先輩女性従業員から電話が入る。それも接客には慣れている先輩から
『収納部署に来店されてますお客様なのですが、詳しい方と話がしたいとの事でして・・・』
言われた売り場に向かってみると、眉間にしわを寄せた先輩女性従業員と、40歳前後の男性が!『あ、担当の者が来ましたので代わりますね』と。たぶん、毎回ながらの面倒臭い客なのだろうと私が対応を代わる。。。
私『お待たせいたしました。どのような事でしょうか?』
客『この肘掛け付きのオフィスチェアを買おうと思うのだが、以前にも此方で似たようなオフィスチェアを買ったけど、肘掛けがデスクの縁に当たり、椅子自体がデスクの下に納まらないんだよ。それで今現在のを計ってきて此方で合わせたら、やはり肘掛けが当たるんだよ!どうしてこんな納まりが悪い設計で椅子が造られているのか?教えて欲しいんだけど』(←はぁ~詳しく知りたいならメーカーにでも電話して聞けよ!こりゃ、先輩も難儀だっただろうなぁ~)
私『その件でしたか!よく、お客様からも聞かれるんですよ』(←嘘です)
客『で、どうして当たるんですか?当たらないように造れないのですか?』
私『デスクに合わせて椅子は制作されている訳ではありません。椅子1つで考えますと、一般標準型の人を基準に、その人が座るにあたって1番座りやすい座面高さがあり、又、その状態で座った時に、腕が一番疲れにくい肘掛けの高さが決まってくるわけです。次に机1つも同じ考えでして、一般標準型の人が椅子に座った時に、1番作業がしやすい高さにデスク高さが決まってきます。』
客『そう言われれば、言っている事もなんとなくわかるなぁ~。でも、そうなると肘掛けって邪魔でしか無いってなるよね』
私『お客様の言われるとおりです。ですから、肘掛け付きのオフィスチェアーは、取り外しが容易に出来るようになっているのですよ』(裏を見せてネジで外せる事を見せる)
客『でも、デスクに納まる肘掛け付きのオフィスチェアを造ったら、それの方が売れるのではないですか?この店でそういう物を制作するとかどうなのでしょうかね?』(←大きなお世話です)
私『専門的なお話ですいません。実はこの高さなどは“人間工学”的に決まっておりまして、ある意味、基準と言いますか?勝手に変える事が出来ないのですよ』
客『へぇ~そうなのだ!当たる意味もわかったし、この椅子買っていくわ』
私『ありがとうございます』と、在庫商品をお渡しして帰っていただきました。その客の帰り姿を先輩と見ながら
先輩『初めて知ったわ。人間工学で決まっていたのね。椅子の高さとか・・・』
私『知りませんよ!そんなのが決まっているのかどうかも知りませんよ!』
先輩『へっ?・・・』
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