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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

生活保護受給者等のパチンコギャンブル禁止監視条例 生存権の行使さえ肩身が狭い社会では誰も生きられない

2013年03月07日 | 生活保護と生存権

(それでなくても、全国平均の2倍以上の自殺率の生活保護世帯。どこまで追い詰めれば気が済むのか) 



 我が兵庫県に小野市という、そろばん作りなんかで有名な市があるのですが、この小野市が「小野市福祉給付適正化条例」を2013年度3月市議会に上程しました。

 この条例案は一言で言うと、生活保護受給世帯の人や児童扶養手当を受けている一人親家庭が、不正受給をしたり生活が維持できなくなるほど、生活費をパチンコ・競輪・競馬などのギャンブルに使いはたすことを禁止しています。さらに、生活保護受給者らが、「不正に受給していないか」「ギャンブルでお金を使いすぎていないか」、市民に通報させる「監視」条例案になっています。

 正確には、この条例案の3条1項は「受給者の責務」として

「受給者は…給付された金銭をパチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上ができなくなるような事態を招いてはならないのであって、常にその能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図るとともに、給付された金銭が受給者又は監護児童の生活の一部若しくは全部を保障し、福祉の増進を図る目的で給付されていることを深く自覚して、日常生活の維持、安全向上に努めなければならない」

と定めているのです。

 しかしながら、憲法25条は

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」

と規定しており、生活保護制度も児童扶養手当制度も基本的人権として保障される生存権に基づくものです。ですから、最高裁判所も、生存権によって給付される金員については、法の趣旨目的に反しない限り自由であると判断しているのです(最高裁判所平成16年3月16日 学資保険事件判決)。

基本的人権である生存権保障の最重要制度 生活保護基準の引き下げに反対する

河本準一さん親子問題から考えると間違える。生活保護の本質は憲法上の基本的人権である生存権の保障だ!

 



 さらに、生活保護法27条第1項は、

「保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。」

と規定しながらも、同条第2項、第3項では、

「前項の指導又は指示は,被保護者の自由を尊重し,必要の最少限度に止めなければならない。」

「第一項の規定は,被保護者の意に反して,指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。」

と規定しています。これらは、生活保護の実施機関である地方自治体が受給者に対し、必要以上の指導又は指示を行い、受給者のプライバシー権や自己決定権(憲法13条)が損なわれることがないように、指導又は指示の濫用を防止するための規定です。

「人間の尊厳に相応しい生活の根本は,人が自ら生き方ないし生活を自ら決するところにある」

のです(学資保険事件 福岡高裁判決)。

 このように、生活保護等の受給者は、基本的人権として憲法25条の生存権とともに、憲法13条後段によりプライバシー権・自己決定権を保障されているのですから、受給者に給付された金員の使途を過度に制約することは、憲法25条及び13条に違反しています。 

 っていうか、ぶっちゃけ、パチンコなどは違法行為ではないのですから、たとえ社会福祉の制度を利用している受給者であろうとも、その人が収入の範囲内でパチンコをしようがなにをしようが、何の問題もないのです。小野市などの地方自治体の当局者は、市民にそういう行動の自由があるのは当たり前だと感じられないのでしょうか。

生活保護申請者に「体売れ」 窓口で断られ凍死、餓死、自殺 不正受給は0・4% これが生活保護の実態だ

生活保護申請を受理さえせず追い返す「北九州方式」また炸裂 所持金600円の母子4人を追い返した市職員

(生活保護基準を圧迫することは結局自分の首を絞める)

 


 さらに、この条例案は生活保護などの扶助を「受給しようとする者」も対象としています。まだ、受給していない人まで対象とするなら、誰だっていつ受給するかわからないのですから、全市民が監視の対象と言えます。それでは、自己の生活が市民の監視にさらされることから、受給すべき要保護者らの生活保護等の申請を躊躇させかねません。

 まさに、明日は我が身。生活保護は他人事ではないのですから。

 また、生活保護受給者や児童扶養手当受給者の自己決定権を奪うこのような規定は、生活保護や児童扶養手当が基本的人権である生存権に基づく権利であることを全く無視するものです。また、この規定は受給者の意欲を奪うもので、生活保護法60条などの受給者の生活維持向上義務の本来の趣旨を歪曲するものともいえます。

 それに、本条例案の各規定は、それらの受給者が誰もがパチンコ等で浪費し、怠惰な日常生活を送っているかのような差別と偏見を与えかねません。現に、マスメディアが本条例案に関し「生活保護費でパチンコはダメ」(日経)などの見出しをうち、それに喝采を送る人々さえ多数います。

 そもそも、この小野市では生活保護受給が恥とされる文化があるのか、小野市における生活保護受給者世帯は約120世帯程度と少数であり、兵庫県内29市12町で比較した保護率は低い方から2番目なんだそうですから(小野市0.29%;兵庫県全体1.92%)、こんな無茶な条例を制定する必要性は全然ないのです。

 それに、乏しい収入の中からパチンコ等のギャンブルに賭けてしまう人にはギャンブル依存症というれっきとした病気が背景にある場合が多いのですが、ギャンブル依存症の人に対しては、これは病気なんですから、市民らの監視や受給の抑制ではなく、専門家による治療や自助団体への加入などをすすめるべきなのです。

 まさに日本はいじめ社会と言うか、弱い立場の人を追い詰める風潮はどこまでエスカレートするのでしょうか。

姉は病死 妹は凍死 生活保護申請も出来ずに逝った姉妹 生活保護に関する3つの誤解

生活保護申請で妊娠・同棲・出産禁止の誓約書 生存権=「健康で文化的」な最低限度の生活を無視する行政 

(こんなテレビ番組ばかりで、偏見を煽っている)



 さらに、この条例案では「市民の責務」として受給者の浪費が常習化しているところを見かけたら、市への情報提供を要請し、「疑わしい事実」があると市長が判断した場合、警察OBなどでつくる予定の「福祉給付制度適正化推進員」が調査することになっています。

