
昨晩遅くに、日本のナショナリズム、嫌韓が沸騰するのを恐れて書いた記事。
私はこう指摘しました。
「確かに、一緒に協力して、両国とも世界遺産認定を勝ち取ろうという落としどころは、日韓友好的で素晴らしかったのに、韓国が日本を裏切って邪魔してると捉えると、ネトウヨ激昂というか、普通の日本の人も怒りそうです。
でもそうじゃなくて、もともと、韓国は、日本が申請したうちで強制徴用のあった7施設の登録申請を撤回するよう要求していたのを変更して、対象施設の説明に強制徴用の歴史を含めようと妥協案を提案していたんです。」
「韓国側は先に述べたように、7施設の登録撤回ではなく、対象施設の説明に強制徴用の歴史を反映させよと言っているだけなのに、それを拒否する日本側にむしろ問題があります。
だから、韓国は強制徴用があった歴史について話させろと言っているわけです。
それさえ拒絶するのは、歴史修正主義の安倍首相の姿勢のあらわれであって、日本の遺産が世界遺産にならないのは安倍政権の自業自得です。」
明治の産業革命遺産は世界遺産にならない方がいい。
萩の産業遺産群となっているが。
実態はこう。安倍首相の選挙区である山口県だけ関係ないものばかり。
ですが、昨日から日本のナショナリズム沸騰中のようで、いつも最新の興味深い情報を出してくれるので参照しているリベラル系のブログさえこんなことを書いていますから、ネトウヨの興奮ぶりは想像できます。
「日本は先月の会談通りに韓国の世界遺産登録に賛成したのに、百済歴史地区の登録が決定するとこのような手のひら返しをするのはちょっとあり得ないですね。だったら、最初から会談で合意するべきでは無いですし、主権国家としての品格を疑ってしまいます。
他の国々も「両国間の対立を解決してからにした方が良い」などと言い出していますが、これで否決となったら、日本人は一挙に反韓、嫌韓の方に動くことになるでしょう。
別に嫌韓というわけではありませんが、私も今回の韓国の対応には大激怒です。世界遺産登録でこんな事をされると、この先も韓国という国を信用することは出来なくなります。」
これは困っちゃいましたねえ。
日本だけ世界遺産登録に漏れたら、日本に暮らす人の対韓国感情が危険水域に入りそうです。
松下村塾。これが明治の産業革命遺産とは。
「明治」の「産業革命」遺産のはずが、なぜか安倍首相のおひざ元の山口県萩の「松下村塾」(もちろん江戸時代末期のもので、産業革命とは縁もゆかりもない)が入っていることでわかるように、今回の世界遺産登録運動は安倍首相肝煎りです(安倍さんはなぜか、幕末の松下村塾の塾頭だった吉田松陰をいたく尊敬しているそうな)。
その安倍首相が日本の過去の植民地支配や侵略など都合の悪い歴史を認めない歴史修正主義(歴史捏造主義)だから、日本の外務省・文科省は、明治の産業革命と昭和の強制徴用は別物だとか屁理屈を言って、韓国が要求する強制徴用の歴史に触れさせまいとするわけです。
しかし、ポルトガルのユネスコ大使はこう言っています。
「遺産群は総体で一つであって、ある時代を切り取ることはできない。全参加国が満足できる結果を待っている」
これは誰が見ても間違いないところなので、世界遺産登録を判断する世界各国の世界遺産委員会の委員も同じ考えだと思います。
韓国は日本のこれらの遺産を世界遺産に登録することに今も反対していません。ただ、強制徴用の歴史があったことを何らかの形で残したいと言っているだけです。
