県民投票の実施に向け全県で行われてきた署名活動=10月、新潟市中央区
県民投票の実施に向け全県で行われてきた署名活動=10月、新潟市中央区
 

 条例制定を花角知事に直接請求するには、県内有権者数の50分の1以上に当たる約3万6千筆以上の有効署名が必要。ただ会では県民の訴えをより多くの数で示そうと、20万筆以上の署名を目標に掲げてきた。

 全県で署名活動が始まったのは10月末。首長選などの選挙期間中は当該自治体内で署名が集められない仕組みで、11月以降に首長選があった柏崎、南魚沼、魚沼、刈羽4市村を除く市区町村で12月28日に署名活動が終わった。4市村内では2月1日までに終了する。

 署名簿提出後、各市区町村選管が署名の有効性を審査するなどし、有効署名数が確定する。必要数を上回れば、決める会は2025年3月中にも花角知事に条例制定を直接請求する予定。花角知事は意見書を付けて条例案を県議会に提案し、県議会が採決する。

 2012年に行われた同様の直接請求では、当時の泉田裕彦知事が条例案に対し「修正が必要」としつつ、賛否の文言は避けた意見書を公表。一部の県議が修正案を出したものの、県議会最大会派の自民党などが「国策である原子力政策は県民投票になじまない」と反対し、否決された。

 県が直接請求を正式に受理した場合、原発再稼働の是非について「県民に信を問う」としている花角知事が、どのような意見を付けるかが注目される。

 花角知事は12月25日の定例記者会見で現状、県民投票に対する考えはまとまってないと説明。当時の議論を参考にするほか「他県でもこの数年、住民投票に対して、どのように対応してきたか事例があるので、それらを見ながら考えていくことになる」と述べた。

 署名集めを行う請求代表者のうち、弁護士の水内基成さん(47)は「県民が意思表示をするのは大事なこと。知事にも県民投票を重要視してほしい。県民投票は県民の考えを的確に国に届ける役割もある」と意義を語る。

 元津南町議の小木曽茂子さん(73)は「知事がどのような意見を付けるかで自民党の動きも変わると思う。知事ともなるべく早く面会したい」と話した。