 この規定は、社会福祉制度による権利として扶助を受給している方々に対する差別や偏見を助長し、受給者の市民生活を萎縮させる規定であり、市民同士がお互いの生活を監視し合う義務を負わせる、恐ろしく殺伐とした規定です。こんな規定があると、市民の監視の名の下、市民が受給者及びその家族のプライヴァシーをいたずらに暴き出す風潮が作出されかねず、極めて危険です。

 それにそもそも、ある市民が生活保護や児童扶養手当を受けているかどうかという情報は極めて秘匿性の高いはずのもので、他の市民や機関が、ある市民を監視対象者となる受給者であると知っていることがまずおかしいのです。

 なおかつ、生活保護等を受給している受給者の指導・指示は福祉の専門機関である福祉事務所等の権限と責任のもとで行われるべきものであり、これを市民等の監視に委ねることは行政の責任放棄でもあります。

 そして、本条例案が、受給者の家計管理の問題をパチンコ等のギャンブルに関する問題に矮小化させていることや、犯罪ですら通報義務を負わない市民に対し、何ら犯罪を構成しない受給者の生活状況に関する通報義務を課していることは、他の市民に法律以上の義務を負わせるもので問題です。

 このように、小野市のこの条例案は、社会保障の受給者の人権を侵害し、市民を監視態勢に巻き込み、生活保護等に対する差別偏見を助長する内容です。小野市はこの条例案を撤回し、市議会でこれを廃案とするべきだと考え、皆さんに訴えます。

参考 生活保護問題対策全国会議と全国生活保護裁判連絡会の連名の小野市に対する要請書

 

 

こんな条例ができたら兵庫県の恥ですから、兵庫県弁護士会も会長声明を準備中です。

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2013年3月4日

小野市長 殿
小野市議会議員 各位

                     要 請 書
 
                               生活保護問題対策全国会議
                                代表幹事 尾 藤 廣 喜
                               全国生活保護裁判連絡会
                                 代表委員 小 川 政 亮

1 はじめに
 私たちは,すべての人の健康で文化的な生活を保障するため,貧困の実態を明らかにし,福祉事務所の窓口規制を始めとする生活保護制度の違法な運用を是正するとともに,生活保護費の削減を至上命題とした制度の改悪を許さず,生活保護法をはじめとする社会保障制度の整備・充実を図ることを目的として活動している団体です。
 このたび,兵庫県小野市市議会に対し,「小野市福祉給付制度適正化条例」案(以下,「本条例案」といいます。)が上程されるとの報道に接しました。

2 問題点1 全市民が規制の対象となるものであること
 本条例案は,広範囲な義務を「受給者」に課すものですが,第1の問題点として,この受給者の定義自体が極めてあいまいで,実質的には,市民全員を対象とするものとなっていることが挙げられます。
 即ち,本条例案においては,義務の対象となる「受給者」の定義を2条1号では次のように定めています。
「生活保護法第6条第1項に規定する被保護者,児童扶養手当法第4条の規定により児童扶養手当の支給を受けている児童の監護者その他の福祉制度に基づき給付される金銭給付を受給している者又は受給しようとする者をいう」。
 つまり,生活保護,児童扶養手当だけでなく,「その他福祉制度に基づき給付される金銭給付」の受給者と「受給しようとする者」をも対象とすることになっています。
 本条例案では「福祉制度」についての定義がないため,生活保護や児童扶養手当のように財源として税金が用いられている児童手当,就学援助などだけでなく,例えば,国民年金制度の老齢基礎年金や障害基礎年金のように財源の半分が税金で賄われているものも含まれる可能性が大きいと言えます。
 そのうえ,先に述べましたとおり,本条例案では,こうした「金銭給付」を「受給している者」だけでなく「受給しようとする者」までも義務の対象者とすることになっています。
 このように,「福祉制度に基づき給付される金銭給付」を「受給しようとする者」すべてを市民の監視下に置いて,その自由な生活を規制することになる本条例案は,単に生活保護を受給している人や児童扶養手当を受給している人という一部の人を対象とするものにとどまらず,全市民を対象とする人権侵害を制度化するものであり,その影響・被害は,計り知れないものと断ぜざるを得ません。

3 問題点2 全生活が24時間常時監視・規制の対象となるものであること
 しかも,本条例案は,「受給者は・・・給付された金銭を,パチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興,賭博等に費消し,その後の生活の維持,安定向上を図ることができなくなるような事態を招いてはならない」(3項1項)として,生活保護法上も規定のない受給者の一般的責務を定め,そのうえ,「市民及び地域社会の構成員は・・・給付された金銭をパチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興,賭博等に費消してしまい,その後の生活の維持,安定向上を図ることに支障が生じる状況を常習的に引き起こしていると認めるときは,速やかに 市にその情報を提供するものとする」(5条3項)として,「市民及び地域社会の構成員」の密告を奨励する内容となっています。このように,第2の問題点としては,「受給者」の全生活が,監視と規制の対象となり,憲法13条に違反する内容となっていることが挙げられます。
 いわゆる学資保険裁判の最高裁判所判決(平成16年3月16日)で明確にされたように,給付された金銭の費消は,生活保護法の目的に反しない限り自由にできるとされています。つまり,憲法25条の生存権保障の具体化である生活保護制度は,「被保護者の人間の尊厳に相応しい生活を保障することを目的」としているもので,「人間の尊厳に相応しい生活の根本は,人が自ら生き方ないし生活を自ら決するところにある」のですから,生活保護費の使途についても,原則的に自由でなければならないものとされているのです(同裁判の福岡高等裁判所平成10年10月9日判決参照)。
 本条例案は,「パチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興,賭博」を例示して,あたかも,そうした行為のすべてが違法であり,許されないかのような体裁をとっています。もとより,「賭博」は,行為者が生活保護「受給者」であると否とにかかわらず刑法上犯罪とされる行為であり,その点は,わざわざ本条例案において,問題にするまでもないことです。一方,「パチンコ,競輪,競馬その他の遊技,遊興」は,本来は適法な行為であって,「受給者」がこれらの行為を行なうこと自体を問題視するのは,「受給者」が健康で文化的な生活を営むにあたって当然に保障されている,趣味や嗜みに属すべき行為を違法,不当に制限するものであり,生活保護法の趣旨を逸脱しているといわざるを得ません。
 ましてや,生活全般について,常時,全市民からの監視あるいは情報提供の対象とされるという事態は,憲法13条で保障された個人の尊厳と生命・自由・幸福追求の権利を侵害するもので,到底許されるものではありません。
 生活保護法上,「保護の実施機関は・・・生活の維持,向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる」(27条1項)とされ,「保護の実施機関」においても指導・指示ができる範囲が限定され,「前項の指導又は指示は,被保護者の自由を尊重し,必要の最低限度に止めなければならない。」(27条2項)とされているのもこの趣旨にもとづくものです。

