航空自衛隊のHPより自衛隊の緊急発進回数の推移。昭和の終わりから平成の初めの最も大きな山はほとんどソ連機に対するもの。平成25年の810回中、中国は約51%(415回)。平成26年は963回となったが中国は49%(464回)でロシアの方が多かった。
そして、平成26年度、一回も領空侵犯はなかった。平成25年もロシアの2回だけ。つまり、安倍政権が緊張を演出するため過剰に緊急発進させた可能性は否定できない。安倍政権の発足は平成24年12月。
(日本に対する領空侵犯はほとんどが旧ソ連・ロシアによるもの。中国機による領空侵犯は歴史上、平成24年の1回しかない)
今、中国が軍事大国となり、アメリカの地位が相対的に低下した、だから戦争法制が必要なのだという説明が良くなされます。
たとえば、本日2015年5月26日、菅官房長官はいわゆる「平和安全保障法制」(とはよく言ったもので実質的には戦争法制)について、
「国民の平和と安全な暮らしを守ることは政府にとって最優先、最大の責任だ。わが国を巡る安全保障環境が極めて厳しくなっている中で、切れ目のない対応を可能にする今回の安保法制は不可欠だ」
とその必要性を述べました。
でも、本当に日本を巡り安全保障環境は以前より厳しくなりましたか?
1945年8月、アメリカは第二次大戦を終わらせるためだとして八月六日九日に広島、長崎に二発の原爆を投下し20万人以上の人々を無差別殺戮しましたが、日本はすでに半ば無条件降伏を決めており、八月九日のソ連参戦があれば必ず降伏するのがわかっている状態でした。
では、なぜアメリカは原爆を投下したのか。それも二発落とす必要がどうしてあったのかと言うと、それは酷い話ですが違うタイプの原爆を試したかったのと、いずれ対立することになる社会主義国ソ連にアメリカの力を見せつけるためでした。
実に、米ソ冷戦は第二次大戦が終結した1945年に開始され、1989年12月にブッシュ大統領とゴルバチョフソ連共産党書記長がマルタ会談で冷戦終結を確認するまで44年間も続いたのです。
冷戦終結(1989年)までの旧ソ連(USSR)の核弾頭数は半端なかった。
お若い読者の中にはすでに米ソ冷戦を肌で実感していない方も多いと思いますが、それはそれはソ連は軍事的に強かったんです。
また、冷戦時代は東西両陣営に分かれて経済的な交流も今と比べると段違いに規模が小さかったのです。日本にも共産圏の国々とは輸出入してはならないという法律がたくさんありました。
ソ連は第二次大戦後すぐに原爆、水爆の開発に成功し、米ソは核実験をお互いに繰り返し、原子力潜水艦、長距離爆撃機、大陸間弾道弾で何万発もの核兵器をお互いに照準を合わせて持ち合うという緊張関係となりました。
米ソ間は、朝鮮戦争(1950~1953)、キューバ危機(1962)、ベトナム戦争(1960~1975)、アフガニスタン侵攻・紛争(1978~1989)と対立を続けました。
ヨーロッパでも東西両陣営が中距離核ミサイルを向けあうという緊張関係がありましたが、上にみるように実際の「熱戦」はすべてアジアで起きています。
米国とロシア、英国、仏国、中国の核兵器数推移
(Bulletin of the Atomic Scientists) 原子燃料政策研究会のHPより
核五大国の核兵器数推移。中国(黄)がアメリカ(青)よりはるかに少ないのがわかる。
- 米国の核は、おそらく実数。ソ連の核は米国の予想値。(他の国も同様)
- 米国、ソ連に比べ、英国、仏国、中国の核保有量は、X軸に沿うほどに少ない。
- 米ロの核兵器が減少している要因は、性能の向上と核軍縮交渉によるが、本来の大きな要因は、ソ連の経済破綻(1991/12/25 ゴルバチョフ辞任)による冷戦の終結と、米国の軍事予算の削減。
そうした米ソ間の緊張の中、日本へ領空へのソ連機の侵犯、接近は極めて数が多かったのです。
また、当時の日米は今よりは段違いに索敵能力が低かったこともあって、ソ連の原子力潜水艦は日本海や太平洋側にまで自由に行き来するような有様で、青函海峡を抜けるということさえあったようでした。
ところが、現在、中国の原子力潜水艦は10隻しかなく、アメリカの6分の1の数でしかありません(2020年に20隻にすることを目指してはいる)。
しかもその能力はアメリカのそれに比べてはるかに劣り、最新式のものでもアメリカより20年は遅れていると言われています。通常潜水艦は60隻はあるといわれていますが、それらにはソ連、ロシアからのお下がりまであるという体たらくです。
これに対して、日米の潜水艦索敵能力はイージス艦導入などで飛躍的に上がっています。