本当に日本政府が、世界遺産の候補になっている日本各地の方々をがっかりさせたくないのであれば、日本は韓国の望むように、ただ韓国が強制徴用の歴史もあると演説することを飲めばいいだけの話。
それさえ認めないのは、日本の官僚が安倍首相の顔色をうかがっているからなのです。
山口県萩の城下町。ものすごく良さげな観光名所だが、明治とも産業革命とも関係ない。
確かに、日韓の外相は、お互いに百済の歴史遺産と明治の産業革命遺産とを推しあい、ともに登録を目指すことで合意していました。
しかし、日本の関係者が
「外相会談で握手したが詰め切らないまま、ふたを開けてみたらこうなったということだ」
のであって、
「7施設での朝鮮人の強制徴用に関する表現方法などは固まっておらず、その後も事務レベル協議を継続した。
強制徴用を巡って、世界遺産委員会で日本側と韓国側の双方が意見を陳述することなどを検討してきたが、韓国側の表現ぶりが受け入れられず、詰めの調整は思うように運んでいなかったとみられる。」(以上 毎日新聞)
「日韓は、審議で日本の説明の後、韓国が発言することで調整してきた。日本が韓国から演説概要を入手したところ、韓国は自国の演説では「forced labour」(強制労働)という表現を使おうとしていることが判明した。
日本側は「強制労働」ではなく、当時の法令に従って動員されたとの立場だ。韓国では植民地時代に多くの朝鮮半島出身者が強制的に働かされ、苦労したと受け止められており、「強制」という表現を重視した結果だった。」(以上 朝日新聞)
「韓国が検討している意見陳述をめぐり、日本側は朝鮮半島出身者の徴用の歴史が強調されることを懸念し、事前の擦り合わせを要請。韓国側は、陳述内容を制限するかのような日本の姿勢は両国が交わした約束に反するとしている。」(以上 スポーツニッポン)
つまり、本来韓国がどういう言葉を使って演説するかは韓国の自由。日本がとやかく言えることではありません。
そして、韓国がどう演説するかは日本と合意できていなかったのであり、韓国が日本と合意した事項を直前にひっくり返したというのは完全な誤報です。
また、日本の法令に従って朝鮮や中国の人が日本に連れてこられたのは当たり前で、それが本人たちの意思に反して行える法令だったから強制徴用というわけで、法令に従って動員したから強制でないだなんていう日本の言い分はまさに歴史修正主義です。
これが山口県の大板たたら製鉄所遺跡。製鉄所とあるので明治の産業革命と関係ありげだが、江戸時代の萩藩の製鉄所である。
しかもこのありさまでは、世界遺産にしろという方が無理。
韓国嫌いの産経新聞などは「韓国の妨害なら許されない 延期に地元関係者ら」などとあおっていますが、今回の世界遺産登録騒動は、日本のテレビや新聞社の報道から受ける印象とは違い、はっきり言って韓国よりも日本に非があります。
突き詰めれば、明治の産業革命遺産なんて日本人も過酷な労働条件で働かされた影の部分があり、昭和になったら軍需産業で、そもそも世界遺産にふさわしくない。
さらにそこに、松下村塾だの、萩の城下町だの、明治とも産業革命とも関係ないものを無理やり押し込んでゴリ押しし、強制徴用の歴史だけはスルーしようとした安倍首相が悪い。
というわけで、再度言いますが、こんなことでナショナリズムに走るな、ニッポン。
ついでに、恵美須ヶ鼻造船所跡というのも江戸時代の萩藩の造船所だった。こんなん、地元の人も知らん「名跡」では?(笑)。
さらに萩反射炉も萩藩のもの!
ひょえ~~、これで全部萩藩のもの!
山口県だけ、明治時代のものが一つもない!!