4 問題点3 依存症については,「適切な治療」こそが求められていること
 また,「受給者」のなかには,「パチンコ,競輪,競馬その他の賭博」によって「その後の生活の維持,安定向上を図ることができなくなるような事態を招いて」いる人が存在することは否定しませんが,そのような人は,ギャンブルあるいは買い物等の依存症を患っている可能性やさまざまなレベルの障がいを有している可能性が高いといえます。したがって,それらの人々の生活の改善のためには,このような病状,障がいに対応した適切なケースワーク,治療導入や自助グループの活用など依存症等の回復,克服に向けた総合的アプローチが不可欠です。また,そのためには,当事者の自由を尊重し,信頼に基礎を置いた福祉事務所におけるケースワーク機能の強化と民間の支援活動に対する助成援助の充実こそが必要です。 
 こうした視点を欠いたまま,単に監視や恫喝のみを強調し,生活保護法上にも規定のない「受給者」の一般的責務(3条1項)に違反したとの理由で,市当局に対する通報を求め,「受給者」に対する制裁として不利益処分を課すことは,本来医療と福祉の保障のもとで治療とリハビリにより対応すべき問題に対する対応としては,全く「不適切」なものです。過度のパチンコ等の問題行動を解消する上で効果がないだけでなく,当事者を精神的に追い込んで孤立させ,病気や障がいからの「回復・復権」を不能ならしめる有害な対応方法であって,到底認められるものではありません。

5 結論
 もちろん,不正受給は許されるものではなく,制度の信頼性という面からしても,厳しい対応が求められることについては,異論はありません。しかし,それだからこそ,法律的に正しい手続きに則った,適切な処理が求められています。
 「不正受給」の問題と,「依存症」や「生活の自律」ができないことなど諸 事情のために家計管理に困難が生じている場合とを混同し,これについて,密告と監視を奨励するのは,いたずらに,「受給者」に対する偏見,差別を煽り,市民全体を監視し,あわせて,このような人権侵害のゆえに,生活保護制度や児童手当の利用について申請を思いとどまらせる強い萎縮効果をもたらすことが必定です。
 法25条は,「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障しています。また,生活保護法1条は,「生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を行ない,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長する」と定めています。
 そもそも,兵庫県下で下から2番目の低保護率(0.29%,全国平均1.6%),不正受給とされている収入未申告が4件(平成24年度),実態調査が5件(同前)(いずれも不正受給として実際に生活保護法78条によって処理されたかは不明)程度の小野市における生活保護の実施状況の中では,このように違憲・違法の疑いが強い条例を提案する必要性,立法事実そのものがまったくないことが明らかです。
 したがって,私たちは,以上指摘しました重大な違憲性,違法性を持つ本条例案については,議会への上程を撤回されることを強く求める次第です。
                                                                                  以 上

 

毎日新聞 2013年02月28日 地方版

 小野市の蓬莱務市長は27日開会の市議会本会議で提案した「市福祉給付制度適正化条例」案のうち、市民の通報義務化について「監視ではなく市民と一体となった見守り」と条例化の趣旨を強調した。条例案は、生活保護費や児童扶養手当の受給者にパチンコなどでの浪費を禁じる使途規制に踏み込み、不正受給の疑いや常習的な浪費状況を見つけた場合の通報を義務化。賛否の波紋が市内外に広がっている。【浜本年弘】

 ◇反応、賛否ほぼ同数

 賛否の反応は条例案の発表以来、電子メールや電話などで県内外から届いている。

 27日午後4時現在で、賛成22件、反対19件、その他1件。姫路、大阪、東京など各地から届き、賛成はパチンコなどでの浪費を禁じる趣旨への賛同が目立ち、反対は使途規制や市民の通報義務を批判する内容などという。

 反対する神戸市中央区の生活困窮者の支援NPO法人「神戸の冬を支える会」(森山一弘理事長)は市長、市議会への要望書を提出。青木茂幸事務局長は「相互監視によってもたらされる不安や疑心暗鬼の増大は、福祉事務所などでの地道な取り組みを根底から覆しかねない」とし、条例案の廃案を求めた。

 賛否の声に対し、ベテラン市議の1人は「市外からの意見が多い様子だが、市民がどう考えているのかしっかり受け止め、慎重に審議したい」と話した。

 ◇制度の信頼確保/自立生活支援

 市議会本会議で蓬莱市長は条例案について「国に先んじて、公的給付の不正受給や、受給者がギャンブルなどに費消し、生活の安定向上に努める義務に違反する行為を、市と地域社会が一体となって防止」すると説明。目的に「福祉給付制度の信頼確保」「受給者の自立生活支援」を掲げた。

 蓬莱市長はまた、既に施行した「市いじめ防止条例」「市空き家適正管理条例」と今回の条例案の3条例(案)について「全国どこにでも起こりうる課題に対し、言われる前にやる、後手から先手管理への転換の実践を全国に知らしめる3本の矢」と述べ、条例案の意義を強調した。

