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今、今野晴貴さんたちのツイートをまとめた「togetter」を読んでいて、自分が「やらかしていた」ことに気づきました。
いわゆる「ホワイト・エグゼンプション」法案、その本質は労働基準法を改悪して「残業代ゼロ」にする法案が閣議決定され、今国会に提出されたという記事を書いたのに、痛恨のミスをしてしまっていたのです。
残業代ゼロの労働基準法「改正」法案 先ほど閣議決定 地獄の窯の蓋がいま開く
この記事の中で、不用意にNHKの以下のような画像を取り入れて、しかもこんなキャプションまで入れてしまいました。
時間ではなく成果で評価。しかしそれは残業代を払わない理由にはならない。そして成果主義はもう破綻していると言われて久しいのだ。
ぎゃあああ!
すみません!すみません!すみません!
このキャプションがどう誤解を招く誤報なのか、坂倉昇平さん(POSSE雑誌編集部)、今野さん、佐々木亮弁護士(ブラック企業対策弁護団代表)、嶋崎量弁護士のわかりやすいツイートをお読みください。
俺ともあろうものが(と言える存在でないことが今回明らかに)、NHKの「誤報」に無自覚に乗ってしまうとは!
今野晴貴氏、NHKの誤報を非難する「今回のような事態は初めてだ」
○成果で評価されることはない
○誤報で誤認させ誤認を報道する状態。
NPO法人POSSE雑誌編集部・坂倉昇平 @magazine_posse2015-04-03 19:34:28
会社「今日から残業しても成果出しても賃金定額だから」
労働者「え?法律できましたよね」
会社「は?成果で賃金を払えなんて一言も書いてないぞ」
労働者「え?」
会社「よく読め。残業代払わなくていいとしか書いてない」
労働者「え?」
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今野晴貴 @konno_haruki2015-04-03 14:13:16
恐ろしいことになる。今回の改正では、1000万円以上の「年収要件」が注目されているが、年収要件がない裁量労働制の拡張こそが真の狙い。この「本質」の認識をしっかり広げないと・・
「残業代ゼロ」法案を閣議決定 裁量労働制も拡大 a.msn.com/01/ja-jp/AAank…
政府は3日、労働基準法など労働関連法の改正案を閣議決定した。長時間働いても残業代や深夜手当が支払われなくなる制度の新設が柱だ。政府の成長戦略の目玉の一つだが、労働組合などからは「残業代ゼロ」と批判さ...
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-03 14:14:49
残業代ゼロ法案について、1000万円以上の「年収要件」があると勘違いしてはいけない。それは、法案のごく一部に過ぎず、大幅に拡張される「裁量労働制」には年収要件がない。営業職の多くや、管理職の大半をも「残業ゼロ」にできかねいない改正内容なのだ。
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-03 18:17:58
「熊沢誠」といえば、批判者をして「完璧すぎで問題だ」とまで言わしめた労働研究の大家である。特に、英・米の労働者と日本の労働者の実態を子細に調査・比較した点で圧倒的な評価を受ける。熊沢先生の『若者の労働研究』をぜひご一読いただきたい。amazon.co.jp/%E7%A7%81%E3%8…
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-03 19:12:47
先ほどの院内集会がNHKのニュース7で放送された。だが、またしても誤報、誤報、誤報。成果で評価されるようになると、間違いを繰り返していた。また繰り返しになるが、今回の法改正で、「成果で評価する仕組み」については何も規制しない。ただ、残業代がゼロになり「定額使い放題」になるだけ
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-03 19:14:52
