鍵穴ラビュリントス

狭く深く(?)オタク
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プラトニックlove好き

片付けしてたら出てきた私の薄い本

2015-10-16 19:09:37 | ヘタリアのBL小説
2つめ。
表紙は1つめの記事に載っています、ユイちゃんが描いてくれたのです、見てみてねぜひ。

sweet potato ❤ kiss
~焼き芋大会オールキャラ~



「ねえ日本~」
「はい」
「今日はいーっぱい楽しもうね!」
「そうですね」
 日本は同意しながらも、どこをどういうふうに楽しむのか分からずにひそかに頭を抱えていた。なにせ、イタリアと日本の二人は2週間後に控える焼き芋大会のためにこうして山に落ち葉集めをしに来ていたのである。その山はまだ朝が明けきってないかのように霧にかすんでいる。
(なにか出そうな雰囲気ですね)
「ドイツも可哀相だよねー、ドイツ、馬鹿じゃないからさ、風邪ひいちゃって。俺なんかはちっとも風邪ひかないもんね」
「え? あ、そうですね~。でもイタリア君も馬鹿じゃありませんよ?」
「えええっ」
叫びと同時にイタリアは岩につまずいて半分こけた。
「どうしたのです、そんなに驚いて」
「――なんか感動した……。だって、俺、みんなから馬鹿にされてると思ってた。兄ちゃんなんてすぐ俺のこと怒るし……」
(あー……。いえいえ、ここは日本男児たるもの、しっかりフォローをしてあげないと)
「ふふ、イタリア君はみなさんから愛されているのですよ」
「え、ええええええええーっ」
「今度はどうしました?」
「まさかぁ!」
「ほんとですってば」
 と、そこで霧から二人は抜け出した。
――バッ。チャキンッ。
日本は日本刀を構える。お気に入りの紫の刀袋が宙に舞ったかと思うとそれはイタリアの足元に着地した。
「イタリア君。下がっていてください」
「な、な、なにが起こってるの? ねえ日本!」
もうここでイタリアは木の棒を拾って、ハンカチを結び付け、白旗を作りだしていた。
「ここでイギリスさんでもいればよかったのですが……。私には雰囲気しか掴めません。相手の正体も知れません。でも、何かいることだけは確かです」
 遠くで雷鳴がきこえる。
「に、日本……」
「……?」
すると、日本の目の前にイギリスが現れた。
「お、俺のこと必要としてくれたのか……? 敵なのに……」
「イギリスさん! 何故ここに?!」
「うれしいとか、そんなこと思ってないんだからな! ただ今日のところはこれで勘弁してやるよ」
「なぜだい? イギリス。それにヒーローは俺の役目なんだぞ。勝手に決めるなんて許さないんだぞ!」
アメリカが現れた。
「じゃあお兄さんはイギリスとアメリカに反対ってことで」
また目の前にフランスが現れた。
「「意味わかんねえよ/わかんないんだぞ!」」
「まあまあ喧嘩はやめるよろし! 桃饅頭でも食うあるか?」
「魔法のステッキー」
「ぎゃあロシア! てめーもそういう危ないものはしまうある!」
なにやらパクついている中国と、水道管を持ったロシアが現れた。
「わ、わ、なんでもするからぶたないで~!」
イタリアは白旗を一生懸命ぶんぶんふりつづけている。


「だいたいみなさん、なんでおそろいなんですか?」
 日本が刀を刀袋にしまい、もっともな疑問を口にした。
「ふふふ見ろ! ハリー○ッターから借りてきた透明マント!」
「イギリスが焼き芋大会の落ち葉集めを枢軸だけに任せてはおけないって、駄々こねてね。ふぅ、お兄さん疲れちゃったよ、こんなとこまで登ってきて。もっと下のほうでもよかったんじゃないの?」
「HAHAHA、若い俺にはこんな苦労たいしたことないんだぞ! それよりイギリス! きみは俺の補佐をするってことになっていたじゃないか。勝手な行動は禁物なんだぞ!」
「しょうがないだろ。日本が俺のこと必要としてくれたのだから」
「何言っているのかさっぱり分からないある」
「ねー。でも僕はこういうの好きだよ? みんなで仲良くしているのみると僕もみんなの友だちになれた気がして」
「私の感じた違和感は連合のかたたちだったのですね……はあ。天狗や魔物の類が出たらどうしようかと思いました。これでイギリスさんもいるし安心ですね」
「に、日本……///」
イギリスが日本に接近して日本の手を優しく両手のひらで抱えこんだところで、コツコツという足音とともに聞き慣れた声がした。
「何が安心だ! 連合に囲まれてしまっているではないか! ゴホゴホッ!」
「あ~ドイツだぁ」
風邪をひいているはずのドイツが来ていた。


[中略]


「フランスさん! いつからいらっしゃったのですか――ってその薔薇の花はいったいどこから?!」
「うーん、いつからだろうねぇ。あ、これはいつも携帯してんの」
「てめーも薔薇、口からはずすよろし。唇に棘が刺さるあるよ。だいたい薔薇くわえて喋れるやつはめずらしいある、我のうちの動物園まで連れて行くある」
「「勝手にひとを動物園にいれないで~!」」
「ははは、こいつが檻に入れられているの見てみたいぜ」
「むきー! お兄さんいよいよ怒ったよ! 日本にそこまで見惚れさせる眉毛、全部ひんむいてやる!」
「こちらこそまた百年フルボッコにしてやるよ。かかってこい」
「あー! 日本!」
「どうしたのです、中国さん急に」
「栗の木を探すある! 甘栗食べたくなってきたある! というか売りたくなってきたある!」
「売りたく?! まさか中華街ですか? あの押し売りはひどいと思います! 私なんて断るの下手なんでいつもいつも買わされちゃいます……」
「断る? そんなことしねーほうがいいあるよ。甘栗美味あるよ」
 日本が逆らえず中国とともに栗の木を探そうとしたとき――日本は、イギリスがうっかり置きっぱなしにしていた透明マントをみつけた。


[以下略]


どうも、お読みくださってありがとうございました!



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