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明日2023年2月24日で、ロシアによるウクライナ侵略開始から1年。
今回は日本がこれからどうしていくべきかについて私の考えを述べたいと思います。
もはやウクライナのことも同一民族とみなして征服する気でいるプーチン大統領。
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ロシアによるウクライナ侵略開始から1年(前編)。国連総会がロシア軍のウクライナの領土からの「即時、完全、無条件の撤退」を要求する決議案を準備しているのは当然だ。
【ロシアによるウクライナ侵略開始から1年(中編)】なぜロシアの侵略を止めなければいけないのか。なぜロシア市民に経済制裁の痛みを負わせ、ロシア選手にパリ五輪出場を禁止しなければいけないのか。
さて、バイデン米大統領が戦争開始1年直前の2月20日にウクライナの首都キーウを電撃訪問して、
「(侵攻から)1年後、キーウは持ちこたえ、ウクライナは持ちこたえ、民主主義は持ちこたえた」
とウクライナとゼレンスキー大統領を称えました。
ウクライナ戦争の実質的当事者よろしく好戦的なことをいいまくるバイデン大統領の言動自体が、ウクライナの市民をむしろ危険にさらしていると言えるでしょう。
第二次大戦後、休みなく他国に戦争を仕掛けて何百万人も殺し続けてきたアメリカ合衆国に、自由と民主主義の旗手を気取る資格はない。
アメリカの産軍複合体はウクライナという新たな「市場」を見つけた。第二次大戦後、世界中で戦争をしまくり、イスラエルによる武力行使を放置するアメリカに、ロシアによるウクライナ侵略を非難する資格はない。
ジョンソン英首相がロシアの安保理常任理事国からの「解任」を提案。それが可能ならベトナム戦争やイラク戦争を起こした米国も解任せよ。常任理事国制度も彼らの核保有だけを合法化するNPT条約も要らない。
これに対してプーチン大統領は、議会に内政・外交の基本方針を示す「年次教書」演説と「祖国防衛者記念」大集会での演説の中で、
「全てはアメリカの責任だ」
「戦争を始めたのは向こうだ」
「ウクライナのネオナチ政権からの脅威を排除するため特別軍事作戦を一歩一歩、慎重に進め、直面している課題を着実に解決していく」
「西側諸国がウクライナを使って戦争の準備をしていた。私たちはそれを止めようとした」
「彼らは、戦場でロシアを打ち負かすことは不可能だと理解すべきだ」
とウクライナとアメリカなど西側諸国を非難して応酬しました。
トンデモ極左の長周新聞など親露派陰謀論者も「すべてはアメリカの責任」などとプーチン大統領まったく同じ主張。
米独がウクライナへの戦車提供を決定。ウクライナ戦争はより危険な領域へ。国連憲章に反してウクライナを侵略し、戦争犯罪を繰り返しているロシアのプーチン大統領は直ちに停戦し軍を撤退させるべきだ。
それにしても、ロシア軍がウクライナに侵攻してウクライナ戦争が始まったのは誰の目から見ても明らかなのに、ナチスドイツがソ連に攻め込んできた「祖国防衛戦争」と、ロシアがウクライナに侵略したウクライナ戦争を重ね合わせて、愛国心を喚起しようとするプーチン大統領は無茶です。
そして、西側がネオナチ政権のウクライナを使って戦争を準備していて、実際に戦争を始めたのもウクライナと西側で、自分たちロシアはそれを止めようと防衛戦争をしているんだとか、プーチン大統領もよくもまあフェイクで妄想チックな言い分を連発したもんだと思います。
しかし、これも敬愛する澤藤統一郎先生に言わせれば、これを聞いている侵略国家ロシアの民衆はむしろ戦前の侵略国家大日本帝国の「臣民」が大本営発表を聞いている時の心境と同じで
『ロシア国民も同じ心理なのだろう。昨年2月24日、ロシア軍の戦車隊が国境を越えてウクライナ領土に進軍したことは紛れもない事実である。しかし、それを「自国軍隊の侵略」とは認めたくない。「彼らが戦争を始めたのだ」と言ってもらいたいし、そう信じたいのだ。』
ということなのでしょう。
さらなる専制支配を宣言。
ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略を正当化。「ナチスのイデオロギーが現代的な装いで再びわが国の安全保障に直接的な脅威をもたらしている」。現代のナチスは国内外の人民を弾圧・殺害するプーチン政権だ。
これに対する日本の対応で良くないのは、根っからの親露派の鈴木宗男議員のような立場。
鈴木氏はプーチン大統領の妄想と呼応するかのようにそのブログで
「ウクライナ問題がどうして起きたのか、その元を考えず、また、議論もなく、一方的な情報に流され、どこまで正確で信ぴょう性があるのかわからない中で『善』『悪』と決めつけて良いのか、ここは冷静に考えるべきではないか」
「それぞれ世界でたった一つの命である。これ以上、犠牲者を出させないためにも一にも二にも停戦しかない」
というのですが、白井邦彦先生のような真のリベラル派と同じ即時停戦を主張するにしても、ロシアがウクライナ侵略をするのにも理由があったのだとか、ロシアとウクライナはどっちもどっちだというようなところから論を始めたら全く説得力がありません。
というか、鈴木議員の場合はロシアと「特殊」な関係があってロシアに肩入れしているからこそ、ウクライナ戦争の「元」はウクライナにあるという話になり、だから普通なら誰でも考える「攻め込んでいるロシアに撤退せよ」ではなくて、「双方に対して停戦せよ」になるのです。
侵略しているロシアが撤退すればそれで戦争は終わるのに。
チョムスキー曰く「ロシアによるウクライナ侵攻は重大な戦争犯罪だ」「攻撃に至った経緯を突き止めようとすることにいかなる言い訳も入り込む余地はない」。侵略国ロシアとウクライナを相対化することは許されない。
【露政府は直前まで「攻撃などあり得ない」と否定し、だまし討ちで全面侵攻を始めた。最後通告のない奇襲を外交でどう止められたか】(毎日新聞「長期化する露のウクライナ侵攻 現場の声に国際情勢学ぶ」)
「NATOの東方拡大」はプーチン大統領によるウクライナ侵略の「動機」ではあり得ても、ウクライナ戦争の「原因」とは言えない。ウクライナ戦争の原因はロシア軍によるウクライナ侵略以外にあり得ない。
また、鈴木議員は
「G7外相会合で相も変わらずロシア非難をしているが、『停戦、話し合いをすべき』という提言は出てこない。
非難や批判を繰り返しても紛争は長引くだけである。
G7、G20の主要国が結束して仲介の労をとり、仲立ちを進言するのが役割だと思うのだが」
とも言うのですが、ロシアは国連憲章に違反するあからさまな国際法違反行為である侵略をし、ウクライナの4州を併合までしているのです。
さらに、ロシア軍は原発攻撃、病院や学校まで攻撃する市民への無差別攻撃、大量殺戮、強制連行など戦争犯罪を続けているのにそれは非難せず、ただただ停戦を呼びかけるなどという事を、国際社会の先進国グループであるG7ができるわけがありませんし、するべきでもありません。
ウクライナ戦争「どっちもどっち」論には道理がないとする日本共産党の立場は至当。侵略しているロシアの行為の違法性こそ著しく重大。そこから議論を始めない橋下氏らがロシア擁護派とされるのは当然だ。
トルコ大統領から「一方的な停戦の宣言」を求められ「ウクライナが新しい占領地の現実を受け入れるならばロシアは真剣な対話にオープンだ」と言い放ったプーチン大統領が36時間だけのクリスマス休戦宣言(酷い)
ただ、鈴木氏は(自分がプーチン大統領と同じ超恫喝型政治家であることも忘れてw)
「それぞれ世界でたった一つの命である。これ以上、犠牲者を出させないためにも一にも二にも停戦しかない」
と真っ当なリベラル派と同じようなことを言い
「岸田総理が強いリーダーシップを発揮し、G7の議長国としての存在感を示してほしい。そしてG20の主要国にも呼び掛けるべきではないか。制裁、非難、批判をしても紛争は終わらない。ここは先を見据えた賢い外交術を願ってやまない」
と提案しています。
ロシアとウクライナの停戦協議開始の仲介役ができるとしたら、ロシアに融和的な立場を取り貿易を続けていてG20に入っているトルコとインドと中国だと私も確かに思います。