NHKが使っていた「就職活動中の学生」の意見が印象的。「成果で評価されるようになって、わかりやすくなる」というコメント。まったく、事実誤認。今回の制度で、「成果を評価する仕組み」は何も規定されないのに。誤報で誤認させ、誤認を報道するという「マッチポンプ」状態である。
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-03 19:16:03
実際に、学生たちは「成果で評価されること」を求めている。無限のノルマが課せられる日本の企業では、「仕事はここまで」ということが必要だからだ。別の学生は「仕事の量が変わらないのに、残業ゼロでは不公平」と言っていた。だが、この法律が通れば、「定額使い放題」だから、仕事の量も増えるのだ
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-03 19:19:43
「成果主義批判」では、まうます誤認が広がるばかり。今回の法改正では、「成果主義」にすらならない。ただ、残業代がゼロになるので、「定額使い放題」になるだけ。しかも、労働者には「裁量」も必要ない。つまり、会社の命令で朝から晩まで、休日も働かせ、それでも「定額」でよくなるという法律。
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-04 00:22:56
「定額働かせ放題」制度・全文チェック!~繰り返される「成果に応じて賃金を支払う新たな制度」という誤報(佐々木亮) - Y!ニュース bylines.news.yahoo.co.jp/sasakiryo/2015…
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-04 12:11:01
それにしても、昨日の「定額働かせ放題法案」についてのNHKの間違った解説のせいで、徒労感がすごい。この数か月、記者レクを繰り返すなど、関係者はメディアの啓発に尽力してきたのに、ぜんぜん改善しない。もはや、記者の「知識」や「認識」の問題ではなく、政府統制の問題なのだろう。
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-04 12:12:40
私は10年くらい労働運動にかかわってきたが、今回のような事態は初めてだと断言できる。派遣問題の時も、フリーターやニート問題などのときも、「事実」を元に訴えさえすれば、メディアの報道は改善していった実感がある。だが、今回の法案については、どんなに事実を示しても、効果がない。
今野晴貴 @konno_haruki 2015-04-04 12:19:02
「政府に統制されたメディア」との批判は、私が最も嫌いな論法である。自分の主張に沿った報道は、自然には落ちてこないからだ。だから、「事実」を丹念に収集・分析し、提示する。私はそうして「ブラック企業」を社会問題にした。だが、今回の法案に関しては、どんなに努力しても、政治的に無視される
ここだよ。ここ、しくじった!
ブラック企業被害対策弁護団の「ブラック法案によろしく」に完敗した!←残業代ゼロ法案のこと。
佐々木弁護士は、このブラック企業被害対策弁護団代表です↓ さすがです。
ささきりょう @ssk_ryo 2015-04-03 19:21:00
こういった報道を見て、成果に応じた賃金が払ってもらえる制度が導入されると思う人がたくさん出るんだと思うと罪深いな。
ささきりょう @ssk_ryo 2015-04-03 20:26:22
書いた。:「定額働かせ放題」制度・全文チェック!~繰り返される「成果に応じて賃金を支払う新たな制度」という誤報(佐々木亮) - Y!ニュース bylines.news.yahoo.co.jp/sasakiryo/2015…
ささきりょう @ssk_ryo 2015-04-04 12:50:01
>RT こういう誤解が普通に蔓延しているのが、報道の罪深いところ。
ささきりょう @ssk_ryo 2015-04-04 12:51:12
まぁ、言うまでもないけど、従来の1日分の成果でいいという縛りは法案にはないからね。もちろん、できなきゃクビってのもないが。笑
