④額田王(ぬかたのおおきみ)の姉である鏡王女(かがみのおおきみ)をも妻にしていたにもかかわらず、あとでもらいうけた額田王のほうをより愛した
⑤あとで鏡王女は、家来である中臣鎌足(なかとみのかまたり)の正妻としてあげちゃった
お久しぶりです。
あとでヘタリアのカテゴリーにも書きますが、今日は日英同盟締結の日!
それはおいといて、
では④⑤あわせていきたいと思います。
君待跡 吾戀居者 我屋戸乃 簾令動 秋之風吹
君待つとわが恋ひをればわが屋戸のすだれ動かし秋の風吹く
[作者]額田王
訳:あなたの訪れを心待ちにしている、と、私の家の簾(すだれ)を動かすものは…?なーんだ秋風でしたか。あなたかと思ったのに。
ここでいうあなたとは天智天皇のことです。次の歌が続きます。
風乎太尓 恋流波乏之 風小谷 将来登時待者 何香将嘆
風をだに恋ふるは羨し(ともし)風をだに来むとし待たば何か嘆かむ
[作者]鏡王女
訳:秋風さえに恋い慕うとは羨ましいものですね。風にさえ天智天皇がいらっしゃるのかと待つのでしたら、何を嘆くことがあるのでしょう、何も嘆くことはありませんね。
鏡王女は、『万葉集』では「鏡王女」、『日本書紀』では「鏡姫王」と、記されているそうです。藤原不比等の生母とする説が有力――だそうです。
鏡王女は額田王の姉という説をわたしはつかいます。
昔は、女のところに男が通ってくる通い婚でしたから、上のような歌になるわけです。
しかし天智天皇もそう鏡王女につらくあたっていたわけではありません。
以下のような相聞歌もあります。
妹之家毛 継而見麻思乎 山跡有 大嶋嶺尓 家母有猿尾
妹(いも)が家も継ぎて見ましを大和(やまと)なる
大島の嶺(ね)に家もあらなくに
[作者]中大兄皇子
訳:恋しいあなたの家をいつも見ていられるといいのに。大和の大島の嶺にわたしの家もあるといいのに。
ここでいうあなたとは鏡王女です。次の歌が続きます。
秋山之 樹下隠 逝水乃 吾許曽益目 御念従者
秋山の樹(こ)の下隠り逝く水のわれこそまさめ御思いよりは
[作者]鏡王女
訳:秋山の木陰を流れて行く水のように静かに、わたくしのほうこそあなたのことをより深く思っていますわ。
素朴で優しい歌ですね・・・。
でも、中大兄皇子はのちに鏡王女を、家来である中臣鎌足の正妻にとやってしまいます。
なにがあったんでしょうね。
以上、中大兄皇子の“やばさ”についての説明でした!
みなさんはどのひとが好きですか?