 市民福祉部の松野和彦部長は提案説明で「受給した金銭を生活維持費に充てず、大半をギャンブルなどに使ってしまう一部の受給者の行動は、懸命に生活再建に取り組む大多数の方々の市民権を踏みにじるに等しい行為」と指摘し、条例化を目指す意図を説明した

市議会は3月11、13の両日に一般質問があり、25日の民生地域委員会で条例案を審査。27日に採決予定。

 ◇率低いのになぜ/議会は慎重に

 福祉事務所で困窮者の相談に応じるケースワーカー経験を持つ研究者は使途規制の条例化や市民からの通報を盛り込んだ内容に強い危惧を示した。

 花園大(京都市)の吉永純教授(公的扶助論)は、生活保護の受給者(被保護者)が人口に占める保護率が小野市の場合、県内市町では2番目に低い0・29%(12年11月現在)の実情を指摘。「もともと保護率が低い自治体に、なぜこの条例が必要なのか非常に疑問だ。ギャンブルにのめり込むギャンブル依存症では本人も悩んでいる。立ち直りの気持ちを育てるため寄り添うのが行政の立場ではないか。監視の義務化で一挙手一投足を見られるならと、生活困窮者から生活保護を遠ざけ、貧困を放置することになりかねない」と話す。

 また、関西国際大の道中隆教授(社会保障論)は「不正受給は金額ベースでは国内受給者全体の0・4%。現行法令の運用で対応できる。増える生活保護費への厳しい視線を背景に条例化を目指す動きで、制度が最終のセーフティーネット(安全網)という認識が乏しいのではないか。議会は条例案を慎重に吟味する責任がある」と話した。

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 ◇市内の受給者、65歳以上46%

 生活保護の市内状況は市のまとめによると、先月の受給世帯(被保護世帯)120世帯では65歳以上の高齢者世帯が最多の55世帯(45・8%)を占め、うち単身世帯は51世帯。市内の中心的な受給者像は、1人暮らしのお年寄りが多い様子が浮かび上がる。

 07~11年度の動向まとめでみても、高齢者世帯の割合は下がっているが、依然として最大。他の世代の割合(11年度)は▽18~49歳20・6%▽50~59歳15・5%▽60~64歳11%。18~49歳と60~64歳が増える傾向にある。

 人口規模が近い近隣の西脇・加西・加東3市の状況は、生活保護費の受給世帯(県まとめ12年3月)は小野市の123世帯より多い約130~200世帯。逆に、児童扶養手当の受給世帯(県まとめ10年度末)は小野市の410世帯より少ない約260~350世帯。

〔播磨・姫路版〕

 

生活保護費でパチンコはダメ 兵庫・小野市が独自条例案

2013/2/22 19:41 日本経済新聞

 兵庫県小野市が、生活保護費や児童扶養手当を、パチンコなどで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する条例案を27日から始まる市議会に提案する方針であることが22日、分かった。

 小野市によると、条例案は受給者の責務として「パチンコ、競輪、競馬などに費消し、生活が維持できなくなる事態を招いてはならない」と具体 的に明記。市民が不正受給や浪費を見つけた場合、速やかな情報提供を求めている。不正は警察官OBが調査し、改善を目指すという。罰則はないが、改善され なければ最終的には支給を止める。

 条例化の意図について同市の松野和彦市民福祉部長は「社会保障制度は国民全体で支えられていることを市民に知ってもらうため」と説明。厚生労働省は「生活保護などの適正受給を目指した条例は他に聞いたことがない」としている。

 小野市は人口約5万人。生活保護は約120世帯に約2億9千万円を支出し、増加傾向にあるという。

 厚労省によると、生活保護費の受給者は、車の所有や、保護費を借金の返済に充てることが制限されているが、ギャンブルなどの浪費について明確な規定はない。〔共同〕

 

 

「生活保護パチンコ禁止条例案」に異論噴出…監視・密告社会になる?

「生活保護パチンコ禁止条例案」に異論噴出…監視・密告社会になる?
生活保護の不正受給をめぐる条例案で揺れる小野市役所=兵庫県小野市

 生活保護費の不正受給に対する批判が全国的に高まる中、兵庫県小野市が、生活保護費や児童扶養手当をパチンコなどのギャンブルで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する「市福祉給付制度適正化条例」の制定を目指し、条例案を市議会に提出した。

  市の担当者が「生活保護のあり方に一石を投じたい」と説明する条例案だが、不正受給者や常習的な浪費を見つけた場合、市に情報提供するのは「市民の責務」 との条文も盛り込まれた。同市の生活保護受給者は149人。市民による監視の目が行き届いてしまう数字だけに、「監視社会につながりかねない」と市民団体 などから反発の声も出ており、波紋が広がっている。(前田雅紀)

 ■ギャンブル浪費なくす

 神戸市から車で1時間弱。兵庫県の中南部に位置し、ゴルフ場の多さや、そろばんの生産地として知られる人口約5万人の地方都市が注目を集めた。

 「生活保護受給者の自立を妨げるギャンブルでの浪費をなくし、真に生活保護が必要な人のための条例にしたい」

 小野市議会の定例会初日となった2月27日、施政方針演説に立った蓬莱務(ほうらい・つとむ)市長は、提案理由をこう説明した。

 「監視社会につながりかねない」という批判を意識してか、「監視強化ではなく、適正化支給への見守りの条例」と強調し、「言われてからやるのではなく、言われる前にやる、まさに後手ではなく先手管理の実践」と胸を張った。

  条例案は「福祉制度の適正な運用と受給者の自立した生活支援に役立たせる」ことを目的に掲げ、不正受給を禁止するとともに、給付された金銭を「パチンコや 競輪、競馬などで使い果たしてしまい、生活の維持、安定向上を図ることができなくなるような事態を招いてはならない」と具体的に規定する。

