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なんか、枝野さんを誉めて損したのかしらん。
とにかく、もっと世論で押し込まないとダメですね。
枝野経産相グッジョブ「滋賀県と京都府知事の理解を得られなければ、地元の理解を得たことにはならない」
福井県にある関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、2012年4月5日夜、2回目の関係閣僚による会議が開かれました。
この会議の冒頭で、野田総理大臣は「3日の会合で、私から、再起動を判断するにあたり、国民の視点から見て、事故の原因分析を踏まえた安全性についての判断基準を策定するよう、枝野経済産業大臣に対し指示をした」と述べました。
このあと、野田総理大臣が策定を指示していた安全基準について、枝野経済産業大臣が案を示しました。これについて、野田総理大臣と関係閣僚が協議した結果、新たな安全基準がおおむね了承されたのです。
たった2日間で安全基準が出来るとは(呆れ)。なんなんだ、このおざなりなやり口は。
(2012年4月5日付け読売新聞「大飯再稼動へ13条件…8日にも福井県に要請」 より)
それも、安全基準を作るのは新しくできる原子力規制庁だとさんざん言ってきたくせに、失態続きの原子力安全?保安院に「安全」基準を作る資格なんてありません。
また、福島第1原発の原子炉内の様子さえ満足に把握することも出来ず、高濃度汚染水が12トンも漏れたばかりで、事故の収束も出来ていないわけです。そもそも福島第1原発事故の原因がまだ不明なのに、どうして原発事故を踏まえた安全対策基準だけ唐突に作れるのでしょうか。
今回の新「安全」基準案では、保安院が3月に事故の検証結果からまとめた30項目の安全対策のうち、電源車の配備や建屋への浸水対策など、上の表のような13項目だけ取り上げて、再稼働の前提条件になる暫定基準に位置付けています。
残る事故対応拠点施設の設置や防潮堤のかさ上げなど17項目は、再稼働後の中長期的な課題として残してしまっています。
いろいろ誤魔化して報道されていますが、要は今の時点で大飯原発がクリアできているもの13項目を暫定「安全」基準としたのです。
初めから、大飯原発の再稼働ありきの、これぞご都合主義の「安全」基準です。
藤村官房長官は大飯原発再稼働に地元首長が賛成しないことを見越して、再稼働には地元の同意は必要ない、義務ではないと再三述べています。
5月5日に北海道電力泊原発が点検のために運転停止になると、日本列島原発ゼロが実現してしまうので、なんとしてもその前にどこかの原発を再稼働しようと躍起になっているのです。
(2012年4月4日付け東京新聞より 原発ゼロ阻止のためならなりふり構わぬ再稼働)
2012年3月21日の読売新聞のインタビューで保安院の山形浩史・管理官に聞くで山形管理官はこう答えていました。
――安全基準の見直しの進捗状況は。
「炉心損傷に至る過酷事故(シビアアクシデント)は福島のような電源喪失だけではなく、配管の破断などでも起きる。炉心損傷を防ぐ対策、発生した後の対策など電力事業者に委ねていた過酷事故対策の基本的な考え方を年度内にまとめ、30項目の安全対策とともに両方を体系的に整理する」
――具体的に基準を定めるのは、いつから。
「原子力規制庁が発足してから。これまでの指針や、技術基準を定めている省令を一つひとつ見直していく。国会に提出している原子炉等規制法改正案が成立してから10か月以内に。バックフィットという考え方を導入し、行政指導ではなく、法律に基づいて事業者に新基準への適合を強制する。従わなければ改造命令や、停止命令を出して対応させることになる」
(2012年4月4日付け東京新聞より 全く当てにならない国と保安院)
つまり、保安院でさえ、30項目の安全対策以上に対策が必要である事、そのような基準は、下の表のように、原子力規制庁が発足してから定めることや法律で電力会社に強制することを必要だと認めていたのに、規制庁も出来ていないのに、項目も増やすどころか半分未満に減らして、「暫定」安全基準を作ってしまおうとしているのです。
だいたい、原子力規制庁が出来ていないのに、だれが大飯原発が「暫定」安全基準を満たしていると判断できるのでしょうか。
まさか、素人の野田首相以下4大臣が安全審査まで「政治判断」でできるというのでしょうか。
まともな安全基準も審査もないまま原発を再稼働するなんて危なっかしい話は、とんでもないことです。絶対に阻止しないといけません。
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大飯再稼動へ13条件…8日にも福井県に要請
関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向け、野田首相が策定を指示した新たな安全基準の概要が判明した。再稼働を急ぐため、経済産業省原子力安全・保安院がまとめた30項目を元にした安全対策を2段階で実施する。1段階目は13項目からなり、東京電力福島第一原発のような深刻な事故を防ぐ内容だ。