萩の産業遺産群って全部萩藩の産業遺産群だったww
とことん、騙しやな。マスコミも突っ込めよ。
参考ブログ
kojitaken氏の
「明治日本の産業革命遺産」の違和感と「松下村塾」の噴飯
「松陰の「尊皇攘夷」の思想こそ批判すべき。本当にその通りだと思う。私は、吉田松陰のテロリスト的体質も大嫌いだが、そもそもこの「尊皇攘夷」の思想こそ、昔から嫌ってやまなかったものなのだった。
だが、安倍晋三的右翼はもちろん、昨今の「リベラル」からも「尊皇攘夷」の思想に対する批判精神は極めて稀薄なのではないか。それが安倍晋三を大いに助けているのではないかと思う今日この頃なのである。」
ニッポン頑張れは、せいぜい、明日のなでしこジャパン決勝戦くらいにしといて。
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毎日新聞 2015年07月05日 09時06分(最終更新 07月05日 09時15分)
日本が世界文化遺産に推薦する「明治日本の産業革命遺産」の審議が5日に先送りされた。韓国側には「戦時中に朝鮮人が強制徴用・労働させられていた」との内容を、展示物に反映させたい思いが強く、最終局面まで調整が難航した。6月の日韓外相会談では、韓国の推薦案件と併せて日韓双方が世界文化遺産への登録に向け協力する「円満解決」を目指すことで合意。しかし、4日は韓国だけ登録が決まり、日本側関係者は困惑の表情を浮かべた。
審議の延期決定を受け、長崎市の田上富久市長は会場で「必ず外交団の努力がゴールにたどり着いてくれると思う」と期待。ただ「明日の午後3時という日程にどういう意味があるのか。ある程度、日韓の交渉がまとまった中で決まったのか、政府の情報を待ちたい」との不安も見せた。
「審議が5日に延期になった」との情報が流れたのは4日午前9時(日本時間同午後4時)ごろ。会場で日本政府関係者は「現時点で日程は変わっていない」と説明したが、その後に姿を見せた伊藤祐一郎・鹿児島県知事は「内閣府から審議が延期になったという情報が入ったが、その後、予定通り審議する可能性があるので急いで来てくれと言われた」と明かした。
審議は事前に決められていた順番が変更され、先に韓国が推薦した「百済歴史遺跡地区」の登録が決定。ある自民党幹部は「韓国側が強硬なまま日本の審議に入れば、投票になると懸念したのではないか。韓国の案件は先に決まったのに、日本だけやらない、というわけにはいかない」と、いら立ちを隠さない。
会場で日本政府関係者は「本来、産業革命遺産は政治的なものではなく、文化遺産としての価値を認定してもらうためにここまで積み重ねてきた。日韓外相会談での合意が、この段階でひっくり返されていいのか」と怒りをあらわにした。
また、ポルトガルのユネスコ大使は「遺産群は総体で一つであって、ある時代を切り取ることはできない。全参加国が満足できる結果を待っている」と、日韓の歩み寄りを促した。
一方、韓国の尹炳世外相は、6月の日韓外相会談後、韓国メディアに「世界遺産委員会の場で導き出された結論は、国際社会を前にした約束であり、(日本は)約束すれば誠実に履行しなければならないだろう」と強調。審議の場や、作成する文書の中で、韓国側の要求を最大限に反映させたいとの思いをにじませていた。
聯合ニュースは4日、「今回の件は、どういう結末になろうが韓国側、日本側ともに100%満足する結果にはならないだろう」との韓国側代表団関係者の声を伝えた。【ボン中西啓介、ソウル米村耕一】
毎日新聞 2015年07月05日 09時08分
日本が世界文化遺産に推薦する「明治日本の産業革命遺産」の審議が5日に先送りされた。韓国側には「戦時中に朝鮮人が強制徴用・労働させられていた」との内容を、展示物に反映させたい思いが強く、最終局面まで調整が難航した。
日本政府は、6月の日韓外相会談で産業革命遺産の登録に向けて両国が協力することで「完全に一致」したとして登録はほぼ確実とみていただけに、登録延期の事態に対し、「合意したと思っていたのに」(政府関係者)などと動揺が広がっている。
「外相会談で握手したが詰め切らないまま、ふたを開けてみたらこうなったということだ」。日韓議員連盟関係者は4日夜、日本にとって「誤算」となった展開についてこう分析した。外務省関係者は「日本としては誠意を尽くしてきたのに」と嘆いた。
