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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

元「従軍慰安婦」=戦時性奴隷の「私が証拠だ」は法律の世界では当然 金福童さんが特派員協会で会見

2015年04月24日 | 「従軍慰安婦」=戦時性奴隷

2015年4月24日、日本外国特派員協会で会見する金福童(キム・ボクドン)さん(88)

 

 

  いわゆる「従軍慰安婦」=戦時性奴隷として働かされた金福童(キム・ボクドン)さん(88)と支援者が2015年4月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、改めて日本政府による公的な謝罪と賠償を求めました。

「従軍慰安婦」は「慰安婦」ではなく、まさに「強制的な性的奴隷(enforced sex slaves)」だ

「従軍慰安婦」にされた少女たち (岩波ジュニア新書)
石川 逸子
岩波書店

半世紀前,アジアの少女たちの青春が奪われた.日本軍は侵略する先々に,また本土に少女たちを連行し,兵隊たちのための「慰安婦」とした.韓国での直接取材にもとづき,強制連行,前線の「慰安所」でのくらし,戦後の生活と,彼女たちの想像を絶する苦難のかずかずを描く.人間性への加害と日本の責任を考える一冊.



   安倍首相が米議会で予定している議会演説については

「何が過ちだったのかを説明し、謝罪すべきだ」

として慰安婦問題に関する事実関係の説明と謝罪を求めています。

 彼女は14歳のとき、日本の軍服工場で働かなければ財産を没収されると脅されて、中国・広東、香港、インドネシア、マレーシア、シンガポールなどを転々と5年間、日本軍の性奴隷とされたことで知られています。

 また、橋下徹大阪市長(当時日本維新の会・共同代表)が2013年6月に

「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」

などの発言を受け、抗議の意思を示すために来日されたこともあります。

 同月27日に行われた日本外国特派員協会の会見で橋下氏は、普天間の米軍司令官へ「風俗を活用してほしい」と伝えたことについて、米軍並びに米国民に対し発言を撤回、謝罪しました。

 しかし、戦時であれば「慰安婦」制度が必要との発言の撤回や、元「慰安婦」への謝罪はしませんでした。さらに

「国家の意思で女性を人身売買した点を裏付ける証拠はないというのが政府の考え方だ」

と述べたのです。

中曽根元首相も関与した「慰安婦」強制を安倍総裁と橋下市長が否定すべく河野談話を破棄しようとしている

「慰安婦」は必要だったという橋下氏に侵略をわびる気持ちも資格もない

 

 

 これに対して、その金さんの今回の会見の中で印象的だったのが、

「私が証拠だ」

というお言葉です。

 金さんは、

「私は生きている。安倍首相は『証拠がない』と言うが、証拠はここにいる。私が証拠だ。『証拠がない』という主張はばかげている」

と憤った、というところです。

 

 

 

 「慰安婦」問題について記事をアップすると、必ず、彼女たちを「強制連行」した証拠となる公文書がないから証拠がない、だから「強制連行」はない、とコメントしてくる人が後を絶たないのですが、これは何重もの意味で間違っています。

 今回強調したいのは、被害者の供述こそ、加害者の自白と並ぶ最大の直接証拠だ、ということです。

 被害者の証言こそ、裁判で最も証拠価値が高い証拠なのです。

 たとえば、傷害とか強盗とか強姦とか、被害者があの人にこんなふうにやられましたと証言するのが最も重要な証拠であることは明らかでしょう。被害者は目撃証人でもあるのです。

 もちろん、被害者が本当のことを話しているかどうかの吟味は必要ですが、それは被疑者でも、第三者でも、供述証拠の場合は共通して言えることです。

 元「慰安婦」の方々が誰にどのように連れてこられたのかを語った証言は、強制連行の直接証拠(訴訟上、法律効果の発生に必要な事実の存否を直接に証明する証拠)です。だから、最も証拠価値=証明力が高いのです。

従軍慰安婦資料集
吉見義明
大月書店

まだ同じようなコメントがしたい人はこれを読んでからにしてください。



 たとえば、原爆症集団認定訴訟では、原爆投下の瞬間に、原告の被爆者の方がどこにいらしたかが非常に重要になります。爆心地からの距離が外部被ばくの大きな要素になるからです。

