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米タイム誌は12月14日、2011年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、中東での民主化実現に大きな役割を果たし、欧米など各地で格差社会是正に向け声を上げるなどした「プロテスター(抗議者)」を選んだと発表しました。
タイム誌は声明で「(中東のプロテスターたちは)催涙弾や実弾の雨が降る中でも異議を唱え、決して絶望しなかった」と、その勇気を称賛しました。
選考理由について、タイム誌編集者のリチャード・ステンゲル氏は、米NBCテレビに対し、「こうした人々は歴史を変え、今後も変革し続けるだろう」と指摘し、「彼らは文字通り、個人の行動が共同体に大きな変革をもたらすという考えを具現化した」などと語ったということです。
(アラブの春 エジプト)
今年は世界のさまざまな地域においてかつてない規模でデモ活動が展開され、中東では「アラブの春」によってチュニジア、エジプト、リビアなどで長期政権が崩壊したほか、シリアではなお民主化運動が続いています。
また、米国でも1%の富裕層は99%の国民のために応分の負担をせよと主張する「ウォール街を占拠せよ」という、反格差社会デモが行われています。
今、また、ロシアでは下院選挙の不正をきっかけに反プーチンデモが行われ、「ロシアの冬」(寒そう!)と呼ばれています。
ロシア下院選の選挙不正に抗議する反プーチンデモで逮捕者多数 モスクワの春が来ますように
(ロシアの冬 2011年12月12日 モスクワ 反プーチン集会)
今年は、亡くなったアップルの元CEOスティーブ・ジョブス氏か、同じく亡くなったウサマ・ビンラディン容疑者が最有力だと思っていたのですが、他の候補者には、国際テロ組織アルカイダの最高指導者ウサマ・ビンラディン容疑者を殺害した作戦の指揮を執った米軍のウィリアム・マクレーベン司令官、中国人芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏、ウィリアム王子との結婚で英王室に春をもたらしたキャサリン妃などが挙がっていたそうですが。
断然、「抗議者」がいいですね。
タイム誌の表紙を飾る「今年の人」は、ここ3年、2008年がオバマ大統領、2009年がバーナンキ連邦準備銀行理事会議長、2010年がザッカーバーグ・フェイスブックCEOとアメリカ人が続いてきましたが、今年の選定は抜群にセンスがあるのではないでしょうか。
10・15 5大陸71か国の719都市で世界同時抗議行動 ウォール街から「東京も占拠せよ」
(ウォール街を占拠せよ 2011年10月15日 ニューヨーク 反格差社会デモ)
タイム誌は、「アラブの春」が、北米の格差是正運動「ウォール街を占拠せよ」に飛び火して、ロシアの下院選への不正抗議 運動にまで広がり、「30億人が住む国々で抗議運動が発生した」と現状を分析しています。
そして、その上で、「真の統率力は組織の頂点から降りるのではなく、底辺から湧き上がる。地球をより民主的にするものだ」と述べ、特定の個人ではなく、抗議運動参加者の総称を「今年の人」に選んだ理由を説明したということです。
ならば。
福島第1原発事故があっても原発推進、進まない東日本大震災復興、貧困率が史上最悪なのに消費税の倍額増税、破滅的なTPP参加、沖縄差別の普天間基地移設強行・・・・
異議を唱え、決して絶望しないこと。
私たちも、組織の頂点から降りてくる独裁に頼るのではなく、底辺の99%として、勇気を持って抗議すべき時ではないでしょうか。
国民の了解を得ずになんでも公約する野田政権こそ独裁だ 普天間、原発再稼働・輸出、消費税増税、TPP
(脱原発9・19集会 2011年9月19日 日比谷公園の脱原発集会とデモ)
抗議することは別に難しいことじゃない 自分の心に素直になることだと思われた方は
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分かり易くて、内容の質も高いから、若い閲覧のコメントも多く、新しい活動の原動力となりつつあり、期待している。
実践的な教養及び民主的知性の成果は、実行によって裏付けられるものだ、ソクラテスの対話によって議論を高めよう!