中国は莫大な軍事費をかけて軍備を整えているとはいうものの、以前の米ソの均衡状態に比べると、米中間の軍事力の差は格段に広いものであり、中国はアメリカに軍事力で対抗しようという意思はないと言われています。
このように、軍事力一つを取って見ても、米ソ冷戦時代のソ連に比べて中国の脅威が大きいとはとても言えない状況です。
中国は現在、5隻の攻撃型原子力潜水艦と4隻の弾道ミサイル搭載原子力潜水艦、57隻のディーゼル式攻撃型潜水艦を保有している。2020年までに潜水艦の数は70隻以上に拡大する見込みだ。
客観的に見る中国の国防と日本の防衛より
というわけで、日本をめぐる軍事的緊張は25年前まで続いた冷戦時代よりはるかに緩いものです。
その今よりはるかに緊張関係が著しかった冷戦時代でも、米ソに比べて劣る自衛隊の実力と旧来の安保体制で戦争は防げていましたし、日本が集団的自衛権行使する必要など全くなかったのです。
これに対して、アジア太平洋地域におけるアメリカのプレゼンスが衰えており、日本がこれを補わないといけないのだという説明もなされますが、先にも述べたように、中国がいくら背伸びしても、冷戦時代のソ連とアメリカの軍事力の力関係に比べれば、相対的にはアメリカが中国を圧倒しています。
もう一度見ますが、中国の核兵器の保有数は約200発で、その威力やミサイル運搬能力も米中では比較になりません。
先ほどは潜水艦だけ比べましたが、中国は国産空母が出来はじめたばかりで原子力空母は一隻も持っておらず、戦艦や巡洋艦、駆逐艦などを合わせた海軍全体の実力差は非常に大きいのです。
今のところ、中国船の領海侵犯が多いと言っても漁船中心で軍艦などの割合は少ないし、中国の海軍力は以上の通りです。
石原慎太郎都知事の尖閣所有宣言とそれに伴う野田政権の国有化が2012年9月。それが諸悪の根源だったとわかる。
さらには空軍の実力差もまだまだ大きいはずです。
ちゅうかいろんな説がありますが、たぶん日本単独でも、自衛隊の方が中国より空軍も海軍も上でしょう。
さらに、中国の軍事費が増えたと言ってもアメリカの3分の1に過ぎず、アメリカに追いつくどころか差は広がるばかりであり、実力で対抗できるような日が来るかどうかもわかりません。
というわけで、安倍首相や菅官房長官が主張し続けている、日本の安全保障にとって戦争法制が不可欠などと言うことは全くないのです。
↑ 主要国軍事費(2014年)(上位15位、米ドル換算、億ドル、*は推定値、SIPRI発表値)↑ 世界の軍事費シェア(2014年、米ドル換算、上位10位国とその他)
米国トップで次いで中国、ロシアが続く…主要国の軍事費の現状より
さらに冷戦時代と今の緊張関係が決定的に違うのは、冷戦時代の東西交流は経済面でほとんどなかったに等しいのに、現在の米中間、日中間の経済的依存度は非常に高く、お互いに戦争をするような状況にないことです。
米中間の貿易額(輸出入の合計)は60兆円を超えており、アメリカにとって中国は最大の輸入先、中国にとってアメリカは最大の輸出先です。
日中間の貿易額も35兆円を超えており、日米は21兆円。意外なことに、中国は日本にとってアメリカを超えて最大の貿易相手となって久しいのです(というか、日中の貿易額は日米の1.5倍以上)。
ですから、以前の冷戦時代に比べて、日米中の経済的な結びつきは非常に堅く、とても戦争をするような状況にはありません。
(出典)WTO「INTERNATIONAL TRADE STATISTICS 2013」(米国側統計) - See more at: http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1238#sthash.3AYNYoTY.dpuf
米中間の貿易額の推移 緊密化する米中関係―試される日本の外交力より
つまり、軍事力の差が米中でかなりの開きがあることより大事なのは、冷戦時代よりはるかに経済的に日米中が相互に不可欠な存在になっているということです。
ですから、小規模な衝突はあり得ても、正面切った戦争は絶対にあり得ません。
また、これはぶっちゃけた話ですが、日本が戦争法制でアメリカを支援しなければいけないとされる理由は、尖閣諸島などで日中の衝突が起きたときにアメリカに確実に守ってもらうためだと言われています。
いわば愛人に約束とおりに守ってもらうために、貢ぐ品数を増やそうというわけです。しかし、それって今のままでは日米安保条約があってもアメリカが日本に対する防衛義務を果たしてくれるかどうか怪しいと思っているということでしょう?
