Four Season Colors

現代詩と映画、読書、ゲーム、スポーツなど雑文を掲載
詩集4冊(各110円)をAmazon「Kindleストア」で販売中

空中旅行さモノレール

2024-10-31 | 
ほんの数駅の空中旅行

街行くアトラクション

乗り降りに揺れる車両

予告に身構えてカーブ

ただよう靴底の下の霧

窓を拭けばゴッドレイ

あっという間に終着駅

空中旅行さモノレール

読書のよもやま(2024.10.28)

2024-10-28 | 雑文
「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再
生・日本製紙石巻工場」佐々涼子(早川書房)

2011年3月11日の東日本大震災で、壊
滅的な被害を受けた日本製紙石巻工場の再稼
働までを辿ったルポルタージュ。

稼働が長期間止まれば、書籍の流通に多大な
影響を与える規模を誇る製紙工場は、被災か
ら半年での再稼働を目指す。

石巻工場はまともに津波に飲まれるも、被災
時に工場にいた関係者は死者を出すことなく
避難を遂げ、本書はその過程からはじまる。

そして、関連会社を含めた社員へのインタヴ
ューを中心に、被災の状況から再稼働までを
丁寧に追っていく。

ただの大きい製紙工場ではなく、地域のシン
ボルとしての石巻工場の復興は、地域の雇用
だけでなく、精神面をも支え。

工場には多くの死体もあり、社員は非現実的
な現実のなか、できることを、できる限りこ
なしていく。

当事者でない自分たちは、これを感動だとか、
賞賛すべきとか、そういう容易な言葉で表現
することはできない。

その場で、その時、なにがあり、どのように
時間が進んでいったかを、ただ、知るのみで
ある。

まだ一冊しか読んだことがないが、著者はノ
ンフィクション作家というよりは、記者に近
い職業ルポライターであると認識している。

本書は、それが良い方向に働いているように
感じ、変にフィルターも主張もなく、淡々と
出来事を追うことができる。

後世に記録を残すという意味では、これがよ
いと思うし、これからあの大震災を知らない
世代への教材としても、よいのではないか。

逆に言えば、対象を書かずにはいられないと
いうような、ノンフィクションとしての深さ
や熱さはない。

それでも、時間の経過に対して、消費と劣化
と忘却の速度が異常に速い現代では、こうい
うルポも、必要なのだと思う。

MOON-LET

2024-10-24 | 
知らない内に捕われ

距離を保ちながらも

追突しそうに危うい

群れのエキストラは

主にまわり寄り沿う

環の中ムーンレット

またたく間に消えて

気づかれることない

環の中ムーンレット

ツキイチ映画館(2024年10月)

2024-10-21 | 雑文
月に一度は、映画館で新作を。2024年の
10月は、「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」
(アメリカ)。

アメリカのコミック「バットマン」シリーズ
の悪役である、ジョーカーを主人公にした実
写映画の2作品目。

本作とつながりのある前作「ジョーカー」は、
2019年ということで、5年ぶりの新作と
なる。

ツキイチ映画館で観ている気がするので、デ
ータを探すと、前作を「バットマン」オリジ
ンであると感想を述べている。

別に5年たっても、その評価は変わらないの
だが、今作をどうかとみれば、もはや「バッ
トマン」は影もないよう。

そもそもバットマン素人であるし、前作の評
価も個人の勝手なものだが、今作のジョーカ
ーは、はたしてヴィラン(悪役)か。

前作に引き続き、アメコミに思い入れがなけ
ればないほどに、この映画はただの社会系ヒ
ューマンドラマだろう。

なんにせよ、やたらと情緒と葛藤を描く現代
ならではの、今の時代でしか作られない作品
であることは、間違いがなく。

ジョーカーという背景を考慮せずに観れば、
何ということもない、退屈な一人の挫折の映
画である。

アメコミ、バットマン、ジョーカーという付
加価値に意味があり、評価にそれらが欠かせ
ないのであれば。

続編はない(考えていない)らしいが、自分
はここまでかなとも思う。

ツキイチでは、予習はしないようにしている
が、本作は、ネガティブな情報が避けられな
いくらいに溢れていた。

自分は一般の嗜好者であるし、奇をてらう趣
味もないので、観終わっての感想は、まあ、
おおむね同じである。

娯楽映画としては面白さに欠け、お歌がなけ
れば100分未満だろうし、話も人も魅力に
欠ける、よくある(予算が)大作の凡作。

a.m.3時半

2024-10-17 | 
今日か明日か曖昧な

微睡みのa.m.3時半

物音に増える β波に

後悔の今日を振返り

やがて訪れる明日と

増える Θ派a.m.4時

今日か明日か曖昧な

微睡みのa.m.3時半

無音に増える α波に

希望の明日を夢見て

やがて訪れる今日と

増える γ波a.m.4時