 しかし、個々の被爆者の方がどこにいらしたかを示す直接証拠などもともと多くありませんし、それらはすべて原爆で消えてなくなっています。また、本人以外の方で証言できる方もほとんどいません。

 つまり、この場合原告である被爆者本人の供述で事実が認定されるのです。

 このこと自体に裁判所が疑問を呈することなどあり得ませんし、当の被告本人である国・厚生労働省が異議を唱えたこともないのです。

 これが法の常識と言うものです。

 ですから、歴史修正主義者たちの言う

「慰安婦」の証言では証拠にならない

というのはナンセンスで、お話にも何もならないのです。

 彼らには歴史についても法律についても何も常識がないとしか言いようがありません。

 

 

 

 あとは補足で、

日本軍「従軍慰安婦」制度に対する誤解を解き、問題点をわかりやすく解説する

というまとめ記事を読んでいただきたいのですが、まず、日本軍が「慰安婦」の方々を強制連行した事件はありますし、裁判記録と言うれっきとした公文書さえあるのです。

「たとえば、インドネシアでは、スマラン慰安所事件というのが起きました。これは現地の日本軍部隊がインドネシアのスマランというところで、抑留所に収容さ れているオランダ人女性たちを無理矢理連行して来て、軍慰安所に入れて使役したというものです。すくなくとも24名の少女を連行して使役をしています。これは戦犯裁判で確定し、関係者が処刑されています。

 1994年にオランダ政府は、日本軍「慰安婦」問題でのオランダ人の被害をまとめた報告書を出しています。これは翻訳されて、日本の戦争責任資料 センターが出している『戦争責任研究』(4号・1994年6月)に載っています。これを見ますと、実 に様々な事柄が書かれているのですが、これもオランダ政府の公文書です。

 このように東南アジアでは軍が暴力を使って強制連行をする例が多数みられます。

 中国でも同様です。中国の山西省のケースでは3件が被害者により提訴され、日本で裁判になりました。それから海南島のケースも裁判になっております。裁判の結果、日本の裁判所はいずれも事実認定をしています。その事実認定はこの4件すべて、女性たちが軍によって暴力的に連行されて、強制的に使役されたということを認定しています(坪川宏子・大森典子『司法が認定した日本軍「慰安婦」』かもがわブックレット・2011年)。

 全体としてみると、朝鮮では、軍は直接関与せず業者にやらせた、中国・アジアでは軍が直接強制連行した例も多数みられたと言えます。」



 また、「慰安婦制度」において、旧日本軍が「慰安婦」を強制的に集めた公文書は多数あります。

「東京裁判(極東国際軍事裁判)の文書にも、中国人被害女性の証言や旧日本陸軍中尉の陳述書などで軍の直接関与と女性に対する強制や脅迫が記されています。

 見つかりにくいのは、戦前の大日本帝国の公文書だけです。

 しかし、強盗の犯人が強盗に関する文書を残すわけがありません。北朝鮮の拉致も、北朝鮮の公文書で認定できるわけがなく、目撃証言など別の証拠で認定しています。日本政府と軍の犯罪を公文書に残せというのは、犯人に自白文書を残せというようなもので無理なのです。

 日本は敗戦が濃厚になってから、政府・軍の人間が戦犯にされないように、まずい公文書をすべて燃やしてしまったことが知られています。

 また、こんな例もあります。旧日本軍はソ連が攻めてきて逃げる時に、関東軍はすでに条約で禁止されているのに持ち込んでいた毒ガス兵器を、地面や川や湖に捨てて隠して逃走しました。あとで戦犯にならないようにそうしたのですが、戦後、中国の人に多数の被害者が出て、日本の処理義務を認めた化学兵器禁止条約が締結されるきっかけになりました。

 軍とは、政府とはそういうものです。責任逃れのために証拠を隠滅するのです。それは今の日本政府でもしょっちゅうあることではないですか。戦前の政府の公文書がないことは、軍の「慰安婦」制度関与がなかったことには全くつながりません。」

日本軍「慰安婦」被害者 少女の物語~DVD付き絵本

日本機関紙出版センター

 

 

