29P目。ストーリーのラストページ。この後、1Pの30P1枚がエピローグになります。
優しく真面目で自己主張に乏しい18才の男の子が、自分の女を手に入れて大人の男になっていく。。。愛は己との戦いでもある事を彼は、この先の人生で知っていきます。
エピローグは宣戦布告です。
陽(あかり)、翔(かける)、葵(あおい)の愛と憎しみの物語は23年間続きます。
「人を本気で愛したら、それは狂気になる。」
これは葵の2番目の恋人、瑠美のセリフです。
2LDKのマンションの全部の壁を「陽の写真」で隙間もないほど埋める葵を見ていう言葉です。
葵は65才で孤独死をします。瑠美は内科医。人間の死に顔なんて数え切れないほど見てきました。旧友でもあった葵の眠る顔を見て「こんなに幸せそうな死に顔は初めて見た」と思います。
そこに、葵の息子、外科医でもある光がやって来て「父は母が帰ってくると本気で思っていたようでした。やっと会えて嬉しそうです。」と言います。
瑠美は、溢れる涙が止まらなくなります。早く家に帰りたい。家で待つ夫に「愛している」と言いたいという衝動に突き動かされながら。
「Crystal Ball」は、葵の死までが前半部分、後半は高天原に舞台が移ります。
長い物語で、登場人物も何人いるのか私も分からない。数えていない。
「葵の花」も陽と葵が思っている「初恋」ではないんです。偶然の出会いでも無く、巧妙に仕組まれた出会い。ただ、2人が恋に落ちたのは仕組んだ者の想定外。
葵の両親だけは「ここで、高天原に恩を売っておこうぞ。」と狙っていました。
何日が前のブログ絵の母エリは、あんな優しい顔ではありません。あの時はそうでしたが、本当の顔はキッツイ美女で毎日のドレスが興味の中心。ファッションと教養を追求するイジワルな物言いをする女。夫をビンタし襟首掴んで引きずって行くタイプ。