5月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「イコモス」が登録を勧告後、韓国が登録に反対を表明したことに危機感を募らせた日本政府は、外務省や内閣府などの副大臣、政務官らを世界遺産委員会の委員国に派遣し、多数派工作を始めた。同時に韓国側との妥協点を見いだすため、2度の外務省局長級協議を実施。韓国側は、登録の際に強制徴用の歴史を反映するなどの妥協案を示し、反対姿勢を弱め始めた。政府は杉山晋輔外務審議官を韓国に派遣して調整させた上で、6月21日の岸田文雄外相と尹炳世外相による日韓外相会談で一気に実質合意へと動いた。
しかし7施設での朝鮮人の強制徴用に関する表現方法などは固まっておらず、その後も事務レベル協議を継続した。強制徴用を巡って、世界遺産委員会で日本側と韓国側の双方が意見を陳述することなどを検討してきたが、韓国側の表現ぶりが受け入れられず、詰めの調整は思うように運んでいなかったとみられる。
7月1日には杉山外務審議官が最終調整のため再度訪韓。2日に政府は日本代表団メンバーに選ばれていた加藤勝信官房副長官の義姉で都市経済評論家の加藤康子氏を内閣官房参与に起用した。加藤氏はボンで韓国側との意見調整に関わっているほか、投票になった場合も想定し、委員国に対する働きかけを行っているという。【小田中大、加藤明子】
「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録に向け、日韓の交渉が最終局面を迎えた。朝鮮半島出身者が一部の資産で働いた歴史をどう表現するかで対立する中、他国からは合意を促す声も出ている。審議は最終日に持ち越され、日韓は決着をめざして最後の協議に臨んでいる。
世界遺産審議、5日夜に先送り 日韓「動員」巡り協議
ドイツ・ボンで開かれている世界遺産委員会の議場が4日昼、拍手でわきかえった。韓国の「百済歴史遺跡地区」を世界文化遺産に登録することが決定。日本代表団も議場で「日本は登録を全面的に支持する。極めて重要な遺産だ」と賛意を示した。
日韓の外相は6月21日の会談で、双方が申請した案件が共に、世界文化遺産に登録されるよう協力することで一致していた。
議場を出た趙兌烈(チョテヨル)・第2外務次官は記者団に「明治日本の産業革命遺産」の登録について「そうなることを望む」と語り、両政府間の協議を見守るべきだと強調した。「反対はしないのか」との質問には「私たちがいつ反対したのか?」と返した。ただ、車に乗り込もうとしたところ、近くで「明治日本の産業革命遺産」の登録に反対している韓国人グループと鉢合わせし、握手を交わした。
「産業革命遺産」は当初、4日午後3時(日本時間同10時)からの審議が見込まれていたが、5日午後3時に先送りされた。世界遺産委員会で新規案件を扱うのは5日が最終日。日本側にとっては後がなくなった。
日韓の調整で焦点になっているのは、世界遺産委員会で韓国側が一部の資産で戦時中、朝鮮半島出身者が「徴用工」として働いた歴史をどう表現するかだ。
日韓は、審議で日本の説明の後、韓国が発言することで調整してきた。日本が韓国から演説概要を入手したところ、韓国は自国の演説では「forced labour」(強制労働)という表現を使おうとしていることが判明した。
日本側は「強制労働」ではなく、当時の法令に従って動員されたとの立場だ。韓国では植民地時代に多くの朝鮮半島出身者が強制的に働かされ、苦労したと受け止められており、「強制」という表現を重視した結果だった。
日本の首相官邸では「請求権問題で新たな要求をする下心があるのでは」との疑念が持ち上がった。
元徴用工の未払い賃金などの請求権について、日本側は1965年の国交正常化の際に結んだ請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」という立場だ。韓国政府は2005年に日本と同様の見解を表明したが、韓国では近年、裁判で元徴用工の請求権を認める判決が相次いでおり、日本側には不信感がくすぶっている。
日本政府は6月30日から外務省の杉山晋輔外務審議官をソウルに派遣し、韓国側の演説を修正してもらうよう交渉を指示していた。その後も断続的に両政府間で調整が続いている。両政府には話し合いがこじれた場合、投票に持ち込まれる可能性もあるとの見方も出ている。