ささきりょう @ssk_ryo 2015-04-04 12:53:25
8時間分の成果というものが、仮に目に見える形で存在するとして、ある労働者がその8時間分の成果を5時間で挙げたとする。このとき、それ以上の業務を与えてはならん、という縛りが法案に入っているなら、まだ言わんとすることは理解可能だが、そういう縛りはな~んにも入ってないからね。
-
嶋量(弁護士) @shima_chikara2015-04-04 12:59:28
こういった誤解は、昨日のNHKの報道を見た方の普通の反応だろうなあ。信じがたい報道。
政府の有形無形の圧力に屈し続けるメディアの象徴NHK。大変残念ですね。
現場の記者の良心は信じつつ、こちらも粘り強くいきましょう。
ささきりょう @ssk_ryo 2015-04-04 13:05:16
ちなみに、労働者がその8時間分の成果を5時間で挙げた場合に、「今日は帰っていいよ」というのは現行法でも何ら制限されていません。やってないだけ。このやっていないことを、あの法案が成立したら行われるという幻想が、マスコミの報道のせいで広まってしまっているわけです。
ささきりょう @ssk_ryo 2015-04-04 13:51:48
さすがに赤旗は正確だね→「 「働いた時間ではなく、成果で賃金を払う」(安倍首相)といいながら一切規定がなく、労働時間規制の撤廃と残業代の支払い免除だけが明記されました。」:「残業代ゼロ」法案提出/長時間労働野放し 裁量労働も拡大 jcp.or.jp/akahata/aik15/…
私も以下のように散々書いたのに、画竜点睛を欠くというか、上の画像とキャプションで台無しにしていたことがはっきりしました。
『今回の労基法「改正」法案にはもう一つの「残業代ゼロ」の隠し球も隠されています。
それが、「企画業務型裁量労働制」の拡大です。
この制度は1日の労働時間を9時間に設定すれば、8時間を超える1時間分の手当は出るけれども、9時間を超えて働いても残業代が出ない仕組みです(ただし、深夜・休日労働は割増賃金を支払う)。
簡単に言えば、ブラック企業で問題になっている基本給に残業代を組み込む「固定(定額)残業代制」を法律で制度化したものといえます。
これも端的に言えば、「働き損」制度です。
ところで、この制度を実際に導入している企業は0.8%にすぎません。なぜ導入企業が少ないかというと、対象業務が「企画・立案・調査・分析」業務に限られている上に、労基署への報告義務など手続きが煩雑だったからです。
それを今回の改正では手続きを緩和し、さらに対象業務を増やすというのです。
(中略)
つまり、営業職はほとんど働き損になるということです。』
ここまで書いておいて、安倍首相の嘘と、それをそのまま伝えるNHKの「誤報」の画像と、おまけに私の付けたコメントで台無しにしているわけです。
恥を忍んでもう一度振り返ります。画像は閣議決定より前の産業競争力会議を報じた画像ですが、このころから一貫して間違っているNHK。そして、その画像をそのまま使ってしまっている私。
時間ではなく成果で評価。しかしそれは残業代を払わない理由にはならない。そして成果主義はもう破綻していると言われて久しいのだ。
成果主義も何も、成果を評価する、報酬を出すとはどこにも法案に書いていないのに!
しもた!理解が足りなかった!!はっきりわかっていなかった!!!
言い直させてください。
残業代ゼロ法案では、残業代は出ないし、しかも成果を上げても成果報酬も出ません!
みんな、死んでまうわ!!
自分の記事で誤解を拡げてしまうとは!
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2016年 残業代がゼロになる―政府・財界が進める「正社員消滅計画」のすべて |
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追伸
これが今回の閣議決定を報じたNHKの画像。確かに完全に誤報。
ところが、テレビ朝日もこんな感じで報道。テレビ局、軒並み誤報だ!
これでは、国民が今回の法案の恐ろしさに気づけるわけがない。
確認。
「時間」でなく「成果」で評価なんて法律のどこにも書いてない!メリットなし!!
