NHKラジオ第1放送の午前5~8時の「ラジオあさいちばん」という番組の「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった東洋大の中北徹教授(62)が
「原発事故のリスクをゼロにできるのは原発を止めること」
「原発の稼働コストが上昇し、石炭や石油による発電コストと差が縮小している」
「事故の発生確率を減らしても、1件当たりの損害額が巨額になる」
などとのコメントを経済学者の観点から話すとディレクターに伝えたところ、担当ディレクターから
「東京都知事選の期間中はやめてほしい」
と難色を示され、テーマの変更を求められたことがわかりました。
中北教授によると、NHKの担当ディレクターは「絶対にやめてほしい」と言い、中北教授は「趣旨を変えることはできない」などと拒否したということです。
当然、中北教授は同日朝の出演を拒否し、20年間出演してきた番組を降板したということです。
選挙中は争点が多岐にわたるのは当然で、すべての争点をすべての選挙期間中に触れないなんてことはできません。完全に脱原発の意見だから封殺された、自公政権にとって都合の悪い意見だから許されなかったとみるべきです。
NHKはここまで腐ったかという一つの見本だと思います。会長の辞任だけではなく、受信料の強制徴収を許さない法改正を。
良いドキュメンタリーも作るから、と、期待もかけていたのがもともとよくなかったのか。
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NHK、都知事選中の脱原発論に待った 大学教授が降板
2014年1月30日13時46分 朝日新聞
NHKの朝のラジオ番組に出演予定だった中北徹・東洋大教授が、番組内で脱原発をテーマに取り上げようとしたところ、NHK側にテーマ自体の変更を求められ、番組を降板していたことが分かった。「都知事選中は原発問題はやめてほしい」と言われたという。
番組は月~金曜の午前5~8時のラジオ第1放送「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」というコーナーに20年来出演しており、30 日朝も「原発の再稼働のコストと事故リスク」をテーマに出演する予定だった。だが、前日に原稿案を見せたところ、ディレクターに「テーマを変えてくれ」と 言われたという。
原稿案は「事故発生時の損害額が桁外れに大きい」として、原発稼働におけるコストの増大を指摘する内容だった。中北教授は外務省を経て研究者となり、第1次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理も務めた。「選挙期間中だからこそ本質的な議論をするべきだ。過剰に自主規制するNHKの対応は問題意識が欠けている」と話す。
NHKは「脱原発論を放送しないというわけではない。原発が争点になっている都知事選期間中は、双方の意見を紹介するなど、より公平性を確保することが必要。1人が出演するビジネス展望では困難だと判断し、テーマの変更を求めた」としている。
NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」
2014年1月30日 07時00分 東京新聞
NHKラジオ第一放送で三十日朝に放送する番組で、中北徹東洋大教授(62)が「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などとコメントする予定だったことにNHK側が難色を示し、中北教授が出演を拒否したことが二十九日、分かった。NHK側は中北教授に「東京都知事選の最中は、原発問題はやめてほしい」と求めたという。
この番組は平日午前五時から八時までの「ラジオあさいちばん」で、中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった。
中北教授の予定原稿はNHK側に二十九日午後に提出。原稿では「安全確保の対策や保険の費用など、原発再稼働コストの世界的上昇や損害が巨額になること、事前に積み上げるべき廃炉費用が、電力会社の貸借対照表に計上されていないこと」を指摘。「廃炉費用が将来の国民が負担する、見えない大きな費用になる可能性がある」として、「即時脱原発か穏やかに原発依存を減らしていくのか」との費用の選択になると総括している。
中北教授によると、NHKの担当ディレクターは「絶対にやめてほしい」と言い、中北教授は「趣旨を変えることはできない」などと拒否したという。
中北教授は外務省を経て研究者となり、第一次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理を務めた。NHKでは「ビジネス展望」だけでなく、二〇一二年三月二十一日の「視点・論点」(総合テレビ)で「電力料金 引き上げの前に改革を」と論じたこともある。
中北教授は「特定の立場に立っていない内容だ。NHKの対応が誠実でなく、問題意識が感じられない」として、約二十年間出演してきた「ビジネス展望」をこの日から降板することを明らかにした。
◆詳細は答え控える
<NHK広報局の話> 中北さんに番組に出演していただけなかったのは事実です。詳細は番組制作の過程に関わることなのでお答えを控えます。
【解説】公平公正 裏切る行為
中北徹東洋大教授のNHK降板問題で、中北教授はNHK側に「都知事選期間中は原発の話はやめてほしい」と迫られたという。再稼働を進める安倍晋三政権の意向をくんで放送内容を変えようとした可能性は否定できない。
選挙期間中であっても、報道の自由は保障されている。中北教授は予定原稿で「現状では原発稼働がゼロでもアベノミクスが成果を上げている。原発ゼロでも経済成長が実現できることを実証した」「経済学の観点から、巨大事故が起きた際の損害額のリスクをゼロにできるのは、原発を止めることだ」と指摘した。
NHK側が問題視した中北教授の原稿は、都知事選で特定の候補者を支援する内容でもないし、特定の立場を擁護してもいない。
NHKの籾井(もみい)勝人新会長は就任会見で「国際放送で日本政府の意向を伝える」としている。原発再稼働を強く打ち出している安倍政権の意向を忖度(そんたく)し、中北教授のコメントは不適切だと判断したとも推測できる。
原発政策の是非にかかわらず受信料を払って、政府広報ではない公平公正な報道や番組を期待している国民・視聴者の信頼を裏切る行為と言えるのではないか。 (中村信也)
(東京新聞)
このコーナーは、月~金曜の各日午前五時から放送される番組「ラジオあさいちばん」の中で、六時半台に設けられる「ビジネス展望」。
三十日は男性アナウンサーがコーナー休止を告げ、コーナーと無関係の聴取者からの便りを読み上げた。休んだ理由は説明しなかった。三十一日以降は通常通り放送するという。
「ビジネス展望」は、経済評論家の内橋克人氏や日本総合研究所理事長の寺島実郎氏らが交代で出演し、ニュースや話題を約十分で解説。中北教授は約二十年間にわたり出演していたという。
NHK広報局は「都知事選では原発をめぐる問題が一つの争点になっており、選挙期間中はより公平性を期す必要がある。今回の場合、中北教授が出る 翌日などに、別の視点を持つ方に出演してもらうことなども考えられたが、選挙期間中の出演者は既に決まっており、テーマの変更を求めた」としている。
◆言論封殺おかしい
戸崎賢二・元NHKディレクターの話 選挙期間中は、特定の候補を推薦しない限り、争点となっている問題の論評を控える必要はない。放送が民主主 義の発達に資するべきだという放送法の精神からすれば、この期間中こそ有権者の判断に役立つ意見や情報を豊かに伝える必要がある。原発は意見が対立してい る問題だが、多角的な視点は編成全体で実現すればよく、出演者の言論の自由を封殺する対応はおかしい。政権側の批判を恐れた疑いも捨てきれないのではない か。
NHKでは脱原発、の発言をしては
いけないわけですよね。
原発賛成派が同じ時期に出演できないから?