 ■全国平均下回るが

 小野市の今年1月時点での生活保護受給者数は149人。平成17年度の98人より増加しているものの、人口に占める割合は0・3%と全国平均の1・6%を下回っており、不正・不適切な受給のケースも特段目立っているわけではない。

 では、なぜ今、条例が必要なのか。

 同市の松野和彦市民福祉部長は「生活保護制度に対する市民の信頼感を取り戻すのが狙い。不適切な受給とは何かを明らかにし、自立支援という生活保護のあるべき姿を明確にすることで、受給者への社会の厳しい目を和らげていきたい」と強調する。

  だが、全国一律で運用されている生活保護法などに、地方自治体の条例でギャンブルでの浪費禁止を上乗せすることに疑問を呈する県内の自治体の福祉担当者も いる。別の自治体の生活保護担当者も「浪費のケースでは、アルコールや薬物への依存も大きな問題。ギャンブルだけを例示することで、かえって生活保護法の 運用のあり方を狭めるのではないか」と危惧(きぐ)する。

 ■ねたみ・そねみ誘発?

 今回、条例案で最も議論を呼んでいるのが、情報提供を「市民の責務」としていることだ。条文では、ギャンブルに生活保護費を常習的に使い切っている受給者を知った場合、「速やかに市に情報を提供する」と規定している。

 しかし、この規定をめぐっては反発や異論が噴出している。「誰が生活保護を受けているかは個人情報であり、本来は他人が知り得ぬこと。誤った情報やねたみ・そねみの通報を増やし、疑心暗鬼を招くだけではないか」と自治体の福祉関係者も首をかしげる。

  路上生活者や生活困窮者の支援をするNPO法人「神戸の冬を支える会」(神戸市)の青木茂幸事務局長は「市民に相互監視させる社会は決して好ましいとはい えない。これから生活保護を受けねばならない人も萎縮(いしゅく)させかねない」と批判する。同会は27日、小野市役所を訪れ、市長と全議員宛てに条例案 の撤回・廃案を求める要望書を提出した。

 条例案は、市民からの情報の真偽などを調査させる適正化推進員についての条文も盛り込んでいる。市職員や警察官のOBのほか、委託を受けた民間人が推進員に充てられるとみられるが、詳細は決まっていないという。

  小野市の松野市民福祉部長は「常習的なギャンブルでの浪費を確認しても、条例を根拠に支給停止を行うわけではない。問題があれば、あくまで生活保護法に立 ち戻って、光熱費や家賃の滞納の有無などを調べ、指示や指導、弁明の機会の付与などの手続きを経て受給者の生活態度の改善を求めていきたい」と条例成立に 理解を求める。

 ■アドバルーン効果

 今回の条例騒動の地元の受け止め方はさまざまだが、戸惑いを隠せない市民も多い。「生 活保護費の不正受給に関する報道に接し、怒りや制度への不信感はあるが、小野市がなぜ先陣を切る必要があるのか」「不正・不適切受給の抑止を狙ったアドバ ルーン効果は期待できるが、条例でなくても問題提起できたのでは」という声も聞かれる。

 兵庫県尼崎市で生活保護の相談に乗る西部智子弁護士は「条例案の規定はあいまいで、不適切受給の概念を広げかねない懸念がある。『受給者への指導・指示は受給者の自由を尊重し、必要最小限にしなければな らない』という生活保護法の枠も超えており、受給者の尊厳にもかかわる内容」と危機感を募らせる。

 ただ、受給者が増え続けてきた生活保護のあり方に納税者から厳しい視線が向けられていることも事実で、徹底した適正化を求める声も大きい。

 小野市議会では3月11日と13日に一般質問が行われ、条例案をめぐって論戦が展開される見通し。市は条例の必然性や通報制度の妥当性についての説明責任を問われることになりそうだ。

 

 

「なんて素晴らしい条例なんだ……小野市やるな!!!」
「生活保護バッシングの再燃、監視社会化が進む危険が!」

   兵庫県の小さな町で生まれる条例案をめぐり、ネットの声は賛否両論、真っ二つに割れている。

   議論の的となっているのは、小野市が市議会に提出予定の「小野市生活給付制度適正化条例」だ。生活保護受給者がパチンコなどのギャンブルで浪費することを明文的に「禁止」する珍しい内容で、さらにそうした人を見つけた市民には市への「通報」も求める。

パチンコ・競艇・競馬などでの浪費を「禁止」

   2012年4月のいわゆる「ナマポ河本問題」以来、生活保護受給者による「ムダ遣い」に対して、世間から厳しい目が注がれている。特に槍玉に挙げられやすいのがパチンコなどのギャンブルで、たびたびメディアを騒がせたほか、国会質問の俎上にまで上がった。

   一方で法律上、生活保護費の使途は限定されておらず、「法の趣旨上望ましくない」(厚生労働省)とされるものの、事実上「野放し」に近い状態だった。

   さて、そんな中で登場した小野市の条例案とはどんなものなのか。問題の第3条第1項にはこうある。

「受給者は、偽りその他不正な手段を用いて金銭給付を受けてはならないとともに、給付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上を図ることができなくなるような事態を招いてはならない(後略)」

   罰則があるわけではなく、「一度そういうことがあったからと言って、給付を止めるということは考えていない」(小野市)とはいえ、受給者のパ チンコを始めとするギャンブルによる浪費を、「受給者の責務」として明確に禁じている。また小野市によればギャンブルのみならず、極端な飲酒や買い物など にも、この規定が適用される予定だという。

   そして、もうひとつも議論を呼んだ、「市民の責務」を定めた第5条第3項だ。

「市民及び地域社会の構成員は、受給者に係る偽りその他不正な手段による受給に関する疑い又は給付された金銭をパチンコ、競輪、 競馬そのほかの遊技、遊興、賭博等に費消してしまい、その後の生活の維持、安定向上を図ることに支障が生じる状況を常習的に引き起こしていると認めるときは、速やかに市にその情報を提供するものとする」