 また、そもそも、騙して人を連れて行けば誘拐であり、これも強制にあたります。

「強制とは本人の意志に反していることです。暴力を使わなくても、脅されても騙されても強制です。

 北朝鮮に「拉致」された事案でも、北朝鮮の政府関係者は直接手を出さず、工作員などに騙されて北朝鮮まで自分で行ってしまった場合もあります。これは「自主的」とはいえません。その在日朝鮮人が北朝鮮の手先なら、それはまさに北朝鮮による拉致であり、刑法上の「誘拐」に当たるのです。誘拐には誘うという字も使われていますよね。そして、

(1)日本政府が慰安所開設にあたり指示、関与している。
(2)この慰安所施設が日本軍人専用の施設であったこと。

に争いはありません。業者も軍が管理・利用・監督しているのであり、軍の手先です。ですから、業者が騙して連れてきた「慰安婦」を軍が利用すれば、これは軍による強制連行なのです。

 だから、河野談話でも強制とはだまされた場合も含むとされているのです。強制に広義も狭義もありません。」

 

 

 そもそも常識も良識もないから歴史修正主義者をやっているわけですから、彼らに法常識を説いても仕方ないのかもしれませんが、普通の方々にも盲点になっているかもしれませんので書きました。

 

 

歴史修正主義の方々はまた同じことを書きに来るようなら、コメント承認しませんので。

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元「慰安婦」女性が特派員協会で会見 日本軍の関与について「私が証拠だ」

   いわゆる従軍慰安婦として働かされたとする金福童(キム・ボクドン)さん(88)と支援者が2015年4月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、改めて日本政府による公的な謝罪と賠償を求めた。

   米国各地で建立が進んでいる慰安婦像については歓迎する意向で、安倍首相が米議会で予定している演説については「何が過ちだったのかを説明し、謝罪すべきだ」として慰安婦問題に関する事実関係の説明と謝罪を求めた。

  • 日本外国特派員協会で会見する金福童(キム・ボクドン)さん
日本外国特派員協会で会見する金福童(キム・ボクドン)さん

14歳で工場労働を担う「挺身隊」として働きに出るように強要される

   金さんの説明によると、14歳だった1940年春、自宅に3人の男性がやってきて工場労働を担う「挺身(ていしん)隊」として働きに出るように強要され、その後は中国の広東省、香港、スマトラ島、ジャワ島、シンガポールなどの慰安所を転々としながら慰安婦として働かされたと説明している。シンガポールで終戦を迎えたが、韓国に戻れたのは1947年のことだった。

   金さんは、

「自分が体験した苦しみは言葉に出来ないほど。もう90近いが、愛というものが分からない。幼い時に連れて行かれてしまった。結婚したが子どもはできなかった。生きるために毎日が薬頼み」
「若ければ自分で生きていくこともできただろうが、今は一人では生きていけない。視力は衰え、片目は見えない。毎日介護を受けている。それでも、まだ死ぬことはできない。やらなければならないことがある。公的謝罪が必要だ。尊厳と名誉を取り戻したい」

などと訴えた。

慰安婦像は「過去に何が起こったかを表す一つの方法」と歓迎

   米国の動向についてもいくつか言及があった。慰安婦像については、

「過去に何が起こったかを表す一つの方法」

だと述べ、自らの体験を伝える助けになるとして歓迎する意向だ。

   安倍晋三首相は、2015年4月29日に米上下両院合同会議で演説を予定している。日本の首相が米議会で演説するのは1961年の池田勇人首相以来54年ぶりで、上下両院合同会議での演説は初めて。この演説について聞かれると、金さんは、

「過去の過ちを認めて問題に対処すべき。何が過ちだったのかを説明し、謝罪すべきだ」

と語った。

   慰安婦問題に関連して寄せられるさまざまな疑問にも金さんは反論した。例えば、金さんを「挺身隊」として連れ出したのは誰か、という問題だ。この点については、

「3人が来た。警官、町に住んでいる誰か、日本人。その人は軍服を着ていたが、その服には階級を表すものはなかった」

と説明した。梁澄子(ヤン・チャンジャ)日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表によると、金さんは、男性の標準服にあたる「国防服」を「軍服」を誤認した可能性があるといい、

