コロナ感染爆発で緊急事態宣言の真っ最中に、菅政権の5閣僚が靖国神社に参拝。大臣などの肩書で参拝した以上、政教分離原則違反で違憲。そして政府の無策で長い自粛を強いられている市民に対する決定的な裏切りだ。
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8月15日の終戦記念日には政府が千鳥ヶ淵で無宗教の戦没者追悼記念式典をするというのに、2021年8月13日には岸信夫防衛相と西村康稔経済財政・再生相が終戦の日を前に靖国神社に参り、終戦の日当日には小泉進次郎環境相と萩生田光一文部科学相、井上信治科学技術相が15日の終戦の日にあわせて東京・九段北の靖国神社を相次ぎ参拝しました。
さらに、自民党の安倍晋三前首相らも同日靖国神社に参拝し、菅義偉首相は私費で玉串料を奉納しました。
現職の内閣総理大臣が、終戦の日に玉串料を奉納するのは2013年当時の安倍首相から9年連続のことです。
他の宗教施設に、総理や大臣がこれだけ手厚い宗教行為をすることは一切ないのですから、これは明らかに政府が靖国神社という宗教施設とその神社神道を特別扱いしていると内外に示す効果があり、憲法が厳格に規定する政教分離原則違反で、憲法違反の行為です。
特に、靖国神社の国の戦争に関連する施設としての性格に鑑みると、終戦記念日やその前後に参拝することは特に許されない意味があります。
すなわち、薩長連合が徳川幕府を倒すための大義名分として、まさに「錦の御旗」として天皇を利用したわけですが、その天皇を神格化し、絶対不可侵にすることによって富国強兵と日清日露戦争から中国大陸や南方への侵略、朝鮮・台湾の植民地支配が可能になりました。
ですから、戦前は神官は公務員とされ、仏教ほか神社神道以外の宗教は大本教などの神道でさえ徹底的に弾圧され、植民地でも神社参拝が強要されたのです。
そうした大日本帝国の戦争を可能にしたのが、「天皇の赤子」として、お国のために死ねば神として祀られる、神社の中でも別格とされた靖国神社という機関でした。
兵士として死ねば英霊として祀られる。これが天皇陛下万歳と叫んで死んでいく兵士を量産するシステムの要だったのです。
そんな靖国神社には、日本軍に入って明治政府や大日本帝国のために死んだ兵士たちは祀られても、一般市民は頼んでも祀られないのはご存じですか?
西郷隆盛らは明治の元勲と言われる明治維新の功労者なのに、西南の役で明治政府に反抗したということで、靖国神社には祀られていません。
逆に、自衛隊員で殉職されるとキリスト教者でも無理やり靖国神社に合祀されるので、遺族から有名な憲法訴訟が起こされているほどです。
このように、国の戦争を容易にする目的に徹底した靖国神社ですから、その境内にある遊就館ではゼロ戦などなど日本の侵略戦争を美化する展示物が一杯です。
だからこそ、東京裁判で戦争犯罪者として処刑されたA級戦犯たちでさえ合祀されているのです。
よく中国や韓国が閣僚らの靖国神社への参拝を抗議すると、内政干渉だなどと言う右翼がいますが、こんな靖国神社にいまだに日本の国会議員や大臣が参っていたら、全く侵略や植民地支配を反省していないことの何よりの表れなのですから、抗議する方が当たり前です。
こんな異様な神社、あるか!
そんなわけで、日本の政教分離原則はその制度趣旨からして神道と政治が結びつくことを特に警戒しているのは明らかなのですが、今年の靖国参拝でひどいのは、それが市民に不要不急の外出自粛を求めているコロナ禍拡大の真っただ中に行われたことです。
右翼的な人は靖国神社参拝は宗教行為だから不要不急ではないというかもしれませんが、現に、2017~19年は終戦の日の閣僚訪問は日本会議だらけの安倍政権の閣僚でさえ行なっていないのです。
いわばやらなきゃやらないでなんとかなることは、コロナ前の3年間でも明らかなのです。
なのに、閣僚が5人も参拝を強行したのは秋の総選挙に向けて右寄りの有権者へのアピールそのもの。私利私欲です。
中でも許されないのは、閣僚として担う役割からして、新型コロナ対策担当大臣の旧友西村君と、岸防衛大臣と、萩生田文科相です。
防衛大臣が軍事施設と言っていい靖国神社に行くのも許されない、教育分野をつかさどる萩生田大臣はもってのほか。
しかし、コロナ対策のために市民に犠牲を先頭切ってお願いしている西村大臣が、こともあろうに緊急事態宣言下に靖国神社に参拝するなど、言語道断、法的にだけではなく政治的にも倫理的にも許されないことです。
同級生だから書くのをためらっていたのですが、怒り心頭と言っておきます。
オリパラをやるべきじゃないのは、第一に市民に人流を減らす要請をしている効果を減殺するからですが、不要不急で選挙目的が明らかな靖国神社への閣僚らの参拝も、コロナ対策を台無しにする愚行としか言いようがありません。
憲法違反の不要不急の外出を、コロナ禍にする。
西村君が真っ先に行ったのにはもう啞然です。
