日本と韓国の間で最大の懸案となっている慰安婦問題の決着を目指し、日韓外相同士の会談が28日午後に終わり、日韓双方が歩み寄る形で最終解決の合意が成りました。
しかし、これはあくまで政府間の合意。
この合意を、強制的に元「慰安婦」の方々に押し付けることはできないことを銘記すべきです。
彼女たちが今回の合意を受け入れられるように、日韓政府が穏やかに、誠実に、心細やかな対処をするように要望します。
国家は個人の損害賠償請求権を放棄できない。日韓「従軍慰安婦」問題、解決間近か。
外相会談で成立した最終合意では、韓国が求めていた総理からの元慰安婦への謝罪を巡って
「一、慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。
安倍首相は日本国首相として、改めて慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する。」
としています。
日本軍の関与を認めており、また丁寧に謝罪しており、そこはとても安心しました。
これは公式謝罪と言っていいでしょう。
あとは、今はゴルフ三昧らしい安倍首相が、直接自分の口でどう語るか。
そして、元「慰安婦」の方々へお届けすることになるであろう、謝罪のお手紙がどれだけ心を尽くしたものになるかが重要になってきます。
そして、元慰安婦への支援では、
『日本政府はこれまでも本問題に真摯(しんし)に取り組んできたところ、その経験に立って、今般日本政府の予算により、全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。具体的には、韓国政府が元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し、日韓両政府が協力し、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。』
としており、元「慰安婦」の方々への支援を日韓政府が協力し、元慰安婦の支援を目的とする財団を韓国政府が設立し、これに日本政府の予算で10億円規模の資金を一括捻出することになりました。
さらに、日本側が求めていた慰安婦問題の「最終解決」の確約について、日韓の両外相は、
「最終的かつ不可逆的に、つまり再び元に戻らないように解決されることを確認する。今後、国際社会で互いに批判・非難することを控える」
としています。
そして、日本が撤去を要求していたソウルの日本大使館前にある「少女の像」について、韓国側は、関連団体との協議などを通じて適切に解決されるよう努力すると表明しました。
この「少女像」の問題については今日の午前中に、
「慰安婦」問題 不当な蒸し返しを繰り返してきたのは誰なのか。
という記事で書いたのですが、あくまでも、民間のものであって、国が強制的にどうこうできるものではありません。
この点、韓国政府が必ず撤去するという合意をせず、
『韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、空間の安寧、威厳の維持といった観点から懸念しているという点を認知し、韓国政府としても可能な対応方法に対し、関連団体との協議等を通じて適切に解決されるよう努力する。』
として、適切な解決をするように努力する約束をするにとどめ、日本政府もそれに納得して合意したのは良かったです。
それにしても、心が痛むのは、元「慰安婦」の方の一人の訴えです。
韓国の聯合ニュースによると、「慰安婦」被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんは、韓国と日本政府が発表した旧日本軍の慰安婦問題の交渉妥結内容について、記者会見し、
「全部無視する」
「慰安婦被害女性のためを思ってくれていないようだ。われわれはそれに合意したことがない」
「われわれは金がないからこうしているわけではない。罪があるならその罪に対する公式賠償をすべきではないか」
と批判し、少女像の移転が検討されていることについては、
「何の権利で移すのか」
と日韓両政府を厳しく批判したそうです。
一方、別の元「慰安婦」で「満足はできない」「政府の方針に従う」と述べた方を含め、少なくとも元「慰安婦」の方が誰も責められず、納得できて、穏やかかな余生を暮らせるように、再度、日韓政府の誠実な努力を要望して終わりたいと思います。
参考資料
デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金内の慰安婦関連歴史資料
[戦争犯罪][戦時性暴力]慰安婦・慰安所に関してオンラインで閲覧できる一次史料(追記あり)
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本当の意味で「祝!」の冠がついた表題の記事が書けますように。