「当時国防服を着ていれば、朝鮮の子どもには、みな軍服に見えたと思う」

と説明。この国防服を着ていた男性は、後の調査で軍属だったと判明したとも説明した。

民間人の運営は困難だったとの見方

   慰安所の運営については、

「普通の市民は入ってこれない。軍の基地で、皆が軍の関係者だった。自分たちは(現地の)言葉が話せなかったので、言われたことをするしかなかった。」

と話し、民間人の運営は困難だったとの見方を示した。「軍の関与」を主張する狙いがあるとみられる。

   現時点の政府見解は「慰安婦の募集に軍政府が直接関与した資料が確認されていない」(1993年・河野談話)というものだ。金さんはこういった指摘を念頭に、

「私は生きている。安倍首相は『証拠がない』と言うが、証拠はここにいる。私が証拠だ。『証拠がない』という主張はばかげている」

と憤った。

   「慰安婦の給料は高い」という説にも、

「工場でお金を稼ごうとしていたのに、全然違う環境に置かれた。ほとんどお金を目にする機会はなかった。食事や衣服は軍から提供されており、お金は必要ではなかった」

と反論した。

 

<社説>朝日「慰安婦」検証 歴史的事実は変わらない

2014年12月24日  琉球新報

 日本軍「慰安婦」報道を検証するために設置された朝日新聞社の第三者委員会が報告書を発表した。
 訂正や謝罪遅れを厳しく批判し「編集に経営側が過剰に介入し、読者のためではなく、朝日新聞社の防衛のための紙面を作ったことに主な原因がある」と指摘し「読者を裏切った」と断じた。
 渡辺雅隆社長は「社を根底からつくりかえる覚悟で改革を進める」と述べた。委員会の提言を今後の教訓としてほしい。
 同社は8月の特集紙面で「済州島で強制連行した」とする故吉田清治氏の証言を虚偽として取り消した。この特集紙面に謝罪がないことを批判した池上彰さんのコラムの掲載を一時拒否した。吉田発言は1980年代から十数回にわたり掲載された。長期間、虚偽を見抜けず、経営判断で謝罪が遅れたことは猛省すべきだろう。
 しかし、朝日の対応のまずさを「売国」「国賊」と誹謗(ひぼう)中傷する風潮は、戦前の「赤狩り」や米国のマッカーシズムを連想させる。朝日を批判することで、日本軍「慰安婦」が存在しなかったかのようなすり替えは許されない。朝日新聞報道に関する問題と日本軍「慰安婦」問題は別物であることを強調したい。
 これまでの調査研究によって「慰安婦」に関する公文書が多数確認されている。日本軍の強制連行を示す文書も存在する。オランダやアジア各国の被害者証言からも裏付けられている。この歴史的事実は変えられない。
 昨年来沖した韓国人「元従軍慰安婦」の金福童(キムボクトン)さん(当時87)は「血のにじむ経験をした私が(強制連行の事実を)証言している。これ以上の証拠がどこにあるのか。私はここにいる」と訴えた。脅迫されバスに乗せられ「軍服をつくる工場で働く。嫁にいく年になれば帰してやるから」とだまされた。当時14歳。私たちはこの証言を決して忘れない。
 来年は戦後70年を迎える。沖縄に駐留した日本軍が各地に慰安所を造ったことは知られている。陣中日誌にも記録が残されている。しかし、これまでの沖縄戦報道で「慰安婦」問題は十分解明されていない。
 新聞は国民を戦争に駆り立てた反省から、戦争のために二度とペンを執らないと誓って再出発した。その原点に返って、戦争の実相を掘り起こしていきたい。

 

大阪市内のシンポジウムで講演する金福童さん(中央)と吉元玉さん(左)。(撮影/真野きみえ)

大阪市内のシンポジウムで講演する金福童さん(中央)と吉元玉さん(左)。(撮影/真野きみえ)

 

 二人の元従軍「慰安婦」が五月二五日、大阪市内で被害者証言のシンポジウムを行なった。金福童さん(一九二六年、慶州南道梁山生まれ)と吉元玉さん(一九二八年、平安北道生まれ)である。

 二人は一三日の橋下徹氏(日本維新の会・共同代表、大阪市長)の「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」などの発言を受け、抗議の意思を示すために来日した。

 二四日に予定された橋下氏との面談は元「慰安婦」側が「政治パフォーマンスに利用されたくない」との理由でキャンセルした。このことを、維新の会の中山成彬衆議院議員は「(元「慰安婦」の)化けの皮がはがれるところだったのに残念」とツイートするなど、維新の会の政治家からは資質が問われるような発言が相次いでいる。