ウクライナ戦争の終結には何年もかかるでしょうが、最後にはこの3国がカギを握ると思います。
では日本は何をすべきか。
戦争の初期にはコスタリカのような調停外交を日本もしろと当ブログも主張したが、その意図も能力もない岸田政権には無理に決まっていた。
ロシアのウクライナ侵攻開始から100日目。ロシアは即時停戦し、侵略と戦争犯罪行為を止めよ。欧米諸国は本気で停戦協議のために労を取れ。日本は欧米に「軍事援助だけでなく停戦努力をしろ」と本気で迫るべきだ。
まず第一に、日本は憲法9条に則って戦争には絶対に関与せず、ウクライナに対しては徹底した非軍事・人道的な援助だけをすること。
逆に日本が一番してはならないのは、武器を輸出・援助するなどという軍事的な関与をすることです。これはありそうもないことですが、ウクライナに自衛隊を派兵するのはもってのほかです。
岸田政権が今検討している防衛装備品=武器をウクライナに援助したり輸出したりすることは憲法9条に反し絶対に許されませんし、ウクライナに経済援助をするにしても今やっているような医薬品や発電機輸出などのインフラ援助などにとどめ、資金も物資もそれがウクライナの民生部門に使われるかどうかを厳格にチェックすべきです。
また、ウクライナ戦争が終結した後には、地雷撤去などカンボジアでの日本の経験を生かせる場面も多数あるでしょう。
岸田政権が殺傷能力を持つ武器も輸出解禁をもくろむ!戦車、ミサイル、次期戦闘機も輸出。安倍政権が武器輸出禁止3原則を放棄した結果が今ここに。憲法9条を持つ日本が死の商人になることは許されない!
これに対して、ロシアがこれ以上ウクライナ市民を虐殺しないように、NATO諸国がウクライナに軍事援助するのは、必要悪として当面止むを得ません。
しかし、憲法前文と9条で徹底した平和主義を規定している日本は軍事援助は絶対に許されません。
国連憲章によって侵略戦争などが禁じられているに過ぎない他国と、戦争放棄と武力不保持を憲法で定めている日本とでは、その法体系が全く違うのです。
第二次大戦で侵略国家だった日本はその反省の上に、国連憲章よりはるかに前を行く平和憲法を持っているのですから、世界の中で日本だけはできない、してはならないことがあるのは当然です。
日本は国際社会が侵略戦争禁止まで来た戦争の違法化の歴史を、さらに進めるべき義務があるのであって、だからこそ逆に少なくとも侵略戦争には徹底して反対しないといけません。
ですから、日本がNATOがウクライナに軍事援助することを容認することと、日本は絶対に軍事的貢献だけをしないこととは矛盾しないどころか、完全に法秩序に沿った論理整合性のある態度です。
ゼレンスキー大統領が国会でオンライン演説。日本政府が「真珠湾攻撃には触れないでくれ」と要望(呆)。理不尽な戦争で攻撃を受けている国の代表者を呼ぶならベトナム戦争のホーチミン氏も呼ぶべきだった。
そして、ゼレンスキー大統領も日本の国会で演説した時に軍事的な援助は一切求めなかったように、日本国憲法9条の存在と日本の平和主義についてはウクライナも理解しています。
岸田首相は2022年に軍事同盟であるNATOの首脳会議に出席するような愚かなことをしましたが、日本がウクライナに関わるのはあらためて非軍事部門のみに限ると徹底するべきなのです。
高田健さん(「許すな!憲法改悪・市民連絡会」共同代表)が、岸田首相のNATO首脳会談出席に「メディアを含めて疑問や批判がなく外国との軍事協力が当たり前のことと受け取られている。非常に危惧している」
今日やっと開会する国会を放って、政権浮揚のために2月にウクライナに行くという自己中な岸田首相。憲法9条を生かして両国を平和的に調停するのではなくウクライナ支援をテコに軍拡を進める岸田政権は超危険だ
【2022年回顧1】ウクライナ戦争の教訓は軍備では戦争を防げず戦争が始まったら停戦は至難という事実。日本の最高の安全保障戦略は先制攻撃能力による抑止ではなく、憲法9条による平和外交での緊張緩和だ。
