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自民圧勝、日本維新の会大躍進の総選挙でしたが、皆さんはどうお感じになられたでしょうか。
私としては、自民党が単独で半数を大きく超える294議席→自公325、維新54議席という結果は想定はしていた結果の中では最悪部類、という感じで、予想外ではありませんでした。だから去年から維新を、今年の夏から安倍自民を一生懸命批判してきたわけですから。
ただ、あらためてズシンと下腹に重いパンチを受けた(ことはありませんが)ような、覚悟をし直したという感じでした。
この点、マスコミは、いまさらのように自民党が勝ち過ぎなどと見出しにしたり、語ったりしていますが、あんたらのせいやがな。
もし、
「民主党政権維持か、自公政権成立か、第三極がどれだけ議席を獲得するかの政権の枠組み選択の選挙です」
ではなくて
「消費税増税、脱原発、TPP、改憲が焦点となる選挙です」
と政策本位の視点をマスコミが持っていたら、また違っていたんではないでしょうか。小選挙区制になったら二大政党制になって政策本位の選挙・政治になると言っていましたが、政党は分裂しまくるわ、政策はどうでもよくなるわ、小選挙区制とはひどい制度です。
国会議員の定数の削減と引き替えに復興増税をするのはナンセンス 小選挙区制度の問題に取り組め
自民党の比例区の得票数は今回1660万票で前回民主党に大敗した2009年の1880万票から220万票減少しました。得票率は得票率も27.6%で09年の26.7%とほぼ変わりませんでした。小選挙区では43%の得票率ですがそれは全選挙区で候補者を立てられる政党がほとんどないからであって、自民の支持率は27%ちょっとというべきです。
ちなみに2005年の小泉郵政選挙の2588万票と比べると 自民党は1000万票近く得票数を減らしています。このとき、296議席を獲得して大勝したわけですが比例は77議席で、今回20議席も少ない57議席にとどまったのです。あとで見るように、今回は投票率が低下し、組織力がある自民党に有利でした。ですから、投票率の減り方以上に自民党の得票数が減少したのは、単純に安倍自民党に支持が広がらなかったのが理由だといえるでしょう。
逆に言うと、国民は前回2009年に大負けさせた時と同じくらいしか自民党を支持していません。自民党は有権者の4分の1強の表を取る硬い票田を持っているということに過ぎません。今回の結果で、安倍自民党を勝たせるなんて国民はバカだとか怒る人が結構いますが、国民が馬鹿になったとは言えないと思います。
もし、民意が忠実に反映する完全比例代表選挙になっていたなら、27%の得票率の自民党は480議席中130議席台です。それが倍以上の294議席も取れてしまうなんて本当に異常な選挙制度です。そもそも小選挙区制度を導入したときに、国民と政治家が大きな間違いを犯したということですね。
そして、国会はその時々の選挙制度で勝った議員で構成されていますから、小選挙区制度で勝った自民党らがこの選挙制度を改革することは永遠にない、というジレンマがあります。これが憲法学で言う「民主制の過程にかかわる権利が制約される際には厳格な審査基準で裁判所は臨まなければならない」という二重の基準の法理の問題です。
議員定数不均衡だけではなく、小選挙区制を違憲だと問う裁判が求められているといえるでしょう。
消費税増税のために比例代表の議員定数を80削減したら、日本の民主主義は本当に終わってしまう!
