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派手な離婚裁判で世界中で話題になったジョニー・デップ主演の「MINAMATA」を観たことをきっかけに、賛助会員に入れていただいた一般社団法人水俣病センター相思社の方のSNSを拝見していたら、今日は生涯を通じて水俣病に関わった医師原田正純さんの命日なんだそうです。
そこで、生前の原田さんがこう語っています。
「少なくとも私の考える水俣病というのは、汚染の時期に不知火海沿岸に住んでいて、魚介類を食べた人は全部被害者ですよ。
理屈からいけば、本当は認定審査なんていうのはおかしな話ですよ。
ある一定期間、一定時期に住んでた人たちは全部水俣病として処遇すべきですよ。
その中で重症者とか軽症者とか、それに応じたランクをつけることはある程度は合理性があると思うんですね。
ただ、こっからここはだめよとか、年代に線を引くことは不可能と思うんですね。」
いのちの旅――「水俣学」への軌跡 (岩波現代文庫)
『MINAMATAは必見の名作』1 因果は巡る。安倍晋三元首相の原罪。
『MINAMATAは必見の名作』2 人類はいつまでこんな暴挙を繰り返すのだろう。水俣、福島、そしてコロナ。
ではなぜ、水俣病の審査があるかというと、それは税金を使って救済をする人を選別する必要があるというのが建前で、つまりは国や自治体の財政には限りがあるというのが正当化の理由です。
これは私が関わっていた原爆症認定制度でも全く同じで、被爆者であることは明らかでも、その方の病気が原爆放射線によるものか審査する認定制度があって、それはそれは不合理なほど狭き門になっているので、もう原爆投下から80年近くが過ぎようとしている今でも全国各地の被爆者の方々が原爆症認定がされなかった処分の取り消しを求める裁判を続けなくてはいけなくなっています。
同じことが水俣病患者の方々にも起こっています。
いま、安倍政権で生活扶助費を切り下げられた方々の「いのちの砦」裁判が全国で起きていますが、これも国側の理屈は国家財政には限りがあるから、生活保護費を削らないといけないという話なのです。
「いのちの砦」訴訟の熊本地裁判決で原告の生活保護受給者らが完全勝利!安倍政権による生活保護費削減は「専門的知見に基づく適切な分析や検討を怠った」もので、厚労大臣の裁量権を濫用しており違法!
しかし、その生活保護費を削減した安倍晋三元首相は、軍事費を今のGDP1%の目安を取っ払って2%にしろ、つまり5兆円余りから10兆円以上にしろと盛んに主張していて、その財源は
「道路や橋を造る予算には建設国債が認められている。防衛予算は消耗費と言われているが、間違いだ。まさに次の世代に祖国を残す予算だ」
といって国債を発行しろと言ったり、
「子どもたちの世代にツケを回すなという批判がずっと安倍政権にあったが、その批判は正しくないんです。なぜかというとコロナ対策においては政府・日本銀行連合軍でやっていますが、政府が発行する国債は日銀がほぼ全部買い取ってくれています」
「みなさん、どうやって日銀は政府が出す巨大な国債を買うと思います? どこかのお金を借りてくると思ってますか。それは違います。紙とインクでお札を刷るんです。20円で1万円札が出来るんです」
といって、1万円札を無限に印刷すれば財源はできるみたいなことをいっているわけです。
そんな打ち出の小づちもドラえもんのポケットも真っ青になるような便利なものがあるなら、今苦しんでいる水俣病患者や被爆者や生活困窮者に我慢させることなんてないではないですか。
いろいろふざけんな!