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日韓共同記者発表全文
岸田文雄外相と尹炳世韓国外相の共同記者発表の全文は次の通り。
尹氏 本日、私は岸田外相と会談を開き、日本軍慰安婦被害者問題をはじめとする両国間の懸案および関心事について深みのある協議を持った。
年末のお忙しい日程であるにもかかわらず、岸田外相におかれては、本日この会談のために訪韓してくださり感謝申し上げたい。皆さまもご承知の通り、韓国政府は韓日国交正常化50周年を迎え、両国間において核心的な過去の歴史懸案である日本軍慰安婦被害者問題の早急な解決のために積極的に努力してきた。
特に11月2日の韓日首脳会談では、朴槿恵大統領と安倍晋三首相において、今年が韓日国交正常化50周年といった転換点に当たる年という点を念頭に置いて、なるべく早期に慰安婦被害者問題を妥結するための協議を加速化しようという政治的決断を下し、それ以降、局長レベル協議を中心として、この問題に対する両国間の協議を加速化してきた。
昨日行った12回目の局長レベル協議を含め、これまでの両国間の多様なチャンネルを通じた協議の結果を土台に、本日、岸田外相と全力を尽くして協議した結果、両国が受け入れ得る内容の合意に達することができた。本日、この場でその結果を皆さまに発表する。
まず日本政府を代表して、岸田外相から、本日の合意事項についての日本の立場をお話しいただき、その次に、韓国政府の立場について私が話す。
岸田氏 まず、日韓国交正常化50周年の年の年末にソウルを訪問させていただき、尹外相との間で大変重要な日韓外相会談を開催できたことをうれしく思っている。
日韓間の慰安婦問題については、これまで両国局長協議等において集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき、日本政府として以下を申し述べる。
一、慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。安倍首相は日本国首相として、改めて慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する。
二、日本政府はこれまでも本問題に真摯(しんし)に取り組んできたところ、その経験に立って、今般日本政府の予算により、全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。具体的には、韓国政府が元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し、日韓両政府が協力し、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。
三、日本政府は以上を表明するとともに、以上申し上げた措置を着実に実施するとの前提で、今回の発表によりこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。併せて、日本政府は韓国政府と共に、今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難、批判することを控える。
なお、先ほど申し上げた予算措置については、規模としておおむね10億円程度となった。以上のことについては、日韓両首脳の指示に基づいて行ってきた協議の結果であり、これをもって日韓関係が新時代に入ることを確信している。
尹氏 次は、本日の合意事項に対して韓国政府の立場について私より発表する。
日本軍慰安婦被害者問題に対しては、これまで両国局長級協議などを通じて集中的に協議してきた。その結果に基づき、韓国政府として以下を表明する。
一、韓国政府は日本政府の表明とこのたびの発表に至るまでの取り組みを評価し、日本政府が先に表明した措置を着実に実施されるとの前提で、このたびの発表を通じて、日本政府と共にこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。韓国政府は日本政府が実施する措置に協力する。
二、韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、空間の安寧、威厳の維持といった観点から懸念しているという点を認知し、韓国政府としても可能な対応方法に対し、関連団体との協議等を通じて適切に解決されるよう努力する。
三、韓国政府はこのたびの日本政府が表明した措置が着実に実施されるとの前提で、日本政府と共に今後、国連など国際社会において本問題に対する相互非難、批判を自制する。
以上をもって韓国政府の立場について申し上げた。
韓日国交正常化50周年である今年が過ぎ去る前に、岸田外相と共にこれまで至難であった交渉にピリオドを打ち、本日この場で交渉の妥結宣言ができることを大変うれしく思う。