   この条例案の内容が報じられると、反響は大きかった。生活保護自体に批判的な人が多い2ちゃんねるやツイッターなどでは、支給の厳格化を目指すものと受け止められ賞賛の声が強かったが、識者からは第5条第3項を問題視し、「監視社会を招く」と懸念する声も上がった。

「これに代わるものがあるなら、具体的に出してほしい」

   しかしこれらの批判に、小野市の担当者は反論する。

   同市の場合、生活保護受給問題が相当深刻なのかと思われるが、実際の受給者数は人口5万人中149人(0.29%)と県内2位の少なさで、全国平均(1.38%)も大きく下回る。また不正受給の例もごく少数だという。ではなぜあえて条例案制定に踏み切ったのか。

「社会保障費の負担が次の世代、さらに次の世代にまでのしかかる中、市としての姿勢を明らかにしたい、自らの襟を正したいという思いがあった。またこうした義務指針を公にすることで、『小野市の生活保護受給者は不正をするような人たちではない』と知らしめたかった」

   「監視強化」の方策というよりは、小野市としての理念を示すという性格が強いようだ。

   現状でも、11年度には不正受給に関して2件の市民から通報があるなど、生活実態を知る「身内」からの声を不正把握に活用してきた実績があると担当者は胸を張る。それを監視社会だといわれるのには心外なようだ。

「学者の方々の論評はありがたいご指導とは考えておりますが、私どもは私どもとして、対策と理念を示したつもりです。これに代わるものがあるなら、具体的に出してほしい」

   生活保護をめぐる実態を誰より目の当たりにしているだけに、担当者の丁寧な口調にも力がこもった。

   さらにあまり報じられていないが、「通報」を求めているのは不正やパチンコだけではない。第5条第2項では、苦しんでいる「要保護者」に気づ いたら、こちらも速やかに通報することを求めている。「条例がもし可決されれば、むしろ受給者は増えると思います」と担当者は語り、いわゆる「受給の厳格 化」とは考えを異にしている様子だった。

「一過性の議論ではなく、本当の支援とは何かを考えていきたいと思っております」

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29 コメント

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考え方がおかしいと思います。 (黒希望)
2013-03-07 13:48:13
パチンコをやらなければいい話ではないですか?
ギャンブルが生存権に関係するのでしょうか?
訳がわかりませんね。
不正受給が問題ではありません。

普通一ヶ月10万もあれば普通に生活できます。
それを超えて多くのお金をばら撒いているのが問題です。
又、生活保護を受けている人は国民の義務を果たしていないので権利もないと考えても良いでしょう。
確かに極端な例(北九州など)もありますが、人間が行っているのですからそれはしかたがありません。
それをあげつらうことのほうが問題でしょう。
少しは背景を考えていただいたほうが良いでしょうね。

犯罪者は犯罪者、外国人は外国人、国民は国民です。
きっちり別けて考えてください。
以上、
返信する
脱税を市民に通報させるための長者番付は、金持ちのプライバシー保護のために廃止、貧乏人の生活は5人組で相互監視!嗚呼、欝苦しい国!!!! (L)
2013-03-07 17:01:16
 いやあ、この社会は、ホント、貧乏人が金持ちに甘く、貧乏人に厳しいわ!!
 ほんとおバカなカンダタばっかり!森巣博さんが「チューサン階級」を提唱していたけど、お利口なつもりの中二病、感情を不出来な”理屈”で正当化する”14歳の少年”ばかりですな!!せめて、中学を卒業して欲しいものです。ま、西原理恵子さんによると、人生の大切なことは、(彼女が退学になったあとの)高311月から3月の間に教わるそうですからできればコーサン、コーサン階級になって欲しいもんですが。とりあえず、憲法 第12条は覚えておかないとね。労働・納税・(自分の子供に)教育(を受けさせる)が義務だと思っているようだけど、これは必須じゃないんで、いい大学はこれでは落ちる。12条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」という非常に強い義務が国民ツラしている人間にはあるのだよ。「国民の義務を果たしていないので権利もないと考えても良いでしょう」なんて思っている手合いは、日本国民でもないし、義務を果たしていないのだから、権利も剥奪してOKなんだね(笑)。
 ショボい生保を羨み、もっとショボい”不正受給”とやらに怒り狂うくらいなら、大金持どものお手盛り税制や脱税、グルになった税務署の見逃しにもっと精力を回せばいいのに!ところが、生活保護を受けている人は国民の義務を果たしていないので権利もないと考えても良いでしょう。」「生活保護を受けている人は国民の義務を果たしていないので権利もない」「どうしてサヨクは内部留保を目の敵にするんだろう(キりッ)」だもんなあ(呆)
「ナマポがパチンコやって、酒飲んで、回転寿司くって、許せない!!」ww。金があり余り、ベガスで大金を溶かし、1本何万何十万の酒を毎晩飲み、5✩の料理を食っている奴が、%で言えば私たちよりも税や社会保険料を払っていない上に、脱税こいていやがることのほうがはるかに重い犯罪だろう!こういう手合いは75%払ったところで、資産が増える速度が落ちるだけで、別にこうした贅沢ができなくなるわけではない。
 戦後、税の民主化が行われる中で、いわゆる長者番付制度ができたが、逆コースの長いあゆみの中で、第三者通報制度は54年に廃止、年収の公開は82年までで、83年から05年まで税額に変わり複雑な税制のために実際の収入がわからなくなった。長者番付は、羽振りのいい贅沢暮らしをしているのに、名前が出ない、妙に番付けの低い脱税容疑者を市民が監視し、もって犯罪を抑止するための制度である。その後は金持ちのプライバシー保護・犯罪予防を口実に廃止された。これに対して、庶民は「そいつは有名税だ!嫌なら、その調子のいい立場をオイラによこしな。お大尽になって一度、有名税とやらを払ってみたかったんだ」と怒ったものだ。