ノーモア ヒバクシャ!!原爆症認定訴訟、最高裁で不当判決。しかし、被爆者が「敗れた」のは「恐竜のしっぽの先」の問題にしか過ぎない。
日本の少子高齢化の真の理由は安心して子どもが生めない、子育てに自信が持てないからで、それは貸与型の奨学金に象徴されるように教育予算が貧弱すぎるからです。
なぜ、日本で貯蓄が投資に回らないか。
それは、賃金がろくに上がらず、また福祉が不安だらけだから、病気や高齢化に備えてどうしても貯蓄しないではいられないからです。
その結果が自公政権下で何十年も続く不況であり、デフレです。
それを金融緩和で人工的に解消しようとしても無駄だったのがこの10年間ではないですか。
いままた、自民党政権と維新の会などは5兆円もの軍事費を毎年使ってきたのに、これを10兆円以上にしようとしています。そんなことが実現したら、憲法9条のある国なのに日本は世界で第3位の軍事大国になりますよ。
いったい、お金を誰に何に使うべきなのか、水俣病患者や被爆者や生活困窮者や母子家庭や貧困学生を泣かせておいて、兵器を買うのか、私たちは立ち止まってよく考えるべきではないでしょうか。
安倍晋三元総理が「ロシアにはウクライナに騙された感があった」「日本の1千兆円の借金はアベノミクスが成功しているから心配しないでほしい」。あなたがまだ日本の政界にいて影響力があることが一番心配です。
社会権の会が「新型コロナウィルス感染に伴う休業要請につき、アメリカからの武器輸入費を削減して個人と企業への生活支援・休業補償を行うことを求める声明」を発表。
一番右が兵庫県弁護士会の藤原精吾弁護士、一番左が京都弁護士会の尾藤廣喜弁護士。私が事務局長だった近畿原爆症認定訴訟の弁護団長と幹事長のお二人。
ノーモアヒバクシャ近畿訴訟。大阪地裁の原爆症訴訟でまたも国が敗訴。原爆症認定却下の決定が取り消される!
水俣病、原爆症、生活保護と例を挙げてきて、これらすべてが尊敬する大先輩である藤原精吾先生や尾藤廣喜先生の弁護士としてのライフワークであることに驚きました。
こうやって一生涯を世の中の不公正をただすために捧げる方々が世の中には大勢居られます。
原田医師もその一人です。
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追悼 原田正純さん 原田正純さんの生涯をふりかえって
水俣病センター相思社理事長
水俣病研究会代表
富樫貞夫
今年六月十一日、原田正純さんは七十七年の生涯を閉じた。亡くなる直前まで、水俣病患者のために献身的な活動を続けた原田さんについては、改めて紹介するまでもないだろう。
私が原田さんと出会ったのは、一九六九年九月、水俣病研究会を立ち上げた日であった。それから四十三年、長い付き合いだったが、さる五月十八日、自宅療養中の原田さんに乞われて対談したのが最後になった。話題は訴訟派患者家族が提起した第一次訴訟とそれを理論面から支援した水俣病研究会の活動に終始した。
原田さんは、熊本大学医学部を卒業後、大学院に進学するとともに神経精神科教室(立津政順教授)に所属して研究生活をスタートした。それまでこの教室はタリウム説に振り回されて、肝心の臨床研究がおろそかになっていた。熊大に着任して間もない立津教授は、一九六一年五月、原田さんを含む数人の若手医師を水俣現地に派遣して水俣病に関する詳細な臨床疫学的調査に着手した。これが水俣病と出会う最初のきっかけになった。
しかし、この時点ではまだ胎児性水俣病には出会っていない。これに出会うのはさらに一年後のことである。当時、水俣の患者多発地区には出生後に「脳性小児麻痺」様の症状を示す子どもが十数人見つかっていたが、決定的な証拠がないため水俣病とは認められていなかった。神経精神科教室でもこの病気の正体を究明することになり、原田さんがこれを担当することになった。