とってつけたような理由ですね。
結局選挙期間中のこの時期がだめ、
というわけではなく、
どの時期でも脱原発発言はだめなんでしょうね。
「政府が右と言えば、右」
まさにそうなんでしょうね。
これが日本の国営放送における中立、ですか。(苦笑
賛成派なしに反対派だけで番組を作りたいなら民報でやれば良いんじゃないですか?
反対派だけでは中立は保たれませんからね。
中立を求めない人々にとっては不快なことこの上ないでしょう
圧力をかける人にはいろいろな事情があるでしょうが、「これは言わないで下さいね」と言われて、はいわかりました、と簡単に従ってしまうのは困りますね。
言論で食べている人が局の圧力に屈するのはアスリートが八百長をするようなものでは。
一方で、NHK大越さんのほうは、このようなこと(中学生のまさにこれは洗脳)してよくNHK,も公平だなんて言えたものです。
http://www9.nhk.or.jp/nw9/marugoto/2012/05/0510.html
“がれき受け入れ” 中学生が討論
結局、基本、政府寄りですね。
nhkは中立、公平、ということについてもう一度考え直した方がいい。ちょっと、短絡的に何とかの一つ覚えの様に「中立」「公平」を考えているように思えます。例えば、人の命を傷つける立場のものがそこに現れた時に、「中立ですから」、と、命を守る側にたつのはやめるのか。そんなばかげた中立・公平より、命を守る側にいるべきです。
「NHKは放送法に基づく特殊法人として1950年に設立された。設立目的は、放送法により「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うこと」とされている」とWikipediaにあります。「公共の福祉」が重視されているのですから。
それとも、ここも、自民の憲法草案にしたがって、すでに、「公の秩序」(と自民が考えるところのもの)となってしまったのでしょうか。
まあ原発推進側は推進側で「命を傷つけようとしているのではない」と言うでしょうから、そこは問わずとも(私は十分問題だと思いますが)、ともかくまず教授に失礼です。それに、中立と思っていても、すでに、NHKが政府寄りになっていることは、「ねじれ国会」という言葉を安易に使っていたことにもあきらかです。ともかく、中立を言うなら、その両極が命を重んじ純粋である場合にこそあるべきで、片方が命を軽んじたり不純な欲望を持っている場合に中立などと能天気に言わないことが必要です。
まあ、原発に対するネガティブな態度は、金子勝、浜規子、内橋克人さんらが示して来たので、ここに来て潮目が変わったのだと見ます。
ビジネス展望は、マトモな内容が多かっただけに実に残念です。今回辞めた方はノーマークだったので惜しいことをしました。もう、ポッドキャストにも残っていません。 以前、水島朝穂さんの新聞を読むも潰しましたが、魔の手はビジネス展望にもという印象。金子勝、浜規子、内橋克人さんらも危ういなあ。特に、浜規子さんは怒って辞めてしまいそう。昔、毎日労組のシンポで、”派遣切りの頃、経団連かなんかの集会に招かれたら、偉い人に仲間・身内扱いされ、派遣を馬鹿にした発言をこってり聞かされ憤慨した。私に対する侮辱だ”と言っていたくらいですから。
でも、代わりに誰が入るかを考えたら、3氏には残ってほしいです。
当然ブログ主は批判するんでしょうね。
震災以前は原発のコストが安いという人間だらけだったのですから。
是非そっち側の人間を引きずり出して、討論して欲しいくらいです。
主張は御自身が独自にブログなりを立てて、そこで御存分になさればいいのです。
自分の主張が採用されないからといって言論弾圧だ何だと喚くのは本末転倒ですよ。
では、震災前の原発の平均的な性能の原発では、何基必要でしょう?(ヒント、百万kWの原発は、現実にはあり得ない、稼働率百%、所内消費電力0のものとします。)
答えは、下の方に
原発が百%できるという、脳天気安全神話信者の自爆解説などいただければ幸いです。
答え、1.8基 震災直前の原発54基の平均発電力から所内消費電力を引いた残りが90.5万kW、電力量基準の稼働率が60.5%です。また、敷地は、太陽光発電と違い、百%排他的にする必要があります。