事実、米日の貿易額が20兆円、米中の貿易額が60兆円で中国は日本の3倍の重要度。米国債保有残高は中国と日本がほぼ同じで145兆円。
日本が少々愛人に貢ぐ額を増やしても、いざという時、本当にアメリカが中国と事を構えてくれるかどうか。
アメリカとしては、日中がある程度対立してくれて、双方がアメリカに期待してくれているという今の状態がベストで、本当に衝突されては困る、といったところではないでしょうか。日本が防衛費を増やすということはアメリカの軍需産業が儲かるということだし、日本の防衛産業も同様。
そうすると、アメリカに日本近海の防衛で貢献するだけでなく、中東をはじめ世界中で付き合わなければならなくなる「平和安全法制」なんて、日米の軍事産業は儲かるけど、アジアの緊張度を高めるだけで、日本にとって百害あって一利くらいしかないのでは?
米中経済と世界変動 (シリーズ 現代経済の展望) | |
大森 拓磨 (著) | |
岩波書店 |
いまや世界経済の基軸を担う米中経済関係。それはどのように形成され、いかなる特徴を持っているのか。両国の政治動向とも絡み合いながら、結びつきと軋みを強めている現状をどう見たらよいのか。TPPなど、米中それぞれが地域経済圏を作り出そうとしている動きを「ネオブロック化」として捉え、今後の世界経済の変動を展望する。
米中協調の世界経済 | |
中津 孝司 (著), 富山 栄子 (著), 佐藤 千景 (著), 梅津 和郎 (著) | |
同文舘出版 |
米中協調は本物か!?偽物か!?日本はアジアの周辺国に成り下がったのか?世界情勢の激変に翻弄される日本の近未来は?米中関係から外交戦略を読み解く。
図説 米中軍事対決 (ARIADNE MILITARY) | |
河津 幸英 (著) | |
三修社 |
超大国アメリカと中国が尖閣諸島や沖縄、台湾海峡で本格的な軍事衝突に至った場合どのような状況に陥るのか?
ステルス戦闘機部隊の台湾沖航空戦シュミレーション図やグアム・沖縄ミサイル防衛最前線、中国本土空爆作戦等ビジュアル図解で徹底的に検証する。
日中最新兵器バトル! (別冊宝島 2285) 別冊宝島編集部 宝島社
日々増強されていく中国の最新兵器。ここ最近は量のみらならず質の面でも、自衛隊と遜色なくなってきていると言われています。
本誌では、自衛隊と中国軍が現時点で装備している兵器について、どちらが、どのくらい、どのように優れているのか、兵器同士の「性能」の優劣を徹底的に比較し、両国の装備兵器のどちらがすごいのかを明らかにしていきます!