日本代表団の一人は記者団に見通しを問われ、「最悪を考えて、最良を希望する」とだけ語った。(東岡徹=ボン、武田肇)
■他の委員国「両国が合意した上で」
登録をめぐる日韓の対立には、世界遺産委員会の他の委員国も懸念を示した。
複数の委員国の関係者によると、日韓を除く委員国十数カ国が全会一致の登録に向けて3日に会合を開き、両国で話し合い、4日に結果を報告するよう求めた。
4日午後に再び開かれた会合では、多数の委員国が同日午後の予定だった「明治日本の産業革命遺産」の審議を5日に先送りし、日韓の協議時間を十分確保する方針を支持したという。出席者からは「賢明な日韓両国が英知をもって合意できることに期待する」と激励の言葉が聞かれる一方、「我々は何カ月も前から対話を求めてきた」と、いらだつ声も聞かれた。
トルコ代表団の一人は、国境地域の世界遺産の登録をめぐって紛争に発展したタイとカンボジアの例を挙げ、「政治化する例が近年増えている」と指摘。「両国がよく話し合い、合意した上で登録するのが本来あるべき姿だ」と話した。
カタール代表団の一人は韓国代表団と接触後、「委員会としては双方の言い分や歴史をよく理解して全会一致で合意したい。投票による採決は政治的なので極力避けたい」と話した。
一方、オブザーバー国フランスからの参加者は、「詳しい事情は知らないが、登録の土壇場でもめるとは残念なこと」と話した。(ボン=渡辺志帆)
■現在の世界遺産委員会の委員国(21カ国)
ドイツ、フィンランド、ポルトガル、トルコ、クロアチア、セルビア、ポーランド、ジャマイカ、コロンビア、ペルー、インド、日本、韓国、マレーシア、ベトナム、フィリピン、カザフスタン、セネガル、カタール、レバノン、アルジェリア
「明治産業革命」世界遺産登録審査 日韓の協議難航で先送り
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「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録審査が延期される見通しとなり、パブリックビューイングの中止を伝える張り紙 Photo By 共同 |
ドイツ・ボンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は4日、「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県)の登録審査を5日午後3時(日本時間5日午後10時)に先送りすることを決めた。政府代表団によると、歴史問題をめぐる日韓協議が難航していることが理由。韓国が検討している意見陳述をめぐり、日本側は朝鮮半島出身者の徴用の歴史が強調されることを懸念し、事前の擦り合わせを要請。韓国側は、陳述内容を制限するかのような日本の姿勢は両国が交わした約束に反するとしている。
登録の瞬間を心待ちに現地入りした遺産の地元自治体関係者からは戸惑いの声が上がった。鹿児島県の伊藤祐一郎知事は「以前からくすぶっていたものが、いろいろ噴き出している。あとは国と国との話だ」と厳しい表情だった。
なお韓国が推薦した「百済の歴史地区」の世界文化遺産登録が、日本を含む委員国の全会一致で決まった。
[ 2015年7月5日 05:30 スポーツニッポン】
2015.7.4 22:07
【世界遺産登録問題】
「韓国の妨害なら許されない」延期に地元関係者ら
韮山反射炉の世界遺産登録発表の延期に伴い、伊豆の国市ではパブリックビューイングが中止された=4日午後、静岡県伊豆の国市の韮山文化センター(宮崎瑞穂撮影)
世界遺産委員会で4日に予定されていた「明治日本の産業革命遺産」の登録審査が持ち越されたことを受け、登録決定の連絡を待っていた各候補地に驚きと落胆の声が広がった。日韓協議の難航が延期理由とされ、韓国へのいらだちをぶつける声も出た。
「官営八幡製鉄所」がある北九州市。市職員らが登録決定に向けパブリックビューイング(PV)の準備を進めていたところへ審査延期の情報が飛び込み、現地のドイツに派遣した職員と連絡を取るなど情報収集に追われた。
「製鉄所に残る記録では、韓国が問題視するような朝鮮半島出身者の『強制徴用』の実態は確認できず、国のスタンスも同じだと考えている」と市の広報担当。いずれにせよ、市としては歴史認識をうんぬんする立場になく、議論の行方を見守るしかないとしている。