 二七日、日本外国特派員協会の会見で橋下氏は、普天間の米軍司令官へ「風俗を活用してほしい」と伝えたことについて、米軍並びに米国民に対し発言を撤回、謝罪した。しかし戦時であれば「慰安婦」制度が必要との発言の撤回や、元「慰安婦」への謝罪はなかった。さらに「国家の意思で女性を人身売買した点を裏付ける証拠はないというのが政府の考え方だ」と述べた。

 しかし一九九三年の河野談話は、調査の結果「軍当局の要請で慰安所が設営されていた」ことを認めている。また九八年のマクドゥーガル報告書(国連人権小委員会)では、「慰安婦」は性奴隷制度であり、女性への人権蹂躙となる戦争犯罪であるとしている。

 金さんは一五歳で広東の慰安所に、吉さんは一一歳でハルピンの慰安所に連れて行かれた。日常的に暴力を受け、性行為を強制された。吉さんは、性病治療と言われ手術で子宮を取られた。二人とも工場で働くだけだと騙されて慰安所に入れられている。二五日のシンポジウムで中央大学の吉見義明教授は「強制連行があるかないかではなく、騙して慰安所に入れた時点で詐欺罪、誘拐罪を構成する」と指摘した。

 橋下氏や、米国二紙に日本軍の「強制性」を否定する意見広告を出した安倍晋三首相は、事実を認めるべきである。来日した二人の元「慰安婦」は「橋下市長は審判の対象だ」と抗議した。参議院選で審判が下るか、国民もまた一票の行方が問われている。

(真野きみえ・ライター、5月31日号)

 私は時代を間違えて生まれてしまいました。国の力が弱かったために日本に国を奪われて、たくさんの人々が銃剣のもとに倒れていきました。若者たちは徴用、徴兵などの名で引っ張られていき、学生たちまで学徒兵という名で根こそぎ奪われていきました。

それでも足りなくて、女性に対しても、各郡や市町ごとに何十人と募集が行われました。娘を持つ親たちは、娘たちを守るために結婚させたかったのですが、
徴用や徴兵で相手がいませんでした。

14歳のある日、日本人の警察官と、村の班長と、軍服を着た男性が二人がやって来ました。「軍服をたくさん作らなくてはいけない。人手が足りないから、工場に行きなさい」と言われました。「なぜ、こんなに幼い子を連れていくのか。こんなに幼いのに工場で働けるのか?」と母が言ったら「行って学べばいい。行かなかれば、財産を没収して外国に追放する」と脅迫されました。

まさか連れて行かれても死ぬことはないだろうと思い、私は家を出ました。しかし、連れて行かれた場所は、工場どころか、陸軍の軍人の性の相手をさせられる場所だったのです。幼い少女が、日本軍の性奴隷として8年間、そこに囚われていたのです。

「金福童さんの言葉」 2012年09月27日 『Not Found』

私たちの国が力のなかったときに、日本に国ごと奪われました。たくさんの民衆が日本の銃剣のもとに倒れました。若者たちは徴用、徴兵で、学生たちまで学徒兵という名で根こそぎ連れて行かれました。それでも足りなくて女性たちに対する強制的募集がありました。各郡や面に対して何十人という募集の割り当てがあって、それが足りない場合は幼い少女もとにかく連れて行かれました。そこは戦場だったんです。

軍服を作る工場だと言われて連れて行かれた所で軍人の性の相手をさせられるという、この残酷な歴史をみなさんはご存知でしょうか。

「橋下市長!日本軍「慰安婦」問題の真実はこれです」 『日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク』

軍服工場に娘を送らなければ財産を奪って近所で追って出すという区長と班長の脅迫で14歳に引かれて行った。工場ではなく慰安所に配置された金さんは、台湾シンガポールスマトラなどに振り回され死より加えた苦痛と恐怖の歳月を立てた。


2012年08月09日 『joinsmsn.com』

 

 

 日本維新の会橋下徹共同代表の13日の発言要旨は次のとおり。

【午前】

 侵略の定義について学術上、きちんと定義がないことは安倍首相が言われているとおりだが、日本は敗戦国。敗戦の結果として侵略だということはしっかりと受け止めないといけない。実際に多大な苦痛と損害を周辺諸国に与えたことも間違いない。反省とおわびはしなければいけない。