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「残業代ゼロ」法案を閣議決定 裁量労働制も拡大
2015年4月3日11時50分 朝日新聞
政府は3日、労働基準法など労働関連法の改正案を閣議決定した。長時間働いても残業代や深夜手当が支払われなくなる制度の新設が柱だ。政府の成長戦略の目玉の一つだが、労働組合などからは「残業代ゼロ」と批判されている。2016年4月の施行をめざす。
新しい制度の対象は、金融商品の開発や市場分析、研究開発などの業務をする年収1075万円以上の働き手。アイデアがわいた時に集中して働いたり、夜中に海外と電話したりするような働き手を想定しており、「時間でなく成果で評価する」という。
対象者には、①年104日の休日②終業と始業の間に一定の休息③在社時間などに上限――のいずれかの措置をとる。しかし働きすぎを防いできた労働時間の規制が外れるため、労組などは「働きすぎを助長し過労死につながりかねない」などと警戒している。
改正案には、あらかじめ決めた時間より長く働いても追加の残業代が出ない「企画業務型裁量労働制」を広げることも盛り込んだ。これまでは企業の経営計画をつくる働き手らに限っていたが、「課題解決型の営業」や「工場の品質管理」業務も対象にする。
厚生労働省によると、企画業務型の裁量労働制で働く人は推計で約11万人いる。労働時間は1日8時間までが原則だが、制度をとりいれている事業場の45・2%で実労働時間が1日12時間を超える働き手がいる。対象の拡大で、働きすぎの人が増えるおそれがある。
2015年4月4日(土) しんぶん赤旗
「残業代ゼロ」法案提出
長時間労働野放し 裁量労働も拡大
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安倍内閣は3日、残業代も払わず24時間働かせることができる「残業代ゼロ」制度を導入する労働基準法改悪案を閣議決定し、国会に提出しました。何時間働こうが事前に決めた時間分しか賃金が払われない「裁量労働制」も大幅に拡大。「残業代ゼロ」制度とセットで、長時間労働とただ働きを野放しにする大改悪です。
「高度プロフェッショナル制度」と名づける「残業代ゼロ」制度は、「1日8時間、週40時間」の規制や残業・休日・深夜の割増賃金の支払いを免除。休憩や休日付与もなくし、24時間働かせることを可能にします。
「働いた時間ではなく、成果で賃金を払う」(安倍首相)といいながら一切規定がなく、労働時間規制の撤廃と残業代の支払い免除だけが明記されました。
対象者には「年間休日」などを定めるものの、土日以外は無制限に働かせることが可能で、過労死基準を超える長時間労働にお墨付きを与える内容です。
年収要件は「平均給与の3倍を上回る」として省令で1075万円以上とする方針ですが、経団連は「400万円以上」を求めており、引き下げられるのは必至です。
裁量労働制は、企画・専門業務に加えて新たに営業や管理業務にも拡大。年収要件はなく、「残業代ゼロ」制度より幅広い労働者が対象者となります。
出勤・退勤時間を自由に設定できるフレックスタイム制も、労働時間の清算期間を1カ月から3カ月に延長。長時間労働と残業代なしの労働時間を増やす内容です。
「定額働かせ放題」制度・全文チェック!~繰り返される「成果に応じて賃金を支払う新たな制度」という誤報
佐々木亮 | 弁護士・ブラック企業被害対策弁護団代表
![](http://rpr.c.yimg.jp/im_siggjW.ldoW0MsuN3hIlb2zzCQ---x64-y64/yn/rpr/sasakiryo/profile-1395736962.jpeg)
ついに閣議決定されてしまいましたね。
しかし、なぜ「定額¥働かせ放題」制度を、成果に応じた報酬が支払われる制度という誤報が相次ぐのでしょうか。
マスコミの記者さんたちは、今日、閣議決定された法案要綱を本当に読んでるですかね?
何度指摘しても、この誤報が繰り返されるので、こうなったら
全文チェックだ!
↑
これが閣議決定された法案要綱です。
これの「六」があたらしく導入される制度です。
いわゆる「残業代ゼロ」制度、最近では「定額働かせ放題」制度といわれるやつですね。
順次見ていこう!