今後、このたびの合意のフォローアップが着実に履行され、厳しい忍耐の歳月を耐えてこられた日本軍慰安婦被害者の方々の名誉と尊厳が回復され、心の傷が癒やされることを心より祈念する。
同時に、韓日両国間で最も困難で厳しい過去の歴史、懸案であった日本軍慰安婦被害者問題交渉が仕上げられることをきっかけとして、新年において韓日両国が新しい心でもって新しい韓日関係を切り開いていけることを衷心より期待する。
(時事通信 2015/12/28-17:42)
岸田外相 「画期的な成果 日韓は新時代へ」
そのうえで、岸田大臣は、共同記者発表で慰安婦問題について「日本政府は責任を痛感している」と発言したことについて、「慰安婦問題は、当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるということは従来から表明してきており、歴代内閣の立場を踏まえたものだ。これまで責任についての立場は日韓で異なってきたが、今回の合意で終止符を打った」と述べました。
また、韓国政府が設置する財団に、日本政府がおよそ10億円を一括して拠出し、元慰安婦の心の傷を癒すための事業を行うことについて、「日韓で協力して事業を行うもので『賠償』ではない。医療サービスの提供や、療養、介護支援などを考えているが、具体的には今後、両政府間で合意された内容の範囲で実施する」と述べました。
さらに、ソウルの日本大使館の前に設置された、慰安婦を象徴する少女像について、「韓国政府として適切に解決されるよう努力し、その結果、ソウルの日本大使館前から適切に移転されるものと認識している」と述べました。
このほか岸田大臣は、中国が慰安婦問題を巡る資料について、韓国などに呼びかけて共同でユネスコの「記憶遺産」への申請を検討していることについて、「韓国が申請に加わることはないと認識している」と述べました。
2015.12.28 17:14 産経新聞
【日韓外相会談】
元慰安婦「政府に従う」
【ソウル=藤本欣也】韓国の聯合ニュースによると日韓両政府による慰安婦問題の合意について、元慰安婦のユ・ヒナムさん(88)は28日、「お金の問題ではなく、満足できない」としながらも、「韓国政府が今年中に解決しようと努力してきたのを考えると、政府(が決めた通り)に従う」と語った。
元慰安婦ら関係者の中には合意を非難する人も少なくなく、合意をめぐる立場は分かれているようだ。
「政府の合意に従う」=元慰安婦
[時事通信社]
【日韓外相会談】
元慰安婦「すべて無視する」と反発
【ソウル=藤本欣也】韓国の聯合ニュースによると、日韓両政府による慰安婦問題の合意について、元慰安婦の李ヨンスさん(87)は28日、「慰安婦被害者たちのために考えていないようだ」「(会談結果を)すべて無視する」と強い不満を表明した。
元慰安婦が暮らす「ナヌムの家」の安信権(アン・シングォン)所長も「被害者たちを無視した政治的野合だ」と非難した。
元慰安婦女性「交渉結果、すべて無視する」=韓日合意に強い不満
【ソウル聯合ニュース】慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんは28日、韓国と日本政府が発表した旧日本軍の慰安婦問題の交渉妥結内容について、「全部無視する」と強い不満を示した。
李さんはソウル市内で行った会見で、「慰安婦被害女性のためを思ってくれていないようだ。われわれはそれに合意したことがない」と述べた。
日本政府に対しては「補償ではない法的賠償をすべき」と重ねて強調し、補償と賠償には明確な差があると語気を強めた。
日本側が10億円を拠出して被害者への支援財団を設立するとの計画についても、「われわれは金がないからこうしているわけではない。罪があるならその罪に対する公式賠償をすべきではないか」と拒否する姿勢を示した。
ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦を象徴する少女像の移転が検討されていることについては、「何の権利で移すのか」と韓日両政府を厳しく批判した。
一方、別の慰安婦被害者のユ・ヒナムさんは韓日外相会談の結果を受け、「政府の方針に従う」との立場を表明した。ただ、「満足はできない」と述べた。
日本「責任痛感」 韓国「不可逆的に解決」=慰安婦問題妥結
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官と日本の岸田文雄外相は28日午後、ソウルの外交部で会談を行い、旧日本軍の慰安婦問題で最終妥結した。両国の最大の難題だった慰安婦問題に決着をつけたことになる。
日本政府は慰安婦問題の責任を認め、安倍晋三首相が総理大臣として慰安婦被害者に「心からのおわびと反省の気持ちを表明する」とした。ただ、重要争点だった日本政府の法的責任の認定については、「責任を痛感する」とし、法的責任なのか、道義的責任なのかは明確にしなかった。被害者や関連団体の反発が予想される。