 Ray様、一度、12条について書いて欲しいです。
 
 
 
返信する
はじめまして (泰子)
2013-03-07 17:44:43
宮武嶺様
ご意見に反対の立場です。
国民が納めた税金でパチンコをすることは、許されないと思います。
娯楽を求めるなら、働くべきです。

パチンコするのにも体力はいります。
それなら働けるでしょう。
ずっと真面目に税金を払ってきましたが、こんなことに使われるなんて理不尽です。
返信する
こういう事がまかり通るのが今の日本 (A・S生)
2013-03-07 18:33:29
黒希望さん、あなたも権利と義務はバーターだと思ってますか?
この二つは全く別個ですよ。
返信する
Unknown (さとう)
2013-03-08 07:08:39
たしかに、生活保護を受給していて「パチンコ」をやるのは、あまり良くはありません。
しかし、「娯楽を求めるなら、働くべきだ」といのはすこし言い過ぎではないですか?

私の家の近くの公園に、ホームレスのお爺さんがいます。
時々話すのですが、「出来れば働きたい・・・」と仰います。
でも、「雇用がない」のではしようがありません。
国は、「雇用をつくりだす」責任があると思いますが。

生活保護を受給している知り合いもいますが、とっても大変なんです。

「人間はパンのみによって生きる」のではありません。
それに、いつ自分が悪い病気に罹ったり、不幸な事故にあったりすることもあり得るでしょう。

不正受給がいけません。でもそうやって、弱い者いじめをする社会状況をわざわぜ造っても、
結果的に、みんなが不幸になるだけだと思いますが・・・。
返信する
Unknown (mimosa)
2013-03-08 09:02:03
>素子さん
私も「生活保護を受給しながら,パチンコをする」のはイカンと思いますよ~。
これについては,そう思う人が大半ではないでしょうか。
でも,ここの記事がそれ(=生活保護費でパチンコ)
を支持・容認しているわけではないことは,押さえておくべきだと思います。
マスコミの偏った報道例として「俺生活保護だもん。ウハハハ」が載ってますが,生活保護者への攻撃を煽るTV報道の一例として挙げられているのです。
 それこそ,問題なのは,
『世間の生活保護受給者が,パチンコをしている人ばかりではない』のに,上のウハハハの類いの報道のせいで,
『生活保護受給者が,働きもせずにパチンコに行く人ばかりだ』というような先入観を,世間の人達が持ってしまうのではないか,
小野市の条例もそういう煽りにのる路線であり,誤った先入観を世間に広げ,公的に監視社会を奨励していることにならないか,という点だと思うのです。
 あなたも開口一番「(ray先生の)ご意見に反対」と言われていますが,,,既に,煽られた結果,みごとに「生活保護受給者はみな,私たちの税金でパチンコばかり」みたいに思われているんじゃないですか?
 アルコール依存症と同じように,ギャンブル依存症という『病気』がある点も,あまり知られていないので,盲点になりやすいと思いました。今回も気づかせて頂いて,ray先生に感謝しております。


>黒希望さん
>>普通一ヶ月10万もあれば普通に生活できます。
実際に自活されたことがおありですか?
『家賃を払わなくてよくて,健康な人(=通院しなくてよい人)』なら,それでもいけるかと思いますけど…
家賃,光熱費,水道代,共益費(借りている住居の管理費)など,「食べる」以前の「生活する環境を整える」だけでどれだけかかるか。ご存じないのではないかと思えます。
まあ,住居費については,住む地域によりかなり相場が違うでしょうが(→首都圏に住むことになった友人が,駐車料金を提示されて,自分の中では「家賃並みの料金」を車一台に使わないといけない現実にショックを受けていたことがありました。車一台でも何万もかかるのなら,人ひとりでは…推して知るべしです)。
返信する
みなさんも明日は我が身です (おーちゃん)
2013-03-08 14:36:38
先生と反対のご意見はこんな感じのプロセスをたどるのでしょうか

「生活保護は税金」→「無職で働いてない」→「パチンコするのか、けしからん」→「いいぞ、三木市長」

こうなっちゃうんです(苦笑)

前提として、「絶対自分は生活保護にはならない」と思っていて、「選ばなければ、世の中仕事を見つけるのは簡単である」と思いこんでいます(バブル時代じゃないってョ!!)

だいたい、「選ばなければ・・・」的なことを言う人たちに限って、自分は必ず安全な場所にいるんですョ。

肉体系のキツイ、泣きそうな仕事をしたことがないはずです(たぶん~笑)

さてさて、

僕は非正規です(司法試験くずれのプーちゃんです)
若ければ、アルバイトも簡単に見つかりますが、今のバイトは肉体系です。

ある年齢になっちゃうと女性と違って、男性の場合アルバイトを見つけるのも至難の業です。

正直、コンビニバイト(夜中やりますでも)も採用されませんでした。

清掃、警備、荷物系の深夜等のハード系でやっと見つかる程度です(経験談) 

時給は関西だと800円です。足がボロボロになるくらい働いても800円です(遠い目)

これやらないとわからない辛さですネ

で、みなさんがスヤスヤ寝ている時間帯に真冬出かけて、真冬でも汗だくになっています(爆)

すいません、貧乏自慢です(あはっ)

ところで、

生活保護受給者の約9割近い人たちが、高齢者、母子家庭、障がい者&傷病者だそうです。

僕でもアルバイトでさえ、探すの苦労するのに、高齢者が半数以上の現状でどんな仕事があるというのでしょうか!?

さてさて、

今住んでいる「尼崎市」は「人口45万人」で、そのうち「17,000人」ぐらいが生活保護受給者だそうです。

他方、「三木市」は人口8万人で、生活保護受給者数は613人です

生活保護費が300億円以上の尼崎市と違って、三木市は10数億円。

条例化する必要性はないと言えるのではないかと感じます。っていうか、完全なパフォーマンス!!!!

