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Four Season Colors

現代詩と映画、読書、ゲーム、スポーツなど雑文を掲載
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ツキイチ映画館(2025年04月)

2025-04-21 | 雑文
月に一度は、映画館で新作観賞を。2025
年4月は、「アマチュア」(アメリカ)。

4月は、予告編を見た中から、迷うことなく、
最近は積極的に観たいものがないなどと愚痴
っているが、素直に本作をチョイス。

俳優さんの声は音として大事なので、選べる
ならば字幕を選ぶが、吹き替え版しか時間が
合わず、吹き替え版を鑑賞。

ストーリーは、アメリカCIAのオフィスワ
ーカーが、テロに巻き込まれた家族の復讐を
果たすというもの。

組織のなんやかんや、身体能力や戦闘技術は
アマチュアなどという味付けはあるものの、
まあ全然に、ハリウッドテンプレート。

主役が、知能は高いがメンタルもフィジカル
も平均というのは、とても現代的であるが、
ゆえに制限もあり、小さくまとまる。

が、邦画みたいな過剰な葛藤はなく、邦画み
たいな泣き叫びもなく、復讐自体は遂行して
結果に対する苦悩もない。

良し悪しではなく、これがハリウッドテンプ
レートというだけで、そういう映画が好きな
人は、安心して楽しめる。

ただ、単作の宿命か、120分で起承転結を
回すために大分ご都合主義で、結構ガバガバ
なので、醒める人は醒めるかもしれない。

自分は、現実味やロジックは最優先ではない
ので、愛する人を失った一般人(アマチュア)
の復讐というコンセプトを十分楽しめた。

そして終盤は、邦画ならこうなるのだろうな
という展開を頭に浮かべながら観ていた。

その時点で、映画に浸れていないということ
はあるのだが、フィクションにおいては、本
作のような結末は嫌いではない。

また、英語を習得していないので偉そうには
言えないが、終盤のとあるキーワードの日本
語は、ちょっと違うなという感も。

と、全体的にあまり褒めていない気もするが、
つまらないということではなく、一本の映画
としては、無難で普通で及第点。

すごい面白いということはないが、かといっ
て映画館で観て損というまででもないという、
よくある評価。

りんねのさじょう

2025-04-17 | 
こうたきぎんじる

ごくらくじょうど

しらぐはさいわい

ひさぐはちのみこ

りんねのさじょう

こうときだんじる

げんせいごりやく

しらねばわざわい

きずけばろうかく

りんねのさじょう

読書のよもやま(2025.04.14)

2025-04-14 | 雑文
「対談集 六人の橋本治」橋本治(中公文庫)

作家である橋本治の六人との対談に、文庫本
ボーナストラックとしてプラス1をしたもの。

対談相手は、高橋源一郎、浅田彰、茂木健一
郎、三田村雅子、田中貴子、天野祐吉の六人
で、プラス1として宮沢章夫。

ちなみに、こうした本はただ対談モノが好き
で買うので、著者の小説は一冊も読んだこと
はなく。

まえがきにある通り、著者の作品を軸に対話
は進み、対象をどう捉え、どう作品づくりを
しているかに触れる。

じゃあ、著者の作品を知らないと面白くない
のではと思いきや、話は過去の日本の古典、
人物、出来事が中心。

源氏物語や平家物語と当時の人々、小林秀雄
と本居宣長などなどを、著者は(今までの見
かたとは違って)こう見る、こう考える。

そういう展開が多く、かつ、それを専門的な
堅苦しいやりとりなく進め、深い知識などな
くても楽しむことができる。

学術的な専門家ではないということを強みに、
素直に物事を見るという著者のスタンスが心
地よい。

それも、現代的な、知識のない物知り顔の、
軽薄な言葉でなく、作品のために時間をかけ
て必要な知識を得たうえでのスタンス。

印象に残る対談は「日本美術史を読み直す」
(浅田彰)と、「王朝を終焉に導く男たちの
闘い」(田中貴子)。

深い知識などなくともとは書いたものの、当
然、知識があった方が断然楽しめる。

その最たるは、「紫式部という小説家」(三
田村雅子)であり、その手の話が好きな人に
はたまらないのでは。

なんにせよ、自分は「物の見かた」という観
点で最後まで楽しむことができた。

1冊の本としては、ボーナストラックのプラ
ス1は異色な感もあるが、おまけだし、面白
くないかとなれば、そんなことはない。

日本は近代で一度断絶した、という歴史観派
には、特におススメ。

みじかないたわり

2025-04-10 | 
最後の労りを覚えています

予定どおりに最後の日まで

数百回と発した身近な労り

最後まで慣れることもなく

目線を胸元にさまよわせて

数百回と受けた短かな労り

最後の労りを覚えています

最後の最後に目をあわせて

数百回と発した身近な労り

不意のことにドキマギして

思わず目線をさまよわせて

数百回と受けた短かな労り

最後の労りを覚えています

予定どおりの最後をむかえ

最後の最後もみじかな労り

読書のよもやま(2025.04.07)

2025-04-07 | 雑文
「ロシア文学を学びにアメリカへ?増補版 
屋根の上のバイリンガル」沼野充義(中公文
庫)

1980年代前半のアメリカ留学と、後半の
欧州滞在(文学研究)の経験から、著者が考
える言語についての(比較的雑多な)本。

先進国のメジャー言語とはいえない、スラブ
系(でいいのか?)を対象に、マイナーゆえ
のバイリンガルなどについても語る。

前半は留学での経験を交え、主に先細るイデ
ッシュ語などを、後半は「理論篇」とあるよ
うに「外国語」を論理的に教えてくれる。

本屋では中は(ほぼ)確認しないので、珍し
くなく、完全に自分のせいなのだが、正直、
思っていた内容とは違った。

多分に勝手に、留学振り返り、エピソード満
載系エッセイだと思って読み進めていたので、
途中で、ああ、そういう系、と気が付く。

まあ、でもこの勘違いは、題名のせいもほん
の少しはあるよなと、他責しつつも、つまら
ないということではないので、最後まで。

半世紀近く前の経験と言語論であるから、当
時の、というか社会的というか歴史的な読み
方に近くなるが決して古いということはない。

グローバル化が進んだとはいえ、未だ国際的
なメジャー言語は英語であり、かの国の移民
のバイリンガル問題も変わらず。

日本人の多くが捉えるポジティブなバイリン
ガルは、現実においてそうでばかりではない
ことは、その通りだなと学び。

前半は当時の資料を視覚的に挟み、当時を知
らない自分たちに、その頃のアメリカの一面
を教えてくれる。

また、後半の言語における人称の差などの理
論篇も、それはそれでとても勉強にはなる。

のだけれど、著者自身がはじめに、なんとも
分類しがたいというのは正しく、どういう本
かの説明が難しい。

とはいえ、なんにせよタイトルから(自分だ
けかもしれないが)想像する体験エッセイば
かりではない、ということにはご注意を。

読みながら、そういえば最近、旅行記とか経
験を交えたエッセイを読んでいないな、と気
が付いたり。