調査の対象になったのは、当時二歳から七歳までの十七名の患児である。原田さんはその家々を訪ねて発病の経過や多彩な症状の一つ一つを丁寧に観察し、脳性小児麻痺とは異なる臨床像をつかんでいった。また、母親からもくわしく話を聞き、その症状を観察した結果、母親の七割に水俣病と同じ軽い神経症状があることもわかった。検討の結果、患児の症状はいずれも「母体内で起こった有機水銀中毒」によるものという結論に達した(「精神神経学雑誌」六十六巻六号、一九六四)。「胎児性水俣病」の発見である。
このときの経験が後の「原田医学」の基礎になったことは明らかである。被害の現場に足を運び、そこで患者を診ながら丁寧に所見をとる。患者の症状は、疫学的背景を念頭に置いて観察し、解釈した。こうした研究手法は生涯変わることはなかったが、そこには立津先生が与えた影響も否定できないように思う。
ところで、原田さんは、学生時代に演劇部に所属し、卒業後も労演活動に熱心に取り組んでいた。若いころの原田さんは、郷里の鹿児島県宮之城町(現さつま町)で父が開業していた医院のあとを継ぎ、診療のかたわら村の青年たちを集めて劇団を作ることを考えていたという。それほど原田さんは演劇活動に生きがいを感じていた。演劇は、表現者としの原田さんを読み解くキーワードである。しかし、村の劇団を立ち上げるという原田さんの夢はついに実現しないままに終わった。その後の水俣病事件の展開がそれを許してくれなかったのである。
一九六五年六月、新潟の阿賀野川流域に第二の水俣病が発生したと公式に発表され、大きな衝撃を与えた。福島第一原発事故と同じように、当時、第二の水俣病が発生するとは国も企業も想定していなかったからである。二年後の一九六七年六月、新潟水俣病の患者家族は昭和電工を相手取って損害賠償請求の訴訟を起こした。これに続いて、一九六九年六月、水俣病患者家庭互助会中の二十八世帯がチッソを相手に損害賠償請求の訴訟に踏み切った(訴訟派)。
半世紀を超える水俣病事件の歴史の中で、この訴訟の提起は大きな転換点になった。この裁判がなかったら、そもそも水俣病研究会も存在しなかったのである。チッソの過失をどう理論化するかという問題をはじめとして、川本さんらの行政不服をきっかけに認定問題も根本から再検討を迫られていた。研究会では、専門のわくを越えて徹底的に議論して結論を出したが、それが妥当かどうかは、裁判所や行政を説得して患者側の具体的なニーズに応えうるかどうかにかかっていた。
原田さんにとって、研究会の経験は大変新鮮で興味深いものであったばかりではなく、水俣病に対する視野を大きく広げる機会にもなった。この経験を活かして、原田さんは最初の著作『水俣病』(岩波新書、一九七二)を書き上げた。その後、原田さんは水俣三部作をはじめ膨大な文章を書き残したが、岩波新書『水俣病』はいまも原田さんの原点であり、代表作といってよい。
これを機に、原田さんは被害者に寄り添う水俣病の専門家として精力的な活動を展開していった。環境被害の現場を巡るその足跡は、国内だけではなく、アジア、アフリカ、中南米など世界各地に広がっていることは、周知の通りである。
原田さんの歩みは、各地に足を運んで水俣病事件の苦い経験を伝え、同じ過ちを繰り返さないように説く伝道者としての歩みでもあったように思われる。また、その歩みをふりかえってみて、「時代が人をつくる」という印象を私は拭うことができない。現代という時代がこのような原田正純を必要としたという意味で。
一九七〇年以降、原田さんは再びアカデミズムの世界にもどることはなかった。若いころに原田さんが着手した胎児性水俣病の研究も未完のままに残された。その発見につながった研究は優れたものであるが、対象となった患者は重症例のわずか十七名だけである。調査地域を広げて研究を続ければ、もっと多くの重症例が見つかった可能性があり、また重症例を頂点として軽症例にいたる「母体内で起こった有機水銀中毒」の膨大な被害像が解明されたかもしれない。