軍事力については大雑把なのでミリタリー大好きな方に補っていただきたいのですが、まあ大方はこんな感じだと思います。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
官房長官「安保法制は不可欠」
そのうえで「国会で真摯(しんし)に丁寧に説明し、野党からの質問にもその意図を説明し、国民にも理解を求めていきたい」と述べ、法案の必要性を国会審議で丁寧に説明し、国民の理解を得たいという考えを示しました。
また、安倍総理大臣が25日の自民党の役員会で、「自衛隊員のリスクが高まるといった、木を見て森を見ない議論が多い」と指摘したことについて「わが国に対するリスクが高まっているという大前提で、抑止力を高めることが極めて大事だという意味合いで言われたのではないか」と述べました。
【軍事費ランキング】中国2位、日本は8位 韓国もトップ10入り
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の発表によると、2013年の世界の軍事費は推計で1兆7470億ドル(約206兆3400億円)。国別シェアでは、アメリカが世界の軍事費の37%を占め、ダントツ。中国は11%で2位。日本は8位、韓国は10位にそれぞれランクインした。
世界の軍事費は、世界全体のGDP(国内総生産)の2.4%を占め、一人当たりでは248ドルの支出に当たるという。
軍事支出費の国別シェアランキングは以下の通り。
Global military spending
US 37%
China 11%
Russia 5%
S Arabia 4%
UK 3%
Japan 3%
India 3%
Brazil 2%
Turkey 1%
UAE 1% pic.twitter.com/yokto6uHYg
— Conrad Hackett (@conradhackett) 2014, 11月 28
世界の軍事費の約8割が上位15カ国で占められている。そして、世界の軍事費の半分近くがアメリカと中国の2カ国だけで占有されている。
地域別では、アフリカや中米、アジアなどの国々が国防費をぐっと増やした。
東アジアは前年比で4.7%増加した。軍事増強を続ける中国が日本やフィリピン、ベトナムなどとの領有権争いを繰り広げる中、日本をはじめ、軍事支出を増やす国々が目立ってきている。
また、イギリスのシンクタンク国際戦略研究所(IISS)が発表した「ミリタリー・バランス2013」によると、軍拡を進める中国に対応してインドやパキスタンなど周辺国も連鎖的に軍備を増強。このため、2012年には初めてアジアの軍事費が欧州を上回った。
米国債の保有額、日本が中国抜く 6年ぶり首位に
ワシントン=五十嵐大介
2015年4月16日10時25分 朝日新聞
米財務省が15日発表した今年2月の国際資本統計で、日本の米国債の保有額が中国を抜いて首位になった。日本がトップになるのは金融危機が起きた2008年8月以来、6年半ぶり。日本の金融緩和や、中国の為替政策の変化などが背景にあるとみられる。
米財務省によると、2月末の日本の米国債の保有額は1兆2244億ドル(約145・7兆円)で、中国の1兆2237億ドル(約145・6兆円)を上回った。昨年2月末では、中国の保有額が1兆2729億ドルだったのに対し、日本は1兆2108億ドルだった。
日本は金融緩和で市場に大量のお金が流れ、金利が下がるなか、日本国債より利回りの高い米国債にお金が流れているもようだ。一方、景気が減速する中国は、お金が外国に流れ出る動きがでており、政府が最近、米国債などを売って人民元を買う介入に踏み切ったとされる。米国債の海外投資家による保有額は約6兆ドルで、日中だけで約4割を占める。(ワシントン=五十嵐大介)
2015.1.13 13:33 産経新聞
中国の2014年貿易総額は3・4%増 伸び率、政府目標の半分以下にとどまる
中国税関総署は13日、2014年の輸出と輸入を合わせた貿易総額が、前年比3・4%増の4兆3030億ドル(約507兆円)だったと発表した。伸び率は政府目標の7・5%を大きく下回った。輸出産業の勢いが弱まっている上、住宅不況を背景に内需が落ち込み、輸入も振るわなかった。
