「社会にも、もう希望が持てない」竹内元県議を追い込んだものは…

兵庫県議を務めていた竹内英明さん(50)。兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを調べる百条委員会の委員として、斎藤知事を追及してきた。

「ご自身は今でもパワハラをお認めにならないんですか」

竹内さんはほぼ毎日ブログを更新していた。

2023年2月9日のブログ
「信号機が設置されました!お子さんが自転車で衝突事故にあうという衝撃的な出来事があり、要望を続けてきました」

2024年3月18日のブログ
「姫路駅前、定例の朝の街頭演説。初心にかえる、いい機会」

竹内さんは、なぜ追い込まれていったのか。

同じ会派の上野英一県議は竹内さんに異変がみられたと証言する。

「県知事選挙中に立花発言があったり、その時分からではないか。ほとんど家にいて、暗くなってからしか出ることができないと」

斎藤知事をサポートするため知事選に出馬したNHKから国民を守る党の立花孝志党首。選挙戦の中で、亡くなった元県民局長の告発文書の作成に竹内さんが関与していたと主張していた。

立花孝志氏(2024年11月1日)
「自殺した人が1人で作ったと思っている人いません?違うんですよ。違う人物も関与していた。確実に言っていい人、1人だけいます。竹内さん、竹内県議、あっ言っちゃった」

その後、百条委員会の奥谷委員長の事務所前で…

「出て来い奥谷。一応チャイムだけ鳴らしておこ。あまり脅して奥谷さんが自死されても困る。竹内さんのところにも行きますよ。どうやって会おうかなと思ってた」

ほかにも立花氏は竹内さんを「斎藤を貶めた主犯格」と決めつけた動画を引用し投稿。249万回閲覧されている。

知事選の翌日、竹内さんは「家族を守らないといけない」として議員辞職したが、匿名の誹謗中傷は止まらなかった。

「竹内英明、フザケルな。消えてまえ」
「辞職すれば済む話じゃない。犯罪者じゃないか」

同僚の迎山志保県議は竹内さんの辞職後も連絡を取り続けていた。

立花氏による「竹内さんのところに行く」との動画が投稿された後には…

竹内さんからのLINE(2024年11月5日)
「妻が警察に連絡してほしいと昨日言ったので、電話した。立花の事務所襲来エックスなどを見てしまっていて怖いと言ってます」

そして、竹内さん自身も鬱状態に陥っていく。

「(気持ち、少しは落ち着かれましたか)逆に酷くなってる。病院行ったけど診断も厳しい」(2024年11月23日)
「またうちに攻撃とかあったら耐えられません」(2024年12月1日)
「薬の助け借りてなんとか眠ってる。心配かけてごめん」(2024年12月7日)

兵庫県 迎山志保県議
「信頼関係があると思っている身近なリアルの方からも、嘘の情報を前提にしたような心配をされたりとか、『自分は本当に真摯に政治や県民に向き合ってきたつもりだったが、これまでの自分の人生も何だったんだろうかなと思うし、こういうことがまかり通っていく社会にも、本当にもう希望が持たれへんな』って」

1月18日、竹内さんは亡くなった。自殺とみられている。竹内さんが使っていた議会の机には、花が手向けられていた。

兵庫県 迎山志保県議
「竹内さん、すごく勉強家ですべての資料を置いてて。正義感に溢れている、正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると、臆面もなく言い切れるような青臭い人だったなって」