事実、患者多発地区ではかなり早くから知的発達の遅れた子や軽い神経症状をもつ子が多く存在することが知られていた。これらの子は胎児性水俣病の底辺に位置づけられる可能性をもっていたと思われる。原田さん自身、晩年 この点に気づいていた。しかし、原田さんに残された体力も時間も遠からず尽きようとしていた。
◆教育...児童手当の所得制限撤廃も大学、給食無償化も
◆年金...全員に月1万円上乗せ
◆医療...自己負担ほぼゼロに
防衛費の増額は本当に必要か? 「巨費を投じても効果は乏しい」専門家は否定的
2022/06/11 08:00
ロシアや中国の軍事的脅威に対応するため、岸田文雄首相は日米首脳会談で「防衛費の相当な増額」を表明した。自民党が掲げる国内総生産(GDP)の2%を防衛費にすれば、約11兆円に相当する。今年度の防衛費の約6兆円から約5兆円の増額だ。巨費を投じてどんな効果があるのか。そもそも本当に必要なのか。AERA 2022年6月13日号から。
【写真】東富士演習場で行われた陸上自衛隊の「富士総合火力演習」の様子
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旧式化しつつある戦闘機を新鋭機に入れかえるのは当然であっても、ミサイル攻撃に対し「敵基地攻撃」や「反撃能力」で対処しようとし攻撃用の各種のミサイルの購入や開発に巨費を投じても効果は乏しい。山岳地帯のトンネルに潜み、自走発射機で移動するミサイルを秒速7.9キロで1日1回世界各地の上空を通過する偵察衛星で撮影するのは極めて困難。高度3万6千キロで周回する静止衛星からはミサイルのような小さな物は映らない。無人偵察機を上空で旋回させれば対空ミサイルで撃墜される。
5月28日に静岡県の東富士演習場で行われた陸上自衛隊の「富士総合火力演習」
相手が先にミサイルを発射すればその首都など固定目標に反撃することは可能だが、首脳部の現在位置はわからない。核ミサイルに対し火薬弾道ミサイルで報復するのは、大砲に対し拳銃で応戦するような形となる。米軍の核兵器を日本に配備する「核共同保有」を唱える人もいるが、核兵器使用のカギは米軍が握り、自衛隊は運搬役となる。米国がもし核使用に踏み切るなら自分の航空機やミサイルでそれを使うだろう。他方、核戦争にエスカレートして米国が標的になることを恐れ、核を使わないなら、自衛隊にそれを渡して使わせることは考えにくい。
ロシアのウクライナ侵攻に恐怖感を持ち、「北の守りの強化」を言う人もいるが、ウクライナで苦戦するロシア軍が二正面作戦をする公算はゼロだ。ロシアの東部軍管区はシベリア中央部バイカル湖から日本海岸まで、日本の20倍に近い700万平方キロを担当しているが、兵員は8万人で自衛隊の3分の1。その一部はウクライナ戦線に投入されている。弱みを見せないよう、日本海で演習をして見せている。
航空自衛隊の最新鋭ステルス機F35A戦闘機
中国がロシアの愚行をまねて台湾を攻撃することも起きそうにない。中国の輸入相手の第1位は台湾で半導体の供給を依存し、台湾の輸出の44%は大陸向け、台湾の海外投資の6割以上は大陸にあると言われ、台湾人約100万人が中国で経営者、技術者などとして勤務している。中台の経済関係は一体化し、中国が台湾に攻め込めば自分の足を打つ結果になる。
台湾行政府の世論調査では、「現状維持」を望む人が84.9%で、「すみやかに独立」は6.8%にすぎない。蔡英文(ツァイインウェン)総統も「現状維持が我々の主張」と演説している。
中国が威嚇さえしなければ、中台双方に経済でも安全保障でも有利なあいまいな関係、成功した内縁関係に比すべき状況が続くだろう。ロシアのプーチン大統領は大演習で威嚇したがウクライナ国民の反感を強め、引くに引けない状況になり侵攻し、大失態を招いた。これは習近平(シーチンピン)国家主席にとり「前車の覆るは後車の戒め」となるのではないだろうか。(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)