また、慰安婦被害者を支援するための財団を韓国政府が設立し、日本側が10億円を拠出することにした。
岸田外相は会談後の共同記者会見で、「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題で、かかる観点から日本政府は責任を痛感している」と述べた。また、「安倍内閣総理大臣は日本国の内閣総理大臣として、数多の苦痛を経験し、心身にわたり癒しがたい傷を負ったすべての方々に対し、心からのおわびと反省の気持ちを表明する」とした。日本政府はもちろん、安倍首相が総理大臣として慰安婦問題について責任を痛感し、謝罪したのは初めて。
韓国政府が設立する財団に日本政府が予算を拠出することについて、韓国政府は日本側が措置を着実に実施することを前提とし、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と明らかにした。日本政府の予算拠出を前提に「解決された」ではなく「解決される」としたが、事実上、慰安婦問題の最終解決を確認したものといえる。
韓国政府は日本側が撤去を求めているソウルの日本大使館前に設置された慰安婦被害者を象徴する少女像に関しては、「可能な対応方向について関連団体との協議を行うことなどを通じ、適切に解決されるよう努力する」との姿勢を示した。
一方、両国は慰安婦問題について、今後、国際社会で互いに非難・批判することを控えることにした。ただ、韓国政府は日本側が表明した措置が着実に実施されることを前提とした。
尹長官と岸田外相は会見でそれぞれ3項目の発表文を出した。合意は公式合意文ではなく、両氏が口頭で発表する形を取り、会見後に発表文を配布した。
会談後、共同記者会見する岸田外相(左)と尹長官=28日、ソウル(聯合ニュース)
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在韓日本大使館の前にある慰安婦平和碑(少女像)の手。両手を固く握っている。 |
「韓国政府が慰安婦問題交渉に進展がある場合、少女像を移転することを検討中」という報道が日本メディアから出た27日、慰安婦被害者は怒りを表した。「生きている被害者は少ないのに日本が少女像の移転などとんでもない話をすれば、交渉時間だけが長くなるだけだ」。金福善(キム・ボクソン)さん(83)は中央日報との電話でこのように話した。金さんは少女像よりも1歳低い12歳の時に慰安婦として動員された。金さんは「日本政府が(韓日外相会談で)謝罪からすることを望む」と付け加えた。
この日午後、京畿道広州(クァンジュ)の慰安婦被害者支援施設「ナヌムの家」では、慰安婦被害者6人が記者会見を開いた。この席でユ・ヒナムさん(88)は「少女像は国民が設置した慰安婦問題の象徴であり、政府も手をつけられないものだ。日本があれこれ持ち出す卑怯なことをこれ以上しないことを望む」と述べた。
韓国挺身隊問題対策協議会(挺身隊対策協)によると、挺身隊対策協が運営する施設に居住する金福童(キム・ボクドン)さん(89)は「少女像は過去にあった痛みを子孫が学び、二度とこういうことが生じないよう設置された」とし「慰安婦問題の解決と少女像の撤去は別のものだが、なぜ日本が繰り返し歴史を消せというのか分からない」と述べた。挺身隊対策協は前日、声明を出し、「平和碑(少女像)撤去要求は暴力的な試みであり、もう一つの障害物を作る」と主張した。
一方、日本政府に1億ウォン(約1000万円)の損害賠償金を求めて2013年8月にソウル中央地裁に調停申請をした金君子(キム・クンジャ)さん(90)ら10人は24日、裁判所に「調停をしない決定」をしてほしいという申請書を出したことが27日、確認された。「調停をしない決定」とは、裁判所が当事者間の合意を前提とする調停で解決するのに適当でないという判断を出すことをいう。この決定が下されれば調整申請日にすでに民事訴訟が提起されたと見なされる。金さんらがその間の訴訟に進展がないため調停でなく正式裁判が必要だという意向を明らかにしたのだ。
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解決案そのものについても、日韓の解決策を巡り、事前に、合意点を報道した韓国のthe hankyoreh によれば、日韓両政府の合意解決策は、「被害者ハルモ二と韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の要求にはるかに及ばないもので、市民社会からの反発などの後遺症が予想される。」とあり、政府間で決着したとしても、問題は、解消され得ないでしょう。
