
東京電力は、福島第一原発の海からわずか6メートルのところにある観測用の井戸の地下水から、ベータ線を出すストロンチウム90、トリチウムを含むベータ核種と呼ばれる放射性物質が1リットルあたり3000ベクレル検出されたと、2013年6月29日に発表しました。
東京電力によりますと、新たに掘った井戸は、19日に高濃度の放射性物質が検出されたと発表した最初の井戸から海側に19メートルの位置にあり、海まで6メートルしかないのです。海から25メートル離れた井戸の地下水からは、1リットルあたり1400ベクレルのベータ核種が検出されたということしたが、これは、国の海への放出基準の 30倍のストロンチウムと8倍のトリチウムだということです。
だということは、これより 海に近い井戸の地下水のほうから2倍以上の放射性物質が検出されたことになります。
さて、ストロンチウム90が崩壊して生まれるイットリウム90は高エネルギーのベータ線(228万電子ボルト)を放出します。このベータ線は水中で10㎜まで届き、ストロンチウム90はベータ線を放出する放射能としては健康影響が大きいのです。ストロンチウムはカルシウムと似た性質を持ち、水に溶けやすい化合物が多く、体内摂取されると、一部はすみやかに排泄されますが、かなりの部分は骨の無機質部分に取り込まれ、長く残留し、内部被曝が続きます。そして、骨肉腫などを引き起こすのです。
内部被曝は外部被曝よりはるかにダメージが大きい 内部被曝の恐怖39
また、福島第一原発に隣接する港からは、1リットルあたり1500ベクレルのトリチウムが検出されていて、原子力規制委員会の更田委員は、原子炉建屋などにたまっている高濃度の汚染水が
「海に漏れている可能性が強く疑われる」
と指摘しています。東京電力は、海側の地盤に薬剤を注入して固める作業を来月上旬から始めるとしていますが、いたちごっこの繰り返しです。
生物濃縮により、海の生態系の中で、だんだん水→微生物→小魚→大型魚→人間。。。と取り込まれる放射性物質の料が増えることも心配です。
いわき市沿岸の動物性プランクトンから高濃度セシウム→魚→人間と生物濃縮で内部被曝の恐怖38
一度、事故が起きてしまったらもう取り返しのつかないのが原発です。そんな原発に安全基準を設けて、再稼働をしようというのがナンセンスなのです。
海も空も汚され続けている。
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毎日新聞 2013年06月30日 東京朝刊
東京電力福島第1原発2 号機と海の間に設置した観測用井戸から高濃度のトリチウム(三重水素)とストロンチウム90が検出された問題で、東電は29日、問題の井戸より19メート ル海側に新設した井戸から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり3000ベクレル検出したと発表した。この値は問題の井戸の検 出濃度の2倍以上。東電は「引き続き調査して海への流出の有無を判断したい」と説明している。
東電によると、新設井戸を掘削したのは海岸から6メートルの地点。28日に採取した地下水を分析した。トリチウムは1リットル当たり43万ベクレル(国の放出基準の約7倍)検出され、この値は問題の井戸と同レベルだった。
井戸に近い港湾内では海水中のトリチウムの濃度が上昇傾向にあり、汚染水流出が疑われている。【鳥井真平】
海に近い井戸でも高濃度汚染…福島第一原発
東京電力福島第一原子力発電所の1、2号機タービン建屋海側にある井戸の地下水から高濃度の放射性物質が見つかった問題で、東電は29日、海の近くに新たに掘った井戸から、地下水1リットル当たり3000ベクレルの高濃度の放射性物質を検出したと発表した。
東電は、これらの井戸付近で2年前に漏れ出た汚染水が広範囲に広がっているとみており、海への拡散を防ぐため護岸などの地盤改良工事を急いでいる。
東電によると、新たに掘った井戸は、今月19日に高濃度の放射性物質が検出されたと発表した最初の井戸から海側に19メートルの位置にあり、海ま で6メートルしかない。28日に採取した水を分析した。同じ日に最初の井戸から採取した地下水からは、同1400ベクレルの放射性物質が検出された。
東京電力は29日、福島第一原発の岸壁から約6メートルしか離れていないところに掘られた観測用井戸の地下水から、放射性物質を高濃度で検出した、と発表した。
ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質で水1リットル当たり3千ベクレルと周辺の井戸の濃度の2倍以上。トリチウム(三重水素)も法令で定める濃度限度の7倍以上にあたる同43万ベクレルが検出された。東電は、海へ漏れたかどうかを慎重に調べる。
この井戸は、1、2号機のタービン建屋海側の観測用井戸から、同1千ベクレルのストロンチウムなどが検出されたのを受け、海側に19メートル離れたところに新たに掘られた。
最も海に近い井戸で放射性物質の濃度が最も高かった理由はよくわかっていないが、東電は、海水中の放射性物質濃度に大きな変化はないとしている。
追加で掘っている観測用井戸の調査結果を見るとともに、遮水効果のある薬剤を地盤に入れて、海への広がりを防ぐという。
朝日新聞 2013年06月29日20時33分
なにせ、原発事故以来、米四軍挙げての一大作戦であるOperation Pacific Passage(太平洋の通路作戦)については、一言も報道されず、例の「トモダチ作戦」については大規模に報道したぐらいですので。
米国では、この陸海空軍海兵隊挙げての、在日米人の一大避難作戦に関しては、マスコミ挙げての大報道体制が布かれました。 米政府からは、避難の「勧告」でしたが、私の知人の米人へも日本人の奥さんも含めて全家族の米国への避難が勧告されたそうです。 強制ではありませんので、知人は色々考えて日本に止まりましたが、、、。 在日米軍も、例えば、第七艦隊は、全艦船が風上である日本海へ避難し、横須賀は空き家状態になりました。
関東在住のドイツ人一家には、ヨウ素剤が配られ、関西への移転勧告がありました。
日本政府は、日本人への避難勧告等も最小限であり、必要な情報は隠し、私達は、米英独の情報を検索して得るしかありませんでした。 これが、日本の実状です。
現在も「大本営発表」が生きているのです。