自公で3分の2というのは、参議院で否決した法案でも、衆議院で再議決すれば成立させられるということですから、これからまた悪政に対抗するのがしんどくなるなあとは思います。特に、改憲以上に、安倍氏が大好きな教育問題が本当に心配です。
一点救いがあるとすれば、自公だけで法案を成立させられるので、危険な維新の会の出番が減ることですね。これだけは良かったです。夏までは単独で過半数という夢さえ見ていた維新の会なので、比例は民主党の30議席を上回る40議席を獲得して計54議席と議員数を5倍にした破壊力は凄いものの、右肩下がりなのも間違いなく、勢いは一定程度止まったと言えます。
来年の夏の参議院選挙まで、日本維新の会は、安倍自民党とともに馬脚を現し続けてくれるでしょう。
さて、今回の選挙の小選挙区で落選候補に投じられ、有権者の投票行動が議席獲得に結びつかなかった「死票」は、全300小選挙区の合計で約3730万票にのぼりました。なんと小選挙区候補の全得票に占める「死票率」は56.0%でした。このように小選挙区制度では、死票が多数出て民意が反映されない一方で、極端に第一党が大勝ちする結果が出るのはわかっていたので、自民党大勝にはびっくりしなかったのです・・・
が、まさか、投票率がこんなに低くなるとはまるで思っていなかったので、これには文字通り衝撃を受けて、翌朝、思わず声が出ました。
総務省によると最終投票率は59.32%(小選挙区)と、2009年の総選挙の69%を大きく下回り、戦後最低だそうです。しかも、せっかく投票所に足を運んでも白票や候補者以外の名前が書いてしまった「無効票」が約204万票に上ったこともわかっています。政党数が多すぎて混乱して間違えちゃった・・・だけではないでしょう。
自分が危機感を持って選挙に注目していたから、日本中も盛り上がっていると勝手に勘違いしていたのですが、国民は白けていたんですね。期待を持っていた民主党に裏切られ、そのあとが前に失敗したことのある安倍氏では、盛り上がりようもなかったんですかね。
人は小泉選挙や政権交代選挙の時のように熱狂したときには動くけれども、危機感では動かないということがよくわかりました。
選挙が公示されてから、安倍自民党や石原橋下維新の会に投票するようなら、国防軍に徴兵されてもしかたないんですよ、と何度も書いたのですが、ほんとは、そもそも選挙に行って投票しなかったら、あとでどうされても文句言えないんですよと言わなきゃいけなかったんだなあ。
安倍自民党の圧勝よりも、4割以上の人がそもそも棄権してしまったという事実にこそ、何とも言えない寂寥感を感じた今回の選挙でした。山本太郎くんの「いまは一人」どころか、生涯一無党派の私は「これまでも一人 これからも一人」状態ですから、どうしよっかなあ~~と思っちゃいますね。
でも、人類の進歩の歴史からしたら、2歩退いてもまた1歩ずつ3回進めばよろしいのです。
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自民の比例得票率、大敗した前回選とほぼ同じ
比例選(定数180)では、自民党の得票率が27・62%で、大敗した前回2009年衆院選の26・73%とほぼ同じだった。
民主党は16%で、大勝した09年の42・41%から大幅に減らした。
自民、民主両党の得票率の合計は43・62%。03年衆院選以降は、両党の得票率の合計は7割程度で推移してきたが、今回は大幅に下がった。
日本維新の会は40議席を獲得し、民主党の30議席を上回り比例選で第2党になった。得票率は20・38%で、全11ブロックで議席を獲得。特に、地盤とする近畿ブロック(定数29)では10議席を得て、自民党など他党を抑えて第1党となった。
みんなの党は8・72%で、09年の4・27%から伸ばした。日本未来の党の得票率は5・69%だった。
毎日新聞 2012年12月17日 13時10分(最終更新 12月17日 13時28分)
今回の衆院選で小選挙区に出馬した自民党候補は、300選挙区の有効投票総数のうち43%の票を得たの に対し、獲得議席数は300議席の79%にあたる237議席と大勝した。一方、民主党は有効投票総数に占める総得票率が22.8%だったが、300議席の 9%にすぎない27議席しか獲得できなかった。得票率と獲得議席に大きな乖離(かいり)が生じ、各選挙区で1人しか当選しない現行の小選挙区制の特徴が改 めて浮き彫りになった。
今回の衆院選の小選挙区の有効投票総数は約5963万票だった。日本維新の会の得票率は11.6%で、300議席の4.7%の14議席を獲得。今回最多の299選挙区に候補を擁立した共産党は、得票率7.9%に対し獲得議席はゼロだった。
小選挙区は比例復活を除けば1人しか当選しないため、落選候補に投じられた票の多くが民意を議席に反映しない「死票」になる。候補9人が乱立した東京1区は得票率29.3%の自民党候補が当選し、落選候補の得票割合は計7割に達した。
09年衆院選をみると、民主党は得票率47.4%で7割を超える議席を獲得。自民党も「郵政解散」の05年衆院選で、得票率47.8%で同じく7割超の議席を得ており、選挙制度が選挙のたびに結果が大きく振れる一因となっている。【朴鐘珠】
