https://www.n2yo.com/?s=42917|36828|37256|37384|37763|37948|41434|42738|37158|42965|39635|40547|41241|43286|43539|44441|44204|40938|40549|40367

NavIC東輪1Dと西輪1Iペアの軌道位相配置は意図的にずらされています。もう一方のペア東輪1Eと西輪1Bの軌道位相配置が東西同期太陽合生起を狙っているのとは対照的です。NavIC西輪のちょうど首(赤道)の部分をChandrayaan2が通過してゆくところをアニメGIFにしてみました。


NavICペアの電波をインド月面探査衛星チャンドラヤーン2号は、月への航法に活用していると予想します。特にSバンドという前世紀から決まりの深宇宙通信用周波数を使用しているところが興味深いです。

わが国も前世紀に目指した通信・測位複合衛星として機能させているのではと推測してしまいます。双方向通信・測位は一方向方式の擬似距離よりも、確度が圧倒的に高くなることはよく知られています。

欧米から自立したアジア主体の月探査競争・協力の時代が、やっと到来したといえるでしょう。日本QZSSも大いに月面探査支援への先駆者として資格はあります。

軌道直径がMEOの倍近い8万kmクラスのIGSO/QZSS軌道からの送信波を使用して、地球ー月間30万kmのナビゲーションによる月軌道への投入や月面探査車の月面ナビゲーションへ活用しようとするものです。

GPS/MEOの軌道枠との縛りを外して、軌道直径8万kmのQZSS軌道の先頭を切った日本QZSSこそが、日印月面探査協力協定を存分に生かして、新しい月面分野でのQZSS/IGSO応用に挑戦すべきではないでしょうか。これは、はやぶさ2同様の納税者の大きな喝采を浴びることでしょう。

NavIC西輪1I機は東輪1D機とは数日以上遅延する非同期太陽合生起となるでしょう。

以下のQZS/IGSO軌道描画フォームにアニメGIFを記録します。
2019 08/10 QZS/IGSO軌道の2倍拡大アニメGIFを記録します。


2019 08/10 QZS/IGSO軌道の4倍拡大アニメGIFを記録します。


インド・太平洋宇宙連携の中核となる大国インドの宇宙大国化動向などユーラシア上空のQZSS/IGSO軌道運動を、測位衛星と太陽との天体エベントに注目して頂くことができればと思います。





平成期の日本宇宙陣は欧米のMEO重視の壁を乗り越えて、先駆的RNSSとして脱MEOという大胆なQZS計画実現を頑張りぬきました。これが、アジアのGNSS情勢のMEOからの脱皮、端的にBDSS-IGEO/IGSOの充実を産み出しました。各国の月面探査衛星はIGSOからの電波での測位を活用する動きが見えてきました。日本はQZSSを月面探査日印協力を基盤に軌道運動・測位へ活用展開を目指すべきでしょう。

中国側は日本QZSSの自立した踏ん張りを見守りながら、将来のIGSOエコシステム構築の展望を描いているでしょう。これがインドのIRNSS NavICや、ロシアが計画中のポストGlonassたる高々度亜QZSS型衛星軌道セグメントの実現にも大きな影響を与えるでしょう。
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