鍵穴ラビュリントス

狭く深く(?)オタク
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プラトニックlove好き

雨が降っていてもいなくても 後編

2014-01-29 11:56:24 | ヘタリアのBL小説
ヘタリアのBL夢小説、第2弾後編!
私の本命、朝菊(英日)で昨日からお届けしております(*´▽`*)
実はヘタリアのBL小説としては処女作。

BLが苦手な方、BLの意味が分からない方、お逃げください!
まあぜんぜんエロくないですけど。
逃げましたね?!

では、どうぞ。。。





つづき


 今日もまた雨。
 窓の外は雨。雨が降ってる。物語の終わりに、こんな雨の日、似合いすぎてる。
(だけど。私たちの物語はこれで終わりません)
「菊……!」
「おはようございます。アーサーさん」
「おはよう。そっか、俺、あのまま…」
「はい」
菊は笑った。その笑顔を見て赤面したアーサーが、
「う、うれしいとか、そんなこと思ってないんだからな! ばかぁ!」
と叫ぶ。
「私はうれしいです」
「……/// 帰る。これで本当にお別れだ」
「いいえ。私がそうはさせません。アーサーさんのこと、大好きですから」
「え」
「戦争が終わったら、また私と恋人として付き合ってくださいますね?」
「――ああ」
満面の笑みのアーサーが、少し恥ずかしげに毛布をもつ菊の黒髪をなでる。
「再会を必ず」
「……はい」


 薔薇の花束をもってきて、この日、彼はやってきた。
「菊。いるか?」
「――アーサーさんっ」
 今日の天気は晴れ。1945年8月16日、再びまた二人は逢った。
「いい香りですねー」
「菊んちは暑いな……、俺の為に、俺んちからとってきた薔薇だ。イングリッド・バーグマン」
「ありがとうございます。うわあ、綺麗ですね…!宝石みたいです。なんだかもったいない気がしますね…」
「どうしてだ?」
「なんとなく。ふふっ」
戦争が終わって破顔一笑する菊に、アーサーは頬を染める。
「また会えてうれしいとか、思ってないんだからな!」
だが、その顔はうれしさに満ち満ちている。
「私はうれしいですよ? 再会を必ず、って言ったの、アーサーさんじゃありませんか」
「うっ……」
「今日は天気がいいですから、外でお茶をたてましょうか」
「おっ、いいな」
アーサーの顔が、ぱっと明るくなる。
「ぽちくんも連れてきましょう」
「菊……お前、心、変わってないな?」
「もちのろんですよ。そういうアーサーさんこそどうなんです?」
「う、訊くな!」
「ふふ、可愛いんですから」
「///」
「くぅーん」
「あら、ぽちくんはお外に出るの嫌ですか」
「そう言っているのか?」
「はい。じゃ、私たち二人だけでデートしましょうね」
「デ、デートいうな!」
「あはは」


「謝らなきゃいけないことがある。2月に行われたヤルタ会談。俺の上司というかチャーチルが、イギリスとアメリカとソ連で協定を結んだ。そのためにソ連は日ソ中立条約を破棄した。それで、アメリカの馬鹿に原爆まで落とされたあげく…、千島列島を巡る問題が生じてしまっただろう。すまなかった」
アーサーは深々と頭を下げた。
「そうですね……」
菊は茶筅の動きをいったん止めて、緋毛氈の椅子よりも下の空間をぼぅっと眺めた。微妙に泡立っていた抹茶の泡が小さく弾けていく。
「でも、アーサーさんのせいじゃありません。私たち日本も戦争を引き延ばしていたのが悪かったのです。ソ連とは……これから難しい局面に入っていくでしょうね……」
菊は顔をあげた。その顔は愛しさでいっぱいの顔だった。
「私はアーサーさん、貴方が大好きです。これは昔も今も変わりません。今日くらいは戦争のことを忘れて、のんびり過ごしましょう?」
「菊……」
菊はまた茶筅を動かし始めた。


 窓の外は雨じゃない。

  誰もが物語 その一ページには
  胸はずませて はいってゆく
  ぼくの部屋のドアに 書かれていたはずさ
  『ささやかな幸福の』 物語だと

 二人の物語は始まったばかりである――。





―おわりに―

【雨の物語(イルカ)】
  化粧する君の その背中がとても
  小さく見えて しかたないから
  僕はまだ君を 愛しているんだろう
  そんなこと ふと思いながら

  窓の外は雨 雨が降ってる
  物語の 終わりに
  こんな雨の日 似合いすぎてる

  誰もが物語 その一ページには
  胸はずませて はいってゆく
  ぼくの部屋のドアに 書かれていたはずさ
  とても悲しい 物語だと

  窓の外は雨 あの日と同じ
  肩を濡らした 君が
  ドアの向こうに 立っていたのは

  窓の外は雨 雨が降ってる
  いく筋もの 雨が
  君の心の くもりガラスに



【お知らせ】

2月11日の英日オンリーふた茶4にサークル参加します!
スペースI06です。
内容はディープキスありますが、その先にはいきません。
アーサーと菊が秘密裏に天文部を作って……?
というお話です。
よろしければ覗きに来てください(≧▽≦)
2月11日の前にそのお話のプロローグ載せますね!


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