政府の関係閣僚会合の承認を経て、早ければ8日にも枝野経済産業相が福井県を訪問し再稼働を要請する方向だ。
政府は5日にも開く関係閣僚会合で30項目の安全基準を提示する。この安全基準は、大規模地震や津波に対する原発の信頼性を一段と高めるための対策だ。福井県の西川一誠知事が大飯原発の再稼働を容認する条件の一つとして国に策定を求めていた。
30項目の安全基準は、〈1〉外部電源〈2〉建屋内の電気設備〈3〉原子炉冷却機能〈4〉水素爆発対策〈5〉事故対応――の5分野に分けている。
今回明らかになった第1段階の13項目は「緊急対策」の位置づけで、すでに、福島第一原発の事故後に講じられている。政府は、現段階でも津波による全電源喪失、炉心溶融などは防げるとの認識だ。
非常用電源喪失を想定した電源車の配備や建屋の浸水対策のほか、冷却機能喪失に備えた消防ポンプ車などの配備、水素爆発を防ぐため原子炉格納容器内の圧力を下げる「ベント」を停電時でもできるようにすることなどが柱となっている。
30項目のうち、緊急対策以外の項目は、外部からの送電網の多重化や、放射性物質を濾過ろかするフィルター付きのベント設備、事故時の通信機能確保などからなる。緊急対策後、原発は稼働したまま、一定の期間をかけて整備する位置づけだ。
政府は、定期検査とストレステスト(耐性検査)に加えて、30項目の安全基準を課して安全性を一段と高めることを確約し、地元自治体が抱く不信感を払拭する。今後、他の原発の再稼働にも適用する。
政府は、関係閣僚会合で福井県への再稼働要請を決めた後、地元の同意を踏まえて最終決定する。昨年6月、海江田経産相(当時)が九州電力玄海原子力発電所2、3号機(佐賀県玄海町)に再稼働を要請後、菅首相(当時)が方針を転換した経緯も踏まえ、政府としての姿勢を明確にし、福井県などを説得する材料にする。
福井県などの対応は、政府が大型連休前にまとめる方向となっている今夏の電力需給計画にも大きく影響することになる。
大変勉強になりました。これからも読ませてくださいね。
とのご指摘、本当にそう思います。
>たった2日間で安全基準が出来るとは(呆れ)。なんなんだ、このおざなりなやり口は。
これも誰しも感じていることのはずですが、馬淵元国交相のこの発言の記事が目立ってしまうのは悲しいというか情けないというか。
まったくないよりマシと考えるべきなのでしょうか。
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馬淵澄夫元国土交通相は7日、秋田県由利本荘市で講演し、政府が6日に決めた原子力発電所再稼働をめぐる新たな安全判断基準について「目の前に再稼働が迫り、2日間で泥縄式に作った。無責任極まりない行動で、国民に理解いただくのは困難ではないか」と述べ、政府の対応を批判した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120407-OYT1T00632.htm
【原発安全基準、無責任極まりない…馬淵元国交相(読売新聞4月7日)】
とはいえ、原発再稼働推進派の産経新聞でさえ、
>しかし、新基準に盛り込まれた内容は、多くの原発が対策を済ませたものばかり。枝野経産相は「(再稼働の)結論ありきではない」と強調するが、今後、新基準の妥当性をめぐり反発が出る可能性もある。
と指摘せざるを得ない代物ですから、世論の盛り上げ方次第でまだなんとでもなるかもしれない、と思いたいです。
ht■tp://pipeo.jp/users/folder/570/685
東京新聞にはその気持に追い打ちをかけるこんな記事がでていました。
東京新聞のweb上には出てこないのですが、
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岡田克也副総理は三日の記者会見で、関西電力大飯原発の再稼働に関する野田佳彦首相と関係三閣僚の協議について、議事録作成の対象外との見解を示した。政府の重要な意思決定過程が検証困難になる可能性が高く、批判されそうだ。
岡田氏は首相らの協議が法的な権限を持たない非公式な会合との見解を示し「物事を決める場ではなく、記録を残す対象ではないと思う」と述べた。
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再稼働を政治決定する協議が、「物事を決める場ではない」とは、まったく意味不明です。
橋下市長も、先生と同じような意見をTVで言っていて、昨日の「報道ステーション」は画面の右側に「橋下市長も激怒」みたいな文字を掲げていました。
まるで、「橋下が正義の味方」のようです。
こうして、着々と「維新の会」が大躍進する土台作りが進められているかのようですっ。
関西圏に近いこの原発再稼働問題で、関西ローカルのTVはこの件でも橋下インタビューを垂れ流しています。
わかってないですね、野田政権(はぁー)