輸出は6・1%増の2兆3427億ドルで、伸び率が13年の7・8%から鈍化した。輸入も0・4%増の1兆9602億ドルと微増にとどまり、13年の7・2%増から失速した。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は過去最高の3824億ドルの黒字だった。
日本との間の貿易総額は、微増の3124億3837万ドルだった。増加は3年ぶり。13年は日中関係の悪化で約5%減少したが、低迷していた貿易に持ち直しの兆しが出たようだ。(共同)
米国トップで次いで中国、ロシアが続く…主要国の軍事費の現状
米中で世界の半分近くを占める軍事費
各国の軍事力の現状や意欲の物差しの一つとなるのが軍事関連への支出額こと軍事費。国際的な軍事研究機関・ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)が発表したレポート「Trends in World military expenditure 2014」から、最新の軍事費に関する現状を探る。
最初に示すのは主要国の軍事支出=軍事費の上位陣国。米ドルで換算・統一している。また「*」つきの国はSIPRIによる推定値。SIPRIが軍事費であると認識した額で、主に敵対する国外勢力に対抗する物理的国家軍事組織に向けた執行予算が計上されている。
↑ 主要国軍事費(2014年)(上位15位、米ドル換算、億ドル、*は推定値、SIPRI発表値)↑ 世界の軍事費シェア(2014年、米ドル換算、上位10位国とその他)SIPRIの計算による2014年の世界全体の軍事費は1兆7760億ドル。その1/3強をアメリカ合衆国一国が計上している。次いで多いのは中国で2160億ドル、12.2%。為替レートが影響しうること、単純な軍事費の多い少ないで軍事力の大小が推し量り切れるわけではないが、やはり両国の軍事力の大きさが改めて認識できる。それと共に、冷戦時代は「米ソ冷戦」との言葉にもある通り、アメリカと肩を並べる形で軍拡を行っていたソ連(一部独立した地域もあるが、実質的に今のロシア)の軍事費がここまで落ちていることに、改めて驚きを覚える。
昨今防衛費周りで一部から多様な意見が出されている日本だが、ここ2、3年はようやく持ち直してきたものの、それでも10年位前と比べれば(自国通貨比較でも)値を落としている。今回の統計でも9位に留まっている。
対GDP比較をしてみると
軍事支出の比較は単純な絶対額だけでなく、その国の実情に考慮すべきとの意見もある。そこで今回は、よく使われる指標の一つ、対GDP比を確認する。IMF発表の各国GDPと比較し、その国の軍事支出が何%に値するかを計算したもの。要は各国の経済力に対する軍事支出のバランスを示した値。なおグラフは軍事費そのものの上位陣に絞り、国の並びも軍事費の大きい順としている。
↑ 主要国軍事費対GDP比(2014年)(米ドル換算で上位15位の順、対IMF発表によるGPD比率、*は推定値参照、SIPRI発表値)サウジアラビアが群を抜き、1割強。またUAEも5%を超えており、石油産出国・中東の軍事費の大きさが認識できる。次いでロシアが4.5%、アメリカが3.5%。日本は1.0%で、中国は2.1%。軍事支出上位陣の国は大よそ1%から2%台に収まっており、日本が一番少ない。
SIPRIでは「Trends in World military expenditure」のレポートを3年分収録・公開している。そこでその3年分につき、軍事支出絶対額と対GDP比の推移を、2014年時点の上位国に絞ってグラフ化したのが次の図。米ドル換算の際に、為替レートの大きな変動が影響しうるため(例えば日本では円安が進んだため、自国通貨比較では増加しているものの、米ドルベースでは逆に減少している)、あくまでも対外比較指標程度に見てほしい。
↑ 主要国軍事費(2014年における上位10位、米ドル換算、億ドル、*は推定値、SIPRI発表値)↑ 主要国軍事費(対GDP比)(2014年における上位10位、米ドル換算、億ドル、*は推定値、SIPRI発表値)アメリカにおける軍事費の実情がよく把握できる。他方中国の大幅な軍拡が、GDPの底上げを背景としていること(軍事費そのものが大きく増大しているが、GDPも同時に成長しているため、対GDP比はさほど増えていない)、それらも合わせて先進諸国が軍縮、新興国が軍拡の方向を示していることがうかがえる。これはレポートでも指摘されていることに加え、冷戦終結後、特にここ数年の一つのトレンドとなっている。