死票率56%に上昇=民主は惨敗で8割超―衆院選【12衆院選】
時事通信 12月17日(月)16時31分配信
16日投開票された衆院選で、小選挙区で落選候補に投じられ、有権者の投票行動が議席獲得に結びつかなかった「死票」は、全300小選挙区の合計で約3730万票に上った。小選挙区候補の全得票に占める「死票率」は56.0%で、前回の46.3%と比べ9.7ポイント増となった。
今回は「第三極」として新たに日本維新の会や日本未来の党が参戦して12党が乱立。共産党も前回までの方針を転換し、原則として全選挙区に候補者を立てた。当選者が1人の小選挙区制では、候補が多数で票が分散されれば当選ラインは下がり、落選候補の合計得票数が増える傾向があることから、前回より死票率が上がったとみられる。
死票率を政党別にみると、小選挙区で237議席を獲得した自民党は12.9%で、大敗した前回の74.0%から大きく低下。一方、惨敗した民主党は前回の13.2%から82.5%に大幅上昇した。第三極同士で共倒れが目立った維新も81.9%。小選挙区全勝の公明党は0%だった。
投票率最低なのに…選挙区の無効票「過去最高」
【伊木緑】16日に投開票された衆院選の小選挙区で、白票や候補者以外の名前が書かれた「無効票」が約204万票に上ったことが朝日新聞の集計で分かった。今回は投票率も過去最低だが、投票所に足を運んだものの投票先に悩み、白票を投じた有権者の姿が浮かび上がる。
朝日新聞が各都道府県選管の開票資料に基づき、投票者数から候補者への投票数を引いて集計した。204万票は投票者数の3.31%に当たる。計算方法が異なるので単純比較はできないが、総務省の集計では、これまでの無効票率は2000年の2.99%が最高だった。
都道府県別で割合が高かったのは高知県の5.24%、大阪府4.63%、熊本県4.44%、東京都4.20%の順。高知県選管の担当者によると、県全体の無効票約1万7千票のうち半数以上が白票で、候補者以外の名前を記した票も多かったという。
明治学院大の川上和久教授(政治心理学)は「誰に入れたらいいか分からないが棄権はしたくないと悩んだ結果、白票を選択した有権者が多かったのではないか。今回は政党が乱立したが、政策に共感できる政党があっても、その党の候補者が選挙区にいないケースがあったことも影響した可能性がある」と指摘する。
また、二大政党制に向かうためには必要な制度。
得票比率よりもダイナミックに議席数に変化が起こる為、政権交代がより現実的になる。
以上が今の選挙制度に変更した時の細川内閣のお題目だったと思います。
特に、自民党とそれに対抗しうる政党による二大政党制(アメリカの様な?)の確立と言うのが大きかった。
しかし、しかしだ。
自民党の様に巨大な政党と小選挙区が合わさると打倒するのは至難の業だ。
私の選挙区なんか、2009年の時ですら自民党が勝った所。
今回の選挙では2位以下にトリプルスコアの圧勝です。
小選挙区は投票するのもバカバカしかった・・・(行きましたよw)。
しかも、その自民党議員は
"民主党ではだめだ。実績・経験の有る自民党が求められた"だそうです。
て事は、永遠に自民党に任せなさいて事ですか???
二大政党制へ向かえと言うのも問題だし、多くの選挙区をカバー出来る大政党有利の小選挙区もまたしかり。
しかし、制度だけが問題なんでしょうか。
細川政権の選挙制度改革の時に、制度が変われば政治も変わると思えた事が懐かしい。
投票率の低さに見られる意識がより問題なのかもしれない。
選挙前の”自民圧勝の見込み”というのはどうなんでしょうね。比例では前回より少ない得票数なのに ですよ。
決して支持は広がってないのに、あの報道で投票する気も失せた人が多かったんじゃないでしょうか。
この結果を確実に導くための偏向報道、そんな気が・・・
小選挙区制度の弊害に改めて驚き、そりゃないよってくらいの投票率の低さも相まって、目を覆うばかりの惨状だと感じました。
維新自民民主公明みんなと、どこを向いても右ばかりだし、何より、比例区で維新自民を合わせただけで約半数の得票率って、恐ろし過ぎます。
参院選で維新が更に躍進しそうな予感…
まずは、どうすれば国民の意識を、もっと政治に向ける事が出来るんか考えないといけないですね…
選挙結果の理解を深めるのに、非常に役に立ちましたm(__)m
○その最大の問題が政党政治なんですね。日本国憲法の何処にも「政党」なんて言葉は出てこないでしょう。
○にも拘わらず我が国では政党が政治の「主役」を演じてますよね。そこが完全に間違っているんです。主役は人でなくてはいけません。
○こんな事を言えばきっと反論があるでしょうね。アメリカは小選挙区制だし、二大政党制じゃないかってね。
○でも、アメリカの大統領って「党首」じゃありませんよね。それに議員に対する政党の縛りも弱いそうじゃありませんか。アメリカは人間重視ですよ。
○海外の事は良く分かりませんけど、今の日本の政党政治というのは世界最悪なんじゃありませんか?