[ニュース分析]急ぐ韓日...慰安婦問題で「創意的な解決策」を模索 the hankyoreh 登録 : 2015.12.28 00:14 修正 : 2015.12.28 05:51
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22895.html
安倍政権は、言わずもがな、ですが、韓国政府の対応も、如何にも性急であり、両者の性急な対応には、何かの背景がある、と疑わずにはおれません。
米国政府による和解への圧力には、両国政府も抗しきれない、と言うことなのでしょうか。
何れにしても、安倍政権とその極右支持層に与えるインパクトを思わざるを得ませんね。 まるで雪崩を打つような解決への流れ、のね。
で、コメで指摘した内実で妥結したでしょ。ま、金も握らせないみたいなんで、もっと酷いけど。
あ、私のオリジナルの論建てでなくみんな受け売りです。
>続き (L)
2015-12-01 00:12:21
>抗議声明の主目的が、朴裕河「帝国の慰安婦」に対する賛美であり、朴裕河路線での“慰安婦問題”の最終解決に手放しで賛成することであり、韓国における言論の自由の状況を日韓市民で共有し協力しようというものになっていない、と評せざるを得ない
>日韓両国がようやく慰安婦問題をめぐる解決の糸口を見出そうとしているとき、この起訴が両国民の感情を不必要に刺激しあい、問題の打開を阻害する要因となることも危ぶまれます。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/26/park-yuha-charge-remonstrance_n_8659272.html
この一文がそれを物語っています。韓国における言論の自由の状況を憂いているというより、(朴裕河路線での)“慰安婦問題”の最終解決が遠のくことを恐れているという感じです。
※朴裕河路線での“慰安婦問題”の最終解決
原則論的な挺隊協を黙らせた上で元慰安婦のみなさんの頭越しに日韓のボス交で、日本の国家責任と謝罪を曖昧にした形でアジア女性基金の延長のような仕組み(さすがにもうカンパはないと思いたい)で手打ちして慰安婦に金を握らせて終わったことにする路線らしい。たぶん水曜デモと少女像の禁止も込みで。
パクチョンヒの娘と佐藤の甥による第二の日韓条約だね。
少女像の撤去は、設置許可を取り消して違法化というセコ~~イ手を使うみたい。国の権限なら易しい。ソウル市の権限なら市長は参与連体なんで政府が圧力を掛け捲るか、特措法作ってクネが代理署名かな。
日帝植民地時代の屈辱の象徴たる少女像を、韓国人元慰安婦のおばあさんを、韓国警察の暴力で強制排除と言うことになるのだろう。偽満州国将校高木正雄の娘らしいいい話だわ。
カンサンジュンさんは、「日本と韓国と北朝鮮は、大日本帝国の分裂国家」と喝破してたけど、この件で理解が深まった。帝国主義や植民地主義のゾンビが今日も蠢いている。
韓国国内的に厳しい話だが、安倍一派はこれを口実に「韓国は約束を守れ」「韓国は約束を守らないから俺も守らない」とか責任転嫁するんだろう。
当事者の願いをあらためて。
> すでに私たちは何度も日本政府と韓国政府に要求している。2014年、東京で開催された第12回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議で採択された提言で、また2015年にソウルで開かれた第13回アジア連帯会議の決議で求めた内容だ。
> 第一に、日本軍「慰安婦」問題解決のために日本政府は、①日本政府および軍が軍の施設として「慰安所」を立案・設置し管理・統制したこと、②女性たちが本人たちの意に反して「慰安婦・性奴隷」にされ、「慰安所」等において強制的な状況の下におかれたこと、③日本軍の性暴力に遭った植民地、占領地、日本の女性たちの被害にはそれぞれに異なる態様があり、かつ被害が甚大であったこと、そして現在もその被害が続いているということ、④当時の様々な国内法・国際法に違反する重大な人権侵害であったという事実と責任を認めなければならない。
> 第二に、このような事実認定に基づいて、①翻すことのできない明確で公式な方法で謝罪すること、②謝罪の証として被害者に賠償すること、③真相究明のため、日本政府保有資料の全面公開、国内外でのさらなる資料調査、国内外の被害者および関係者へのヒヤリング、④再発防止措置として義務教育課程の教科書への記述を含む学校教育・社会教育の実施、追悼事業の実施、誤った歴史認識に基づく公人の発言の禁止、および同様の発言への明確で公式な反駁等をおこなうことである。
>
> 2.解決に前提条件はありえない。日本政府は責任を尽くさなければならない。
> 解決の前提条件として「平和の碑」の撤去と「二度と問題を蒸し返さないという約束」を提示していることは、安倍政権が表向きには日本軍「慰安婦」問題の解決を口にしながら、実は日本軍「慰安婦」問題を解決する意思がないのだとしか解釈できない。さらにこれは、仮に日本軍「慰安婦」問題が未解決のまま残された場合に、その責任を被害者側である韓国社会に押しつけるための術策ではないかとさえ思われる。