もう一つ、日本が緊急にやるべきこと、5月のG7サミットでも主導権を取るべきことがあります。
それは核兵器廃絶に真剣に取り組み、アメリカやロシアを含む全世界に呼びかけること。
つまり、核兵器禁止条約に参加することを表明することです。
プーチン大統領はウクライナ戦争開始直後から何度も核兵器の使用をちらつかせる国際法違反である「核による威嚇」を繰り返してきたのですが、冒頭でご紹介した演説ではとうとう、アメリカとの間で残った唯一の核兵器削減交渉である新START(新戦略兵器削減条約)について
「条約への参加を停止していることを発表せざるを得なくなった。脱退はしない」
と述べて一方的に履行を停止すると表明しました。
ロシア専門家の廣瀬陽子慶大教授が「核が抑止力でなくロシアの自由度を高めている。核抑止論者にとっては衝撃的」。岸田首相はNATO首脳会議でなく、核兵器禁止条約の第1回締結国会議に出席すべきだ。
「ロシアが核の威嚇射撃を行い、NATOがこれに小型の攻撃で応戦すると、最初の数時間に9000万人以上の死傷者が出る」(プリンストン大学)。核兵器禁止条約の全国家批准しか、人類の生き残る道はない。
そして、アメリカのCNNテレビは、バイデン大統領がウクライナを訪問中の2月20日に、
「ロシアがICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験を実施し、失敗したもようだ」
と報じています。
バイデン大統領はロシアが新STARTから離脱することを表明してもなお、
「ロシア軍の動向や態勢には変化は見られない。核兵器やICBMを使おうとしている証拠はない」
と楽観的な見方を示してますが、多かれ少なかれウクライナ戦争が核戦争に発展する危険性があることは誰も否定できないでしょう。
ロシアのような核大国による核兵器を利用した威嚇や核戦争の危険を抜本的に解消して人類が生き残るためには、核兵器に関わる開発・実験・保有・運搬・威嚇・使用など全ての行為を禁止する核兵器禁止条約を、アメリカ・フランス・イギリスというNATO加盟国も含めて全世界が署名・批准するしかありません。
日米首脳会談の共同声明で中国に「異例の核軍縮呼びかけ」のお笑い。5500発保有の米国が350発の中国に文句を言う資格はない。ウクライナ危機で核兵器禁止条約のみが人類の生き残る道であることは明らかだ。
今、ウクライナ戦争という当事者のどちら側にも核保有国がいるという戦争が始まってみて改めて、核兵器の絶大な威力で戦争が抑止できるという核抑止論が幻想であり、むしろ核時代の戦争はすべて核戦争の危険を内包していることが世界に明々白々となりました。
人類が生き延びるには核廃絶しかないのです。
そして、戦争で核兵器を使われた全世界で唯一の国である「唯一の被爆国」日本には、核兵器廃絶を主導するにあたって本来は特別な役割が果たせました。
しかし、歴代の自民党政権も今の岸田自公政権も、「究極的な」核兵器の廃絶決議を国連総会で提案することで、核兵器を本気で廃絶しようとする国々の足をむしろ引っ張ってきました。
それはアメリカの「核の傘」の下にいることが日本の安全保障政策の基本だったからです。
「岸田文雄氏の核兵器廃絶論を検証する」大久保賢一日本反核法律家協会会長・弁護士。「結局、岸田氏はこれまでの日本政府と違う何も新しい提案をしているわけではない」
広島選出で「核のない世界」を目指すことを売り物にする岸田首相が、首相としての初めての広島平和祈念式典での挨拶で、核兵器禁止条約について触れないだけでなく、一言も「核兵器廃絶」とさえ言わなかった。
ところで、岸田首相の地元として5月にG7サミットが行なわれる広島は、世界で初めて人類が人類に対して戦争で核兵器を使用した地です。
岸田首相はこのG7サミットの議長国としてふるまって政権浮揚に利用しようと画策しているわけですが、小さい小さい(笑)。
このG7サミットで、日本がこれまで拒否してきた核兵器禁止条約に参加することを表明し、ロシアと中国とG7に参加している英米仏を含めてすべての核保有国に核兵器の廃絶を呼びかける、なんてことをしたら、内閣支持率爆上がり!