繰り返しになるが軍事費はあくまでも指標の一つでしかなく、また為替レートで多分に影響を受ける。とはいえ、対外的要因が大きい軍事力の物差しとしては、十分以上に参考になるものに違いは無い。
中国空母「遼寧」vs海自イージス艦護衛艦 日中海軍兵器比較
2015.03.18 zakzak
仮に尖閣諸島で日中間で軍事衝突が起きたとき、米軍は参戦しないのでは、という議論がある。もし、そうなった場合、日本はアメリカなしで中国と戦うことができるのだろうか。中国の国防費は日本の10倍、兵力も10倍に達する。軍事ジャーナリストの井上和彦氏はそうした物量だけでは日中の本当の軍事力は計れないと指摘する。
* * *
兵器先進国には共通点がある。アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スウェーデン、そして日本。これらの国々は同時に自動車大国なのだ。つまり優秀な兵器はすべて優秀な自動車を独自で設計製造できる自動車先進国なのである。例外はイスラエルとロシアしかない。
自動車の設計・製造には、様々な機器を一つにまとめ上げるシステム・インテグレーションの技術と品質管理の技術が求められる。そうした技術が確立された国だからこそ、厳しい環境下での酷使に耐えうる兵器が製造できるのだ。
ところが中国は、ハイテク兵器の完成品を入手して、これを分解して調べ上げた上で製品開発を行なうという“リバース・エンジニアリング”で兵器を作っているため、信頼性は日本の足元にも及ばない。
世界を騒がせている中国の航空母艦の保有経緯をみてもこのことは明らかだろう。中国は、ウクライナで建造中止となった旧ソ連製空母「ワリャーグ」を鉄屑として購入し、あろうことかこれを再生して中国初の空母「遼寧」として就役させた。この再生空母は、艦載機の射出用カタパルトも装備しておらず、米海軍の原子力空母との性能差は月とスッポンだ。
しかも致命的なのは、中国海軍の対潜能力が極めて脆弱だということである。これでは世界一の性能を誇る日本の「そうりゅう」型潜水艦の餌食となるだけだ。
加えて、海上自衛隊の「あたご」型、「こんごう」型イージス艦のような超ハイテク防空艦を保有していないために、航空機からのミサイル攻撃には無力に等しい。つまり一点豪華主義のように保有する空母「遼寧」は張り子の虎なのである。
これに対して海上自衛隊は空母保有に向けて、世界最強の空母機動部隊を保有する米海軍と協同しながら準備を進めている。まさしく護衛艦「いずも」などは、本格的空母保有前の“ビンゴゲームのリーチ”のような存在だろう。
過去最高は1984年の944回で、2014年度は米ソによる東西冷戦時代並みの水準となった。
高水準の理由はロシア機に対する緊急発進が急増したためで、その回数は前年度より114回多い473回となった。中国機に対する緊急発進は、前年度より49回多い464回だった。防衛省の発表によると、ロシア機は情報収集機、中国機は戦闘機に対する緊急発進が目立ったものの、領空侵犯はなかったとしている。
方面別では北部航空方面対隊が286回、中部航空方面隊が102回、西部航空方面隊が87回、南西航空混成団が468回で、西部航空方面隊を除いて前年より増加した。
細かいことから、青函トンネルに引きずられたのか、「青函海峡」とありますが、「津軽海峡」だと思います。関西から遠いし、演歌を聞かなければ思い出せなくても仕方ないです。
さて、日米ガイドラインには、”島嶼防衛は日本側が分担する”と規定されていますから、例え米軍は日中尖閣紛争が起きても介入する義理はありません。また、安保条約には日本有事における米軍の介入義務はありません。米憲法の規定に沿って、原則、議会の承認が必要です。
日本は、北朝鮮がどうちゃらという口実で、なんの恨みもないイラク侵略戦争に参戦(名古屋高裁判決)し、何十万、何百万の死に加担しました。おかげで中東からアフリカにかけてグチャグチャです。