※AERA 2022年6月13日号より抜粋
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、自民党は防衛費の増額圧力を強めている。安倍晋三元首相はその財源として、新たに国債を発行すべきだと提唱した。恒常的な借金が可能となるいわば「防衛国債」で、かねて主張する「戦後レジームからの脱却」の狙いもあるという。
安倍氏は4月14日の安倍派会合で、防衛予算を国内総生産(GDP)比2%へと、現行の1%程度から倍増させるべきだと強調した。自民党が岸田文雄首相に出した提言も同様の趣旨だ。2022年度予算で計上された防衛関係費は5兆3687億円。倍増すれば10兆円超となる。
安倍氏は倍増させるための財源について「道路や橋を造る予算には建設国債が認められている。防衛予算は消耗費と言われているが、間違いだ。まさに次の世代に祖国を残す予算だ」と言及し、国債を活用すべきだとの考えを示した。
国債は、国が借金のために発行する債券のことだが、無制限に出せるわけではない。後の世代に残る道路や港湾などの社会資本整備に充てられる「建設国債」と、税収など歳入の不足を補う「赤字国債」がある。財政法4条は、建設国債以外の発行を認めていない。赤字国債を発行するための特例公債法を別途定め、期限のたびに延長してきた。安倍氏の提案は、防衛費は施設や装備が次世代に残るため、建設国債と同じく恒常的な国債を使えるようにすべきだというものだ。
実は、財政法は防衛費と深い関わりがある。戦後すぐに同法制定に関わった当時の大蔵省主計局法規課長、平井平治が著した「財政法逐条解説」にその理由が書かれている。
平井は政府が戦前、戦費調達に多額の国債(公債)を発行したため、財政法に関して「第4条は、財政を通じて戦争危険の防止を狙いとしている規定だ」と説明。「公債のないところに戦争はないと断言し得る。本条は憲法の戦争放棄の規定を裏書保証せんとするものであると言い得る」と明記した。
だが、安倍氏は首相時代の16年、衆院本会議で平井の見解を否定した。「財政法4条は、あくまで健全財政のための財政処理の原則を規定したものだ。戦争危険の防止そのものが立法趣旨であるとは考えていない」と答弁した。安倍氏はまた、22年4月21日の会合で、平井の考えを「まさに戦後レジームそのものだ」と切り捨て、「(16年の国会答弁は)財務省ともすりあわせた結果の答弁だ」と強調した。なぜ戦後レジームなのか。
安倍氏に近い保守派の西田昌司参院議員は、財政法に関して「連合国軍総司令部(GHQ)が二度と戦争をさせないように、財政の自由度に制限を加えた。日本を弱体化させるための法律だった」と主張している。安倍氏らは財政法4条を、日本国憲法とともに戦後、GHQから押しつけられた戦後レジームの象徴だと位置付けている。加えて党内では、積極財政派と財政健全派との路線対立が先鋭化している。安倍、西田両氏らが積極財政派として財政法改正を推進している側面もある。
政府内には、防衛費増額のため国債発行を増やすことには慎重な意見もある。
4月20日、財務相の諮問機関「財政制度等審議会」の分科会で、財務省は、日本が抱える巨額の国債残高などが「有事の際に脆弱(ぜいじゃく)性につながる」と指摘した。ウクライナ侵攻の後、国際社会はロシアの金融機関の資産凍結や銀行間国際決済ネットワークからの締め出しを実施した。その結果、ロシア国債にデフォルト(債務不履行)危機が生じ、ルーブル安も招いた。財務省幹部は「借金で賄うようでは有事は耐えられない。安倍さんたちは財政を真面目に考えているのか」と憤る。
平井は著書の序文で「戦争を惹起(じゃっき)したのは人だ。立派な財政法ができても、その運用に人を得なかったならば、猫に小判であって意味をなさない」と厳しく指摘していた。今の防衛国債の主張をどう受け止めただろうか。