安倍晋三元首相がどう努力しても作れなかったレガシーを作れるどころか、岸田首相はノーベル平和賞だってもらえますよ(笑)。
日本がいま世界から求められていること、そして日本に暮らす市民にとって最も利益になることは、日本が徹底した非軍事と非核の政府になることなのです。
平和構想提言会議が岸田政権の安保3文書を批判して「戦争ではなく平和の準備を―“抑止力”で戦争は防げない―」を発表!「軍拡のための『戦略』ではなく、平和のための『構想』こそが求められている」。
【平和か戦争か】野党の政策合意「安保法制廃止」「核禁条約批准」「辺野古基地中止」vs自民党「軍事費GDP2%以上」「相手領域に攻撃」「核禁条約無視」「辺野古推進」。平和を選ぶなら野党共闘だ。
ロシアが占領している欧州最大のザポリージャ原発を盾にロシア軍がウクライナ軍を攻撃し、ウクライナ軍がこれに反撃する双方の狂気。核兵器も原発も戦争も世界から廃絶するしか人類が生き残る道はない。
参考記事 澤藤統一郎の憲法日記さんより
核の脅威というつながりで言うと、ロシア軍が欧州最大のザポロージェ原発などを攻撃したことからも、原発は存在するだけで安全保障上も危険だとわかったわけで、日本がすべき第三のことは原発推進姿勢を捨て、原発ゼロ路線に立ち戻ることです。
それにしても、鈴木宗男・佐藤優・伊勢崎賢治氏ら親露派が説得力がないのは、核戦争の危機だからウクライナとNATO加盟国に即時停戦しろと言いながら、その核兵器を使おうとしているロシアに対しては一言も文句を言わないこと。
しかも、日米安保体制を批判する反米の伊勢崎氏でさえ、核兵器禁止条約に日本が参加すべきだとか米ロなど核保有国がすべて核兵器廃絶をすべきだなどとは一向に主張しないことです。
彼らにとっては核戦争の危機はウクライナとNATOを批判するための道具であって、核兵器を地球上からなくすという核戦争の危機に対する根本的な解決には全く興味がないのです。
まあ、これはリベラル派であるはずの「憂慮する日本の歴史家の会」も1回も主張しないのですが。
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ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵攻を開始して以降初めて行った年次教書演説で、軍事侵攻を改めて正当化したうえで「ロシアを打ち負かすことは不可能だ」と述べ侵攻を続ける姿勢を強調しました。
さらに、アメリカとの核軍縮条約の履行を一時的に停止すると一方的に主張し、アメリカを強くけん制しました。
ロシアのプーチン大統領は、日本時間の今夜6時ごろからモスクワ中心部のクレムリン近くの建物で年次教書演説を行いました。
このなかで、プーチン大統領は、「ウクライナのネオナチ政権からの脅威を排除するため特別軍事作戦を一歩一歩、慎重に進め、直面している課題を着実に解決していく」と述べました。
そして「西側諸国がウクライナを使って戦争の準備をしていた。私たちはそれを止めようとした」と述べウクライナ侵攻を改めて正当化したうえで「彼らは、戦場でロシアを打ち負かすことは不可能だと理解すべきだ」と述べ、侵攻を続ける姿勢を強調しました。
プーチン大統領は、欧米側を軍事的にけん制する発言も繰り返し「ロシアの核抑止力は91%以上で最新の兵器を装備している」と述べ、核戦力で威嚇しました。
そしてアメリカとの核軍縮条約「新START」について「条約への参加を停止していることを発表せざるを得なくなった。脱退はしない」と述べ、核軍縮条約の履行について一時的に停止すると一方的に主張しました。