今回は、尖閣がどうちゃらという嘘を口実に戦争し、脅威だの戦争だのを口実に国民を締め上げようという話ですよ。
ところで、冷戦期の日米の潜水艦索敵能力が低かったという評価などについて、異論があります。
一つ目は、津軽海峡などの潜水艦の通過です。米軍の潜水艦が浮上せずに通行できるように、領海でありながら「国際海峡」にしています。ですから、無条件でソ連潜水艦も通過できます。
また、水島朝穂先生が”国際法上、「領海侵犯」という概念はありません。軍艦も含めて無害航行権があるからです。平時には、軍艦には在外公館同様の主権が認められているので潜没状態で領海内に侵入されても、それだけを持って攻撃することはできません。無害航行に見えない軍艦に対してできるのは要求したり押し出したり放水したりするまで。”と院内集会で教えてくださいました。
という訳で、自由に出入りできるのは当然です。
2つ目は、冷戦期の日米の潜水艦索敵能力ですが、ソ連の潜水艦は静粛性が低く探知しやすかったといいます。また、日本近海の海峡には探知用マイクSOSUSがずらりと並べてあり、出入りはわかっていました。また、日本だけでも対潜哨戒機を100機以上持っていました。アメリカは全世界で200機です。多分、アメリカ以外の西側の全ての哨戒機の数に匹敵するんじゃないでしょうか。これ以外に三沢や厚木などに米軍のP-3Cがいます。直接見ることはできませんが、物の本によると、ソ連の潜水艦基地の前には米潜水艦が張っていて、出航するとマンツーマンで追いかけるし、水上艦とヘリ、P-3も追い掛け回して常時振り切れなかったということになっています。で、対抗策としてミサイルの射程を伸ばし、タイフーン級SLBMを作って守りやすい北極海の氷の下、領海近くに潜ませて水上艦の攻撃を避ける。及び、騒音がなんぼのもんじゃいと開き直ったのがチタニウム製のアルファ級攻撃型原潜などで、敵魚雷が圧壊する程深く潜り、付いてこられないほど速く走って、超高速ロケット魚雷!をぶっぱなすことにしたと。原子炉も出力を高めるために、高速増殖炉のように冷却は液化金属を使うという豪快さんです。
日本の場合、国連憲章に規定された「敵国」なので、敵国条項を発動されたら、世界からエンガチョの絶対悪として処理されます。軍備どころか自衛権さえ無意味です。憲法の精神を実現するのが正解です。何百兆円、軍備にかけても敵国条項を発動されたら、使えないのですから。使ったら、自衛権の発動でも、殺人傷害でもなく、不法戦闘、テロとして扱われ、捕虜の権利も犯罪者の人権もなく、キャンプXレイや秘密監獄のように純粋悪として処分されるでしょう。おまけに、日本政府は、核兵器の使用は違法に反対=核兵器を使用合法ですから、相手は躊躇なく使えます。中国は先制不使用を宣言していますが、安倍自民は例外好きなので、敵国条項発動は戦争じゃないから、例外にしやすいでしょう。
その意味において戦争法なんて国民には1利もありません。ポツダム宣言の趣旨を事実上否認したのですから今、発動されても仕方ありません。
アベシが言うように、リスクが高まってるなら、今からでも遅くはありません、アベシ自ら、東京オリンピック返上を進めるべきですね。前例ですか?1940年の例があるじゃないですか。
ボイコットのお願いも効果的だと思います。
中国は特に海軍と空軍の近代化に注力しており兵器の研究開発への投資は多分日米を上回ることになると思います。
日進月歩の進歩を遂げる兵器の開発競争で膨大な投資を続けている以上、中国の軍事力が日米のそれを上回らない保証は1ないと思います。
もとより、実戦経験にもとずいた技術や部隊運用のノウハウの蓄積という要素も大きいので兵器研究開発への投資額だけで軍事力の優越が決まるものではないと思いますが。
経済関係が相互依存を深めているので大戦争は起こりにくいとは思いますが、軍事力の優越に任せて南シナ海での事例の
ごとくジワジワと領土領海を蚕食していくことは現に起こっていることです。
これは、かつて日本帝国が満州を奪い取り華北に進出していったことと同じようなことです。
東シナ海でも将来中国の軍事力が日米を上回った時に同じことが起きると予想されます。
安倍政権のものごとの進め方は国民を欺いているとは思いますが、安全保障のあり方が
今のままでよいのかどうか考える時期だと思うのですけどね。