六 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)
これが表題です。成果型とか書いちゃってます。
1 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、
まずはこの委員会の設置が必要となる、と書いてあります。
当該委員会が委員の五分の四以上の多数による議決により(一)から(八)までに掲げる事項について決議をし、かつ、使用者が、当該決議を行政官庁に届け出た場合において、
委員会が8項目について決議して、それを行政官庁=労基署に届け出る、と書いてあります。
(二)に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下「対象労働者」という。)であって書面等の方法によりその同意を得た者を当該事業場における(一)に掲げる業務に就かせたときは、
対象労働者のことや対象業務のことが書いてあります。
労働基準法第四章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しないものとすること。ただし、(三)及び(四)の措置を使用者が講じていない場合は、この限りではないものとすること。
ここでは残業代が発生しないことや、休憩や休日の規定が適用されないということが書いてあります。
ここまで成果に応じた報酬が払われるという記載なし
ここからは委員会が決議する8項目が列挙されます。
(一)高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせる業務(以下「対象業務」という。)
ここでは対象業務について書いてあります。
「その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くない」という記載がありますが、成果に応じて報酬が支払われるとは書いていません。
(二)特定高度専門業務・成果型労働制の下で労働する期間において次のいずれにも該当する労働者であって、対象業務に就かせようとするものの範囲
対象労働者について書いてあります。
これにはイとロの2つあり、両方に該当する必要があります。
イ 使用者との間の書面等の方法による合意に基づき職務が明確に定められていること。
仕事内容が明確であること、という意味ですね。
ロ 労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまって支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。)の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること。
これがいわゆる年収要件です。
平均年収の3倍というところは法律に書かれますが、あとは省令に委ねられます。
(三)対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(1の委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間(以下「健康管理時間」という。)を把握する措置(厚生労働省令で定める方法に限る。)を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
労働時間を「健康管理時間」と変なネーミングにした上で、それを使用者が把握すること、ということが書いてあります。
(四)対象業務に従事する対象労働者に対し、次のいずれかに該当する措置を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずること。
これがいわゆる健康確保措置というやつです。
次の3つから1つを選択すればいいということになります。
イ 労働者ごとに始業から二十四時間を経過するまでに厚生労働省令で定める時間以上の継続した休息時間を確保し、かつ、深夜業の回数を一箇月について厚生労働省令で定める回数以内とすること。
ロ 健康管理時間を一箇月又は三箇月についてそれぞれ厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内とすること。
ハ 四週間を通じ四日以上かつ一年間を通じ百四日以上の休日を確保すること。
これの1つを取ればいいだけなんですが、これについては次の記事を見てください。
1日24時間働くのと、1年360日働くのと、どっちがいい?~残業代ゼロ制度の笑えない「健康確保措置」
ここまで成果に応じた報酬が払われるという記載なし
(五)対象業務に従事する対象労働者の健康管理時間の状況に応じた当該対象労働者の健康及び福祉を確保するための措置であって、当該対象労働者に対する有給休暇(年次有給休暇を除く。)の付与、健康診断の実施その他の厚生労働省令で定めるものを当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
有給休暇を取らせましょうとか、健康診断などを受けさせましょう、というようなことが書いてあります。
(六)対象業務に従事する対象労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
苦情処理の機関を作りましょう、と書いてあります。
(七)使用者は、同意をしなかった対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
同意しないからといって、不利益に扱ったらダメよ、と書いてあります。
(八)(一)から(七)までに掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
省令で定めたことも委員会で決議するんだよ、と書いてある。
ここまで成果に応じた報酬が払われるという記載なし
2 1の届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、1の(四)及び(五)の措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならないものとすること。
上の(四)と(五)については労基署に実施状況を報告しなさいよ、と書いてあります。
3 企画業務型裁量労働制の委員会に関する事項は、1の委員会に関する事項について準用するものとすること。
企画型裁量労働制の規定を準用するよ、と書いてあります。
以上です。
・・・え?
結局、成果に応じた報酬が払われるという記載なし
なのに、なぜ、成果で報酬が支払われる制度が導入されるって、報道されるんでしょうね。
さすがに法案に書かれてないのですから、完全に誤報だと思いますよ。
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弁護士・ブラック企業被害対策弁護団代表
弁護士(東京弁護士会)。旬報法律事務所所属。日本労働弁護団常任幹事。ブラック企業被害対策弁護団代表。ブラック企業大賞実行委員。首都圏青年ユニオン顧問弁護団。民事事件を中心に仕事をしています。労働事件は労働者側のみ。ここでは、労働問題に絡んだニュースや、一番身近な法律問題である「労働」について、できるだけ分かりやすく解説していきます!
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
○やっぱりそう(うそ)だったんですね。だって個々の労働者の成果なんて計れませんからね。
○賃金は一定、時間外労働には時間に応じて割増賃金ってこれ大原則ですよ。そうでなきゃいつ首をくくらなきゃならないか分かりませんからね。
○時々、「オレは著しい成果を出したのだから、ウンと報酬を貰っていいハズだ!」なんて言い出すのがいるので、案外こういうのに同調するヒトが多いんですよね。