さらにアメリカが新たな核兵器の実験を検討していると主張した上で、「ロシア国防省は準備しなければならない。アメリカが実験を実施すれば、われわれも行う」と述べ、アメリカを強くけん制しました。
また、プーチン大統領は、欧米側が制裁を強化してもロシアの経済と統治システムは欧米側が信じているよりもはるかに強力だと強調しました。
ロシア大統領選挙は来年予定どおり実施されるとも明言し、軍事侵攻が続くなか国民に結束を呼びかけました。
年次教書演説は、大統領が年に1度、議会や政府の代表を前に内政や外交の基本方針を示すものです。去年は、軍事侵攻を続ける中で延期されたことから今回は侵攻を開始して以降初めてで、プーチン大統領はおよそ1時間45分にわたり演説を続けました。
《プーチン大統領の発言の概要は以下にまとめています》
《プーチン大統領発言概要》
「ウクライナは西側諸国に隷属し戦争準備」
そのうえで「ロシアは平和的な手段でウクライナの危機を解決するためあらゆることをしたが、その裏では完全に異なるシナリオが準備されていた。ウクライナは西側諸国に隷属し戦争の準備をしていた。私たちはそれを止めようとした」と述べウクライナ侵攻を改めて正当化しました。
「この演説をロシアにとって困難な時に行っている」
軍事侵攻継続する姿勢を強調
“軍事作戦参加者も招待”
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前回の演説は1時間超
“西側諸国がしかけた戦い何も達成されず”欧米側をけん制
自国の核戦力を誇示
来年の大統領選実施を明言
アメリカとの核軍縮条約「参加を一時停止」
このあと演説は日本時間の午後8時前に終了しました。
リアリティーチェック・チーム、BBCニュース
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が21日、約2時間にわたり国民に向けて演説した。
その中でプーチン氏は、ウクライナでの戦争に関してさまざまな主張を展開。西側諸国を強く批判した。
それらの発言のいくつかについて、妥当なのか調べてみた。
プーチン氏はウクライナ侵攻を正当化するため、同国に「ネオナチ政権」ができていると、根拠のない主張を続けている。
2019年にあったウクライナの前回の議会選挙では、極右候補の支持率は2%で、他の多くの欧州諸国よりはるかに低かった。
また、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はユダヤ系で、その家族がホロコーストで死亡していることにも留意すべきだろう。
それでも、有名な「アゾフ連隊」など、ウクライナには極右グループが存在するのは事実だ。その一部は、ナチスのイデオロギーへの支持を表明している。
アゾフ連隊は、ロシアの支援を受けた分離主義勢力が2014年にウクライナ東部地域を制圧したことを受け、それに対抗するため結成された。その後、ウクライナ軍の部隊として吸収された。
「ウクライナ軍の旅団が(中略)エーデルワイスという称号を受けた。ヒトラーの師団のようだ」
プーチン氏のこの発言は、ウクライナ軍の部隊の一つを、ナチスの第1山岳師団になぞらえたものだ。同師団はエーデルワイスの花を記章とし、第2次世界大戦で戦争犯罪を犯した。
ゼレンスキー氏は今月14日、第10独立山岳強襲旅団に「エーデルワイス」という名誉ある称号を与えた。
翌日、ロシア外務省はツイッターでこれを取り上げ、ウクライナにナチスがいる「証拠」だとした。
しかし、アルプス地方に咲くエーデルワイスの花は、他のヨーロッパ諸国でも山岳軍事師団のシンボルとして使われてきた。クロアチアの山岳救助隊、スイスの軍将兵、ポーランドの第21ライフル旅団などだ。