「三菱長崎造船所」や「端島炭坑」(通称・軍艦島)がある長崎市も「『徴用』などの歴史認識に関しては自治体の問題ではなく国の問題」(世界遺産推進室担当者)との立場を強調。「先日の日韓外相会談を受けて事態が進展すると期待していたので、ここにきての紛糾には正直不安を感じている」と担当者は本音を漏らした。
江戸幕府が大砲鋳造のため建設した「韮山反射炉」がある静岡県伊豆の国市。「韮山反射炉の世界遺産登録を支援する会」理事長の渡辺解太郎さん(77)は「韓国は一体何がしたいのか、理解に苦しむ。反射炉を世界遺産にするために、あらゆる努力をしてきた。もし妨害しているのであれば、許されないことだ」と怒りをにじませた。
伊豆の国市はPVを急遽延期し電話対応に追われた。市世界遺産推進課の渡辺勝弘課長(56)は「職員総出で会場の準備をしていた矢先で残念。どんな事情があるか分からないが、明日登録されることを願うばかり」と話した。
「橋野鉄鉱山・高炉跡」のある岩手県釜石市でも落胆の声が上がった。
仮設住宅に住む主婦、菊池良子さん(43)は「世界遺産は地域の誇り。早く登録が決まってほしい。韓国も『協力する』といっていたのに何でこんなことになるんだろう」と首をかしげた。
登録決定後に記者会見などを予定していた釜石市の担当者は「内閣官房から『調整中』と連絡があった。外国の政府のことをとやかくいえないし、決まるまで待つしかない」と政府の動きを見守った。
韓国の「手のひら返し」にやられた! 世界遺産、まさかの審議先送りにいらだちの声
ドイツのボンで開催中のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会で、2015年7月4日にも世界文化遺産登録が決定するはずだった「明治日本の産業革命遺産」の審議が、5日に先送りされた。
登録に反対する韓国とは、6月21日の外相会談でその主張を一部反映することなどで「合意」できていた、はずだった。
「百済歴史地区」は登録されただけに...
だが、実際には韓国側は、その後も厳しい要求を日本に突きつけ続けていたようだ。1日には杉山晋輔外務審議官が訪韓し交渉に当たったが、3日の「あさチャン!」(TBS系)では、韓国側が依然として各国代表へのネガティブキャンペーンを続けていること、またボンの委員会会場周辺では、韓国系団体がテントを張り反対活動を繰り広げていることが伝えられた。やはり3日付の韓国紙・ハンギョレも、日本の報道を引用しつつ交渉が「最後まで難航」しており、好転しつつあった両国関係悪化につながりかねないとの悲観的見通しを示していた。
主な争点となっているのは、委員会での韓国の動きだ。席上、朝鮮半島出身者の「動員」について主張しようとする韓国と、それを阻止しようとする日本の間で調整が付かないとされる。また韓国紙・朝鮮日報によれば、登録決定文注釈に「強制労働」という言葉を盛り込むか否かも、議論がまとまっていないという。
外相会談以降、登録実現には楽観論が広がっており、しかも韓国が推薦する「百済歴史地区」は無事に登録が決まっただけに、「手のひらを返された」と感じる人も少なくない。
政界からは自民党の佐藤正久参院議員がツイッターで4日、
「『明治の産業革命遺産』の登録に向けての韓国側の妨害を見た多くの日本人は、あの外相合意は何だったのか?韓国への不信感を持ったのではないか?日本の外交団、妨害に負けずに最後まで頑張れ!」
とコメント、地元・九州ブロックを選挙区とする中山成彬元衆院議員はより激しい言葉で、
「6月に韓国外相が突然来日して合意した筈だった。これが韓国のいつものやり口、これまで何度騙されて来たことか。下手な妥協をしてはならない」
と発言している。
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早速のご解説、ありがとうございます。新聞やネットニュースを読んでも、今ひとつ分からなかったのですが、これで理解できました。本当にこのブログは勉強になります。
文中のリベラル系ブログ主は頭のいい人なのですが、まだ26歳という若さなのと、ここ2年半一日も休みなく記事をUPし続けているそうなのとで、疲れているんですかね。最近少しバランス感覚が変だと思います。
しかしこの明治期の産業遺産の数と、そこに無理矢理押し込まれたヘンな山口県の遺跡、申請する前に整理できなかったのでしょうか?日本のユネスコにも安倍政権から圧力がかかっていた?