○実態の無い名前だけの「政党」がマスコミという風に乗って高く舞い上がったかと思えば、マスコミに無視されて沈み込む「政党」があったり、マスコミの掌返しで与野党が逆転するって、これ民主主義なんて言えないでしょうね。
○ただ、こうして私のような市井の一老人でも自分の意見を言う事が出来る環境があるという事は救いかも知れませんね。ray 先生のブログには拍手を送りたいです。
応援しています。
今回の選挙残念ですね。なぜ皆自民に投票するのかわけがわかりません。
そんな不安定な政治で、これから日本は発展するのかね。はなはだ疑問ですな。
よその国では、リベラル、野党も政権を担えるようしっかりしてるので、二大政党制で機能している気がする。
まだ、日本の政治は発展途上、未成熟なんやないかと思います。
国際的に影響力がある国なので、安倍ちゃんがヘタを打たず、しっかり頑張って欲しいし、党内で、足の引っ張りあいは、辞めて、しっかり支えて欲しいですな。
安倍ちゃんの魅力は、岸信介という政治家を見てきたが、
エリート大学をでておらず、プライドがあまりなく、優しさがあり、純粋さがあるところです。
だから、美しい国日本なんて歯が浮くようなセリフを本気で言えるのだろう。^_^:
その純粋さが、マダムキラーの保守派の紳士に見えるというのに繋がっているのかもしれない。
小泉が派遣法を自由化して、企業は助かり、失業者も減ったというが、労働者の権利が迫害された。
今や全労働者の1/3が非正規雇用というあり様である。
岸信介が、国民皆保険、皆年金、最低賃金法を導入したように、安倍晋三は、非正規雇用の社会保険、厚生年金の適用を企業側に認めさせた。
そして、貸金業法を改正し、グレーゾーンを無くし、借金漬けの人間を救った。
小泉は確かに格差を作ったが、安倍晋三は、格差を減らそうと実績を残したのだ。
(谷垣自民や経団連に阻害されたというのもあるが) 民主党は、(正社員の)労働組合、連合に慮り、格差を是正出来なかった。
安倍ちゃんは、優し過ぎて、お友達内閣を作ってしまい、郵政造反組を復帰させてしまった。そこがマスコミにターゲットにされたところだが、実績は評価されなかった。
小泉、竹中は、新自由主義で、規制を無くし、競争によって日本を強くしようとしたが、弊害も大きかった。
橋下は、小泉を尊敬し、竹中とも組んでいるが、橋下の唱える地方分権は、地方間競争で地方格差は大きくなり、最低賃金法削除で、経営陣にとっては良くても、労働者は貧窮に喘ぐだろう。
橋下、竹中は、日本を強くするために、競争を促し、そして、石原は、核武装、徴兵制を導入しようとしている。
安倍も、橋下、石原、竹中も日本の国の事を考えているのだろうが、
私は、弱者を助けながら、強い国にしようとするという考えに適合する。
だから、安倍ちゃんを積極支持するし、安倍長期政権であって欲しい。
さもないと、橋下、石原、竹中の"新自由主義、核戦争いつでもできる国に維新の会"に政権交代するのだ。
日本の危機はそこまで近づいている。
頑張れ 安倍ちゃん!
言う割に自民党の事になるとそこを見ない
んですかね。
今一番経済を回復してくれそうなのは
自民党なのに。
憲法を守るために貧乏になりました、じゃ話
にならないんですがね。
「小選挙区では自民に入れるが、バランス上、比例では別な党に入れる」という人が結構いたということでしょう。
失礼ながら、反原発・反自民等々でありさえすればどんな理屈でも良いかのような無理な論理展開が目立つので、気をつけた方が良いと思います。
「COOL HEAD, WARM HEART」(冷静な頭脳、暖かい心)という言葉があります。そうありたいものです。残念ながらこのブログは時々「HOT HEAD, HOT HEART」(熱い頭脳、熱い心)になってしまっていないでしょうか?
このブログ自体は愛読しておりますので。
入る票は(票数=支持数-不支持数)
国民審査のように投票とは別に行える