ロシアにさえ、「エーデルワイス」と呼ばれる特殊部隊があった。国家親衛隊ロスグヴァルディアの第17特殊目的分遣隊が2011年、この称号を受けた。ただ、2016年に「アヴァンガルド」に改称された。
「ウクライナ政権が核兵器を手に入れようとしたことも覚えている。公然とそう言っていたからだ」
ウクライナが核兵器を入手しようとした証拠はない。プーチン氏は以前も同じ主張をしたが、証拠を示していない。
旧ソヴィエト連邦の一部だった時代には、ウクライナに核兵器の基地があった。しかし、1994年にウクライナは核拡散防止条約に調印。安全保障と引き換えに核兵器を手放した。
2021年、ウクライナのアンドリイ・メルニク駐ドイツ大使(当時)は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟できなければ、非核国の立場を考え直さなくてはならないかもしれないと示唆。
ゼレンスキー氏は昨年、ウクライナは核戦力を「放棄」したのに、「安全保障は得られていない」と述べた。
しかし、ウクライナ政府は核兵器獲得の意向を表明していない。2021年に発表された軍事戦略文書も核武装に言及していない。
国連で核監視を担当する国際原子力機関(IAEA)は、ウクライナで 「平和活動目的の核物質が他の目的に転用された」形跡は見られないとしている。
「2022年のGDP(国内総生産)は2.1%しか減少していない。2月か3月にはロシア経済の崩壊が予測されていたのに」
ロシア経済の縮小が予想より小さかったのは、プーチン氏の言うとおりだ。
ロシアの統計局によると、GDPでみれば経済は昨年2.1%縮小した。これは、国際通貨基金(IMF)が最新報告書で推定した2.2%に近い。
この縮小でロシアは、IMF報告書の中で依然、最も経済状況の悪い国となっている。ただIMFは、予想より小幅の縮小だったと認めている。
IMFによると、ロシアの貿易は同国を制裁対象にしていない国々に振り向けられているという。
例えば、ロシア産原油の最大の買い手はインドと中国になった。西側諸国が購入を制限し、ロシアに制裁を科しているためだ。
IMFは昨年7月、ロシアの昨年のGDPは6%減少すると予測していた。
2023.02.22 デイリースポーツ
鈴木宗男氏「一方的な情報に流され 善悪決めつけていいのか」一方的なロシア=悪に不満を吐露
日本維新の会の鈴木宗男参院議員が20日に更新した公式ブログで、ロシアのウクライナ侵攻に対して「一方的な情報に流され、どこまで正確で信ぴょう性があるのかわからない中で、『善』『悪』と決めつけて良いのか」と問いかけた。
宗男氏は、「G7外相会合で相も変わらずロシア非難をしているが、『停戦、話し合いをすべき』という提言は出てこない。非難や批判を繰り返しても紛争は長引くだけである。G7、G20の主要国が結束して仲介の労をとり、仲立ちを進言するのが役割だと思うのだが」とG7が停戦に乗り出さないことへの不満をぶちあげた。
その上で「ウクライナ問題がどうして起きたのか、その元を考えず、また、議論もなく、一方的な情報に流され、どこまで正確で信ぴょう性があるのかわからない中で『善』『悪』と決めつけて良いのか、ここは冷静に考えるべきではないか」とロシアを悪とする風潮を問うた。
さらに「それぞれ世界でたった一つの命である。これ以上、犠牲者を出させないためにも一にも二にも停戦しかない」と改めて言及。「岸田総理が強いリーダーシップを発揮し、G7の議長国としての存在感を示してほしい。そしてG20の主要国にも呼び掛けるべきではないか。制裁、非難、批判をしても紛争は終わらない。ここは先を見据えた賢い外交術を願ってやまない」と岸田文雄首相がG7を主導し、停戦に導くことを希望した。