岸田首相はこれまで、防衛国債については言及していない。財政を巡る議論は、政府の経済財政運営の指針「骨太の方針」が策定される6月に向けて大詰めを迎える。【小田中大、東久保逸夫】
2022年5月14日(土) しんぶん赤旗
主張
安倍氏の日銀発言 アベノミクス破綻に反省なし
安倍晋三元首相が「日本銀行は政府の子会社」と述べて国債を大量に買わせてもいいと発言したことが批判を浴びています。アベノミクス(安倍政権の経済政策)の破綻に開き直り、財政と金融のルールを踏みにじった暴論です。
本音あらわれた「子会社」
言うまでもなく日銀は紙幣を発行する中央銀行です。通貨の発行や金融の調整にあたって「物価の安定」を図ることが日銀法で定められています。政策を誤ってインフレなどを招けば、被害を受けるのは国民です。政権の思惑に金融政策が左右されることのないよう、日銀の「自主性」の尊重が同法に明記されています。
それを踏みにじり、日銀を自分の意のままに動かせる機関と扱ってきたのが安倍氏です。「子会社」は本音のあらわれです。安倍氏が導入した政策は岸田文雄政権も継承しており、元首相の発言と見過ごすわけにはいきません。
安倍氏は第2次政権発足前、「輪転機をグルグル回して無制限にお札を刷る」「建設国債を日銀に全部買ってもらう」と公言しました。
首相就任後は「大胆な金融政策」をアベノミクスの「第1の柱」に位置づけました。異常な金融緩和の導入に抵抗を示していた白川方明(まさあき)日銀総裁を任期満了前の退任に追い込み、黒田東彦(はるひこ)氏を総裁につけて「異次元の金融緩和」を実行させました。
日銀が「2%の物価上昇」を目標に、国債を大規模に買い入れてお金の供給を増やせば、物価が上がり、それに伴って賃金も上がり、「経済の好循環」が生まれるということでした。
実際に起きたのは「好循環」ではなく格差の拡大でした。日銀が供給した大量のお金は株式市場に流れ込み、株価は2倍に上がりました。恩恵を受けたのは大企業と富裕層です。その一方、実質賃金は低下しました。
日銀を株価つり上げの道具に使ったことは国民に多大な被害をもたらしています。大規模な金融緩和は円安を加速し、物価を押し上げて国民を苦しめています。いま総合指数では1・2%(3月)の上昇ですが、生鮮食品やエネルギーは2桁の高騰です。
そもそも日銀に国の借金である国債を引き受けさせることは財政法第5条で禁じられています。日銀は、直接の国債引き受けではなく、金融政策の手段として市場から国債を買い入れているとして正当化しています。しかしこれほど大規模な国債購入は事実上、財政赤字の穴埋めです。
日銀が保有する国債は500兆円を超え、国の借金のほぼ半分です。日銀が大量の国債を抱えることについては、資産価格が下落した場合に財政、金融の信認が損なわれる危険性などが経済、金融専門家から警告されています。
異次元緩和を転換せよ
黒田総裁は異次元緩和を見直すどころか緩和の「出口」を議論することすら拒んでいます。異次元緩和は安倍氏が日銀を「子会社」扱いして始めた政策です。政府が転換に責任を持ち、実体経済の回復に力を尽くすべきです。
日本共産党は当初から異次元緩和の危険性を指摘し、無謀な政策に反対してきました。間違った金融政策をただす上でも7月の参議院選挙での審判が重要です。
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確かに学校ではお金のヒミツについてはは教えてませんわね。
ほっといても、アベノミクスの大失敗のため、GDPが半減して2%を超えるかも知れません。
安倍さんが三橋さんと同じような主張をし始めたのはけっこうなことです。もっとも、「総理大臣辞めたあとにいうのかよ!」という話になりますが。従って安倍さんは全く信用できませんが、少なくとも気休めにはなります。