 ただ、事実と違うことで日本国が不当に侮辱を受けていることにはしっかりと主張しなければいけない。

 なぜ日本の慰安婦問題だけが世界的に取り上げられるのか。日本は「レイプ国家」だと、国をあげて強制的に慰安婦を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。その点についてはやっぱり、違うところは違うと言わないといけない。

 意に反して慰安婦になってしまった方は、戦争の悲劇の結果でもある。戦争の責任は日本国にもある。心情をしっかりと理解して、優しく配慮していくことが必要だ。

 当時は日本だけじゃなくいろんな軍で慰安婦制度を活用していた。あれだけ銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、そんな猛者集団と いうか、精神的にも高ぶっている集団は、どこかで休息をさせてあげようと思ったら慰安婦制度は必要なのはこれは誰だってわかる。

 ただ、日本国が、韓国とかいろんなところの宣伝の効果があって、レイプ国家だと見られてしまっている。ここが一番問題。証拠が出てくれば認めなきゃいけないが、今のところ2007年の(第1次安倍内閣の)閣議決定ではそういう証拠がないとなっている。そこはしっかり言っていかなきゃいけない。

【午後】

 慰安婦制度じゃなくても、風俗業っていうものは必要だと思う。だから沖縄の海兵隊普天間に行ったとき、司令官に「もっと風俗業を 活用してほしい」と言った。司令官は凍り付いたように苦笑いになって「米軍ではオフリミッツ(出入り禁止)だ」と。(ぼくは)「そんな建前みたいなことを 言うからおかしくなるんですよ。法律の範囲内で認められている中で、いわゆるそういう性的なエネルギーを合法的に解消できる場所は日本にあるわけだから、 もっと真正面からそういう所を活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーをきちんとコントロールできない」と言った。(司令官からは)「行くなと通達を出しているし、これ以上この話はやめよう」と打ち切られた。

 兵士なんていうのは、命を落とすかも分からない極限の状況まで追い込まれるような任務のわけで、どっかで発散するとか、そういうことはしっかり考えないといけない。建前論ばかりでは人間社会は回らない。

 (慰安婦制度は)朝鮮戦争の時もあった。沖縄占領時代だって、日本人の女性が米軍基地の周辺でそういうところに携わっていた。良いか悪いかは別で、あったのは間違いない。戦争責任の一環としてそういう女性たちに配慮しなければいけないが、そういう仕事があったことまでは否定できない。

 歴史をひもといたら、いろんな戦争で、勝った側が負けた側をレイプするだのなんだのっていうのは、山ほどある。そういうのを抑えていくためには、一定の 慰安婦みたいな制度が必要だったのも厳然たる事実だ。そんな中で、なぜ日本が世界から非難されているのかを、日本国民は知っておかないといけない。 

 2013年5月14日 朝日新聞

 

 

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147 コメント

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Unknown (おいたわしや)
2015-04-24 23:14:29
なんでいつも証拠がないとかいう人間が出てくるのか、私もよくわかんないんですよね。いやいや、めちゃ本人証言しとるやんけ!っていつも思ってんですよね、実際裁判でも採用されて認定にも使われてますし、この方々何いってんだ?って感じですわ。そもそも何が証拠にあたるのかについて全く無知なんでしょうね。国益叫ぶの大好き人間達が、無知が無知を呼んで結果世界中に日本の人権感覚ナッシングという恥部を拡散するという、とってもザンネンすぎることになってるわけで。
返信する
なにがなんだか… (迷える子羊)
2015-05-11 12:44:23
実際に昔を見てないのと、色々な情報が蔓延してて何も信じられませんが、金さん達に対して以下のようなページもあり、証言内容がこの通りだと滅茶苦茶な結果ですし、こちらで紹介されてる本を読めばまたそれとは違った証言が書かれているのでしょうか。歴史修正がどちらかでなされてるということは、韓国語証言から正しく日本語訳してくれる信用機関がないと、正しい事をしたいと思っても何を信じればよいかもう素人はお手上げです。
http://toriton.blog2.fc2.com/blog-entry-2458.html
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子羊さんへ (kei)
2015-05-11 18:26:52
元自衛隊員の泥憲和氏がまとめで解説していますよ。
http://togetter.com/li/581810