たしかに、「ワタシタチの税金でパチンコかよ!!」というご意見はまことにその通りです

が、条例化することとはまた別問題です。

なぜなら、先生のご指摘の通り、

「パチンコするのが違法」じゃなければ、「条例」を策定する必要性がないからです。

これ以上の理由はありません。

こんな当たり前のことも理解したいところです。ここは冷静になって、理屈で考えなければいけません。


ところで、生活保護受給者数の10万人前後の人たちが生活保護の廃止をされているそうです。

「収入が増えたから」が10数%で、一番多いのは「死亡と失踪」だそうです。

なんだか、哀しい現実ですネ

*なお、各数字はネット検索なのでアバウトです

*先生、いつも走り書きなので、誤植等すいません(笑)









返信する
おーちゃんさん (ray)
2013-03-08 17:40:44
あなたのような人を蹴ってしまう司法試験、あきませんねえ。

ところで三木市→小野市です(尼崎や神戸の人間にとってはありがちな間違いですが、誤植以上)。

道徳上の規範と法律の義務は違うという話を今度書かないといけませんね。
生活保護の人がギャンブルを控えるというモラルはありえても、それを条例で禁止し、あまつさえみんなで監視するというのは全然次元の違うことなのに、なかなかわかってもらえないですね。
返信する
不正を働かず粛々と生活すれば良いだけの事でしょう。 (聖龍疾風)
2013-03-08 17:53:21
>宮武殿
生活保護の受給者は全員理由を問わず「乞食」であると私は考えます。
理由は簡単明瞭。その生活が自己の能力に立脚しておらず、他者にお金を恵んで貰っているからであります。
また同時に、その表現の方が、より早く「乞食なんかじゃなく、普通の生活を送りたい」と思うようになると考えるからです。
誰だって乞食なんて言われて気分の良い物ではないでしょう、私も同じですから。
だからこそ、生活保護のお世話にならないよう日々の生活を送る事の大切さを実感しております。
お世話になっていない者にはお世話になりたくないという思いを、お世話になっている者には早く脱出したいという思いを、それぞれに想起させる「モアベター」な表現だと思います。

一方で、生活保護受給者の中には、働きたいながら雇用が無いという現実もあるでしょう。
もちろん同情の余地は十分ですし、私自身生活保護という仕組みには賛成の立場です。
本来の意味で自活出来ない、例えば身寄りのない身体障害者で求職の余裕もない人に対して、「生きてるんだから働け!」とは言えません。
そういう人こそしっかりと生活保護費を受け取って欲しいというのが、納税者としての率直な意見です。

しかし同時に、生活保護を受ける以上、他人様の世話になるのですから、質素倹約に努めるのは当然として、余ったお金は進んで返納する位のプライドは持って当然ではないでしょうか?
そのお金は自分で稼いだお金ではないのですからね。

しかし、生活保護受給者が不正な受給、不正な利用をするなら、それを正して欲しいというのは正常な感覚であると信じます。
ましてや五体満足な体で居るのであれば。

恐らく小野市の考えは、「市町村側が監視するより、市井の目の方が、世間体や絶対数の上から有効」という判断も有ったのではないでしょうか。
緊急時の通報についても同様だと思います。
我が故郷の倉敷市でも、小野市同様の条例が成立し、不正利用に対する抑止力となる事を願って止みません。

>A・S殿
「みんなは一人の為に、一人はみんなの為に」というフレーズが見事に権利と義務の関係を表していると思うんだが。
つまり社会への義務を果たす代わりに社会から自分の権利が保障される、みたいな。
この両者は別個のものか?そもそも対義語だから無関係なわけ無いし。
まさか等価交換出来ないから、と言うのではないよね?

>mimosa殿
この記事に反対ならテレビに煽られている?
貴殿こそ、宮武氏に煽られているんではないですか?

…まあそれは冗談としても、しかしパチンコ等のギャンブルは適正な収入を得ている者が享受すべき娯楽であって、生活保護受給者には享受する資格が無いというのが世間一般の意見です。
貴殿はきちんとした(保護を受けている時点できちんとしているとは言い難いが、不正を働いていないという意味での)生活を営んでいる人は、この条例が成立しても何の問題も無い事に気づかないのですか?
監視されようが告げ口されようが、ギャンブルをしていない人間は堂々と「していない」と答えれば済む話なのです。
そうなれば、今度は監視・告げ口した人間が非難を浴びるわけですからね。
まあそもそもそんな事を市井に押しつけるなというのが宮武氏の意見の一部でもありましたが。

>おーちゃん殿
お仕事大変お疲れ様です。ですが、それはそれ、これはこれでしょう。
ギャンブルが違法ではないとしても、しかしだからと言ってやって良い訳ではありませんよね。
ましてやそれで生活が苦しくなり、ヤミ金や犯罪に手を染めれば本当に犯罪者ですよ。
地に足の付いているはずの一般人でさえそうした危険性を持っているのですから、いわんや生活保護受給者をや、です。
この条例は生活保護受給者を「犯罪者予備軍」にしない為のものでもあると思います。
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Unknown (horihori)
2013-03-08 18:44:23
記事アップお疲れ様です。

経済的弱者をさらに追い詰めるような密告社会を作り、さらに警察OBなどで「福祉給付制度適正化推進員」なんてもんで税金を無駄遣いするんですね…

不正受給は許されませんが、少数の不正受給をもって生活保護自体を攻撃するのは論外です。

明日は我が身…いつ何時病気になったり事故に遭って働けなくなったりするか誰にも分からないんですから。
情けは人の為ならずです。

あと、依存性に為るからには、依存せざるをえない環境下にあるとかでしょうから、金銭面だけでなく、精神面の支援が必要でしょう。


「福祉給付制度適正化推進員」も、受給者ではなく、給付側である行政に対し適正化を推進してくれるなら大歓迎ですが。間違っても窓口で門前払いとか無くすように。

弱者救済の為に税金使われるの、自分にとっては嬉しい限りなんですけどね。
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