(原告)
 「きょうの結果は言葉にならない。非常に怒り悔しさに満ちた判決だったと思います。控訴審でも引き下げによる不利益を陳述してきたが、非常にショックです。今は言葉もありません」
 「本当に残念な結果となりました。この裁判で勝ってそういうのをなくしてみんなが幸せになれる、誰でも生活保護は受けられる、みんな幸せになれるんだと願っていました。この裁判は本当に悔しいです、腹が立ちます」

 原告の代理人である小久保哲郎弁護士は次のように話しました。

 (小久保哲郎弁護士)
 「全く思いもよらない逆転敗訴判決でした。司法に対する期待、私たちの思い、踏みにじる判決には失望と怒りしかありません。きょうも勝訴判決が出ると期待して集まっていたが、期待を裏切る結果となり心から謝罪したいと思います。より一層団結を固めて闘っていきたいと思います」

生活保護費の引き下げをめぐる一連の裁判で、4月14日に大阪高裁は、減額処分の取り消しを認めた1審判決を覆し、受給者らの請求を退ける判決を言い渡しました。高裁レベルでの司法判断は全国で初めてです。

厚生労働省は、物価の下落を考慮して2013年から2年かけて、生活保護費のうち光熱費や食費の支給基準となる額を最大で10パーセント減額し、大阪府内の自治体はこれに基づいて支給額を減額しました。

大阪府内に住む生活保護受給者40人は、「減額は憲法に違反する」などとして、自治体に対し減額処分の取り消しを、国に対し1人あたり1万円の賠償を求めて訴えを起こしました。

2021年2月、1審の大阪地裁は「引き下げは統計などの客観的な数値との関連性や専門的知見との整合性を欠く」として、減額処分の取り消しを命じる一方、賠償は認めないとする判決を言い渡し、自治体側と受給者ら双方が控訴していました。