俗説だけで歴史をひっくり返そうとする幼稚な方々が「慰安婦問題に物的証拠は何も無い」と言っている時点で無知か嘘付きであることを見抜きましょう。

無いのは強制連行の命令書などの「直接的証拠」だと政府は言っているだけで、強制連行を示す「間接的証拠」は数多く見つかっており、日本の歴史家で強制連行を否定する者は居ないということ、今も新たな資料の検証途中であること(但し、政府は河野談話当時から認識が進んでいませんが)、全ての資料を公開していないこと、も御認識ください。

http://www.awf.or.jp/guidemap.htm
http://fightforjustice.info/
返信する
Unknown (関西フレッシュパック森本誠二)
2015-06-17 18:37:42
キムボクトンの婆さんはフランスでの証言集会で、朝鮮戦争の時に日本軍の性奴隷にされたと証言してるで。朝鮮戦争の時に日本軍なんて解体されてなかったで。証言に矛盾があるやないか。
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Unknown (kei)
2015-06-19 22:56:24
やはり泥氏が詳しく調べてくださっていますが、キム・ボクトンさんは南方軍第10陸軍病院の1945年8月31日付の記録に、軍の傭人として名前が載っており、本籍も一致しているので本人に間違いないと思われますが、15師団についていったと言うのが18師団ではないかと思われたりと、記憶違いと思われる証言も数点しているようです。

何せ高齢ですから、記憶が混同しての言い間違いなどは日常茶飯事です。

私の祖父などはまだ若い時でさえ、家族の名前をしょっちゅう言い間違えて気付かないでいましたよ。老人と接した経験が有る方なら、何等疑問を持たないところでは?
返信する
Unknown (Unknown)
2015-06-23 01:38:50
本人の証言が有るから真実と言うなら、米軍慰安婦達の証言も聴いてちゃんと謝罪と補償をしてあげて下さいね。
返信する
Unknown (kei)
2015-06-23 12:09:34
>本人の証言が有るから真実と言うなら、米軍慰安婦達の証言も聴いてちゃんと謝罪と補償をしてあげて下さいね。

誰に対しての要望でしょう?

ですが、あなたが女性の人権問題をそれほどに大事に思うならば、まずは70年も前の自国の問題を早く政府に解決させましょうね。



返信する
疑問点 (VPCE)
2015-06-27 03:11:05
被害者が本当のことを話しているかどうかの吟味は必要です、と記載がありますが、吟味がなされているのか疑問です。

証言が二転三転している被害者もおり、何が真実かわかりません。
あいまいな証言は証拠としては認められませんよね?

証言の信ぴょう性についてはどのようにお考えでしょうか?
返信する
Unknown (Unknown)
2015-06-27 19:29:33
>証言の信ぴょう性についてはどのようにお考えでしょうか?

あなたが被害者の方の証言をまず聞いた上で、「実は自分も元慰安婦だったんです」と名乗り出てみたと仮定して、被害者のおひとりの証言例を当事者であることが疑われない様子の演技で全て言えるかを検証してみてはいかがでしょう?
プロの女優でも難しいと思いますが。

加害国側の調査団が「信憑性が有る」と言うのですし、最高裁でも事実関係は認められていますし、学者多数が資料的にも強制性が有ったことを認めていて、整合性を確認しているのですから、総合的に考えて信用せざるを得ないと思います。
返信する
真偽をはっきりさせないと・・・ (VPCE)
2015-06-28 23:54:02
証言の信ぴょう性については、日本の調査団もしくは裁判所で証言の吟味が行われているため、信用できるはずだ、とのご意見かと思います。
(加害国側=日本で正しいですよね?)

いや、まったくその通りで、その点については反論のしようがありません。
調査団もしくは裁判所が事実認定した点については、事実ということでよいと考えます。

ただ、被害者の方の証言の全てが裁判所等により事実認定されているわけではありませんよね?

日本政府の調査団もしくは、日本の裁判所で事実認定されている事象「のみ」に絞って謝罪要求等された方が話が通りやすいのでは?
(国際司法裁判所でも良いです)

私は本当か嘘か分からない証言をされる方にまで謝罪をする必要はない、と考えます。
返信する

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