投げ釣りしやすそうに見えるんだけどなぁ
感情論に走らずに論理的に考えたらどうみても日本の方が分が悪い。
毎日の記事だったか忘れたけど、韓国と揉めて採決が延期になった経過を書き、最後に日韓では互いに登録に向けて協力することが合意されていた、って締められていたけど、これって歪曲甚だしいよ。あたかも韓国が一方的に合意を破ったかのごとく書いてるからね。意見表明で強制徴用については触れないことにするなんて合意があったわけではない。韓国がどういう意見表明するかなんて日本が妨害する権利なんてないわけだから、韓国が日本が自分たちの正当な権利行使を妨害するなら、先の合意を履行することはできない、と主張するのは当然。日本と韓国が逆の立場なら同じことをしたでしょうに。
安倍内閣じゃなきゃこんなことにはなってなかったと思うね
日本が抵抗すればするほど世界の目から見れば安倍の歴史認識と相俟って日本の歴史修正が際立って見えてくるっていう典型だね。
先生の言うリベラル記事も、こういう肝心なときに感情論に流されて、事実に照らした冷静な記事を書けないのであれば結局は役立たずなんだよ。
百も承知だと思いますが一応書きます。
ドイツのアウシュビッツも世界遺産ですし、負の歴史があったことも、十分世界遺産としての価値があります。その点で、産業革命遺産は価値は十分あると思います。現在のブラック企業問題に輪をかけたひどいことが過去に、国策で行っていたわけですから。
日本政府の問題は、輝かしい歴史の裏に影の歴史があることなど、包み隠さず知らしめることができない点にあるのです。
アメリカにも、韓国、中国にも大きな負の歴史はあるし、むしろ無い国なんてない。記録として、世界中で負の歴史を世界遺産として後世に残しておくべきです。もちろん、輝かしい歴史もです。
26歳なんですか!
ああいうブログはあれがお仕事になっているのでしょうか。
またああいう面白い情報や画像をどうやってとってくるのか謎です。訊いてみたいです。
>ドイツのアウシュビッツも世界遺産ですし、負の歴史があったことも、十分世界遺産としての価値があります。
knrjpさん。おっしゃるとおりですね。
負の遺産を負の遺産として残していくなら、歴史的にも現在のためにも意義のあることですね。
誤魔化さなければよかったのにね。
私も、いかにも安倍・麻生の肝いりで決まった世界遺産に失望を隠せない心境です。
これより世界遺産にふさわしいものなんていくらでもあるのに・・・。
何より許せないのは事実を曲げてまで嫌韓を煽る日本のメディアですね。
彼らの蛮行は後世の歴史家が断罪するでしょう。
そうすれば政府ももっと対策に力を入れるでしょうから。
現在も悲しい歴史を重ねている韓国。
と思いませんか?
韓国という国は 従軍慰安婦問題でもそうですが、反日本を国是にしている国です。従軍慰安婦問題のように本来、50年前の国交正常化の取り決めの中で日本は個人補償においてもすべて終わっているのに、当時日本から支払れた補償金は当事者の手に渡らず 全て韓国政府は箱物の整備に使ってしまい、結果として現在の従軍慰安婦問題になっています。
労働者の強制徴用問題も今 韓国では当時の労働者たちが韓国内で日本に対して賠償訴訟を多方面で起していて当時韓国に工場を持った三菱や三井などを標的に多額な賠償金を吹っかけています。 今回の世界遺産における「労働者の強制徴用問題」もすべてこの訴訟に対しての確証を日本から引き出すための手法で 単に世界遺産の登録問題ではすまない問題なのです。