あきれ果てたとしか言いようがなくて、かえって書くのが遅くなりました。
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首相は玉串料奉納
政治
2021年8月15日 8:30 (2021年8月15日 19:30更新) 日本経済新聞
小泉進次郎環境相と萩生田光一文部科学相、井上信治科学技術相が15日午前、終戦の日にあわせて東京・九段北の靖国神社を相次ぎ参拝した。自民党の安倍晋三前首相らも同日午前に参った。菅義偉首相は私費で玉串料を奉納し、参拝は見送った。
小泉、萩生田両氏は安倍内閣の閣僚だった2020年8月15日にも訪れている。現職閣僚による終戦の日の訪問が確認されたのは両氏ら4閣僚が参拝した20年に続き2年連続となった。17~19年は終戦の日の閣僚訪問は確認されていない。
萩生田氏は参拝後、記者団に「自国のために尊い犠牲となられた先人のみなさんに尊崇の念をもってお参りするのは自然な姿だ。ご理解をいただけると思う」と述べた
13日には岸信夫防衛相と西村康稔経済財政・再生相が終戦の日を前に靖国神社に参っている。
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首相は20年9月の就任以来、靖国神社を参拝していない。現職の首相が終戦の日に玉串料を奉納するのは2013年当時の安倍晋三首相から9年連続となった。
安倍氏は15日の参拝に際し「衆議院議員 安倍晋三」と記帳した。記者団に「母や父、友や子、愛する人をのこし、祖国の行く末を案じながら散華された、尊い命を犠牲にされたご英霊に尊崇の念を表した」と語った
安倍氏は12年の第2次安倍政権発足後、13年12月に靖国神社を訪れた。中国や韓国が強く反発し、米国は「失望」を表明した。それ以降は20年までの首相在任中、終戦の日を含めて靖国神社に参らなかった。
首相退任後、20年9月に参拝し「前内閣総理大臣 安倍晋三」と記した。同年10月にも2カ月連続で足を運んだ。21年4月には春季例大祭にあわせて訪問した。
自民党の下村博文政調会長も15日、靖国神社を訪れた。高市早苗前総務相、稲田朋美元防衛相、鷲尾英一郎外務副大臣らも個別に参った。
超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は会長の尾辻秀久元参院副議長らが代表して参拝した。新型コロナウイルスの感染が広がっているため、20年に続いて集団でそろって訪問するのを見送った。
靖国神社は極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯を合祀(ごうし)している。
韓国外務省の報道官は15日、首相による玉串料奉納や閣僚の参拝を受け「深い失望と遺憾を表する。日本の責任ある人物が歴史への謙虚な省察と真摯な反省を行動で示すよう求める」との論評を出した。
中国外務省の華春瑩報道局長は「靖国神社は日本軍国主義が侵略戦争を起こした象徴だ」とコメントした。「中国側はすでに外交ルートを通じて日本側と厳正に交渉し、強い不満と断固とした反対を表明した」と強調した。
政治
2021年8月13日 14:30 (2021年8月13日 23:00更新) [有料会員限定] 日本経済新聞
岸信夫防衛相と西村康稔経済財政・再生相は13日、終戦の日の15日に先立ち東京・九段北の靖国神社を参拝した。現職の防衛相の参拝が確認されたのは2016年12月の稲田朋美氏以来だ。参拝後、記者団に「不戦の誓い、国民の命と平和な暮らしを守り抜く決意を新たにした」と話した。
玉串料を私費で納め、衆院議員の肩書で記帳したと明らかにした。「先の大戦で国のために戦い命を落とされた方に尊崇の念を表し、哀悼の誠をささげた」と述べた。
同神社は東京裁判のA級戦犯を合祀(ごうし)している。
韓国外務省は13日、在韓日本大使館の熊谷直樹総括公使を呼び、李相烈(イ・サンリョル)アジア太平洋局長が「両国間の信頼関係を毀損する」と抗議した。
中国外務省は同日、日本経済新聞の取材に「自国の侵略の歴史への誤った態度だ」と回答した。「アジアの隣国や国際社会の信用を得るよう求める」とも指摘した。
中国国防省の報道官は「防衛相の靖国神社参拝に強烈な不満と断固とした反対を表明する」とコメントした。日本側に抗議するという。「日本の防衛部門は中国の問題で絶えず否定的な行動を取り、域外国家と共謀して中国の国防政策を中傷している」と批判した。
岸氏は参拝後に「それぞれの国で戦争のご英霊に尊崇の念を示すのは当たり前のことだ」と語った。中国との対話の窓口をとざすのではないかとの質問には「常に対話の窓口は開いたままだ」と強調した。
西村氏も13日に同神社を訪れ、玉串料を私費で奉納し「衆院議員西村康稔」と記帳した。記者団の取材に「静かな形でお参りした」と答えた。
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