「Crystal Ball」の出発点は私が18歳の時に描いた16pの漫画です。
原稿も保管してあります。
18歳の私が何を狙っていたのか、昨日の執筆中にハッキリと分かりました。
「哲学」です。
このテーマを18歳で書くのは無理です。あれから40年以上が経ち、エンタメの形で書いています。
世界を構成するたくさんの要素、人間、個々人の目線と解釈、不老不死を扱いながら、死もまた「一つの救い」であること。東京都という巨大な街の中にハッキリと見える絶望的な格差。「子供のため」という錦の旗を掲げた親という存在と
親が子に齎す影響の範囲。全部が環境のせいならば人生になんの意味があるのか。
宗教が果たして来た役割など。
東京都出身で今も隣県在住の私が18歳の時に感じた違和感を今、文字で表現しています。
後、1エピソードで5に移ります。4で起こった「事件」の描写から5は始まります。
この作品は商業ベースには絶対に乗らないテーマを内に含んでいます。(ストーリーの全容を知っている人は「火の鳥」だと言ってました。)
私自身は、中学生の頃に「哲学」に魅入られました。主に二人の教師のお陰です。
家庭教師と塾講師。学校の教師ではないのです。
ただの子供であった「私の目」を書物で覚させた二人の教師。出会いは共に私が14歳の時でした。
一人はボーボワール、一人はサルトルを突きつけて来ました。この哲学者(ボーボワールは違うかな?)二人はパートナー。
14歳という年齢で「人生の正体」を私に突きつけた二人の教師。お二方には感謝しています。
私の「世界」を見る見方は、多分あの14歳で変容したのです。
身の回りで起こる様々な事象である事実と心の領域を含んだ真実。この違いに非常に拘ったのが私という存在です。
私が経験してきた、自分の内を見つめて漫画のお話を作ること、労働組合の幹部として他人様を動かすこと、自信満々だったのに大病、それも運命のような病気で全てを奪われたこと。それさえも今の作品に繋がっています。
いよいよ明後日から、3「捕縛隊の派遣」の公開です。
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