私は清少納言が好きです!
そこでまず紹介したいのは藤原公任(ふじわらのきんとう)との合作。
白氏文集(はくしもんじゅう)にある白居易(はく・きょい)の律詩「南秦ノ雪(なんしんのゆき)」に出てくる
「三時雲冷ややかに多く雪を飛ばし、二月山寒くして少しく春有り」(書き下し文)
という一節を用いて歌を詠み合います。
では原文にところどころ注釈をつけながらいきます。
二月(きさらぎ)つごもりごろに
二月つごもりごろに、風いたう吹きて、空いみじき黒きに、雪少しうち散りたるほど、黒戸に主殿寮(とのもづかさ)来て、「かうて候ふ(さぶらふ)。」と言へば、寄りたるに、「これ、公任(きんたふ)の宰相殿の。」とてあるを、見れば、懐紙(ふところがみ)に、
少し春ある心地こそすれ
とあるは、げに今日の気色にいとよう合ひたる。
(略)
げに遅うさへあらむは、いと取りどころなければ、さはれとて、
空寒み花にまがへて散る雪に
とわななくわななく書きてとらせて、いかに思ふらむとわびし。
訳:二月の下旬ごろに、風がひどく吹いて、空がとても黒いのに加えて雪が少しはらはらと散っているころに、黒戸(清涼殿の北・滝口の西)に主殿寮(宮内省の天皇のお世話をする職員)が来て[主殿寮は黒戸までしか来れない]、「ごめんください。[来訪の挨拶]」と(主殿寮が)言うので、(私が)寄ると、「これ、公任の宰相殿の(文)です。」ともってきているのを、見ると、懐紙に、
少し春があるような気がする
とあるのは、なるほど今日の空模様にとてもよく似合っている。
(略されているここで、これに上の句をつけてくださいと急かされる)
(上手でもない返しが)そのうえ遅いのであったら、とても取り柄がないので、どうとでもなれと思って
空が寒いので、桜の花に見まちがうほどに散る雪に
[形容詞の語幹についた接尾語で原因・理由を表す]
と手がふるえながら(私が)書いて(主殿寮に)もっていかせて、(公任たちが)どのように思っているだろうと思うと心もとない。
(そのあと、褒められていたそうで、ほっとしたわ、となります)
ここでよく問題になるのは、清少納言(ここでいう私)のどういう点が評価されたのか、ということです。
①白居易の漢詩をふまえた上で
②公任同様、今日の空模様に合わせて書いた
の2点入っていればまるがもらえるはずです。
というわけで、解説終わり!
そこでまず紹介したいのは藤原公任(ふじわらのきんとう)との合作。
白氏文集(はくしもんじゅう)にある白居易(はく・きょい)の律詩「南秦ノ雪(なんしんのゆき)」に出てくる
「三時雲冷ややかに多く雪を飛ばし、二月山寒くして少しく春有り」(書き下し文)
という一節を用いて歌を詠み合います。
では原文にところどころ注釈をつけながらいきます。
二月(きさらぎ)つごもりごろに
二月つごもりごろに、風いたう吹きて、空いみじき黒きに、雪少しうち散りたるほど、黒戸に主殿寮(とのもづかさ)来て、「かうて候ふ(さぶらふ)。」と言へば、寄りたるに、「これ、公任(きんたふ)の宰相殿の。」とてあるを、見れば、懐紙(ふところがみ)に、
少し春ある心地こそすれ
とあるは、げに今日の気色にいとよう合ひたる。
(略)
げに遅うさへあらむは、いと取りどころなければ、さはれとて、
空寒み花にまがへて散る雪に
とわななくわななく書きてとらせて、いかに思ふらむとわびし。
訳:二月の下旬ごろに、風がひどく吹いて、空がとても黒いのに加えて雪が少しはらはらと散っているころに、黒戸(清涼殿の北・滝口の西)に主殿寮(宮内省の天皇のお世話をする職員)が来て[主殿寮は黒戸までしか来れない]、「ごめんください。[来訪の挨拶]」と(主殿寮が)言うので、(私が)寄ると、「これ、公任の宰相殿の(文)です。」ともってきているのを、見ると、懐紙に、
少し春があるような気がする
とあるのは、なるほど今日の空模様にとてもよく似合っている。
(略されているここで、これに上の句をつけてくださいと急かされる)
(上手でもない返しが)そのうえ遅いのであったら、とても取り柄がないので、どうとでもなれと思って
空が寒いので、桜の花に見まちがうほどに散る雪に
[形容詞の語幹についた接尾語で原因・理由を表す]
と手がふるえながら(私が)書いて(主殿寮に)もっていかせて、(公任たちが)どのように思っているだろうと思うと心もとない。
(そのあと、褒められていたそうで、ほっとしたわ、となります)
ここでよく問題になるのは、清少納言(ここでいう私)のどういう点が評価されたのか、ということです。
①白居易の漢詩をふまえた上で
②公任同様、今日の空模様に合わせて書いた
の2点入っていればまるがもらえるはずです。
というわけで、解説終わり!
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