> ―「平和の碑」は、1992年1月8日に始まった水曜デモが2011年12月14日に1000回を迎えた日に、20年以上も毎週水曜日にその場所で訴えてきたハルモニたちと私たちの歴史を記憶するために建てたものだ。過去の辛い歴史を記憶することを超えて、被害者と市民の1000回もの叫び、20年もの歳月あきらめずに水曜デモをおこなってきた過程を表現したものである。そして、戦争を経験していない若い世代に、生きた歴史教育の場として、人権と平和教育の教室として、被害者の人権擁護活動の象徴として積み重ねてきたその歴史を前向きに評価し、褒め称えて「平和の碑」を建てたのである。ところがこれの撤去を条件とすることは、加害者が被害者の問題解決の歴史を抹消しようとする暴力的な動きであり、新たな障害を作
り出すものである。
> ―「二度と問題を蒸し返さないという約束」をしろという前提条件も、加害者側が出してはいけないもので、ありえないことだ。それは、日本政府の正しい責任履行によって実現されることで、韓国政府が前提条件として約束する事柄ではないからである。
被害者が心から納得できる、受け入れることのできる、速やかで正しい解決を願う。
> ※金福童ハルモニの立場
> 「安倍が謝罪の手紙を出して、10億ウォンで解決するって? そんなことで解決はできないよ。こっそり、誰も分からないように手紙を出しておいて、後でまたそんなことしてないって言うつもりじゃないの? 記者をみんな集めて、その記者たちの前で宣言しなきゃ。日本が、安倍の時代にやったことではないけど、祖先たちが私たちに悪いことをしたってこと、戦場に私たちを連れて行って、あんな凄惨な状況で軍人たちにされたこと、申し訳なかったって、許して欲しいって言わなきゃ。それも、一人でやるんじゃなくて、日本政府の公式的な立場でやらなきゃ。それから10億ウォン、私たちがお金が欲しくてこんなに長い間こうしてきたと思ってるのかね? 私たちも、今では韓国政府が生活支援金もくれる
し、民間団体でこうして面倒もみてくれてるんだから、お金がなくて言ってるわけじゃないじゃない。法的に賠償しろってことなんだよ。それは、犯罪国家として、罪をおかしたということを認めろってことよ。そうじやないですか? それから少女像を撤去しろってことだけど、それと問題を解決するのとは関係のない、全く別のことだと思うんだけど、どうしてやたらと少女像をなくせって言うのか分からないね。私たちの国に私たちが建てたのに、どうして日本がああしろこうしろって指図するの? 少女像は私たちの過去の歴史、過去にああいう辛いことがあったってことを、後生に伝えて二度と同じようなことがないように、歴史の勉強をさせる目的で建てたのに、なぜ歴史を消せ、なくせって言うのか分
からない」
しかし、実質的に隠蔽そして放置してきた部分について
表明し、検証を続けてほしいです。
また個々の記憶がリセットされるということは
「ない」ということも心に留めおきたいものです。
これは、当方がアンチ安倍の感情がどうしても先に立ってしまうからなのかもしれません。
でも、あのバカが素直に「日本が悪うございました」などと改心し、本心で頭を下げるとはとても思えません。
両国とも政権が代わり、日本に今のバカ晋三と同じ思考の総理大臣が誕生すれば、またこの問題が
蒸し返されるとしか、当方には思えません。
というか文書もないし、像の撤去(ウィーン条約違反に加えてソウル市の条例にも違反しているとか?)も努力するってだけなんじゃ嫌な予感しかしませんね。
英文で文書化してアメリカ様に確認してもらわないと。それでも「日本側が誠実に果たしていない」として韓国が蒸し返す余地はありますけどね……。
まあ安倍政権はまた要らんことやったな、と。
文書化しないでも、世界に向けてああやって発表したんですから、合意の中身は動かせないと思うんです。
どこが要らん事やったというところなんでしょうか。
安倍政権は支持率のため選挙のため安易で危険な妥協をしたように思えます。
国際社会が厳しく監視してくれればいいんですけど。
特にアメリカは一貫して韓国寄りの態度で日本へ圧力をかけ続けていたらしいので、言うとおりにしたんやからしっかり頼むよと。
ウィーン条約違反にはならないでしょう。少女像を建てたのは市民団体で、韓国政府が建てたわけではないです。宮武先生も指摘されてましたが、国際条約が縛るのは原則、国家だけで、個人に対しては関係ないので。碑文に日本を糾弾するような文言もありません。
あと、ソウル市の条例違反に対して、日本政府が訴える権利あるんでしょうか。ソウル市の許可を取っていないという人もいますが、建設後、ソウル市が追認した状況なら市としては問題ないのでは?